「ご飯だよ～」でも囲碁は止められない・・・

朝の蜜柑のジュースだ

「ご飯だよ～」台所から大きな声が届く。

毎回の食事が始まる時のカミさんの怒鳴り声である。

私の耳が遠いのとテーブルの上のパソコンを片付けろ！と言う合図でもある。

そして朝食の時は小型のワイングラスに蜜柑の絞りたてのジュウスを先ず持ってくる。

これがいい。

（カミさんに聞くと蜜柑1.5 ヶ分だそうだ）

このジュウスは美味い。　　

飲んで始めて、その日が始まる感じである。




このジュースを入れたミニグラスはカミさんのお気に入りだ

ガラス工芸店で1500円したそうだ。

うェ～　と貧乏人の私はビックリするのだ。


　
私は決して朝はカミさんに文句は言わない。　

子どもの時から朝は、その日の始まりだから、大事にしないといけない。

と祖母から言われて育ったものだ。

少々気に障ることがあっても、

「それは、朝は言ってはいけない」また、出かけの玄関では

「出かける者が不愉快になるようなことは決して言ってはいけない」ともよく言われた。

朝は神聖な時間と今も私は思っているし大事にしている心算だ。

反対に夜は「感謝」の時間だと教わっていた。

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多少異議があるのはカミさんが食事を作る時間である。

私の感じでは非常に遅い。　

「おい、食事の支度を、もう少し早く出来ないのか？」と時に文句を言うこともあるが、カミさんは全く気にしていない。

「なら、あんた。作りなさいよ」などとも決して言わない。

ただ、私の苦情は無視されているだけである。

されど非常に手間をかけていることは事実である。

これでは時間もかかると納得はするが、そんなに丁寧に作っても根が雑な私には余り感謝はされないのだ。

暫くしてトレイの上に、ご飯やオカズを乗せてやってくる。

「未だ（パソコン）やっている。早く仕舞いな！」少々怒ったような声をだす。

これも毎度のことである。

我輩は、そのままテーブルの上でパソコンを少し横にずらすのみである。

「そんな、ことをして・・・食事はちゃんとしてよ」カミさんの毎度の苦情である。

我輩も毎度のことなので、無視して食事にかかる。

パソコンの電源は入ったままである。

食事中もチラ・チラとパソコンを見ながら、時にはマウスでなく指でポインターを動かしてポンと軽く叩く。

カミさんが切れるのは、たいがい夕ご飯の時である。

その時分には、私はよくパソコンで囲碁をやっていることが多い。

カミさんから

「ご飯だよ～」と言う怒鳴り声が聞こえても止めないのだ。

この声が聞こえてから食事が運ばれて来るのは２０分くらいかかる。

食事が来て食事に手を付けても私の眼はパソコンの囲碁の状態を見ている。

「ふ～ん」

「困ったな～」パソコンの打った手に思わず唸る。

カミさんが

「消化に悪いから止めな！」また怒鳴る。

「分かったよ・・・」と食事を始める。

が。

眼はパソコンに釘付けだ。

然し、食事中のときの囲碁は大抵パソコンに負ける。

「二兎を追うものは一兎も得ず」だ。

消化も悪いし、囲碁にも集中出来ない。

パソコンの打った石に思わず

「くそ～～」と呟（ツブヤ）く。

私のつぶやきを聞いて流石のカミさんもついに切れる。

「あんた、食べるの？食べないの？片付けるわよ！」ついに切れたか？　

「今、食べるから少し待て・・・・」

この時は流石に私も食事に集中せざるを得ない。

カミさんを怒らすと、我輩と謂えども、

どもならん！

囲碁は途中で残念であるが×印をクリックしてアプリケーションを落とし終了の処置をする。

食事中に他のことをするなど子供の時に、このような事をすると、ちゃぶ台から摘み出されるが、大人（オトナ）っていいな。

何でもできる。

カミさんが怒鳴ろうとも、我関せずだ。

近頃はカミさんも諦めたのか、余りグズ・グズ　言わなくなった。

「こいつ(各言う私である)が死ぬまでは我慢をするか？」と言ったところかな？

まさか？

これは私の僻（ヒガ）みか？

或る時　戯（タワム）れに

「おい、俺が死んだら（お前は）楽になるな～ァ」と言ったら本気で怒られた。

「バカも休み休み言うものだよ」この私のノウ天気な戯言（ザレゴト）は、ちょいとカミさんには厳しかったかな？

大いに反省しゅる。

頭に血が回らない分、血は足に回っているのか足は益々膨らんできている。

浪速節に「バカは死ななきゃあ、治らない」お馴染みの唸りのとこだ。

然し

「死んでバカが治ったという話は聞いたことが無いな？」とカミさんに言うと

「なにをバカなことを言っている」と一蹴された。
　

歳はとってもバカは治らないくそ爺だ。