河南町立中学校の吹奏楽部と、大阪芸大ウインド・オーケストラが合同で行う演奏会、「ぷくぷくサンデーコンサート」が、7月9日(日)に河南町のぷくぷくドームで開かれました。30度を超える真夏日でしたが、中学生と大学生ともに刺激しあった演奏に大きな拍手が送られました。<大坪千成>
(写真:来場者に礼をする河南町立吹奏楽部と大阪芸大ウインド・オーケストラ。2023年7月9日撮影。画像の一部を加工しています。)
この演奏会は、まちづくりの一環として河南町の教育委員会が主催。河南町立中学校吹奏楽部と大阪芸大ウインド・オーケストラが、毎年合同ステージを披露しています。コロナウイルスの影響で2020年と2021年は中止になりましたが、今年は第26回の開催となりました。
本番前日の7月8日には、大阪芸大の14号館ホールで合同練習が行われました。
中学生と大学生が1対1で、タイミングや音程を調整。指揮をする大阪芸大演奏学科の伊勢敏之(いせ・としゆき)教授のアドバイスを受けて、ドラムの叩き方を確認したり、大学生がお手本を見せたりするなど、真剣な表情で練習していました。
(写真:伊勢教授の指揮に合わせ、楽器を構える様子。2023年7月8日撮影。画像の一部を加工しています。)
(写真:中学生にアドバイスする大阪芸大生。2023年7月8日撮影。画像の一部を加工しています。)
河南町立中学校吹奏楽部顧問の山根郁(やまね・いく)教諭は「(中学校には)こんなに広い音楽室はないですし、上手な人が横にいてくれるというのは生徒にとって勉強になる」と笑顔で話します。
練習に参加した芸大生も、「中学生が楽しんでくれているのが分かったので、すごくうれしかった」と答えてくれました。
(写真:中学生と大学生が並んで練習に励む様子。2023年7月8日撮影。画像の一部を加工しています。)
翌7月9日。いよいよコンサート本番。
用意されていた約370席は、続々と訪れる来場者で埋まっていきます。「うちわ」が配られるなど、暑さ対策が行われる中、コンサートが始まりました。
(写真:大勢の観客で賑わう、ぷくぷくドームの会場ホール。)
第1部は、中学生と大学生の合同演奏です。伊勢教授が笑顔で大きく指揮棒を振ると、力強い響きで、一曲目の「いつも風 巡り合う空」(作曲:福島弘和)の演奏が始まりました。
(写真:演奏を始める河南町立吹奏楽部と大阪芸大ウインド・オーケストラ。画像の一部を加工しています。)
続いて、いろんな年齢層の人が楽しめるよう選ばれたという、「すずめ feat.十明」(作曲:野田洋次郎、編曲:郷間幹夫)、「ロマネスク」(作曲:J・スウェアリンジェン)、「新宝島」(作曲:山口一郎、編曲:郷間幹夫)などの曲が披露されました。
第二部では、大阪芸大ウインド・オーケストラのステージ。立ち見ができるほどの観客席から、惜しみない拍手が送られていました。
(写真:コンサートの様子。拍手を送る人々。画像の一部を加工しています。)
来場した女性は「中学生も大学生も一体となっている。一つの想いが実ったような、素晴らしいコンサートでした」と満足そうでした。
中学生の保護者は、演奏する娘の姿を見て「上達していて感動した」としみじみ。大学生とコラボしたことについては、「河南町には芸大があって、恵まれていると思います」と話していました。
「たくさんのお客さんに迎えていただいて盛り上がった。客席と一体感があって熱気がありました」と伊勢教授も手応えを感じたようです。
(写真:インタビューに答える伊勢敏之教授。この演奏会では指揮者を務めた。)
中学生と大学生が合同で演奏することについては、「どんなプロも、楽器を演奏するきっかけは、中学や高校の吹奏楽部(での経験)がきっかけになっていると思う。その時に音大生や芸大生と勉強するのはメリットがあると思う。『こんなふうに吹いたらいい』とか『上手な人が吹いたらこんな音が鳴るんや』というようなイメージがつく」と解説。
学生たちも教えることで学びがあり、喜びを感じていたようです。
伊勢教授は「双方にメリットがあると思うので、これからも続けていきたい」と話していました。
了
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