緋想戦記
今回はイラスト投稿サイトのPixivで連載しているものを紹介したいと思います。
タイトルに戦記と書かれているようにこのSSは基本戦記ものであります。
しかし、これは「境界線上のホライゾン」をベースにしたもので、
作者の原作の再現度の高さもさることながら、多重クロスに挑戦し既に1年近くも連載しているという猛者であります。
・境界線上のホライゾン
・信長の野望
・東方シリーズ
・軌跡シリーズ
クロス作品をこうして並べて見るとかなりカオスです、
普通ならキャラや世界観のすり合わせに失敗して収拾がつかず、
大半のSSがエタって(飽きて)放棄されるものですが、このSSは一年近くも連載させています。
おまけに話のすり合わせに破綻させず、
むしろまるで「境界線上のホライゾン」を読んでいるかのような驚きと臨場感が味わえます。
しかも、初めは一話4000字程度でしたか、既に9000字のラインが当たり前となっており読みご堪えもあります。
━━いかん!!
徳川家康は咄嗟に前に出た。
天子が戦闘不能になり残る三人に戦う力は無い。
絶体絶命だ。
だがここで諦めるつもりも無い。
敵は歩みを止め、此方を見る。
「あら、徳川の狸さんじゃない」
「うむ、我こそ徳川家康なり」
刀を引き抜き、構える。
後方の生徒たちが慌てて前に出ようとするがそれを片手で制した。
「残念ながらあなたには用が無いの? どいてくださらない?」
「そう言うわけにはいかんな。彼らはわしの大事な仲間、家族だからな」
「家族? 家臣ではなくて?」
「どちらもわしには変わらんよ。わしは徳川と言う家の長。一家の大黒柱として家族を守るのが責務よ」
紫は「ほう」と声を出すと此方を計るように見る。
「計略策略を得意とするあの徳川家康の言葉とは思えないけど?」
「確かに、わしは小賢しい男だ。だがそれも家族を守る為。その為に多くの者の命を奪ってきた」
「だが」と続ける。
「だが、その後悔があればこそ今のわしがある。今度こそ誰一人見捨てず、後悔をさせぬ!」
互いに沈黙する。
一瞬だけ彼女が瞳に映したのは憧れ、懐かしみ、そして絶望だった。
「そう、それで? あなた一人でどう私を止めるつもりかしら?」
「それは……」
冷や汗を掻く。
そんなもの無い!
ほぼ本能的に前に出てしまった。
だがなんとしてでも時間を稼がなければ……。
「わ、わしには策があるぞ!!」
「……それは?」
「それは……」
息を吸う。
天を仰ぐ。
ああ、なるようになれだ!!
「それ以上近づくと、わしは、わしはぁ!! 脱糞するぞぉ━━━━━━━━!!」
***
・曳 馬:『ウワーナイワーマジヒクワー』
・能筆家:『ああ!? あまりのショックに“曳馬”さんのJK言語回路が!?』
・彦 猫:『つーかよー、脱糞てよー、もうちょっとよー』
・さかい:『い、胃が……、誰か胃薬を!!』
***
家康は冷や汗を掻いた。
先ほどまでの緊張の冷や汗ではない。
もっと嫌な。なんか色々と大切なものを失っていく冷や汗だ。
は、恥がどうした!?
我が恥でこの場を凌げるのなら……。
「もう一度言うぞ! それ以上近づいたら、わし、脱糞しちゃうぞぉ━━━━━━!?」
あ、目の前が霞んで来た。
しょっぱい。この涙は誰の涙だ?
「う、うわぁ…………」
だが作戦は成功した。
敵は足を止め、それどころか後ろへ後ずさり始めた。
振り返る。
背後には平常なトーリとホライゾン、引きつった正純と天子、あと何故かさっきより遠くに居る生徒たち。
「グッジョブです。ナイスだとホライゾン、判断します。これはホライゾンもモリモリと頑張る必要がありますね」
「ホライゾン、傷口広げるのやめね!? やめね!?」
あー、聞えない、わし何も聞えない。
後ろでなにやら騒いでいると初めて紫が不愉快そうに表情を歪めた。
「どこまでも愚かな! 真実を知らぬと言えどうしてそう能天気なのかしら!」
全員沈黙する。
「貴方だって全てを知れば私と同じように絶望して……」
「しねーよ」
彼女の言葉を遮り、トーリが皆の前に出る。
「あのよぉ、俺もそうだし、周りもそうだけど、
どうして皆自己完結しちまうかなー。俺たちはどんな事あっても絶対絶望なんかしねーよ」
「それは貴方達が真実を知らないからでしょう?」
トーリは首を横に振る。
「しない。俺たちはそう誓ったからな。皆で笑って前に歩こうって、
どんなに辛い事があっても進み続けようって、だから聞けよ? お前ら」
全裸が原作の全裸らしく主人公をしているし、このノリは間違いなく境ホラのものですね。
そして脱糞ねた・・・史実だからオソロシイ(棒)
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今回はイラスト投稿サイトのPixivで連載しているものを紹介したいと思います。
タイトルに戦記と書かれているようにこのSSは基本戦記ものであります。
しかし、これは「境界線上のホライゾン」をベースにしたもので、
作者の原作の再現度の高さもさることながら、多重クロスに挑戦し既に1年近くも連載しているという猛者であります。
・境界線上のホライゾン
・信長の野望
・東方シリーズ
・軌跡シリーズ
クロス作品をこうして並べて見るとかなりカオスです、
普通ならキャラや世界観のすり合わせに失敗して収拾がつかず、
大半のSSがエタって(飽きて)放棄されるものですが、このSSは一年近くも連載させています。
おまけに話のすり合わせに破綻させず、
むしろまるで「境界線上のホライゾン」を読んでいるかのような驚きと臨場感が味わえます。
しかも、初めは一話4000字程度でしたか、既に9000字のラインが当たり前となっており読みご堪えもあります。
━━いかん!!
