やっぱり最後は実践の話で終わります。今年も子どもたちにたくさんのことを教わりました。バイトのヤング諸君と忘年会をやり、久しぶりに熱く語ってしまった子どもたちの話から、「またか」と思われるかもしれませんが、特にKちゃんのことを書き留めておこうと思います。「困っている子」の話です。みんな「困っている子」です。
長すぎるけど、読んでみてください。今年の決算です。
26日、今年最後の学童、そして最後の公園遊びを楽しみました。携帯で撮っていた写真を使って報告です。
12月から回数が増えたYちゃん。前回遊んだ台車乗りを覚えていて朝から手を取りに来ました。でも、この日は少し発作(気をつけて見ていないと分からない)も多いようで「顔が真っ白」と言われるほど。時々ウトウトもしていましたが昼寝のアトに復活して公園へレッツゴー。ブランコが大好きで、公園と聞くと頭の中で思い浮かぶのでしょう、動作も早くなるんですよ。
Kちゃんも公園に行く楽しみが大きくなりました。以前は公園を走り回って子ども(特に小さい子)を後方から押し唐キことが多く、一時も目が離せませんでした。今はブランコ乗りたい!という目当てをしっかり持っているようです。止まると何度も何度も押せと要求するようになりました。追いかけっこ・押したおしっこも大人(ヤンボラ、ヤンクラ)との関わりが中心です。この日は公園に行くなりずっと帰るまで1時間近くブランコに乗っていました。Kちゃんにも公園に行く目当て・楽しみが出来たのです。
ですから、お弁当も周りの子らがごちそうさまをして遊びだしたり、靴をはきだしたりするともう落ち着かなくなってスプーンを払いのけたり口を開けようとせず食が進まないことも増えてきて、ヤンアル(ヤングアルバイト)さんたちを悩ませています。と、私は彼の中に変化が生まれたことが食が進まない原因・背景と推測しているのです。「どうしてだろうね?」と彼らにいつも問いかけています。部屋に誰もいなくなって弁当も3分の1くらいに減ってくると、猛烈な勢いで自分でスプーンを持って食べ始めます。
月に3~4回しか来ないKちゃん。学校なら「月に3~4回しか」でしょうが、今のぽぽろならもっと来て欲しいという期待も込めて「3~4回も」です。何よりもKちゃんとは3年越しのつき合いです。ですから私たちにとっては「3年も」です。この笑顔には3年の重みが隠されていると密かに思っているのです。
ごめんなさいね。思っていることを書かせてもらいますね。
Kちゃんはお母さんといつも少し早めに来所し、お母さんはいつも早めにお迎えに来られていました。来所時のKちゃんはダラ~と寝転がっています。しかし、お迎えの頃にはKちゃんはテンションが上がって絶好調で、お友だちに突っかかっていき後方から突き唐キのでお母さんもきがきではありません。お母さんも怒らざるをえませんし、周りの視線も気になります。だから私はお母さんのお迎えが早いし、早めに帰っていくんだと今でも思っているのです。ヤンクラ諸君にもそんな私の考えを伝えてきました。
最近、スタッフの長ちゃんがお迎えのお母さんに言いました。「Kちゃんはぽぽろの宝やで。Kちゃんのおかげで色んなことを勉強させてもらっているんやで。ありがとうな、Kちゃん」と。だいたいこんな言葉だったと思うのですが、言い方がとても自然で温かだったので感心したものです。(実はみんなが宝なのですよ。でも、「問題を起こす子」「手がかかる子」をどう受け止めるかによって支援のあり方は180度変わってくるのです。問題を抱えていない子などいませんが、Kちゃんは誰の目にも「問題」が見えやすくて「困った子」になりやすいからです。)
最近になって、子どもたちのKちゃんに対する関わり方が変わってきたと思うのです。そう感じているのは私だけではありません。丁度、Kちゃんを「かご」(台車)の中から引っぱり出して、おっかけ遊びを始めた頃、Kちゃんにやられた子どもたちは逆にKちゃんをボコボコにやっつけていました。もしくは、逃げ回って泣くか大人の陰に逃げ込むかしていたものです。近頃では、Kちゃんが突進してくるとスゥ~とかわしたり、うまく逃げたり、オットットと衝撃を和らげ押されるのを楽しんだりと上手につき合う姿も見られます。おそらく、スタッフやヤンボラたちの関わりが、「許容的」でなかったら子どもたちもこのようには関われなかったでしょう。
3年前のあの頃。まだぽぽろが「障害者支援センターつるみ」に同居しており、軽のワンボックスカーに「音楽あそび」用のグッズを詰め込んで関目学園・「うぇるほぅる」に出かけ、月一回の「ドサまわり」公演のような活動をしていた頃。Kちゃんはいつも台車の中か訓練用バルーンの上でした。そうしているとゴンゴンせず、おとなしかったり、笑顔が見られたりしたからです。集団あそびの中に誘い込もうとすると額から血がにじむほど頭を床にゴンゴンと打ちつけていたKちゃんでした。口先だけでなく、本当に「困った子」という見方から解放されて「困っている子」として受け止めようという関わりが始まったのは1年前でしょうか?
