どの業界でもイケてる人は必ずいる。
イケてる人とは、イケメンを指すのではなく、仕事のできる人を指す。
もっと雑駁に言えば気安く仕事が頼めて、フットワークがいい人だ。
例えば我が社には、佐川急便とヤマト便と福山通運が入っているが、
ヤマト便を主に使っている。3社ともに価格がほとんど変わらないこともあり
一番イケてる人が担当のヤマト便が99%を占めている。
価格が同じ場合は、イケてる人が担当の会社を選ぶのは当然である。
しかし、大枚払ってでもイケてる人を選ぶ場合もある。
例えば私の行きつけの大正にあるヤマトの湯でマッサージを頼むときは、
オリンピック・女子レスリングの坂口 京子選手似の岡本さんにお願いする。
60分のボディマッサージに、30分のフットマッサージを追加すると
大枚1万円近くになる。
これなどは気安さだけでなく、自分の体に合うマッサージ技術を
提供してくれるかどうかがポイントになる。
イケてる人とは気安さなど人当たりの良さ+確かな技術を持つ人なのだ。
ならば 大枚はたいても、多少高くても、
岡本さんがマッサージしてくれるのならお願いしたいと言う気持ちになる。
私などは、あきらかに懐が拒否しているのに、
岡本さんを見ただけで、疲れて凝り固まった体が
マッサージルームへと私を誘う。
給料日前の1万円は痛いが
「頑張っている自分へのご褒美」といやがる懐を無理やり納得させる。
こう思わせるには、人間性かつ技術を持ち合せることが重要である。
しかし、技術があっても人間性がいまいちだと次第に遠のいていく。
この人間性をも含めた技術を個人のものとせず、
次代に伝承していくことが、我々の業界ではとても重要だ。
もちろんその他の世界でも同様で、特に団塊世代の大量退職で、
「技術の継承」問題が取り沙汰されている。
私が21歳でついた山崎 祐次監督が「宮大工棟梁・西岡 常一」を
ビデオ化したが、本当に「技」を伝えるには「口伝」が一番だそうだ。
「口伝」とは「やって見せて→やらせて→言う」を繰り返し行ない
技を伝えていくのだ。私は25歳でフリーになってしまったので
師匠と呼べる人はいなかった。したがって、
「やっているのを盗んで→やってみて→反省して→もう一度やってみる」を
繰り返し行ない、自分のやり方を見つけていった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/21/e2d1fde695eec0e9e41243bb18b57ee9.jpg)
今はマニュアル世代と呼ばれるくらいに、さまざまなマニュアル本が出ている。
しかしマニュアルなどを読んだくらいで
技が伝承できるのならこんな楽な事はない。
東大出の頭のいい人はマニュアルを読んで、全員が西岡 常一氏になれる。
んなことあるわけね~よな。
我々のような業界でも、何年もかけないと一人前に育てあげることはできない。
しかしそんな悠長な事をやっていたら、いつまでも商売にならないし、
会社もたまったものではない。さらに、受け継げる人材もごく限られてしまう。
私の持つ技術はいかばかりかとも思うが、わずか30年強なれど
伝えたいことも多々あると、思っている。
さて、宮大工には木の見方や道具の使い方など
技術の粋を集めた「匠の技(たくみのわざ)」があり、
次代に伝承する様々な「技」がある。ありすぎるくらい沢山ある。
カメラマンも同様に匠の技と言ってもよい技術が沢山ある。
例えば大学の恩師・宮川 一夫先生は、
モノクロ映画で、より雨らしく見せるため墨を混ぜた黒い雨を降らせた。
これなどは伝承すべき「技」の一例で、
この他にも宮川先生が生み出した匠の技は、数え上げれば枚挙に暇がない。
では監督が伝承する技とはなんだろうか?
例えばスピルバーグが、処女作「激突」で撮影日数を短縮するため
複数台のカメラを回した。これは、伝承すべき技だろうか?
そのスピルバーグに影響を与えた黒澤 明監督は、
予算オーバーを確信し、映画一番の戦闘シーンを最後まで撮らずに残し、
戦闘シーンの予算を増額させた。これは伝承すべき技だろうか?
