ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

映画「フィラデルフィア」

2005-10-04 00:25:43 | Weblog
久しぶりに見直した。
彼がゲイ関係の映画を見たいと言うのでDVDを借りて来て一緒に見た。

目の不自由な彼には字幕版はしんどいので吹き替えも入っているDVDは便利だ。
映画の好きな俺にとって外国映画は字幕で見るものだと思ってるから変な感覚だった。

本当は映画館にも俺と一緒について来たいのだそうだ。
俺が映画の感想をいっぱい彼に聞かせるのだけど、やはり一緒に体験できないことが悔しいらしい。

家のテレビは少し大きめのサイズだから彼にも見やすい。
でも、一緒に見ると言っても二人並んで見ることはできない、
彼はテレビの真ん前に陣取り、俺は彼の頭を微妙によけながらそれなりの距離で見ることになる。

まあ俺には自分の視角の中に彼もいるから彼の映画の反応なども見れてこれはこれで楽しい。
さすがハイビジョンテレビでDVDを見ると綺麗だ。

「フィラデルフィア」は見た人も多いと思う、この映画の公開から10年以上も経たのかと感慨深い。
本当にゲイの立場がよく描かれていて、差別意識を真っ向から描いて見せて立派な映画だと思う。
ああいう映画を作ることの出来るアメリカは凄いと思うのだ、
商業的に作っている作品でありながらこのような内容を真正面に描き、そして主演のトムハンクスはアカデミー賞までとってしまう。
そこは日本ではなかなか無い部分で、憧れのアメリカであると言って良いところだ。

こういう映画を作ることで社会に影響を与えて変えていくんだね・・・

デンゼルワシントンの役回りがとてもウマく演出されているよね、
正義感とドノンケの苦悩?ここも隠すことなく描いてみせている。(デンゼルワシントンはホントかっこいいね、特にスーツ姿がドキドキだ)

平気で差別するヘテロの描き方は、もうこれでもか!といった感じで、見ている方としたら息苦しくてめまいがするくらい。
こんな風に俺たちは人格を否定されてゴミのように扱われなくちゃいけないものか・・・。

デンゼルワシントンがノンケの飲み屋でゲイフォビックな話題に巻き込まれた時の発言は気が利いた仕返しであるのだけど、それをも押しつぶす店の大将の一言「俺もその意見に賛成だ・・・ホモは糞くらえだってことだ!」この発言には脳震盪がおきそうなほど憎悪がこもっていた。

豹変する勤務先の上司たちの顔付きといったら・・・・語るも辛い。

そんななか、応援してくれる家族の暖かさ、彼氏のありがたさ、仲間・・・両親の強さ・・。

見た人は皆、身に詰まるものがあったと思う。
嗚咽が止まらなかった。
映画が終わると、彼は黙ってしがみついて来て離れなかった。

そういえば、この間の総選挙の時に民主党元党首の岡田さんが好きな映画としてこの「フィラデルフィア」を1本だけあげていた。
彼は結構な映画好きらしい。映画に描かれた正義感みたいなものに共感しているのだろうか。

この映画を好きだと言う政治家は信用できるかもしれない・・なんて単純だけど、そんなことを思ってしまう映画だなあと思い出した。

皆さんはこの映画「フィラデルフィア」の思い出はありますか?
コメント (3)
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