小野不由美著『残穢』
怨みを伴う死は「穢れ」となり、あらたな怪異の火種となるのか──。畳を擦る音が聞こえる、いるはずのない赤ん坊の泣き声がする、何かが床下を這い廻る気配がする。だからあの家には人が居着かない──何の変哲もないマンションで起きる怪奇現象を調べるうち、浮き上がってきたある「土地」を巡る意外な真実。著者九年ぶりの五〇〇枚書き下ろし、戦慄のドキュメンタリー・ホラー長編。
新潮社 小野不由美『残穢(ざんえ)』特設サイトより引用。
語り手である私は、小野さん本人が投影されています。
「昔書いていた小学生から中学生向けの文庫レーベルにホラーのシリーズを持っていた」というのは最近、装丁を変えて改めて出版されたあのシリーズでしょうね。
で、そのシリーズのあとがきに「怖い話を知っていたら教えて欲しい」と呼びかけていた、と。
20年ほど前のことだけど、未だに時折、手紙が届くと言う中、古書などで手に入れたという編集プロダクションのライターである久保さんという女性から、一通の手紙が届いた。
超したばかりの賃貸マンションの一室で何かが摺るような、箒で掃除をするような音がすると。
そして、一枚の小さな光が2つ写る写真を同封されていた。
私は、手紙のお礼とその写真の合理的な説明を書いて返信をした。
その後も思い出す度に久保さんが、実験記を送ってくれるようになった。
そして、久保さんはある日、その正体らしき物を見てしまった・・・。
その報告を読みながら、私は久保さんの話に既視感を覚え、どこで見聞きしたのかと引っかかりを覚えていた。
そして、私の引っ越しの準備をしながら、ふとそれをどこで聞いたのか思い出した。
かつて読者から届いた手紙だったのだ。
保存していた手紙を調べていると、久保さんと同じ住所のものがみつかった。
部屋番号は違うが同じマンションだった。
そして、手紙を開いてみると、そこには果たして、久保さんと同じく何かが掃く音と自分には見えないけれど2才の子供が揺れる何かを見ているらしい、という話が・・・・。
もうね!このドキュメンタリーなところが、怖さを誘う!
実在する物や人物(申し訳ないがその作家さんは知らなかった。機会があったら読んでみよう)混じると、リアリティが増して怖い!
しかも!
あ、ちょっとネタバレしちゃいますが。
終盤、話が福岡に移るのですよ。
で、そこに出てくる怪談が!小野さんとは反対側の隣県に実家がある私も聞いたことがあるような話なんですよ!!!!
もうここで怖さMAX。
夜に何で、こんな本を読んでいる、私!!!!
怖いので、その日は止めたけどね!
でも、最後は怖くなくなりました。今度こそネタバレになるので言わないけど、小説の中の人物と同じ気持ち。(絶妙なタイミングで同じ気持ちになる)
和田京子編『妖怪萬画 第2巻 絵師たちの競演』
さて、上の怖ーーーいお話を読んで、夜がどきどきな私にちょうど良かったこの本。
最近『大神』をプレイして、そういう絵を楽しみたくなって借りてきました。
浮世絵の妖怪達の絵がカラーでいっぱいの文庫本です。
巻末付録に本で出て来た150種の妖怪達のうち30種の解説がついています。
その中に、私の希望となる妖怪が!
その名は、がんばり入道。
「がんばり入道、ホトトギス」と唱えれば、夜中の厠で妖怪に会わずにすむという言い伝えが江戸時代にあったそうです。
これで、夜中も大丈夫!
と思ったのに、最後の一文が・・・。
ただ、この迷信には諸説があり~(中略)、その一方で大晦日にこの呪文を唱えると禍いがもたらされるともされている。
えっ(大晦日に使わなければいいのか??)
ちなみに私の怪談、不思議な話に対するポジションは非科学的だとは思っているけど、在った方が世界がより多彩になって面白いじゃない、です。
あさのあつこ著『燦〈1〉風の刃』
私の中では「人気の作家さんか。なら読んでおくか。」と思う時と、なんとなく避けてしまいたくなる気持ちが共存しています。
この境がどこにあるのか、自分でもよく分からないですが、確実に「普段、本を読まないタイプの人が流行っているからと手に取る本は避ける」があります。
何に張り合っているんだ、私。
これで、かなり私的に損をしている作品が絶対あるはず。
これのトップに立っている作家さんがお一人いるのですが、「死ぬまでには読んでおこう、数年前に話題になったアレだけでも」と思いつつ、まだ読んでいません。
で、あさのあつこさんも、どこでどうなったのか、避ける作家さんだったのですよ。
ここ数年、克服しようと何冊か借りている。
で、本の感想は申し訳ないですが、置いておきます。
(物語の開始としては、なかなか良く、続きを読んでみたいな、と思いました。)
ふと、本を手にして思ったことをつらつらと。
本や漫画の値段というのは、物価の上昇に伴い上がっていくのは当然なんですが。
コミックは出版社でほぼ同価格定なので、気付きやすいのですが、文庫本は本ごとに異なるので気になりにくい。
が、この本を手に取った時にまっさきに思った。
この薄さで495円+税なの?(207ページの本でした)
いや、本は厚さじゃないのかもしれないけど!
いつの間にこんなに上がった??
