ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

国策 2

2011-05-05 01:31:17 | 手前かってな推論。
 かつて高知県の東部地域において国策としての事業が決定され、現在も地域に重大な問題を解決できないでいる事柄があります。

 偶然その議事録を発見したのです。

 衆議院会議録情報 第016回国会 通商産業委員会 第31号
 
 昭和28年8月6日(木)午前10時33分開議

 という議事録です。
 請願の37.奈半利川の電源開発に関する請願。

 委員発言
 「本請願の要旨は、四国の電源開発は中国、九州または関西地方に送電し裨益せしめる国策的開発で、速やかに開発に着手すべきであるが、目下四国電力会社と住友共同電力会社間で高知県奈半利川の水利権をめぐって係争中で、両社その立場を異にしているため解決至難の実情にある。ついては、大乗的見地から両社を強調せしめるとともに、開発会社によって四国の電源開発を促進されたというのであります。」

 説明員発言
 「ここに述べられております高知県の奈半利川開発の問題につきましては、いろいろ四国電力と住友共同電力との間に争いがあったのでございまするが、政府といたしましては、ただいまいずれにも開発担当者を決定することをいたしませんで、さしあたり電源開発会社をして、さらに総合的に調査をせしめるということで、先般電源開発調整審議会におきまして、奈半利川を電源開発会社の調査地点に指定いたしたのであります。奈半利川の開発は、単に四国の電気の需要を満たすのみならず、中国、九州に四国の電気を流して、西日本の電気全体の、需給調整をはかるという意味から検討されなければならない問題でございまして、そういう意味でそういう角度から開発会社で調査してもらうことになっております。」

 この日には電気事業法の改正についてや、自家発電などについても論議されています。

 結果として奈半利川には3ヶ所にダムが建設され、未だ濁水問題が解決されずに今に至っているのです。

 会社同士が争い利権獲得に奔走した様が想像できます。
 さらに、高知県のためでなく西日本全体のために、それを作るとした図は、東京と福島県の関係が思い浮かんでつい・・・。

 利益享受は都会で田舎はひたすら我慢するのです。それが国策なのだろうか。
 そして企業はひたすら・・・。あ~~~。

 困ったもんだ。
 ということは、西日本全体の電力消費料金に奈半利川濁水対策費を上乗せして徴収し、問題解決を図るということになるのだろうか。

 ならないだろうな。

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国策? 1

2011-05-05 00:18:39 | 手前かってな推論。
 東京電力はどうやら今回の災害に係わる賠償金の調達について、電気料の値上げで対応しようとし、国はそれを容認するようだ。

 ということは電気料金を払う利用者が賠償金を支払うということになるのですがね。
 そうした方法しかないのだろうか。
 またなんで、そうした対応策しか出てこないのだろうか。
 
 もう一つ興味がある発表がありました。

 五月二日でした。経済産業省は経産省から電力会社への天下りが過去50年間で68人あったとの調査結果を発表したのです。このうち13人は現在も顧問や役員などの肩書で勤務しているそうで、電力会社と監督官庁である経産省との緊密な関係を維持しているというのです。
 そうしたことから原子力発電所の安全基準のチェックを甘くさせるなどの弊害がでているのではないかとも指摘されています。

 経産省の調査によると、天下りの人数は北海道電力5人、東北電力7人、東京電力5人、北陸電力6人、中部電力5人、関西電力8人、中国電力3人、四国電力4人、九州電力7人、沖縄電力4人、日本原子力発電8人、電源開発6人。このうち中国電力をのぞく11社で現在も1~2人の経産省OBが残っている。
 調査では経産省(前身の通商産業省、商工省を含む)の元職員で、再就職先で常勤の役員か顧問だった人物を対象とした。電源開発については、平成15年10月に民営化されてからの在籍者を集計している。

 経産省から電力会社への天下りをめぐっては、石田徹・前資源エネルギー庁長官が今年1月に東電の顧問に就任したが、東電福島第1原子力発電所の事故後の4月に退任した。石田前長官の天下り人事については、枝野幸男官房長官が「個人の責任と判断で適切な対応をすると期待している」と述べるなどしていた。

