
「軽自動車検査協会」が窓口になって行なう軽自動車の名義変更が
登録車に比べてかなり簡単な理由を知る機会はありませんでした。
そもそも国家公務員が勤務する陸運支局ではなく
国に代わって車検や登録実務等を行なう「特別民間法人」ということで
私が知る限り、隣接してはいても同じ敷地内にはないのです。
そして名義変更における実務上の大きな違いはこんな部分です。
新所有者の添付書類が印鑑証明でなく住民票抄本(本籍不要・本人のみ)
でよいので当然、使用する印鑑は認印で済む。
前所有者の書類も印鑑証明“不要”なので委任状、譲渡証ともに
認印の押印でよい。
つまり書類を所損さらには紛失しても売られてさえいる名前なら
購入した認印で名義変更ができてしまうことになり
これは精神的にずいぶん楽な気持で書類が作成出来る。
車庫証明は届出制なので名義変更の際の必要書類には含まれず
2600円の印紙代を節約しようと思えばしなくても済む。
後部ナンバープレートに封印がないので簡単に脱着が出来る等など
ところが一つだけ
軽自動車税に関して登録車に比べて面倒なコトがあります。
陸運支局で行なう登録車の名義変更の場合
“県税”である自動車税の「納税義務者の変更」も書類提出の順番に
県の税務課の窓口が組み込まれているので一つの流れの中で出来てしまいます。
一方、“市町村税”である軽自動車税は
同一県内は別にして、未だにオンラインで繋がっていないため
新所有者への課税手続きは一連の流れの中に組み込まれているのに
旧所有者への「課税を止める手続き」は別途、行なわなければならないのです。
ヤヤコシイ話ですので具体例を挙げてみます。

今回ヤフオクに出品したミニカを山梨県在住のMさんが購入したとします。
ちなみにミニカは昨日、車検証の所有者及び納税義務者、さらに自賠責保険も
帰りに保険会社を回って全て私の名義に変更して来ました。
すぐに売却予定のため2600円かかるいわゆる車庫証明は申請していませんし
約1400円のナンバー変更も不要ですので必要な金額は用紙代50円だけでした。
さて名義変更が初めてのMさんは地元の軽自動車検査協会に出向きます。
軽は封印がないので現車に乗って行かなくても
ナンバープレートだけ外して持って行っても何も問題はありません。
職員がとても親切に説明してくれますのでその通りに手続きをしていると
どこかの窓口で「“税止め手続き”はどうしますか?」と尋ねられるはずです。
料金は1500円程度、これが手作業で
私になっている“納税義務を外す手続き”のことを指しますが
出品表の中で触れていますように「不要です」とお答えいただければ結構です。
その代わりにMさん名義の新しい車検証のコピーを私宛に郵送してください。
私がこちらの市役所に出向き、新旧2枚の車検証のコピーを提示して
自分で税止め手続きを行ないますので。
もし仮にこの税止め手続きをしなければどうなるか?
なんと2つの県のそれぞれの市町村で新旧二人の納税義務者
つまり私とMさん宛に来年5月、軽自動車税の二重請求をして来るのです
もちろん私が気が付いて還付申請すれば返金してはくれますが、例えば
自動振替などで気が付かずにいると二重払いになったままです。
5年前の話では、同一県内のように
「じきに他県ともオンラインで繋がります」と聞いていたにも拘わらず
1500円程度を負担させて未だに電話をしたりFAXしたりする手作業で
この税止め手続きをしているのですから当然、ミスは付き物(過去のブログ記事)
何とか早く繋がって欲しいものと思わずにはいられません。
この部分だけが遅々として改善されない理由も
登録車に比べて軽自動車が極めて簡単に名義変更ができる理由も
これだけ庶民に愛用されている軽なのに、もしかしたら国は
未だに一人前の自動車と認めていないことが原因かも、と
ついイブカシンデしまいたくなります。