あっち向いてホイ! ~ 2nd season ~

虹の橋の子供たちに背中を押されて次女を迎えました。2016年7月24日、ブログ再スタートです!

悲しい足音

2022-11-22 13:43:20 | りと・闘病記録
おげんきですか? れいです。

11月に入ってから日に日に状況が目まぐるしく変わりました。
顕著な変化としてフードを口にしなくなりました。
かみ砕く力が弱くなった可能性があるので
小さな小さな療法食フードをさらに半分に割ったりもしましたが
あれこれ手を変え品を変えしてみても2日くらいしか持たない日々。
かといって缶詰は口に合わないようで食べない。

10月31日、夫婦で「ちょっと怖いね」と言い合ったあの日が
りとが本当に元気に過ごせた最後の日でした。
今はコマンドの一切を封印しています。
もう、そんなことしなくていい。
SITもDOWNも”可愛い顔”も、もう一切しなくていい。
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昨日お風呂でぼんやり考えハッとしました。
何で今まで気づかなかったのか!

りとは食欲があるわけじゃなかった。
今月に入ってから、既にもう食べられない状態に移行していたんだ。
その中で
私たちが差し出すもので口にできるものだけを
「動物の本能」で一生懸命、必死に食べていただけなんじゃないか。

娘が最後にお世話になった先生の
「犬が食べないということは
”自分はもう生きていられないから食べ物はいりません”
という、飼い主さんへの最後のアプローチです」
という言葉がよみがえった。
寿命と生命力は違うと教えてくれた先生の言葉ばかり頭にあって
その陰にこの言葉があることを忘れていた。

…え、もうとっくに時間ないんじゃないの?
何で私、今月からあんなに食べなくなったのにこの言葉に気づかなかった?

何で気づかなかった!!

自分に対する燃えるような怒りと
怒っていてもどうにもならないこと
心も頭もぐちゃぐちゃになったままお風呂から出て
とにかく、今出来ること…
冷蔵庫の梨をむいてあげよう。

私は身支度を整えて急いでりとに梨を向きました。
口元に持っていきながら
「りとちゃん今日特別。梨あげる♪」
と明るい声で差し出したところ

りとは梨を食べませんでした。
顔を背けて嫌がりました。

りとが
梨を
食べなかった…



どうしようもない、取り返しのつかない後悔が一瞬私を包みました。
その時寝ていたボスが起きてきてトイレに行くときとっさに捕まえて
「あのね、ちょっとね、起き抜けに嫌なこと言うけど聞いて?」
「うん」
「今りとにね、梨むいたの」
「うん」
「りとに梨、むいたの」
「・・・」
「りと、食べなかった。  …りとが梨を食べなかった!!」

ボスはぎゅっと私を抱きしめてくれ、私は何度も
りとが梨を食べなかったの、梨食べなかったのと言いました。
りとはそばにいます。
必死で涙をこらえました。
こらえてもこらえても出てくる涙。

少し落ち着いた後ボスは
「(最後の時間が)始まったな」
と言いました。
写真撮ろう?と言い、3人で写真を撮りました。
これが最後の家族写真になるかもしれないと何となく思いました。
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ボスが身支度を整えて会社に行く直前、りとが吐きました。
ボスがとっさに両手で受け、手を洗いに行きました。

りとはお腹と肩で息をするような感じで
今までのそれとは全く違った。
私は背中側からりとをじっと見つめていました。
何か、
この後何か、
起こるような気がした。
目が離せなかった。




りとはそのまま真横にぐにゃんと倒れました。

うわああああありと!
夜中なのに大声を出しりとを両手でゲージから引きずり出す
りとちゃん!
りとちゃん!
りとちゃん!

口から出る真紫の舌、だらんと力の入らない手足、ガタガタと震える体。
この後どうなるか、過去の経験がフラッシュバックする。
りとは大きな大きな声で
わーんと一度、鳴きました。



娘に言って聞かせたように
2人で絶え間なく声を掛けました。

どこに行ってもどこにいても、ずっと一緒。何も変わらない!
5人で家族だからね!
ボスとママの 顔と声と匂い忘れないで
お兄ちゃんとお姉ちゃんがいるから何も心配ないからね
ちょっとだけ、3人で待っててね、ボスとママもちょっとしたら行くからね
ありがとう
りと大好き
いい子いい子。りとが一番かわいい子!
ボスの手わかる?あったかいねえ。ママの手わかる?あったかい?
よかったねえ、りとは一人じゃないねえ
ずっと家族5人一緒だからね?

