本日、ぽぽろにお越しいただいた皆さん、ありがとうございました。
「第2回 卒後の学ぶ場・専攻科を考えるつどい」は25人ほどの方にご参加いただきました。
フォレスクール実践報告会の報告をしていただいたナガチャン、写真を送ってくれたHさんご苦労様。フォレに参加された堺のぼっこの会の方からも感想をいただきました。
そして、何よりも感動的だったのは2人の体験談でした。
Oくんは大阪府立大のオープンカレッジに4年間通って学んだことをしっかり、楽しく話してくれました。声のトーンを下げて、落ち着いて、自分が得たものを語ってくれた彼の姿そのものが、収穫の大きさを示しているのではないかと思いました。
また、一緒に参加していただいたオープンカレッジのスタッフの府立大学生さん、ホントにありがとうございました。カレッジの内容がとてもよく分かりました。募集は4年に一度だそうですね。今度の募集は4年後です。橋下知事の「大学改革」で存続するかどうか心配という話も聞かれました。是非残して充実させて欲しいというのが参加者一同の思いだったのではないでしょうか。
20日にカナダから帰国したばかりのTさんの報告はこれまた素晴らしかったですね。私たちスタッフは(ゴメン)信じられない思いでしたが、大きな大きな収穫があったんだよね。
Hさんの「日本とカナダと比較してどこがどのように違って、何が生活しやすかった(生きにくさを感じなかった)のか?」というような質問に「日本は例えば注文した商品の納期はきちんと守って当たり前だし、きちきちしている。カナダではその辺が結構適当なので、私は随分と救われました」というようなことを言っていました。
なるほどと思いましたが、理解してすべてを受け入れ厳しく優しく支えてくれたママや友人の存在があったとはいえ、やはり自分からぶつかっていって、自分を出せたというところがすごいなぁ。
参加者もなかなか論客ぞろいで鋭く温かい質問がたくさん出てあっという間の2時間でした。いかがでしたか?ますます、卒後の移行支援教育=学ぶ場の必要性が分かり、欲しくなりましたよね。
さて、次回の「つどい」は5月13日(木)です。今日は教授会で来れなくなった電通大の坂井先生にも来ていただいてお話をしていただきたいですね。
しかしです、本日の最大の出来事は残ってヤンクラ(青年クラス)でお好み焼きをつつきながらヤングたちが相談した内容です。
ジャーン!ついに青年たちが立ち上がりました。この取り組みは、当事者が自らのねがいを掲げ、自らの知恵と力を出し合って学ぶ作業所・専攻科をつくる運動にしようと話し合ってきました。本日、保護者たちをさしおいてスタッフの支援も得て、「実行委員会体制」を立ち上げました。集いで報告してくれたOくんの難しい言葉を借りれば「組織化」ですね。
会長はTさん。最古参の一人、ヤンボラ・ヤンクラリーダーです。
副会長はOくん。学生で4月からぽぽろ大東で土曜日のアルバイトをします。
書記はNさん。成人の集いで長文の作文を読んでくれたので、記録はお手のもの。
書記・サメ[トはアメリカに渡りカウボーイになるのが夢だと語ったOくん。
連絡係はMさん。メール連絡はお手のもの。
会計は本日は作業所の役員選挙のために欠席だったTくん。キチキチッとしているからうってつけ。
広報はOくん。スピーカーってこと?
イベント係は国際派のTさん。いつかはみんなでカナダ旅行を企画しようって話になったそうです。
青年たちよ、大志を抱け!
