【自営業者や農家の場合】
事業用資産を相続人間で分散してしまうと
家業を継続できなくなることがあります。
遺言により、後継者に事業用資産を中心に他の相続人より多く相続させ
代わりに事業上の負債を負担させたり
事業に貢献した後継者に寄与分を考慮した相続分を指定できます。
【自宅等以外に分ける財産がない場合】
自宅を売却してそれを分けることも考えられますが
残された配偶者が住む家に困るようなケースもあります。
「住居は特定の相続人に残す」内容の遺言書で可能です。
(他の相続人の遺留分を確保する必要があります)
【ペットの世話が必要な場合】
法律上、ペットは物として扱われるため財産を相続できません。
(タマの立場の復習)
遺言書の「負担付き遺贈」により、「ペットの世話」という義務を果たしてもらう代わりに
財産を贈与(遺贈)するができます。
● 受贈者に予め承諾を得る…
負担付き遺贈は拒否できますので、事前に確認しておきましょう。
● 義務に対する負担は遺贈する財産の範囲内である…
世話にかかる費用を見通した金額を遺贈しましょう。
● 遺言執行者を選任しておく…
ちゃんと義務を果たしてくれるか心配ならば、監視役として
遺言執行者を指定しておくと安心です。
【相続人の誰も遺産内容を知らない場合】
不動産の所有の有無を含めて
預貯金がどこにどれだけあるのか、借金はいくらあるのか、など
財産の所有状況を一番よく分かっているのは被相続人自身です。
もちろん、相続開始後にそれらを調査することはできますが
時間や労力、費用をムダに費やしてしまう可能性が大です。
ヘタをしたら漏れてしまう財産もあるかもしれません。
遺言の大前提は財産目録の作成です。
財産をしっかり明記することでこうした事態を回避できます。