 こんな記事がネット上で頻繁に掲載されている。

 癒着という言葉がある。
 相互扶助というのもある。誰と誰が何をしているんだろう。

 ただ国や東京電力は最終的には国民なり消費者といった一般の方々に負担を被せて、後は知らん顔をするのだろうか。

 困ったもんだ。
 国策という名前の暴力でしょう。

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これから

2011-04-24 09:54:57 | 手前かってな推論。
 地震から津波が発生したことで、原子力発電所自体が壊滅的な状況になってきました。
 避難住民が東京電力の社長に向かってこのように言いました。
 「原発を東京にもって帰ってくれ。」
 無理だとわかっているのに、言いたくなっている彼らの心情はよくわかります。

 電力の大量消費地東京の需要を賄うために、福島県に原子力発電所を設けて発電能力を一挙に拡大した結果、このような事態になっているのです。
 直接的な原因は地震であり津波なのですが、そうなのです。

 東北の災害については、出来る限りの義捐金を送ること。
 それだけしか出来ませんが、高知県でこれから起こるかの知れない南海地震対策について考えています。

 キーワードは循環と分散。
 結果としては、地域が自立を目指すことになるのです。
 食料品とエネルギーの自給自足。それこそが自立するということではないかと思っているのです。



 花の谷(安芸郡北川村宗の上)にある砂防ダムです。こうしたダムが何箇所もあります。こうした場所で小水力発電が出来ないだろうか。
 
 北川村には既にダムが3ヶ所、発電所が3ヶ所ありますが、これらは四国中のもの、これから谷に住む人々が必要な電力を作るのです。

 そして作付けが出来ない、放置されている田畑を耕作することで、そこに住む住民の食料品を作るのです。

 ゆっくりとゆっくりと問題をやっつけていこう。
 きっと楽しい作業になるでしょう。

 今日はいまから選挙に行って、それから花の谷に向かいます。
 また、石垣に向かいます。そして帰り際に竹の子を獲れればいいですね。

時間の価値

2010-10-01 01:05:43 | 手前かってな推論。


 最近、仕事で吉良川町をうろうろしているのですが、なにかしら「おかしい。」と思っていたのです。
 吉良川町は古い歴史があって、街並みにしても”重要伝統的建造物群”として、公の評価も定まっているのですが、なんだろう、この違和感は?。

 キレイすぎるのですね。修理をする費用が助成されることで、多くの建造物が、見違えるほどの修繕を受けているのです。

 漆喰壁も真っ白けだし、石塀も一度壊して積みなおした場所などは、古さを感じさせてくれないのです。やはりこれから20~30年経過してからでしょうかね。それらしく感じられるのはね。

 奈良や鎌倉の大仏さんを建築された当初の金ぴかにしてしまったような感じがしたのです。歴史を踏まえて修理をすることが出来なかったのかなあ。

 これはあくまで私見です。

 レンガの造作もたくさんありますね。ここには。
 レンガだけは、全く新しく積みなおした場所はなかったように思えました。



 町歩きの楽しみは、形ではなく雰囲気や印象を大事にすることかと思っています。



 この塀などは、下部は大きめの石を空積みにして、上部は赤土で小さな石を留めてありますが、底辺から上部にかけてそっくり返るほど、後ろへ角度をつけて積み上げてあります。地盤が砂地のため弱いということなのだろうか。
 形から、原因を推論する。楽しい作業です。

 奈半利町の石塀とは、積み方に少し違いがあります。考えてみると面白そうです。
 あと2~3日、吉良川の街並みを楽しむ時間がとれそうです。

 それに吉良川町って案外と人の住んでいない家が結構ありますね。もったいないと思うのですが、ご時世ですからね、仕方ないということなのでしょう。
 かつては商店としてお客を迎えていたような家も、今は普通の住宅となっているのは仕方ないにしても、ほとんどのそうした家がカーテンを閉めていて、視界を遮断しているのも気になります。

