近鉄長野線喜志駅から富田林駅間で行われていた高架化工事で、6月10日、下り線も高架に乗り入れました。同時に2つの踏切も廃止されました。古市駅では立体交差化を記念して、数量限定の入場券やキーホルダーが販売されています。<宮原裕、長田恭一、小畠綾花、善家碧唯、木本まなみ>
(写真:始発電車が高架を下る様子 2023年6月10日5時20分、喜志7号踏切から撮影)
▼火花散らし深夜のレール切り替え作業
喜志駅から富田林駅間では、6月10日午前0時26分に地上の線路を走行する最後の電車を見送り、本格的に作業を開始。切り替え箇所のバラストをスコップとショベルカーでかきだし、火花を散らしながらこれまでの線路を切断。声を掛け合いながら、てこを使って線路を高架側に移設しました。
(写真:線路を切断する様子 同10日1時13分、喜志1号踏切から撮影)
(写真:線路を移動させる様子 同10日1時24分、喜志1号踏切で撮影)
近鉄長野線沿線に住む大学生は、「人海戦術というか、人の力で線路は動かすんだなと感動しました。中学、高校の時から長野線は使ってて、高校2年か3年の時から高架化工事が始まって5,6年。やっとここまで来ましたね」と感慨深そうに工事を見つめていました。
▼粟ヶ池バイパスなど2つの踏切も廃止に
同じ時間帯に2か所の踏切でも作業が進められました。警報機と遮断棒が撤去され、踏切解除の看板が設置されました。まだ線路が敷かれたままのため、一部の車両は一時停止して通行していました。
(写真:廃止された粟ヶ池バイパスの踏切 同11日12時14分、粟ヶ池大橋から撮影)
▼始発電車に手を振る人も
始発電車の前には試運転電車も運行され、線路の状況を確かめていました。
5時13分、いよいよ高架化が完成し初めての喜志駅発始発電車が出発すると、沿線の住宅からは手を振る人の姿も。
車内には、全面展望を撮影する鉄道ファンと思われる人が乗り込んでいました。
列車に乗った人は、「やっとか、って感じです。上り線が高架化になった半年後くらいに下り線も高架になると思っていましたが、1年かかったので結構待ちました。近鉄のホームページを沢山チェックして、いつ高架化するのかずっと追っていた」と話していました。
この日、下り線では、始発から数本は、現場付近を速度を落として通過していました。
(写真:切り替え部を走行する始発電車 同10日5時13分、喜志1号踏切から撮影)
▼記念の入場券やキーホルダーを販売
今回の近鉄線と府道美原太子線粟ヶ池バイパスとの立体交差完成を記念して、この日から、近鉄古市駅の出札窓口では記念グッズの販売が始まりました。台紙付き記念入場券が1セット360円、記念キーホルダーが1個600円です。記念入場券が300セット、キーホルダーが200個の数量限定販売です。販売期間は7月31日(月)まで、7時から10時と19時から20時の間で、先着順に販売されます。
(写真:記念入場券)
(写真:記念キーホルダー両面)
了