DC-DCコンバータを作るうえでいつもコイルをどう選ぼうか悩ましい。
ちゃんと選んだことはないような気がするので、ちゃんと計算してみよう。
条件:太陽電池は2W (ピーク電力は6V 0.33Aのとき)、充電対象は鉛蓄電池(13V程度を見こむ)
コイルのインダクタンスをL[H]、コイルに流れる電流をI[A]とすると、コイルに蓄積されるエネルギーは1/2 LI^2なのでこれをスイッチング周波数繰り返してエネルギーを運ぶ。
スイッチング周波数をf[Hz]とすると、毎秒コイルが輸送するエネルギーは1/2 fLI^2 [W]
2Wの太陽電池から電力を吸出そうとすると、上記の1/2 fLI^2が2[W]にならないといけない。いま、マイコン側の都合でスイッチング周波数を約20kHzとすると・・・
fLI^2 = 4
20e3 * LI^2 = 4
LI^2 = 2e-4
仮にL=100uHとすると、I^2 = 1.4[A]となります。よってコイルのピーク電流は1.4A程度を見こむ必要があります。
上記の20kHzの間に1.4Aまで電流が増えるようなコイルじゃないとそもそもエネルギーが輸送できない。特にインダクタンスが大きいと十分に電流が増大しないのでエネルギー輸送ができない。かといってコイルが小さいと電流が大きくなりすぎてしまう。コイルが飽和しなければ大丈夫だが。
次にスイッチング周期が50usで、昇圧比が2程度なので、duty比1/2程度での運用になる可能性がある。電源電圧E[V]の電源をコイルに繋いだとき、コイルに流れる電流はI=Et/Lと直線的に増えていくので、
50us×duty = 25us、t=25usになる。ほかはE=6[V] L=100[uH]なので、
I=6*25e-6/100e-6 = 1.5[A]とちょうど良い感じ。
絵に描いてみる。電流不連続モードの場合、ピーク電流は平均電流の2倍程度でよさそうだが・・・
昇圧比がすごく大きいときは、トランジスタoffになったとたんに電流が立ち下がるはずなので、
最大限を考えると、duty比1/2でもピーク電流が平均電流の4倍ほどになる。。