例えば深作 欣二監督は、当事者であるがごとく迫力を出すため
カメラを手持ちにしたが、これなどは巷では深作監督が
考案したことになっているが、カメラマンの技として伝承したい。
同じく黒澤 明監督は、モノクロ映画の中で煙突の煙だけに色をつけた。
これなどは監督の技なのか、瞬発力のある思い付きなのか、
ギリギリ7である。
監督はあくまでもイメージを組み立て、カメラマンや編集マンが形にする。
となるとイメージの組み立て方こそ、監督の技として伝承しなければならない。
あるいは墨を混ぜた雨を降らせることを思いつかせるほど、
カメラマンを本気にさせるのが監督の匠の技である。
いわば、チームをつくる上での
「人タラシの極意」「チーム力を上げる極意」こそが
監督の匠の技として伝承すべきことなのかもしれない。
ということは、監督は詐欺師集団の頭領の極意か…
さらに言うなら…
ダイハード2のラストシーンで、
テロリストの乗る飛行機を傷だらけになりながらも破壊した
ジョン・マクレーン警部補は、奥さんのホリーと空港で再会し抱き合う。
それを撮ろうとしたカメラマンに「ヤボなことをするな」とばかり、
手でレンズを遮る女性ディレクター。
カメラマンは撮ってなんぼだが、監督は撮らないことも撮ったうち。
こんなことどうやって伝えればいいのやら…。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/e3/6a4b0e4bc78ac105038757479f370776.jpg)
確かに簡単に撮影できるカメラや、
照明がなくても写るカメラができてきた。
それも軽量コンパクト、ハードディスク内蔵で何十時間も撮影できる。
編集もパソコンで簡単にできるソフトが安価で販売されるようになり、
「プロの技」ってなに?というところまで電子技術は進み、
それでもなお生きづく「技」の継承は、
業界人のみならず、業界自体の生き残りをかけて行なわなければならない。
我々にとって機械をうまく使うのが技術ではない。
目に見えないものを、あるいはイメージをカタチにするための
「思考」そのものが「技術」=「匠の技」なのだ。
だとすれば、ノウハウはマニュアルでは表現できない。
多くの経験から「撮ることも撮影だが、撮らないことも撮影だ」と
言い切るための様々な準備と工夫と積みあげられる経験と、
何よりも監督に大切な「愛」というものを、若手に伝承しなければならない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/84/2332cd1265233049c66fd139b822bc53.jpg)
ちなみにこのブログは開局3ヵ月弱だが、アクセス数はかなりなものだ。
このブログの目的こそが、私が社員および関連スタッフに向けた
監督の技=思いの「口伝」である。
だから私が社長をやっている間に、そして私が生きている間にと思い、
せっせとアップしている。
断っておくが、見ず知らずの方のために書いているブログではない。
それほど私は暇人ではない。
時には風呂で汗だくになるまで座浴しながら、
時にはトイレで一向に出ないウンチを待ちながら、
時には取引先に向かう電車内で、
時には睡眠前の布団の中で、せっせと書きだめして、
早朝出社もしくは休日出勤して、アップしている。
だから見ず知らずの人がこのブログを、もし楽しみにして
通勤電車内で読んでいるようなら、お代の代わりに、
せめて感想文ぐらいはよこさねばならない。
よいか皆の者、これだけは言うておく。
イケてる人とは、イケメンを指すのではなく、仕事のできる人を指す。
もっと雑駁に言えば気安く仕事が頼めて、フットワークがいい人だ。
例えば我が社には、佐川急便とヤマト便と福山通運が入っているが、
ヤマト便を主に使っている。3社ともに価格がほとんど変わらないこともあり
一番イケてる人が担当のヤマト便が99%を占めている。
価格が同じ場合は、イケてる人が担当の会社を選ぶのは当然である。
しかし、大枚払ってでもイケてる人を選ぶ場合もある。
例えば私の行きつけの大正にあるヤマトの湯でマッサージを頼むときは、
オリンピック・女子レスリングの坂口 京子選手似の岡本さんにお願いする。
60分のボディマッサージに、30分のフットマッサージを追加すると
大枚1万円近くになる。
これなどは気安さだけでなく、自分の体に合うマッサージ技術を
提供してくれるかどうかがポイントになる。
イケてる人とは気安さなど人当たりの良さ+確かな技術を持つ人なのだ。
ならば 大枚はたいても、多少高くても、
岡本さんがマッサージしてくれるのならお願いしたいと言う気持ちになる。
私などは、あきらかに懐が拒否しているのに、
岡本さんを見ただけで、疲れて凝り固まった体が
マッサージルームへと私を誘う。
給料日前の1万円は痛いが
「頑張っている自分へのご褒美」といやがる懐を無理やり納得させる。
こう思わせるには、人間性かつ技術を持ち合せることが重要である。
しかし、技術があっても人間性がいまいちだと次第に遠のいていく。
この人間性をも含めた技術を個人のものとせず、
次代に伝承していくことが、我々の業界ではとても重要だ。
もちろんその他の世界でも同様で、特に団塊世代の大量退職で、
「技術の継承」問題が取り沙汰されている。
私が21歳でついた山崎 祐次監督が「宮大工棟梁・西岡 常一」を
ビデオ化したが、本当に「技」を伝えるには「口伝」が一番だそうだ。
「口伝」とは「やって見せて→やらせて→言う」を繰り返し行ない
技を伝えていくのだ。私は25歳でフリーになってしまったので
師匠と呼べる人はいなかった。したがって、
「やっているのを盗んで→やってみて→反省して→もう一度やってみる」を
繰り返し行ない、自分のやり方を見つけていった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/21/e2d1fde695eec0e9e41243bb18b57ee9.jpg)
今はマニュアル世代と呼ばれるくらいに、さまざまなマニュアル本が出ている。
しかしマニュアルなどを読んだくらいで
技が伝承できるのならこんな楽な事はない。
東大出の頭のいい人はマニュアルを読んで、全員が西岡 常一氏になれる。
んなことあるわけね~よな。
我々のような業界でも、何年もかけないと一人前に育てあげることはできない。
しかしそんな悠長な事をやっていたら、いつまでも商売にならないし、
会社もたまったものではない。さらに、受け継げる人材もごく限られてしまう。
私の持つ技術はいかばかりかとも思うが、わずか30年強なれど
伝えたいことも多々あると、思っている。
さて、宮大工には木の見方や道具の使い方など
技術の粋を集めた「匠の技(たくみのわざ)」があり、
次代に伝承する様々な「技」がある。ありすぎるくらい沢山ある。
カメラマンも同様に匠の技と言ってもよい技術が沢山ある。
例えば大学の恩師・宮川 一夫先生は、
モノクロ映画で、より雨らしく見せるため墨を混ぜた黒い雨を降らせた。
これなどは伝承すべき「技」の一例で、
この他にも宮川先生が生み出した匠の技は、数え上げれば枚挙に暇がない。
では監督が伝承する技とはなんだろうか?