スゴイですよね、皆さん。さぁ、彼らはこのとりくみにどんな夢とねがいを重ねて主体的に参加するのでしょうか。楽しみです。
ぽぽろ番のおっちゃんはこの話し合いの場におれなかったのでとても残念でした。
そのかわりに、Tくんの作業所に行って来ました。今日は役員選挙のアトに初めての取り組みとして、有志の仲間の皆さん8人と職員5人を交えた話し合いがありました。司会は今年度役員のTくんと私。テーマは「仲間同士の付き合いとお金」いいかえれば「イヤと言えない」。
問題提起をしたのはYさん。彼のねがいは「お金を貯めて自分の好きなこと(電車・バス・船などの乗り物に乗って旅行に出かけ、景色を見たりおみやげの買い物をしたりして楽しみたい)に使えるようになりたい。」「これまで独りぼっちだったから作業所の仲間といっしょに話したり食べに行ったりするのが楽しいので、友だちと遊びたい(友だちを失いたくない)。」「失いたくないから食べに行ったりすると自分がお金を出してしまう。友だちが逃げていってしまうので断れない。だから、お金が貯まらない。」というもの。お母さんからも「あんたは、人に頼まれると断れない人間や。だからだまされやすい。」と言われたとも。
これに対して、全員が発言。「割り勘にしたらいい」「体調が悪いとか、用事があるとか行って断ったらいい」「たまにはおごってもいいけど、断ったらいい」「おごり続けるときとおごってもらい続けるときと交代ごうたいでやったらいい」「お金がなかったらおごってもらう」「計画と目標たてて職員にお金を預かってもらったらいい」「結婚式とかは招待したもんがお金は出すものやで。それといっしょや。(だから、誘わん方がええ)」「断って逃げていくようなヤツは友だちではないで!」「お金使ってではなく、そちらからもっと楽しく話したらいい」…
でも、彼は結局「言えばケチやとか冷たいとか言われ、嫌われるからイヤや」「こわくてなかなか言えない」「そんなん、よう言わんわ」と葛藤が続きます。目の前にその友だちがいて、そちらの方をチラチラ見ながら、絶対にいいよとか割り勘でとか言ってくれへん」と訴えます。
そこで、彼にじゃぁここで練習してみようと、励ましますが引いてしまいます。そこで、にわか劇団を結成し劇をやることにしました。いわゆるロールプレイです。それを見て「性のセミナー」に参加した彼が「男役と女役に分かれて同じことをやったで!」とバラしますが、断り役のKさんの演技は絶妙でみんなを感心させました。
それで彼もロールプレイをやりましたが、押しが少し弱い感じで「一回断って様子を見てみたらどうか」と言われ頑張ってみると決意表明しました。職員(作業所)にお金を預かってもらうことは考えてみるとのこと。さてどうなることやら。
こういう話は案外多いかもしれませんね。作業所と家庭以外に第三の世界がなく、あってもこのようにいかに貧しいかということでもあります。
引き続き来年度につないでいくことになりました。来年度の役員はIさん、Mくん、Yくんの3人です。ぽぽろも引き続き作業所の「集団づくり」についてを課題にかかわっていくことになりました。
ぽぽろのヤングたちは常に話し合いをしています。常に行事のたびにみんなで話し合って企画し、役割を担い、人の前で一言しゃべらせられます。
スタッフは徹底的にこの取り組みを支援します。
実践というのは一見すると「ギター教室」「パソコン教室」「調理」「合宿」などを通して何かのスキルを磨き獲得すること=自立の課題のように受け止められがちです。これは直接的な活動ですし、とても大事です。
でも、それだけではありません。もう一つ、仲間たち一人ひとりが抱える「弱点」や悩み、人間関係などをおいてはスキルは生かされないし、自立には結びつきません。みんなとコミュニケーションや交流を楽しめているか、学び合いは出来ているか、自分は出せているかなどはとても大切なこと。
