提督をみつけたら
艦これSSです。
深海棲艦との戦いが終わり幾星霜。
そんな時代でもごくたまに人と人との間に生まれてくる艦娘。
「戦うことのない自分に何の意味があるのか?」
そう己の存在意義に悩むがただ一つの願いにやがて気づく。
「提督を見つけねば」
己の存在意義を見出すべく提督を狙う艦娘と、
狙われてしまった提督との笑いあり、涙ありのハートフルストーリー。
そんな話です。
髪を片方で結ってまとめ、
高そうなスーツ姿の綺麗な顔をしたおねえさん?
艦娘だから実際に何歳なのかはわから無いけど。
彼女はいきなり僕の前に現れて道をふさぐように立ちふさがった。
……正直逃げ出したいくらい恐い。
僕はランドセルについている防犯用の笛を握り締めて、ゆっくりと後ろに下がる。
「ご、ごめんなさい、突然で驚いたかしら。
でもどうしても聞いて欲しい事があるの、ほんの少しの時間で良いわ」
僕は悲しそうにしている彼女を見て、少し胸が痛くなる。
なので、少しだけ彼女の話を聞いてあげる事にした。
「その、心配いらないわ。一つだけ聞きたい事があるだけだから」
そう言って彼女はとても凛々しい真剣な顔をする。
「……子供は何人欲しいかしら?」
僕は力いっぱい笛を吹いた。