copyright (c)ち ふ
そう言えば、あの人の衣は色あせ少し破れてて薄かった。
いつかまだらの衣を織って贈ってあげよう。
まだ糸車が回っている。
途中で切れはしないかしら。
誰かが、足を引っ掛けて切ったりしないかしら。
長さは、これで足りるかしら。
心配すればキリがない。
しかし、そうなったとしても、あの人が居なくなるわけでは
ないのだから、いいわね。
(今日は疲れた。
身体が重い。
どうしたんだろう。
季節のせいだろうか?
眠りたい・・・)
やっぱり、気になる。
糸車も止まった。
よかった。
長さが足りて。
ご飯など、もう要らないわ。
さあ、手染めの薄草色の麻糸をたぐりよせて、
後を追って行ってみよう。
あの人ったら、道などあまり歩かないのね。
田んぼでも畑でも、何処でも真っすぐ歩いてゆくのね。
山の中ばかり歩いているから、そうなったのかしら。
あの人らしい。
あれ!
大神様の神社の中に入ってゆくわ。
神杉さまの方に続いている。
こんな方角にあったのおかしな人。
いつも私が通っていたのに、教えてくれてもいいんじゃない。
おかしいわ。神杉の前で切れている・・・
ああっ!!
あれは!
つづく