ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

主のいない家。

2010-05-14 12:03:20 | 建造物入門
 郷士 清岡道之助の家です。
 今は主なく、ひっそりとたたずんでいます。町が管理しているようですが、なにやら荒れた感じがしました。




 田野町の北の台地の上、池の傍にこの家があります。
 昨今の風潮を見るにつけ、龍馬ばかりが何故・・・・。
 愚痴になります。
 修理の予算がついたとの情報を得ていたのですが、未だ手付かずといったところです。



 野根山屯集事件の首領、清岡道之助の墓は、仲間と共に田野町福田寺にありますから、妻・静さんはここに一人で眠っています。この右手後方には、生前暮らした清岡邸が遠望できるのですが、墓は南を向いて立っています。行きっぱなしの主人が帰ってくるのを待っているかのようです。
 うっそうとした藪の中です。




 この門をくぐって道之助は、野根山に向かうのです。多分、本人も無事にこの家に帰って来ることはないと、分かっていたはずです。その時、後ろ姿を見送った妻・静もこの場所にいたはずなのです。静かな別れだったのです。
 この太平洋に向かう道は、天下に雄飛する気持ちを鼓舞してくれたのでしょう。
 そんな気がする、まっすぐな道です。
ちなみに、この門。冠木門(かぶきもん)といい、門の両側に立てた2本の柱の上部に一本の横材を渡しただけの門で、門の形としては単純ですが武家住宅では多いのです。

 高知県東部地域の歴史観光資源なのですが、未だ手付かず。
 残念なことです。

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