「かご」から出したKちゃんは最初は床の上で心の杖=コクヨの国語ノート(Kちゃんの「こだわり」で家ではずっと持っているそうです)を持って寝っころがってゴロゴロしていました。時々、泣く子がいると走っていって喜び、いっそう泣かしたりします。そのうち、押し唐オて泣かせて喜ぶようになりました。その反応を楽しんでいるかのように、誰彼となく押すようになりました。しかも、前からは決して押しません。後方から押すので危険です。
誰彼となく押して反応を楽しむようになったのと、私が相撲で後ろ向きになって立ち会いをしてKちゃんに押されて唐ウれ、それを見たKちゃんが喜んで、今度は私の手を引っ張り「もう一度せよ」と要求しだしたころとは重なっています。
私の中でも葛藤がありました。このままやっていると危険な遊びを覚えてしまうのではないだろうか?という思いが頭をよぎりました。
でも、Kちゃんのゴンゴンが減って笑顔がたくさん見られるようになってきたのもこの頃です。前向きに関わろうとするとすぐに座り込んでしまうので、Kちゃんの「好きな」後ろ向きの格好で関わりだしたのです。
その頃から私を見つけると手を引っ張り、後ろ向きにさせるKちゃんがいました。後ろ向きで何十回もこけながら、最初は10回に一回、5回に一回と前向きになって突進してくるKちゃんを胸で受け止め、嫌がるのを無理矢理抱っこしてグルグル回して遊んだりしました。息切れしそうになりながらも「世の中にはこんな楽しい遊びがあるよ」ということを知って欲しい一心からでした。最近やっと緊張しながらもグルグルされたり、正面からのすもうで突き唐オて楽しめるようになってきました。すもうの構えの時だけ突っかかってきます。
葛藤を吹っ切ったのは相棒のKさんの一言でした。「誰彼となく激しく押すようになったのは、友だちへの関心の高まりが背景にあるからなのでしょうね」と。「後ろ向き」のかかわりから始めたのは、Kちゃんの「関わりたい」という前向きのねがい・エネルギーに応えようとする「前向きな」関わりなのだと。
そして、後方から押しに来るKちゃんに絶えながら、今度は「Kちゃん、おんぶ!」とピーンと伸びきって嫌がるKちゃんを無理矢理おんぶしながら振り回して遊ぶようにしました。「おんぶってとても人の背中が温かく感じられ、こんなにも身を任せて楽しく遊べるんだ」ということを知って欲しかったのです。今では、おんぶされるとげらげら笑ってヤングたちの背中にも飛びついています。
公園遊びでは追いかけられっこを楽しみながら関係を強め、「世の中にはこんなにも面白いものがあるよ」ということを知ってほしくて嫌がるKちゃんを無理矢理抱いてブランコに載せだしたのもこの頃からでした。最初はすぐに逃げ出していました。
そのうちに嫌がりながらも膝の上で抱かれて揺らされる時間が増えていきました。手がちぎれそうになるほどブランコはこぎました。そのうちに、緊張して笑顔も出ないKちゃんでしたが一人でブランコに乗って我慢して座っていられるようになってきました。
そして、この笑顔です。
この日の一週間前のブランコです。楽しいことは誰とでもできるのです。ヤンアルのS君に押してもらって楽しそうです。
おっとー、Hくんも押しだしました前に行かないで定位置にとどまって上手に押せるようになったHくんですが、Kちゃんはまだ安心して任せられないのかすげぇ顔です。そのうちに友だちと押し合い出来るようになるでしょう。楽しみです。
公園の帰りにはヤンボラ君を追いかけ背中を押そうとするKちゃんに荷物(砂遊びグッズ)を2個渡しました。最後まで持ち続け、階段で放すかなと思ったら、ちゃんと片手に持ち替えて2つ持ちながら、もう片方の手は手すりを持って最後まで運んでくれました。ちょっとした遊びながらの「発達検査」でした。
ついでにKちゃんの「心の杖」(コクヨの国語ノート)について報告します。ぽぽろは不安な心を支えるために手に持っている物への「こだわり」をこちらが捨てて、持ちながらでも楽しく遊べたらいいじゃないのとという方針でやっています。店じまいされた文房具屋さんからいただいたノートの中にコクヨの国語ノートを発見してKくんのお母さんに差し上げて喜ばれたときのことを思い出します。でも、Kちゃんは遊びの時に「ノートを置いておこうか?」と言うとこの頃はちゃんと置いて遊んでいます。ていうか、ほとんど忘れているようです。お母さんには不思議なようです。
Kちゃんはまだ可能性をいっぱい秘めた小学3年生。「後方から押してしまうという友だちへの関わりをただ叱って止める」「台車に乗せておいたらおとなしいからそうさせておく」ということでは、大きくなってKちゃんはゴンゴンなどの自傷が止められず目が離せないほど益々激しくなるかもしれない、駅のホームでは危険だからと電車には乗れなくなるかもしれない、大きな事故が起こって隔離されてしまうかもしれない…などと心配するのです。そんなことにはさせたくない。だからこそ、いっぱい楽しい世界と関わり方を知って欲しいし、可能性をたくさん秘めた今だからこそできることを精一杯してあげようと思うのです。学校の教育と同じくらい、将来へのぽぽろの責任は大きいと思っているのです。受ける教育や生活によって将来に与える影響は大きいと思うのです。
