余録:カッコウのヒナの背中にはくぼみがある…

毎日新聞　2015年02月06日　01時00分（最終更新　02月06日　01時01分）

　カッコウのヒナの背中にはくぼみがある。カッコウはモズやオオヨシキリの巣に卵を産んで育てさせる托卵（たくらん）の習性で知られる。そのヒナは生まれるとすぐに巣の中にあるモズなど仮親の卵を背中のくぼみにしょって外へと放り出すのである

▲生まれてすぐにこの所業とは悪辣（あくらつ）極まるが、鳥の間の生存競争とあれば仕方ない。ある種のヨシキリを仮親とするカッコウのヒナは、巣の中に自分しかいないのにヨシキリのヒナがたくさんいるような鳴き声を出す。親心を刺激し、たんまりエサをもらう詐術である

▲もっとも仮親の方とてだまされてばかりもいない。カッコウが産卵のために巣に近づくと激しく攻撃したり、卵を見分けて排除したりと防御策を講じる。新たに托卵の対象となったオナガが１０年ほどでカッコウを攻撃し、卵を識別するようになったという研究もある

▲ニセの声で親心を刺激するオレオレ詐欺をはじめ、還付金詐欺、金融商品詐欺などの特殊詐欺の被害が昨年とうとう５００億円を超えた。もちろん過去最悪で、被害者の約８割が６５歳以上の高齢者である。現金の受け渡しに宅配便などを利用する手口の進化も著しい

▲一方でだまされたふりをして警察に通報するなど、高齢者の側からの反撃もなされた。しかし摘発されるのは半数以上が現金授受役で、首謀者はわずかである。最近では現金化には本人確認が求められる「預金小切手」を用いた被害防止策が効果をあげた地域もある

▲種の存続がかかる托卵の攻防は相互にすばやい進化をもたらすらしい。ここは何とかペテン師どもの悪知恵の進化を追い越したい特殊詐欺封じ込め策だ。

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つぶやき

　高齢者の「虎の子」を搾取する「おれおれ詐欺」は中々留まるところを知らない。　歳をとれば身体の感覚も鈍り頭の回転も鈍る。私もそれをこの頃　それを痛感している。　こればかりはどうしようもない現象ではないか？

さりとてこれらの身体の衰えを防ぐ打つ手はない。　　せいぜい惚け防止の運動やクイズくらいか？　　自分の身体の衰えを嘆いてばかりはしておれない。身の周りの生活用品も調子がくるってきたようだ。

先日もカミさんが洗濯機の前でなにやら考え込んでいた。「どうしたのだ？」と聞くと「この洗濯機・・・少々可笑しいのよ」と言う。　「何が？」と聞いてもハッキロリしたことをお言わない。

どうもスイッチを入れても動いたり動かなかったりするらしい？　そういえば我が家の電化製品も全てなんとなく調子がおかしくなったようだ。　近頃は機器類の退化も早まった感じがする。　

還り見れば酔生夢死か？