「抵触する」とは、前後2通の遺言書において
“同じ事柄について異なる処分”をすることでした。
遺言の内容が抵触する場合、原則として遺言者の
死亡した時期に最も近い時期に作成された遺言書が効力を持ち
後の遺言書で前の遺言書の内容が変更されたものとみなされます。
例えば、3年前の遺言書は
「自宅(建物と土地)はサザエに相続させる」でしたが
波平が亡くなる1年前に作成された遺言書には
「自宅(建物と土地)はフネに相続させる」とあれば
新しい遺言によってサザエに対する遺贈は撤回されたことになります。
3年前 1年前
「自宅はサザエに相続させる」 「自宅はフネに相続させる」
↓ ↓
× 〇
*ただし、この抵触する部分(自宅建物と土地)についてのみ撤回されただけで
前の遺言の全てが撤回されたわけではありません。
一方、前後2通の遺言書で
“異なる事柄について異なる処分”をしている場合は
作成日付の違う複数の遺言書であっても
抵触していないので、どちらも効力があることになります。
例えば、前の遺言で「自宅(建物と土地)はサザエに相続させる」とあり
次の遺言書で「山林はサザエに相続させる」とあれば
どちらも有効ですから、自宅と山林の両方をサザエが相続することになります。
3年前 1年前
「自宅はサザエに相続させる」 「山林はサザエに相続させる」
↓ ↓
〇 〇