（内容証明）知っておきたい民法_その194

民法第376条には、次のように書かれています。

1 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。

2 前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。

「抵当権を他の債権の担保」とは、転抵当を指します。

この条文は、かなりややこしいのですが、簡単にまとめますと、抵当権の譲渡、抵当権の放棄について書かれています。

例えばですが、Aさん（一番抵当;1,000万円）、Bさん（二番抵当;500万円）、Cさん（抵当権なし;1,000円）だとしましょう。

抵当不動産が、1,500万円で買い手が決まったとしましょう。

何も変更がなければ、Aさん1,000万円、Bさん500万円、Cさん0円となります。

Aさんが、Cさんに、抵当権の譲渡を行いました。

そうしますと、Cさんが先に取ることになりますので、Cさん1,000万円、Bさん500万円、Aさん0円となります。

Aさんが、Cさんに、抵当権の放棄を行いました。

そうしますと、AさんとCさんは、債権者平等の扱いとなりますので、

Bさんは変わらず500万円、Aさん:Cさん＝1000:1000＝1:1ですので、Aさん250万円、Cさん250万円となります。

ちょっと難しかったでしょうか？

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