 道路も全体として車社会に対応した形になっていないのですから、駐車場の位置や駐車台数に問題がありますねえ。

 観光事業として考えると、いくつか問題がありそうですが、いい場所です。
 もっともこの町は歩いて見て回るべき場所ですから、座る場所がもっとあるほうがいいようです。そして周辺に駐車場ですね。
 広くなくてもいいですから、あちこちに2~3台ずつ止められるような、ミニ駐車場を作ればいいですね。

 カメラを持って、ゆっくり歩ける場所です。

納得です。

2010-09-21 23:23:11 | 手前かってな推論。
驚きました。こんな驚きは久しぶりで、しかし納得しました。何かというと先の9月10日のブログに書いた村木さんの事件です。あの時点では納得できないと思ったのですが、こうでなくてはなりません。

 障害者団体向け割引郵便制度をめぐって、偽の証明書が発行されたとの郵便不正事件。その事件の、証拠品として押収したフロッピーディスク(FD)を改竄していた疑いが強まり、最高検は21日夜、証拠隠滅容疑で、大阪地検特捜部検事で、この事件の主任を務めた前田恒彦容疑者(43)を逮捕したのです。

 主任検察官の逮捕です。びっくりですね。
 事件はこれから、もっと広がるような気がします。主任検察官たるものが証拠品を独自に改竄する理由がないからです。誰かから指示があったり、指令命令がないとやりはしない、出来ないことでしょうからね。

 まだまだ、根が深そうです。
 まあ、見ていましょう。

納得できないねえ。

2010-09-10 16:12:40 | 手前かってな推論。
郵便不正に絡む偽証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告(54)が、大阪地裁で無罪判決を受けた。

 どうも、おかしいねえ。利益を受けた人がいることは事実ですし、それを依頼した人や直接文書を偽造した人もいる。

 どんなことで、こんなことになるのだろうか。検察の意見は100点満天の捜査であったらしいのですが、どうも納得できないねえ。

 村木さんは、高知大学出身の方ですが、それにも増して女性のキャリア官僚としての実績は素晴らしいのです。

 「(検事に)腹が立つ。」村木被告が前回の公判のあと、取材を受けて発言をしたのです。
 それはそうでしょう。やってもいない罪で起訴され、仕事を失い、世間の好奇の目に晒されたのですからね。
 しかし、今回の事件はただ一人の事務職員(厚生省の職員)が演じた事件で終わるのだろうか。
 起訴した検事や捜査員のミスは糾弾されることはないのだろうか。
 検察は何をやっても許されることになる。

 犯罪を放置してはいけないことは、誰でも理解できるにしても、犯罪者を作ってどうするつもりだったのか。
 手前勝手な推論を展開すると、政治家同士の足の引っ張り合いといった感があるなあ。
 政治家が官僚を使って、別ルートの官僚を落としいれその向こうにいる政治家を糾弾する。そんな感じです。

 検察は、みっともない控訴などあきらめて、白旗を掲げるべきでしょう。
 厚生省はいま、こんなことで優秀な職員を失うわけにはいかないのですし、年金問題から介護問題まで、問題は山積みなのです。

 

不信

2010-05-20 14:19:02 | 手前かってな推論。
 なぜだか分からないのです。
 確か7月には参議院議員選挙があるはずなのですが、どうも静かなのです。
 特に高知県の東部地域では、関係ないような感じです。

 選挙に出馬する方については、一生懸命なのでしょうが、伝わってこないのです。
 いいのかなあ。こんなことで。

 ニュースで報道されているのも、全国区で比例代表に出る方々の情報がかすかに、伝わってくる程度です。

 民主党政権下においては、20%などという厳しい支持率だし、前政権与党にしても全く精彩がないのです。新しく発足した政党もなんだか分からないのです。

 今のままということについては、ないと思うのですが、何を期待したらいいのかわからないという状況が続くと、投票率が激減して、政党自体の存在について考えなければならないようになるでしょう。
 誰かが発言しないだろうかね。道州制の導入について。消費税20%への挑戦とか。
 誰かが掲げると議論が起きて、目の前の選挙が熱を帯びてくるのですがね。