徳川家康は咄嗟に前に出た。
天子が戦闘不能になり残る三人に戦う力は無い。
絶体絶命だ。
だがここで諦めるつもりも無い。
敵は歩みを止め、此方を見る。
「あら、徳川の狸さんじゃない」
「うむ、我こそ徳川家康なり」
刀を引き抜き、構える。
後方の生徒たちが慌てて前に出ようとするがそれを片手で制した。
「残念ながらあなたには用が無いの? どいてくださらない?」
「そう言うわけにはいかんな。彼らはわしの大事な仲間、家族だからな」
「家族? 家臣ではなくて?」
「どちらもわしには変わらんよ。わしは徳川と言う家の長。一家の大黒柱として家族を守るのが責務よ」
紫は「ほう」と声を出すと此方を計るように見る。
「計略策略を得意とするあの徳川家康の言葉とは思えないけど?」
「確かに、わしは小賢しい男だ。だがそれも家族を守る為。その為に多くの者の命を奪ってきた」
「だが」と続ける。
「だが、その後悔があればこそ今のわしがある。今度こそ誰一人見捨てず、後悔をさせぬ!」
互いに沈黙する。
一瞬だけ彼女が瞳に映したのは憧れ、懐かしみ、そして絶望だった。
「そう、それで? あなた一人でどう私を止めるつもりかしら?」
「それは……」
冷や汗を掻く。
そんなもの無い!
ほぼ本能的に前に出てしまった。
だがなんとしてでも時間を稼がなければ……。
「わ、わしには策があるぞ!!」
「……それは?」
「それは……」
息を吸う。
天を仰ぐ。
ああ、なるようになれだ!!
「それ以上近づくと、わしは、わしはぁ!! 脱糞するぞぉ━━━━━━━━!!」
***
・曳 馬:『ウワーナイワーマジヒクワー』
・能筆家:『ああ!? あまりのショックに“曳馬”さんのJK言語回路が!?』
・彦 猫:『つーかよー、脱糞てよー、もうちょっとよー』
・さかい:『い、胃が……、誰か胃薬を!!』
***
家康は冷や汗を掻いた。
先ほどまでの緊張の冷や汗ではない。
もっと嫌な。なんか色々と大切なものを失っていく冷や汗だ。
は、恥がどうした!?
我が恥でこの場を凌げるのなら……。
「もう一度言うぞ! それ以上近づいたら、わし、脱糞しちゃうぞぉ━━━━━━!?」
あ、目の前が霞んで来た。
しょっぱい。この涙は誰の涙だ?
「う、うわぁ…………」
だが作戦は成功した。
敵は足を止め、それどころか後ろへ後ずさり始めた。
振り返る。
背後には平常なトーリとホライゾン、引きつった正純と天子、あと何故かさっきより遠くに居る生徒たち。
「グッジョブです。ナイスだとホライゾン、判断します。これはホライゾンもモリモリと頑張る必要がありますね」
「ホライゾン、傷口広げるのやめね!? やめね!?」
あー、聞えない、わし何も聞えない。
後ろでなにやら騒いでいると初めて紫が不愉快そうに表情を歪めた。
「どこまでも愚かな! 真実を知らぬと言えどうしてそう能天気なのかしら!」
全員沈黙する。
「貴方だって全てを知れば私と同じように絶望して……」
「しねーよ」
彼女の言葉を遮り、トーリが皆の前に出る。
「あのよぉ、俺もそうだし、周りもそうだけど、
どうして皆自己完結しちまうかなー。俺たちはどんな事あっても絶対絶望なんかしねーよ」
「それは貴方達が真実を知らないからでしょう?」
トーリは首を横に振る。
「しない。俺たちはそう誓ったからな。皆で笑って前に歩こうって、
どんなに辛い事があっても進み続けようって、だから聞けよ? お前ら」
全裸が原作の全裸らしく主人公をしているし、このノリは間違いなく境ホラのものですね。
そして脱糞ねた・・・史実だからオソロシイ(棒)