例えばスピルバーグが、処女作「激突」で撮影日数を短縮するため
複数台のカメラを回した。これは、伝承すべき技だろうか?
そのスピルバーグに影響を与えた黒澤 明監督は、
予算オーバーを確信し、映画一番の戦闘シーンを最後まで撮らずに残し、
戦闘シーンの予算を増額させた。これは伝承すべき技だろうか?
例えば深作 欣二監督は、当事者であるがごとく迫力を出すため
カメラを手持ちにしたが、これなどは巷では深作監督が
考案したことになっているが、カメラマンの技として伝承したい。
同じく黒澤 明監督は、モノクロ映画の中で煙突の煙だけに色をつけた。
これなどは監督の技なのか、瞬発力のある思い付きなのか、
ギリギリ7である。
監督はあくまでもイメージを組み立て、カメラマンや編集マンが形にする。
となるとイメージの組み立て方こそ、監督の技として伝承しなければならない。
あるいは墨を混ぜた雨を降らせることを思いつかせるほど、
カメラマンを本気にさせるのが監督の匠の技である。
いわば、チームをつくる上での
「人タラシの極意」「チーム力を上げる極意」こそが
監督の匠の技として伝承すべきことなのかもしれない。
ということは、監督は詐欺師集団の頭領の極意か…
さらに言うなら…
ダイハード2のラストシーンで、
テロリストの乗る飛行機を傷だらけになりながらも破壊した
ジョン・マクレーン警部補は、奥さんのホリーと空港で再会し抱き合う。
それを撮ろうとしたカメラマンに「ヤボなことをするな」とばかり、
手でレンズを遮る女性ディレクター。
カメラマンは撮ってなんぼだが、監督は撮らないことも撮ったうち。
こんなことどうやって伝えればいいのやら…。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/e3/6a4b0e4bc78ac105038757479f370776.jpg)
確かに簡単に撮影できるカメラや、
照明がなくても写るカメラができてきた。
それも軽量コンパクト、ハードディスク内蔵で何十時間も撮影できる。
編集もパソコンで簡単にできるソフトが安価で販売されるようになり、
「プロの技」ってなに?というところまで電子技術は進み、
それでもなお生きづく「技」の継承は、
業界人のみならず、業界自体の生き残りをかけて行なわなければならない。
我々にとって機械をうまく使うのが技術ではない。
目に見えないものを、あるいはイメージをカタチにするための
「思考」そのものが「技術」=「匠の技」なのだ。
だとすれば、ノウハウはマニュアルでは表現できない。
多くの経験から「撮ることも撮影だが、撮らないことも撮影だ」と
言い切るための様々な準備と工夫と積みあげられる経験と、
何よりも監督に大切な「愛」というものを、若手に伝承しなければならない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/84/2332cd1265233049c66fd139b822bc53.jpg)
ちなみにこのブログは開局3ヵ月弱だが、アクセス数はかなりなものだ。
このブログの目的こそが、私が社員および関連スタッフに向けた
監督の技=思いの「口伝」である。
だから私が社長をやっている間に、そして私が生きている間にと思い、
せっせとアップしている。
断っておくが、見ず知らずの方のために書いているブログではない。
それほど私は暇人ではない。
時には風呂で汗だくになるまで座浴しながら、
時にはトイレで一向に出ないウンチを待ちながら、
時には取引先に向かう電車内で、
時には睡眠前の布団の中で、せっせと書きだめして、
早朝出社もしくは休日出勤して、アップしている。
だから見ず知らずの人がこのブログを、もし楽しみにして
通勤電車内で読んでいるようなら、お代の代わりに、
せめて感想文ぐらいはよこさねばならない。
よいか皆の者、これだけは言うておく。
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