 静かでいいのか。
 どうせ誰かが議員になって東京に出てゆくのですが、何も出来ないのですから。

 政治家を育てないといけません。
 高知県の東部地域にとって、政策の立案こそが大事な作業なのですし、そうしたことを大事にしてこなかったから、いまこの地域は日本でも最も遅れている場所となっているのですから。

 

なはりF 地点

2010-05-03 10:48:17 | 手前かってな推論。
 この場所は、奈半利港です。

 私の子供のとき、この場所は湿地でした。奈半利川の水量が増すと、そこが調整池となっていたように思います。当時の藤村六郎町長の努力によって、昭和28年に港の建設工事が着工できたことについては、その通りかと思います。

 紀貫之の土佐日記に出てくる「奈半の泊まり」は川港ですから、ここから少し上流になるようです。「奈半の泊まり」は上流域の木材資源の集散地としても役割を果たしていたのです。



 道路整備がなかなか進まなかった時代、なんとか物資の運搬を海運に依存しようとしたのです。一時はフェリーボートの発着まで計画されていたようなことを聞いた事があります。

 しかしながら、フェリーボートの規模が大きくなりすぎて、奈半利港に入ることが出来なくなったことから、計画が頓挫したというような話でした。さらに四国に3つも橋が出来るとフェリーは要らなくなるからなあ。仕方なしです。

 いまは、漁港としてはもちろんですが、サンゴを見るためのグラスボートが発着しています。緊急避難港としての役割も付加されている、高知県東部地域における海運の拠点のひとつです。

 ただ、21世紀の奈半利を考えると、いま少し利用の仕方を考えてみてもいい場所でしょうね。
 十分な活用が成されている様でもなさそうです。
 この港を造るために今まで営々と支出してきた投資額と現在の状況を考えると、いま少し何かあるだろうと考えています。

 奈半利に限らず高知県東部地域の財産の一つですが、未利用資源の一つといえるでしょう。
 外に向かって船で何が出来るか、考えましょう。

 奈半利F 地点にしました。ファンタジーのFです。フェイクではありません。

 


 

 

わからん経済。

2010-04-29 11:36:09 | 手前かってな推論。
 ギリシャの経済状態が良くないことについては、随分と以前から報道されていますが、また円高に走る可能性について、情報が流れている。

 きっかけはアメリカの格付け会社がギリシャとポルトガルの格付けを下げたのです。これによって市場での資金調達がより難しくなり、財政再建を困難にしてしまったのです。
 さらにユーロ安に向かうこととなり、そのまま円高に、結果として電機や精密機械など日本の得意分野、製造業の株価に影響が出始めています。日本が良くなっているわけでもないのに、評価が上がる。相対的な問題ですからね。

 任天堂やキャノン、ソニー等、軒並みダウンの憂き目に会っているのです。
 こんな事態になっても、日本は何もしないのです。政府は動けないのです。困ったものです。

 ちなみにギリシャの負債残高は38兆円。日本の負債残高は約970兆円。経済規模が違うとはいえ、なんで円高なのかが、よくわからんね。

 豊かな国、日本。
 そうなのか?
 子供達にお金を配ってもいいのですが、経済対策をキチンとやるべきです。
 さらに1兆円規模の追加予算を検討しているようですが、7月の選挙対策などという理由だったら、あきれてしまう。困ったねえ。

 企業が喘いでいます。
 世界で一流を誇ってきていた、日本の製造業が疲弊しています。
 トヨタに入ろうとする学生が減ってきたのですから、これも分からんねえ。

 田舎はあいも変わらず、変化無し。
 不平不満はあるにしても、難しいねえ。選挙があるのに、波立たず。
 水深がなくなれば、波も起きないようです。

なはりE 地点

2010-04-27 21:40:25 | 手前かってな推論。
 高知県の東部地域の財産かと思います。多気・坂本神社です。

 高知県だけなのか、よくわかりませんが8世紀以前の情報があまりないのです。
 古代のことで記録が少ないのは、仕方ないことなのでしょう.
 土佐の国司や郡司が国に対し報告書を提出しているのでしょうが、都は戦いの連続で、焼失したりもしたのでしょう。
 それだけに、残された少ない情報を精査する以外、することがないのですが、推論することが多いだけに、楽しい作業です。