自分で積極的に買う本では気にならなかったのに、この本は妙に気になりました。
これが愛の差か・・・。
怨みを伴う死は「穢れ」となり、あらたな怪異の火種となるのか──。畳を擦る音が聞こえる、いるはずのない赤ん坊の泣き声がする、何かが床下を這い廻る気配がする。だからあの家には人が居着かない──何の変哲もないマンションで起きる怪奇現象を調べるうち、浮き上がってきたある「土地」を巡る意外な真実。著者九年ぶりの五〇〇枚書き下ろし、戦慄のドキュメンタリー・ホラー長編。
新潮社 小野不由美『残穢(ざんえ)』特設サイトより引用。
語り手である私は、小野さん本人が投影されています。
「昔書いていた小学生から中学生向けの文庫レーベルにホラーのシリーズを持っていた」というのは最近、装丁を変えて改めて出版されたあのシリーズでしょうね。
で、そのシリーズのあとがきに「怖い話を知っていたら教えて欲しい」と呼びかけていた、と。
20年ほど前のことだけど、未だに時折、手紙が届くと言う中、古書などで手に入れたという編集プロダクションのライターである久保さんという女性から、一通の手紙が届いた。
超したばかりの賃貸マンションの一室で何かが摺るような、箒で掃除をするような音がすると。
そして、一枚の小さな光が2つ写る写真を同封されていた。
私は、手紙のお礼とその写真の合理的な説明を書いて返信をした。
その後も思い出す度に久保さんが、実験記を送ってくれるようになった。
そして、久保さんはある日、その正体らしき物を見てしまった・・・。
その報告を読みながら、私は久保さんの話に既視感を覚え、どこで見聞きしたのかと引っかかりを覚えていた。
そして、私の引っ越しの準備をしながら、ふとそれをどこで聞いたのか思い出した。
かつて読者から届いた手紙だったのだ。
保存していた手紙を調べていると、久保さんと同じ住所のものがみつかった。
部屋番号は違うが同じマンションだった。
そして、手紙を開いてみると、そこには果たして、久保さんと同じく何かが掃く音と自分には見えないけれど2才の子供が揺れる何かを見ているらしい、という話が・・・・。
もうね!このドキュメンタリーなところが、怖さを誘う!
実在する物や人物(申し訳ないがその作家さんは知らなかった。機会があったら読んでみよう)混じると、リアリティが増して怖い!
しかも!
あ、ちょっとネタバレしちゃいますが。
終盤、話が福岡に移るのですよ。
で、そこに出てくる怪談が!小野さんとは反対側の隣県に実家がある私も聞いたことがあるような話なんですよ!!!!
もうここで怖さMAX。
夜に何で、こんな本を読んでいる、私!!!!
怖いので、その日は止めたけどね!
でも、最後は怖くなくなりました。今度こそネタバレになるので言わないけど、小説の中の人物と同じ気持ち。(絶妙なタイミングで同じ気持ちになる)
和田京子編『妖怪萬画 第2巻 絵師たちの競演』
さて、上の怖ーーーいお話を読んで、夜がどきどきな私にちょうど良かったこの本。
最近『大神』をプレイして、そういう絵を楽しみたくなって借りてきました。
浮世絵の妖怪達の絵がカラーでいっぱいの文庫本です。
巻末付録に本で出て来た150種の妖怪達のうち30種の解説がついています。
その中に、私の希望となる妖怪が!
その名は、がんばり入道。
「がんばり入道、ホトトギス」と唱えれば、夜中の厠で妖怪に会わずにすむという言い伝えが江戸時代にあったそうです。
これで、夜中も大丈夫!
と思ったのに、最後の一文が・・・。
ただ、この迷信には諸説があり~(中略)、その一方で大晦日にこの呪文を唱えると禍いがもたらされるともされている。
えっ(大晦日に使わなければいいのか??)
ちなみに私の怪談、不思議な話に対するポジションは非科学的だとは思っているけど、在った方が世界がより多彩になって面白いじゃない、です。
あさのあつこ著『燦〈1〉風の刃』
私の中では「人気の作家さんか。なら読んでおくか。」と思う時と、なんとなく避けてしまいたくなる気持ちが共存しています。
この境がどこにあるのか、自分でもよく分からないですが、確実に「普段、本を読まないタイプの人が流行っているからと手に取る本は避ける」があります。
何に張り合っているんだ、私。
これで、かなり私的に損をしている作品が絶対あるはず。
これのトップに立っている作家さんがお一人いるのですが、「死ぬまでには読んでおこう、数年前に話題になったアレだけでも」と思いつつ、まだ読んでいません。
で、あさのあつこさんも、どこでどうなったのか、避ける作家さんだったのですよ。
ここ数年、克服しようと何冊か借りている。
で、本の感想は申し訳ないですが、置いておきます。
(物語の開始としては、なかなか良く、続きを読んでみたいな、と思いました。)
ふと、本を手にして思ったことをつらつらと。
本や漫画の値段というのは、物価の上昇に伴い上がっていくのは当然なんですが。
コミックは出版社でほぼ同価格定なので、気付きやすいのですが、文庫本は本ごとに異なるので気になりにくい。
が、この本を手に取った時にまっさきに思った。
この薄さで495円+税なの?(207ページの本でした)
いや、本は厚さじゃないのかもしれないけど!
いつの間にこんなに上がった??
自分で積極的に買う本では気にならなかったのに、この本は妙に気になりました。
これが愛の差か・・・。