厳かなるメリハリっ子

モラハラ妻から逃れて20年。70歳に向けて厳かな人生を送る年金受給者のブログです

今アメリカで起きていること。

2024-12-09 11:04:41 | 日記
大統領選挙も終わり、アメリカは落ち着きを取り戻しているかと思えば、とんでもない。

とある爆弾が炸裂した。

数日前、ニューヨークでとある生命保険会社のCEOが路上で射殺されたニュースは日本でも報じられたと思う。

最初、私は、またニューヨークか。物騒だな。とだけ思った。

どうぜ犯人は物取りの黒人だろう、と思った。

しかしその犯行の直前のビデオを見ると、犯人は明らかに白人だ。

?と思ったのは私だけではないだろう。

そこでアメリカのユーチューブ動画をざっと見たら、こういう事情があるらしいことが分かった。

このCEOの会社は United Healthcare という保険会社が。それも損害ではなく生命保険というか健康保険会社。

日本とは全く事情が異なるので、日本人にはよく理解できないかもしれないが、アメリカでは国民皆保険というものは存在せず、健康保険は民間の保険会社に入るしかない。当然営利企業だ。

そしてこれも日本ではあまり知られていないが、保険料は高い。普通の夫婦二人で月10万円を超えることはざらのようだ。

加えて deductible 、つまり足切りがあり、これも高い。数万円とか数十万くらいの医療費はこの足切り金額に達しないので、保険金は降りない。つまり自腹だ。

加えて(いろいろ加えてがあるが)、降りる保険金額の上限もある(らしい)。

日本だと高額医療費は確かただだと思うけど。(詳しくは知らない。ごめんなさ。)

そして、これが最後の「加えて」だが、医療を受けて保険金を請求すると、3つの D が立ちはだかる。

それが

Delay

Deny

Defend

だ。

(参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Delay,_Deny,_Defend)

つまり、客から請求が来たら、まず対応を遅らせる。迅速には対応しないということ。面倒な書類作成を求めたりして、とにかく支払いまでの時間を稼ぐ、ということらしい。

そして支払いについては、いろいろと難癖をつけて否定する。つまり「本件はカクカクシカジカの理由で保険金は払えません」となる。

最後に、客から訴えられれば、それは応戦する。

ということでとにかく保険金を払わない。これによってここ数年、健康保険会社の利益はうなぎのぼりで、各社のCEOその他幹部の報酬も大変なことになっているとのこと。

特に今回射殺された Brian Thompson というCEOは、ここ3年にわたり、毎年の報酬金額(多分ボーナスも加えてのことだと思う)が、なんと10,000,000ドル前後だ。これって年額15億円前後ということなので、とんでもないね。

そしてその財源は顧客の保険金しかない。つまり何千人、何万人という顧客への支払い拒否によって浮いた金がこの15億円をもたらしていることになる。

これに対して米国人(特に中産階級)は長年文句を言い続けてきたが、保険会社から潤沢な寄付を受けている政治家は特に対策を打ってこなかった。

そしてこの事件だ。

これを扱うユーチューブ動画のコメント欄は、この犯人を非難する声はほとんどなく、保険会社そしてその経営陣に対する非難で満ち溢れている。

そんな状況にあります。

そんな動画を一つ貼っておきます。

CNN & Chris Cuomo AGHAST at Americans' GLEE Over United Healthcare CEO's Murder

 

この動画を見れば、似たような動画が山のようにリコメンドされるので、英語が分かる人はぜひどうぞ。

先進国はほとんど国民皆保険制度となっていて、お隣のカナダでさえそう。

アメリカだけだ。健康保険を営利企業に委ねているのは。

つくづく日本人でよかったと思う。

保険証さえあれば(というかマイナンバーカードさえあれば)旅行先のクリニックだろうが、東京の大病院だろうが、わけへだてなく治療にあたってくれる。

それもすぐにだ。

英国はかって「揺りかごから墓場まで」ということで、その制度は日本の特に左派連中から絶賛されていたが、いまや治療まで数日、数日、なかには数ヶ月も待たされる状態になっているらしい。

ということでアメリカの状況をさくっとまとめてみました。

この事件は結構アメリカ史の大事件となる可能性はある。

トランプさんがどう出るか。おそらく無視はできないだろう。

興味津々ですね。

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今週学んだ英単語:

unalive この見かけない単語の意味は "kill"ということ。今回の保険会社CEO の射殺事件で、なぜか多くの米国人が kill ではなくこの unalive という動詞を使っている。この動詞は私も初めて見た。

どうやら kill などという、もろそれ、という単語を使うとユーチューブなどのアルゴリズムにひっかかり、チャンネル登録の抹消などのリスクがあるかららしい。

手元の大型辞書にも載っていない。流石に Oxford English Dictionary には項目としては上がっているが、kill の意味はない。用例も一番新しいので 1954年のものだった。

swatting 悪質な悪戯。いたずら電話をかけてSWATチームが目標とした家屋に殺到する騒ぎを起こすことを指すらしい。今回、上述の保険会社のCEOが所有する2件の家屋がこのいたずらの対象となったようだ。日本でいうと、大量の寿司を電話で注文していたずらをした相手の自宅に出前に行かせることが相当するかも。日本は平和だと、この点でも思う。

line one's pocket 私腹を肥やす。今回の事件に関するコメントのなかで、保険会社のトップは消費者の保険金で私腹を肥やしていると非難していた。そこで拾った英熟語です。

rollback 巻き返し。トランプ当選により、これまでジョージ・クルーニーなどのリベラル派ハリウッドスターを持て囃していた映画界や、DEIを推進していた企業が態度を豹変させ、こういう運動から距離を取り始めた状況を指している。

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追加の英単語:

RN 正規の看護師 (registered nurse)

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今日は買い物のために大都会に出た。

まず行きつけのトンカツ屋でランチ。相変わらずおいしいが、朝が少しヘビーだったので、腹の底からは楽しめなかった。

次に東急ハンズ。というか今はハンズか。

THERMOSを購入。



ジムに持っていく。夜、ベッドの脇において水分補給をするのにもいい。

地下鉄でアップルストアのあるところへ移動。平日なのに混んでいる。こんな混雑を見るのは初めて。

アップルストアではなぜか備え付けのペンシルで書けなくなったメモの修復をお願いした。

なかなかうまく行かず、スタッフも三人がかりとなった。

ソフトウェアのアップデートをしてもらって、なんとか直った。

喜びのあまりの私の落書きがこれだ↓



最後は三越のデパ地下でカニ弁当を買って、帰宅の途に着いた。

充実した一日だった、と日記には書いておこう。