 写真は多気・坂本神社の入り口にある神輿橋です。
御祭神は、多気神社が武内宿禰で、坂本神社が葛城襲津彦命です。
 境内社として壱岐神社(壱岐直根子命)、多賀社があります。
 
 多気神社・坂本神社は共に延喜式内社です。両社は宝永(1704~10)の頃に合祀されたと伝えられています。
 延喜式内社とは、醍醐天皇の御代にまとめられた、延喜式神名帳に登載される古社の事です。
 御祭神の武内宿禰は第八代孝元天皇の孫で、多くの天皇に仕えた長寿の方とされています。葛城襲津彦命は、武内宿袮の子神です。 この二祭神は蘇我氏の祖で、その一族が地域の守護神として祀ったものといわれているのです。

 


 さて、この神社がいつ頃この場所に造られたのか、資料等について読んだことがありません。研究不足ですがね。政治と宗教はいつの時代も合一してきたように考えています。

 もともと日本は神道の国だったはずです。その日本に6世紀の末から7世紀の初頭に中国から朝鮮経由で仏教が入って来たことについては、昔、学校で習ったと記憶しています。
 日本史上、最初の文明開化なのです。

 さらに、無理なこじ付けかもしれませんが、こんなことを考えました。

 長谷川が流れ出してきたあたりに人が住み始めるのです。海岸が近く、貝や小魚を採取できる場所。さらに野根山山系の麓ですから山での狩猟にも便利なところです。小枝等の燃料の調達が楽で、小屋の建設に必要であろう木材にしても豊富にある場所なのです。そしてこの付近で、稲作が始まったのです。奈半利川から取水して稲作をやるには、治水事業に無理があるからですし、暴れ川が落ち着くのはずっと最近になってからなのです。四手井山南側で弥生石器が出土していることも、納得の出来るところです。

 稲作が始まり、食料品の確保と燃料としての木材の調達と、水の確保が楽で、さらに日当たりがいい場所ですからね。そうした理由で人口が急増していったのではないか。

 そこから上流、清浄な場所を選んで、多気神社・坂本神社を造ったのです。背後の山々を霊的な場所として選ばれたところなのです。さらに、神への信仰の場の建設は人口の増大を生みます。周辺地域の信仰を集め人口の集中が起こりはじめるのです。
 大和の中央王権では、645年の「大化の改新」によって、すでに蘇我宗家は滅亡しているのですが、土佐の東部地域の僻地においては蘇我氏の一族が社を構える事が出来たのです。 そして、6世紀から7世紀にかけて、仏教が日本に入ってくると、8世紀も半ば頃、奈良の時代にコゴロク廃寺が建立されるのです。

 建立した場所は奈半利で最初に人間が住み始めた四手井山の南麓と多気神社・坂本神社の中間辺たりということなのです。
 もっと海岸に近い場所を「最初に住んだ場所」に設定したかったのですが、水がないのです。
 多分、水のない場所に人は住まないだろうと思うのです。
 
 コゴロク廃寺が建立されたであろう時期は、すでに野根山官道が出来ていたのですから、官道沿いには、田畑が広がっていたことでしょう。神社はすでにあり、さらに寺を建立するのです。それ相当の人数が生活していたことになります。食料品の調達が大問題であったはずなのです。

 この頃には、すでに今の野根山街道沿いには家が建ち、市が開かれていたのではないでしょうか。
 奈半利の最初の一ページは野根山山系の麓の場所から始まって、多気神社・坂本神社が出来ることで人口の増大が始まり、野根山街道が出来て人の往来が始まるのです。さらにコゴロク廃寺が出来ることで高知県東部地域の中心地となっていったのです。

 多気・坂本神社。高知県東部地域のパワースポットなのです。
 なにしろ1200年を越える程の長い期間、多くの信心を受けてきた場所なのですから。
 資料や記録がなくとも、奈半利には、間違いなく人が住み、営々と生活を営んできたことは事実なのです。そして神社が今ここにある、この事実は、大切にしなければなりません。

 奈半利E 地点としました。