ボスは静かに

よく頑張ったなあ、りとはえらいなあ!
うん、もういいよ?ネンネ。ネーンネ。
大丈夫だからな、何も心配ないからな?
お兄ちゃんとお姉ちゃんに
ボスとママ仲良くしてたです。って伝えてな?
これからもずーっと、仲良しやから何も心配ないからな?
りとありがとう
りと可愛いなー?りとが一番可愛いなー?
うんうん、ママの手あったかいなあ。りとはママ大好きやもんな?
俺の手もわかるか~?


2人でずっと、絶え間なく。


私が言うことに反応してりとは視線をこちらに向けてくれました。
何度も何度も、私に視線を向けてくれました。
お兄ちゃんと同じように。
あの時のように。


30分くらいに感じましたが実際は10分ほどでした。
次第に落ち着き
少し震えながらも自ら私の膝からずるずるとおりて
横になってくれました。


ボスは出社時間を越えても、りとと一緒にいてくれました。

これが昨夜の話しです。
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私は明け方まで眠れませんでした。
逆くしゃみの酷いやつというのか何なのか
よくわからないのですが大きな声で苦しそうにガーッということがあり
それが聞こえてくるたび
それが終わって静かになるたび
怖くなって一瞬電気をつけ
耳が動くのを確認してから電気を消す。
これを3回ほど繰り返し
明け方ようやく少し眠れました。

思えばお兄ちゃんも同じように
苦しそうにガーッとしたこと、あったなあと思い出しました。


最後の最後に大事なことに気づいた…
でも
気付けないよりいいのかもしれない。
遅かった、と自分を責めるのはやめよう…

私は
息子と娘の時に学んだことを全部りとに使ったのだから。



今りとが奇跡的にここにいてくれるのは
娘が神様の首根っこを摑まえて
ブンブン振り回しながら
泣きながら
訴えてくれたからでしょう。

やはりりとは
姉の寿命を分けてもらい、長生きしているのだと思います。



ボスに今朝
りとが鶏むね肉を食べたこと、
チーズでくるんだ薬を飲み込んでくれたこと
まぐろぶしを食べたこと
昨日のことが嘘のように
後追いしながら胸肉のおかわりをねだったことをラインで伝えたところ
「お疲れ様 LINE来て涙が出た 読んで泣いた」
と返事がきました。

その後電話でも話しながら
もうなにがあってもいいね?
昨日の夜、伝えたいことは全部言えたよね?
もう自分を責めたりとか、そういうのはやめようね?
と確認し合いました。

朝ごはんから3時間ほど過ぎたころ
りとはまた吐きそうになって慌てました。
昨日は吐いた後、”あれ”が起こった。
今りとが吐いたらもう、次はないかもしれない。
緊張と覚悟が入り混じった時間でしたが
吐き戻さずそのままでした。
息を殺して
固唾をのんで
様子を伺い続けました。
しばらく昨夜のような呼吸の仕方で私も心が苦しくなりましたが
何とか持ちこたえてくれました。
よかった…


次にUPする時は悲しいお知らせになる可能性が高いです。
そうでないことを祈りますが現実的に本当に最期の時を迎えています。
来週は結婚記念日(+息子の命日)もあります。
一緒に迎えるのは難しいかもしれないけれど
しっかり現実を見て
後悔のないように過ごしていこうと思います。



あさってで余命宣告から5カ月です。





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3 コメント

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Unknown (すず)
2022-11-22 14:34:31
りとちゃん本当に本当に頑張り屋さん
ご飯も食べて、お薬も飲んで、すごいよ

りとちゃんの大切な時間
ボスさんとママとの宝物の時間
穏やかに続きますように
応援しています
返信する
Unknown (ハリーママ)
2022-11-22 21:21:07
りとちゃん、娘ちゃんが神様を追い返してくれたんだね。
読んでいて、途中で読めなくなりました。
時間を置いて、読みました。りとちゃん、凄いですね。まだまだ、ボスとれいさんと居たいのね。
少しでも一緒に過ごせますように、元気玉贈ります。
返信する
コメントありがとうございました (れい)
2022-11-26 19:50:31
すずさん ハリーママさん

お礼が遅くなりました。すみません。
月曜日の夜から急転直下で、どうしようもありませんでした。
長い間りとを応援していただきありがとうございました。
返信する

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