実践の中身として目に見えるスキルの獲得だけでなく、内面の豊かさにつながる自分の弱さや友だちの弱さ、自分の得意や友だちの得意などにお互いを向き合わせ、仲間づくりとして民主主義と自治を根づかせていく。これを我がスタッフたちは握って離さず実践しています。
作業所実践も同じでしょう。自立支援法によって益々、作品(商品)づくり、作業効率向上、工賃の獲得で精一杯の現場です。でも会社とは違う作業所は実践の場です。そこは発達支援の場でもあり、仲間集団づくりは欠かせないのではないでしょうか。
そういう意味でも「しゃべり場」はとても大切であり、ぽぽろの青年たちは「しゃばり場」に慣れ、大好きになりつつあるのではないでしょうか。
「第2回 卒後の学ぶ場・専攻科を考えるつどい」は25人ほどの方にご参加いただきました。
フォレスクール実践報告会の報告をしていただいたナガチャン、写真を送ってくれたHさんご苦労様。フォレに参加された堺のぼっこの会の方からも感想をいただきました。
そして、何よりも感動的だったのは2人の体験談でした。
Oくんは大阪府立大のオープンカレッジに4年間通って学んだことをしっかり、楽しく話してくれました。声のトーンを下げて、落ち着いて、自分が得たものを語ってくれた彼の姿そのものが、収穫の大きさを示しているのではないかと思いました。
また、一緒に参加していただいたオープンカレッジのスタッフの府立大学生さん、ホントにありがとうございました。カレッジの内容がとてもよく分かりました。募集は4年に一度だそうですね。今度の募集は4年後です。橋下知事の「大学改革」で存続するかどうか心配という話も聞かれました。是非残して充実させて欲しいというのが参加者一同の思いだったのではないでしょうか。
20日にカナダから帰国したばかりのTさんの報告はこれまた素晴らしかったですね。私たちスタッフは(ゴメン)信じられない思いでしたが、大きな大きな収穫があったんだよね。
Hさんの「日本とカナダと比較してどこがどのように違って、何が生活しやすかった(生きにくさを感じなかった)のか?」というような質問に「日本は例えば注文した商品の納期はきちんと守って当たり前だし、きちきちしている。カナダではその辺が結構適当なので、私は随分と救われました」というようなことを言っていました。
なるほどと思いましたが、理解してすべてを受け入れ厳しく優しく支えてくれたママや友人の存在があったとはいえ、やはり自分からぶつかっていって、自分を出せたというところがすごいなぁ。
参加者もなかなか論客ぞろいで鋭く温かい質問がたくさん出てあっという間の2時間でした。いかがでしたか?ますます、卒後の移行支援教育=学ぶ場の必要性が分かり、欲しくなりましたよね。
さて、次回の「つどい」は5月13日(木)です。今日は教授会で来れなくなった電通大の坂井先生にも来ていただいてお話をしていただきたいですね。
しかしです、本日の最大の出来事は残ってヤンクラ(青年クラス)でお好み焼きをつつきながらヤングたちが相談した内容です。
ジャーン!ついに青年たちが立ち上がりました。この取り組みは、当事者が自らのねがいを掲げ、自らの知恵と力を出し合って学ぶ作業所・専攻科をつくる運動にしようと話し合ってきました。本日、保護者たちをさしおいてスタッフの支援も得て、「実行委員会体制」を立ち上げました。集いで報告してくれたOくんの難しい言葉を借りれば「組織化」ですね。
会長はTさん。最古参の一人、ヤンボラ・ヤンクラリーダーです。
副会長はOくん。学生で4月からぽぽろ大東で土曜日のアルバイトをします。
書記はNさん。成人の集いで長文の作文を読んでくれたので、記録はお手のもの。
書記・サメ[トはアメリカに渡りカウボーイになるのが夢だと語ったOくん。
連絡係はMさん。メール連絡はお手のもの。
会計は本日は作業所の役員選挙のために欠席だったTくん。キチキチッとしているからうってつけ。
広報はOくん。スピーカーってこと?
イベント係は国際派のTさん。いつかはみんなでカナダ旅行を企画しようって話になったそうです。
青年たちよ、大志を抱け!
