プールで25mを泳ぎ遊泳のコースに入って壁際で息を整えていた時に・・・。
ふと隣を見ると可愛い4~5歳の女の子に2mくらい離れた、ところで若いお母さんが両手を伸ばして
「おいで・・・おいで・・」と言われているようだ。
女の子は母親を見て壁を離れて母に向かい泳ぎだした。
すると母親は子供さんが近づくと一歩・・また一歩とあとすざりをした。
子供さんは傍目に見ても必死に泳いでいる。
それでも中々母親に届かなく溺れかかり方向を変えて側のプールの端に捕まった。
母親も子供の異常に気づき直ぐに子供を抱こうとしたが子供さんはプールの端にしがみ付いたまま中々離れない。
よほど怖かったのだろう。
子供さんは壁を離れる時にしっかりと母親の位置を確かめて飛び出しているのだ。
母親がそのままの位置で泳ぎついて来た子供さんを受け止めて抱きしめ
「よく泳いだね」と褒めてやれば子供さんは計算?通りに難なく母親に泳ぎついた達成感と喜びを感じて、ことによると もっと遠くまで泳げるかも?と新たな希望も芽生えるのでは?と傍らで見ていた我輩はそう思ったものだ。
若しも母親が動かなかったら子供は難なく母親についたと思う。
・・・ところが母親はもっと・・・もっと泳がせたいと、あとすざりをして子供さんの計算より遠くに行った。
このような光景はよく見かける。
若しも子供さんに泳ぎを教えるなら最初の位置を替えないで子供さんに達成感を味合わせて
「さあ 今度はここまでよ」と3mくらいに離れ次の目標を与える。
子供さんは自分の判断で母親まで泳げると思うと躊躇いなく壁を蹴ることだろう。
反対に子供さんが そこまでは泳げないと判断したら決して壁を蹴らないだろう。
その時は逆に母親が子供さんに少し近づき子供さんが自信を持って泳げるところまで近づけばいい。
暫くして、その子を見ると母親の背中にしがみついて母から離れることはなかった。
泳ぎを教えようとして水の恐怖を教えたようだ。
水の恐怖を教えることも悪いことではないが・・・・。
この子が泳げるようになるのは いつの日になるのだろうか?
子供を騙してはいけないのだ。
我輩が話ができれば話たかったが、これは この親御さんと子供さんで解決しなければならない。
母親に辿りつけなく途中でプールの端にしがみついた、あの時の幼い可愛い女の子の顔は恐怖に歪んでいた。

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5月21日付 編集手帳 (読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20110520-OYT1T01196.htm
近所のみすぼらしい下宿屋が「群鶴館」という美しい名前と知り、猫がつぶやく。〈名前に税はかからんから御互(おたがい)にえらそうな奴(やつ)を勝手次第に付ける…〉。夏目漱石『吾輩(わがはい)は猫である』の一節である◆世の中には実態とかけ離れた皮肉な名前があるもので、新聞紙面で最近よく見かける「SPEEDI」(スピーディ)も、その一例だろう。放射性物資の拡散を予測するシステムである◆正式名称「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」から頭文字を拾った略称だが、「speedy」(=速やかな)を意識しているのは間違いない◆福島原発から拡散した放射性物資の予測試算を政府が初めて公表したのは3月23日のことで、遅すぎたと批判されている。じつは事故発生の翌日、3月12日には官邸にファクスで報告されていたのだが、担当部局で止まり、首相や官房長官のもとには届いていなかったという。「スピーディ」が遅かった――悪い冗談のような“人災”である◆猫の言うように、名前に税はかからない。「スピーディ」のシステム構築には、しかし、百億円単位の税金が使われている。
(2011年5月21日01時12分 読売新聞)
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