私はいつもと同じように、7時半に品川駅に降り立った。
駅の長いコンコースを抜けると、いつもはその場を通り抜ける人たちがみんな足を止めて、同じ方向を見上げ、歓声を上げていた。
だいぶ雲がかかっていたけれど、みんなが見つめる先の、雲の向こうに、確かに光の環があった。
その光景には少し心が動いた。
でも私は、その光の環そのものよりも、同じ場所に居合わせた全く関係の無い人たちが、同じように足を止め、同じ方向をみつめて、同じものに心を動かされていることに、なんだか感動してしまった。
それは私が人の心と言うものに、最近とても悩まされているせいかもしれない。
社内のこと、自分のこと、彼氏のこと。
こんなに簡単に、人の心が同じ方向を向くなんて。
にほんブログ村 独身OL