スゴイですよね、皆さん。さぁ、彼らはこのとりくみにどんな夢とねがいを重ねて主体的に参加するのでしょうか。楽しみです。
ぽぽろ番のおっちゃんはこの話し合いの場におれなかったのでとても残念でした。
そのかわりに、Tくんの作業所に行って来ました。今日は役員選挙のアトに初めての取り組みとして、有志の仲間の皆さん8人と職員5人を交えた話し合いがありました。司会は今年度役員のTくんと私。テーマは「仲間同士の付き合いとお金」いいかえれば「イヤと言えない」。
問題提起をしたのはYさん。彼のねがいは「お金を貯めて自分の好きなこと(電車・バス・船などの乗り物に乗って旅行に出かけ、景色を見たりおみやげの買い物をしたりして楽しみたい)に使えるようになりたい。」「これまで独りぼっちだったから作業所の仲間といっしょに話したり食べに行ったりするのが楽しいので、友だちと遊びたい(友だちを失いたくない)。」「失いたくないから食べに行ったりすると自分がお金を出してしまう。友だちが逃げていってしまうので断れない。だから、お金が貯まらない。」というもの。お母さんからも「あんたは、人に頼まれると断れない人間や。だからだまされやすい。」と言われたとも。
これに対して、全員が発言。「割り勘にしたらいい」「体調が悪いとか、用事があるとか行って断ったらいい」「たまにはおごってもいいけど、断ったらいい」「おごり続けるときとおごってもらい続けるときと交代ごうたいでやったらいい」「お金がなかったらおごってもらう」「計画と目標たてて職員にお金を預かってもらったらいい」「結婚式とかは招待したもんがお金は出すものやで。それといっしょや。(だから、誘わん方がええ)」「断って逃げていくようなヤツは友だちではないで!」「お金使ってではなく、そちらからもっと楽しく話したらいい」…
でも、彼は結局「言えばケチやとか冷たいとか言われ、嫌われるからイヤや」「こわくてなかなか言えない」「そんなん、よう言わんわ」と葛藤が続きます。目の前にその友だちがいて、そちらの方をチラチラ見ながら、絶対にいいよとか割り勘でとか言ってくれへん」と訴えます。
そこで、彼にじゃぁここで練習してみようと、励ましますが引いてしまいます。そこで、にわか劇団を結成し劇をやることにしました。いわゆるロールプレイです。それを見て「性のセミナー」に参加した彼が「男役と女役に分かれて同じことをやったで!」とバラしますが、断り役のKさんの演技は絶妙でみんなを感心させました。
それで彼もロールプレイをやりましたが、押しが少し弱い感じで「一回断って様子を見てみたらどうか」と言われ頑張ってみると決意表明しました。職員(作業所)にお金を預かってもらうことは考えてみるとのこと。さてどうなることやら。
こういう話は案外多いかもしれませんね。作業所と家庭以外に第三の世界がなく、あってもこのようにいかに貧しいかということでもあります。
引き続き来年度につないでいくことになりました。来年度の役員はIさん、Mくん、Yくんの3人です。ぽぽろも引き続き作業所の「集団づくり」についてを課題にかかわっていくことになりました。
ぽぽろのヤングたちは常に話し合いをしています。常に行事のたびにみんなで話し合って企画し、役割を担い、人の前で一言しゃべらせられます。
スタッフは徹底的にこの取り組みを支援します。
実践というのは一見すると「ギター教室」「パソコン教室」「調理」「合宿」などを通して何かのスキルを磨き獲得すること=自立の課題のように受け止められがちです。これは直接的な活動ですし、とても大事です。
でも、それだけではありません。もう一つ、仲間たち一人ひとりが抱える「弱点」や悩み、人間関係などをおいてはスキルは生かされないし、自立には結びつきません。みんなとコミュニケーションや交流を楽しめているか、学び合いは出来ているか、自分は出せているかなどはとても大切なこと。
実践の中身として目に見えるスキルの獲得だけでなく、内面の豊かさにつながる自分の弱さや友だちの弱さ、自分の得意や友だちの得意などにお互いを向き合わせ、仲間づくりとして民主主義と自治を根づかせていく。これを我がスタッフたちは握って離さず実践しています。
作業所実践も同じでしょう。自立支援法によって益々、作品(商品)づくり、作業効率向上、工賃の獲得で精一杯の現場です。でも会社とは違う作業所は実践の場です。そこは発達支援の場でもあり、仲間集団づくりは欠かせないのではないでしょうか。
そういう意味でも「しゃべり場」はとても大切であり、ぽぽろの青年たちは「しゃばり場」に慣れ、大好きになりつつあるのではないでしょうか。