日常のことばたち

時々落ち込むこともあるけれど、いまを生きるんだ。

6月25日 命日

2007-06-25 19:15:16 | 命日
6月25日 命日



仕事から帰ってきてから、花壇のグラジオラスを切り花にして、お墓参りに行って来ました。

墓苑に到着して、まずはお花の水を換えて、来られない人の分まで、たくさんのお線香に火をつけて、静かにお墓の前に座る。

墓石を見つめながら、

「3年経ったのか」

と思った。

「もう」なのか、「まだ」なのか、3年経ったのだ。

お線香の煙の舞う中で、目を閉じて、手を合わせる。

昨日に引き続き、近況の報告、あれから3年経ったこと、

亡くなった人に言うのも変だけど、「元気でやってるか?」などなど・・・。

長い時間、目を閉じて、手を合わせていた。

浮かんでくるものをすべて語りかけた。



3年か・・・。

お前から見て、今の俺はどう見える?

俺はあれから成長したか?

どう見えるかわからないけど、なんとか元気でやってるよ。



3年前のことを思い出す。

医師からあいつが亡くなったと告げられたとき、

ベッドに横たわるあいつの頬にそっと手を寄せた。

ただ、ただ、冷たかった。

言葉でなく、心で理解した。

冷たさがただ残酷だった。

病院で泣き叫び崩れ、拳を何度も床に叩きつけた。

痛みは現実だった。



結婚して3ヶ月後の出来事だった。

人がひとりいなくなっても、世界は動き続ける。

ただ私の認識は変わった。

あいつがいない世の中を生きなければならなくなった。

あいつが亡くなったことで、ひたすら自分を責めた。

まだ何かやれることがあったんじゃないか?

俺が医師や看護師だったら救えたんじゃないか?

あの時、こうしてればよかったんじゃないか?

まだ何かできたじゃないのか?

・・・

やがて鬱になった。

生きることにもう疲れてしまったのだ。

何もかもどうでもいいと。



あれから3年。

まだ生きてる。

なんとか。

あいつの命は終わってしまったけど、

おれが生きていれば、みんなはあいつを思い出すことだろう。

とか思ってる。

今の自分が成長したかどうかはわからないけど、

日々、なんとか生きているわ。



たばこを墓前に添えたいけど、俺、たばこ吸えないんだ、これが。

火のつけ方もわからん。

すまねえが、お線香で我慢してくれ。



帰り間際、墓石に右手をそっとおいてみた。

少しひんやりした。

「また来るよ」

と言いながらも、またしばらくそのままだった。

少しでも近づきたかったのかなぁ。

「また来るよ」

と二回目言って、帰ってきました。



3年か・・・。

何年経っても、

また来るよ。



だから、生きている俺を見ていてくれ。



コメント (2)
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