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http://mainichi.jp/opinion/news/20130819ddm003070193000c.html　以下全文

風知草:チャイナ・ギャップ＝山田孝男

毎日新聞　2013年08月19日　東京朝刊

　曲解にも負けず、宣伝にも負けず、ばかげた放言を慎み、けっして卑屈にならず、相互理解を焦ることなく、世界に届く言葉で信念を伝え続ける−−。

　今どん底の日中関係に臨む日本の心構えを要約すればこれに尽きよう。

　最高気温の記録更新に驚く夏だが、日本の防衛論争を伝えるＣＣＴＶ（国営中国中央テレビ）の報道ぶりを見て、もっと驚いた。

　閣僚と識者が集団的自衛権について話し合うＮＨＫテレビ「日曜討論」（４日放映）の映像が流れ、「日本がまた戦争をする口実を探しています」とミもフタもない解説である。

　６日、麻生太郎副総理兼財務相（７２）が海上自衛隊の新護衛艦「いずも」の進水式に立ち会うと、ＣＣＴＶはこれを麻生の例の「ナチスに学べ」発言に結びつけ、右傾化、軍国主義の動かぬ証拠と断じた。

　小さな扱いではない。１時間のニュースの冒頭から３０分以上、日本の国防の動きを日本のメディアよりも詳しく、ただし、偏見に基づいて報じていると筑波大の遠藤誉（ほまれ）名誉教授（７２）に教えていただいた。

　この人は旧満州国の首都新京（現在の中国吉林省長春市）生まれ。少女時代を中国で過ごし、１９５３年、１２歳で帰国した。物理を専攻して博士号を取り、大学で「確率統計論」を講じていたが、８０年代、中曽根康弘政権下で急増した中国人留学生の世話をしたことが転機となり、近年は中国分析で精力的な評論、著作活動を展開している。

　旧満州国崩壊に伴う苦難の脱出行は「〓子（チャーズ）／中国建国の残火」（遠藤、２０１２年朝日新聞出版など）に詳しい。〓子は関所。長春郊外の国民党軍と共産党軍の緩衝地帯をさす。

　自由の天地かと思われた鉄条網の内側は、実は数十万の餓死者の山だった。１９４８年、遠藤、７歳の体験だ。人肉食も横行する地獄へ知らずに紛れ込んだ遠藤の一家は死体の上で野宿し、命からがら共産党の支配地域へ抜け出す。

　だが、技術者の父は共産党に利用され、一家はすぐには帰国できなかった。４９年、中華人民共和国（今の中国）成立。保俊秀と中国名を名乗り、天津（てんしん）の小学校で学んだ遠藤は宣伝歌「反対武装日本」（日本武装化反対）を歌わされた。５１年の旧日米安保条約締結に反発した毛沢東の指示。政治判断に基づく教育宣伝は建国以来のお家芸だ。

　今の日中摩擦の焦点は尖閣諸島である。中国は、尖閣は「カイロ宣言などに基づき、中国（当時の中華民国）に返還された」と主張している。カイロ宣言とは１９４３年末、米英と中華民国の３首脳が、戦後の日本の領土の扱いを取り決めた合意文書である。

この時、ルーズベルト米大統領が蒋介石（しょうかいせき）・中華民国主席に尖閣を含む琉球諸島の領有を勧めたが、蒋は断った。

日本と関係を保って毛沢東を退ける思惑だったという。

遠藤は裏づけの米公文書、その経緯を認めた中国政府系メディア所載論文を発掘し「チャイナ・ギャップ／噛（か）み合わない日中の歯車」（今年１月、朝日新聞出版）を書いた。

　恨みの筆ではない。

「〓子」には、遠藤を侵略者とののしった級友をたしなめる小学校教諭・馬（マー）先生の逸話も登場する。

「バカを言うんじゃない」

「日本のすべての民が悪人で、中国のすべての民が善人であるはずがない……」。

幼い遠藤はうれしくて泣いた。ののしった子の父親は日本軍に殺されていた−−。

　粗野な放言でも、卑屈な沈黙でもない、

実のある発信が必要だ。（敬称略）（毎週月曜日に掲載）

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つぶやき

＞遠藤を侵略者とののしった級友をたしなめる小学校教諭・馬（マー）先生の逸話も登場する。

「バカを言うんじゃない」

「日本のすべての民が悪人で、中国のすべての民が善人であるはずがない……」。＜

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 名もなき中国の小学校の教師のこの言葉。

今の日本の教諭に　これだけのことが言える教師がいるのか？と・・・つい思う。

以前　読んだ『一切語るなかれ―東条英機一族の戦後』読売新聞社 を思う出す。

戦後　東条英機の息子と言うだけで何処の小学校も入学が断られるが　なんとかある小学校に入るも教師は彼を無視する。

仕方なく彼は一人教室から校庭に出て学校が終わるまで一人で時間をすごす。そして何食わぬ顔をして帰宅する。親に心配をかけぬためである。

その子供（生徒）の姿を見ても何も感じない教師・・・読みながら この情けない教師と孤独な子供の姿に涙が出た。　

卡子(チャーズ ) ： http://www.ne.jp/asahi/cn/news/text/culture/jiaze.html　　

 卡子（チャーズ：　http://blog.goo.ne.jp/baileng/e/511baaad9aa3364c9be6f2e501896f55　　

 ↑　かなり長い　ブログ記事ですが私は読みこたえがありました。

 

 

外は凄い暑さです。郵便を取りに出ただけでむせ返る暑さに汗をかくほどです。風はありますがむッとする風です。　「やれんね～」と言いたい。　（午後１３時半　）