それはまだ私が学生の頃のことです。
当時私は、大学近くの寮に住んでいました。季節は多分初夏の頃、夏至前後かと思われます。
ゼミの発表のためだったと思うのですが、朝方の4時頃までかかって準備をしていました。そのまま起きていたらおそらく朦朧とした頭で、発表もしどろもどろ、支離滅裂になるだろな、と思った私は
「よし、3時間ほど寝よ!!」
と決意?しました。
ところが、です。
どうも12時間以上寝倒してしまったかのような、頭痛と眩暈に悩みながら目が覚めました。時刻はもう8時過ぎ!!*(驚き)**(泣く)**(涙)*
ゼミの発表もすっぽかし、午前の講義も行けず、また夜はアルバイトもあるのに、それらをことごとく……ぜ~~~んぶブッチしてしまったことで、気が狂いそうになりました。
待て待て、ちょっと落ち着け、そう言い聞かせて、寮は6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、そして地方紙)購読していたのでしたが、夕刊を読みに自室のある4階から寮務室のある1階に下りて行きました。
すると不思議なことに、夕刊が配達されていないのみならず、朝刊が全て綺麗に配達されたままの状態で手つかずで置いてありました。
なんや~~、夕刊まだ来てへんのか~
と欠配にガッカリした私は、再び気を取り直して、今度は銭湯に行く準備をしました。当時寮の風呂は週3日しか焚かれていなかったので、残りの日は銭湯に行くなどしないとお風呂に入れませんでした。
その前に、少しお腹も空いたので、寮食を友人と食べようと思い、いつものメンバーを呼びに行きました。
まだみんなスヤスヤ寝ていました。
しょうがないなあ、と思ってまた寮務室に戻って来ました。
そこへ、後輩が「ちわ!」と元気に出かけていく姿があり、
「随分日が長ぁなったなぁ!」
と言うと、大変彼は怪訝そうな表情を浮かべていたのを思い出します。
それから自室に戻って、寮の別棟をふと見ると、
んんんん???
おいおい、太陽……今夕方のはずなのに、なんで東から西に影が延びてんのやろ……!?
あ~~~~~~*(星)**(キラキラ)**(うるうる)*
なあ~~んだ!!
まだ朝だったんだ~~(笑)
あぁ、良かった~~*(グッド)*ゼミも講義もバイトもサボらずに済んで!
それでまだみんな寝てたんや~~。納得。
ホッと安心しただけじゃなく、なんだか12時間得した、そんな不思議な?気持ちになりました。
後でこの体験をみんなに話すと、本当に銭湯に行かなくて良かったね、とか、たたき起こさないでくれてサンキューだとか、色々言われました。
実は…ちゃんと腕時計で午前午後表示も確めました。午前を示していました。
ですが、「自分の周囲径1mだけ」時間の流れが違う、と信じて疑わなかったのです。それほどまでに「寝過ぎた」感が強かったのでしょう。……まあ、超アホですね。
まあSFの世界じゃないんだから自分だけタイムトラベルなんてあるわけないのに……思い込みって、怖いものですね。