仕事がら成分分析した結果から鋼材の判定を行いたいときがある。
アルミ材はそれらしい一覧表を作ってなんとなく判定できるようにしてあるのだが、鋼材は種類が多く厄介である。
特に成分からは判定できない材料も多く存在するため、最後は人間の判断だが、候補材料を教えてくれるツールがあっても良さそうである。
が、ぱっと探してないので、作ろうかとも思う。
話が逸れるが、金属材料は入社以来10年ほど関わっているので、多少の知識がある。
設計者は全知全能であってほしいが実際にはそうではなく、チョンボを時々やり、製品が壊れる。
鉄鋼材の特徴として焼入れして固くなる、というのを考える人もいるだろうが、焼入れできない鋼材も存在する。
焼入れできる鋼材は、炭素を含んでおり、0.2%以上は含まれないと固くならない。場合によっては0.4%でも固くなりにくく、焼入れとして適さない鋼材もある。
なお焼入れというのは、熱履歴がすべてで、温度が高い状態から急冷されると固くなる&脆くなるため、焼入れできる材料は溶接割れを起こしやすくなる。
一般に建物に使われる鋼材は溶接を前提としているため、SS400など、炭素をほとんど含まないような材料が使われる。車のシャージも低炭素鋼(SPC)である。
溶接が工程に含まれるため、炭素含有の多い鋼材は使えない。
もし炭素量の多い鋼材を使うと、溶接の熱履歴により固くなり、場合により割れるため溶接に適さない。溶接したい場合は予熱してからの溶接となる。
溶接は溶融部こそあっという間に高温になるが、溶接後は溶けなかった部分への熱伝導により急速に冷却されるため、焼入れと同じような熱履歴が入る。
予熱すると周辺部が高温になっているので、熱伝導が遅くなり急冷されれない→焼入れさらない→割れない
鋼材としてS45Cというのがよく使われるが、これは溶接すると固くなりすぎ、割れるリスク大です。
鋼材の炭素量は簡易的に調べる方法があり、昔はJISにもあったのだがあまりにも人に依存するということで今はない。
何をするか?
グラインダで削る。グラインダで削ったときに火花が散るが、この形状や色からある程度成分がわかってしまう。
まず炭素量。鳥足というときもあるが、火花が途中で弾ける場合は炭素が多い。ただ、鋳鉄は火花が紅でまっすぐになるので、注意が必要。低炭素鋼(=溶接してもOK鋼材)は火花がオレンジ色でまっすぐ飛ぶ。
焼入れできる鋼材=鳥足
焼入れできない鋼材=まっすぐ
これでざっと焼入れ可否がわかる。
つづく。