それでもなお起き上がることはできるのは吸血鬼様様であるが、
眼がチカチカするし、何よりも勝てる要素が見当たらないという絶望の心境が心を犯し、体の動きを鈍くする。
そのせいだろう、だからランサーの槍を今度こそ避けることができずまともに受けてしまった。
「あ……?」
心臓に深々と突き刺さる槍。
意外と痛みはあまりなく、熱い感触しかない。
が、いくら吸血鬼でもこれは致命傷だ。
まだ足首から再生を果たしたロアほど人間を辞めてないからなおさらだ。
全身から力が抜けて地面に倒れ、視界に移るのは黒い地面だけとなる。
「弓塚さん!!」
「ちっ…!」
ゆえに聴覚だけが外界を知る手段となり、
シエル先輩がボクの名を叫ぶ声、それに意外なことに言峰神父の悪態が聞こえた。
「吸血鬼を心配する代行者か、実に珍しい。
そして、今宵の我が舞台の役者として演ずるに値する」
「…ランサーではなくタタリが出てきたか」
狂戦士のように雄叫びを挙げて襲い掛かってきたランサーが口を開いたようだ。
否、この無駄に自らを演出家と看做しているような口調はランサーではなく、タタリだ。
「然り、神父言峰。先ほどまでは意識はランサーであったが、今はタタリだ」
「そうですか、出来ればこの町から去ってくれませんか?
なんだかんだと言って私。この町を気に入っているのですから」
いつもの柔らかな雰囲気を一切消してシエル先輩が本心を述べる。
「君の願いは却下する。
私にはやらねばならぬことがある。
それが適うまで私は辞めるつもりは毛頭ない。
しかし…英霊を再現するのはなかなか骨が折れたが……これは実に良い。
今まであらゆる者を再現してきたが、ああ、実にすばらしい、まったくすばらしい!!」
そう言い人の感情を逆なでするような声でタタリが大笑した。
くっそ、気に入らない、まったく気に入らない。
ロアと同様自分の願望、いや妄執のためだけに人を巻き込んでおきながらこの態度が気に入らない。
今すぐ奴をこの手で消してやりたいが、ようやく地面から顔を上げることしか出来ていない自分の無力さが情けない!
「さて、お喋りはここまでとしよう。
3番目の不安要素はたった今排除した、次は君たちだ。
私としてもう少し会話を楽しみたかった所であるが何、予定が混んでいる故」
「…っ舐められたものです!アーパーや遠野君はともかく、
私を差し置いてへっぽこ吸血鬼の弓塚さんを3番目の脅威を見ましたか!!」
「その話、興味深いが、私がそこに転がっている半端者以下とは実に不愉快だ」
え、あれ?
いや、アルクェイドさんや志貴がタタリにとって脅威になるのは納得できる。
けど何でボクがシエル先輩を差し置いて3番手に!?

日曜日のものですがフレンチトーストを作ってみました。
材料は卵2個、牛乳1カップ、業務スーパーで購入したフランスパン94円。
パンを夜の間に牛乳、卵を混ぜた汁に浸して翌日バターで焼くだけ。
火加減は弱火で裏返しつつ10分、これによりパンが乾燥せずに中がしっとりと焼けます。
また、一晩漬けていたので味が染み込んで大変良いです。
味付けは蜂蜜とシナモン(粉)だけですがこれで十分なくらいでした