ごくごく近い将来に70歳を迎える今になって、なんとかここまで
持たせて来た上の奥歯を1本、抜くことになりました。
特にヒドイ痛みがあったわけではなかったのですが
2年に1度くらいヒリヒリ感を感じることがあり、そんな時は
歯磨きの際に出血することもありました。
小学校低学年の頃、下あごが前に出ている、いわゆる「受け口」を矯正したとは言え
根本的に噛み合わせが悪いことまでは完全に治すことは出来ず
この1本が噛み合うはずの下の奥歯は数年前からすでにないので
徐々に垂れ下がってくることは予めK医師に指摘されていました。
6カ月毎の定期検診の度に歯周ポケットの深さが他は全て「3㎜以下」なのに
「5㎜」や「6㎜」かつ「出血あり」と測定されていたのもこの歯で
この数値は明らかに「歯周病」を意味しています。
噛み合う相手がないのなら、いっそ抜いても良いのでは、と
こちらからK医師に訴えたことはあったのですが
特に抜く必要はないとのことでここまで来たものです。
そして今回の検診で、周囲の歯周ポケット1カ所の深さがなんと「10㎜」
「先生、噛み合っていない歯なんてすぐ抜いてください」
「すぐ前の歯を守るためにそれもアリですが、残りの本数を気にして
残しておく方もいます。抜いて良いですね?」
「もちろん!ぜひ」
"残りの本数を気にする"とは、「80-20(ハチマルニイマル)運動」、つまり
「80歳で20本以上自分の歯を残し、何でも美味しく食べよう」という運動のことで
30年前の1989年から厚労省と歯科医師会が中心になって推進しています。
1999年:平均残存歯数8本・残存歯数20本以上15%
2007年: 〃 10本・ 〃 25%
*ただし「残っていない人は残存歯数は極めて少なく、一方、残っている人は
とても多く残存している」傾向があるため、「平均残存歯数」は
あまり意味がないとのことで、その後この集計はされていません。
2017年:残存歯数20本以上51%
*なぜ20本か?・・・2歳半頃に出揃う乳歯と同じ20本が
「自分の歯で満足に食事ができる本数」とされているからに他ならず
生活の質(QOL)を良好に保ち、社会活動意欲があるとの調査結果や
残っている歯の本数が多いほど寿命が長いという調査結果もあると聞きます。

歯を失う原因で最も多いのが歯周病で、生活習慣病と言われるこの病気は
"初期"を含めると成人の80%以上がかかっていると言われます。
今回この1本を抜歯したことで残存する自分の歯は、下11本(うち治療済み2本)
上11本(治療済み1本)の22本+インプラント3本(下2本・上1本)
とりあえず明らかに歯周病を患っている歯はなくなったことになります。
ちなみに、成人の歯数は"親知らず"を除いて28本。
「自分の歯」には当然インプラントは含みませんが
しっかりと噛み合い、きちんと噛むことが出来る義歯(入れ歯を含む)によって
口の中の状態を良好に保つことで20本あるのと同程度の効果が得られるそうです。
しっかりと噛んで全身の栄養状態を良好にし、かつ脳を活性化することで
認知症のリスクが軽減するという調査結果もあると言いますから
残された歯を大切にしなければ、と思うこと仕切りです。
もっともそれ以上に、スポーツマンを自称する私の場合は
せめて"見た目"を若く保たなければ、というミーハー的見地を
否定するつもりは全くありません・・・。