後方からの関わりで関係が出来てきたヤング諸君に時々「押されて喜んでばかりではダメ!やるなら今はおんぶで!!」とか「前から関わって!Kちゃんと向き合って!」と言っていることの意味をつかんで欲しいのです。
Rくんもブランコが大好きです。そうです、Rくんも1年前は乗ったら不安定でお尻がドスンと落ちていたよね。
この日は真っ先に公園に行きました。すると、すんなりとブランコで遊んで早めにプレールームに帰って遊べました。この頃のRくんはすごく難しくて聴覚の過敏がひどくなったかのように耳を押さえており、事務所が居場所になっています。朝も早く来たときにはプレールームで遊んでいますが、近頃は友だちが来ると事務所の床は冷たいのでおもちゃ箱と一緒にカーペットを引きずってこもります。そこを基地にして、時々「ねずみばあさん」がちょっかいを出したりすると飛び出して追いかけ、「なずみばあさん」をやっつけます。
「出遅れると気後れる」のは誰にでもあることですが、今のRくんにとっては気持ちを切り替えて遊びに飛び込むのは至難の業。この日に一番に公園に行けたのには理由があります。ある日突然、「おにぎり2個こだわり弁当」のRくんが「ちゃんとした」おかずとごはんが別々に入ったお弁当を持ってきました。「こだわり弁当」の時はとにかく一番アトから食べ初め、時々遊びながら指先でつまんでダラダラと食べて終わる頃には友だちはみんな公園に行ってしまっていたということなどざらでした。ところが「普通のお弁当」に変わってからちゃんとフォークやスプーンを使って黙々と食べ出し、「早食い組」の中に入るようになったのです。スタッフのSさんに誘われ、とにかくみんなより早く公園に出かけたのがよかったのでしょう。
色々訳ありでしょうが「そんなことも、そんなときもあるさ」で来ましたが、時には見守り寄り添うことも大事にしております。
結局、「お弁当事件」のいきさつは全くもってその訳を聞けていません。この時も騒がないでそっと見守ったのがよかったのかな?
Yくんも公園が大好きです。朝のうちから手を取って靴を履こうとします。「公園に行きたいの?」と聞くと「うんうん」と言います。来はじめの頃は折り合いが付かず「自傷行為」もありましたが、ちゃんと伝えられるようになり、またお弁当の後に行けると見通しも持てているのでしょう。切りかえたり我慢したりして集団遊びにも時々入ってきています。
Tちゃんは手袋をもって公園へ!プールの時も地べたの水をすくって遊び続けるので掌が傷だらけになるのでお母さんが用意してくださいました。今は枯れ葉と砂です。この世界にはいるとなかなかやめられませんし、帰れません。しかし、1時間以上も公園にいると思う存分「至福の時間」を過ごせたし、ブランコに乗れたようで「おやつだよー。帰ろう」の呼びかけに対する切り替えも早かったようです。
この日は新しい物好きの私は、Rくんのお家からいただいたばかりの自転車を倉庫から引っぱり出してさっそく使うことにしました。「コマなしの自転車なんか誰が使うんや!??」なんて考えないことにしています。
乗るか乗らないか、それは子どもが決めることです。
オー!すごーい。さっそく颯爽と乗り出したのがHくん。スイスイと乗り回すHくんに唖然。まいった!このブログ、カッコイイHくんの姿を福井のじいばあちゃんの家で見ているかい?
こうなるとライバルのYくんも見てはおれません。簡単に乗れるとでも思っているのでしょうか?それとも、お家で乗って(稽古して)いるのでしょうか?ライバル心のみでしょうか?無謀に見えた私は後部座席に飛び乗ってバランスをとろうとしますが、なかなか息が合いませんでした。もうちょっとで一人乗りできそうでした。
乗りたいと思ったら言うことを聞きません、眉毛が八の字になるYくん。一度で終わるわけがありません。スタッフのOさん、ご苦労様です!Yくん、嬉しくて嬉しくて何周も回っていましたね。
とうとう私を乗せてこぎ出しました。彼がこいで私が足をあげてバランスをとっています。見事に2人乗りです。彼もまもなく一人で乗れるようになるでしょう。
Mちゃんは「家では手押ししかしないのでいりませんので」とお家からいただいたスケーターに「正しく」乗って遊んでいます。珍しく自転車には近づこうとはしませんでしたが、何か訳でもあるのでしょうか?乗れないと分かって(決めつけて)いるのでしょうか?一人で乗ってこけたとか…。
マカトンに身振り手振りに「おしゃべり」で考えていることがよく伝わるようになってきたMちゃんです。
いやぁー、紅白をラジオで聴き、姿形をテレビで時々確かめながら書いていたら年を越してしまいました。見ておかないとヤングたちについていけないのです。紅白もなかなかの見ごたえ、聞き応えですなぁ…。
とりあえず、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
私の休日。
30日に映画を観に行きました。
実は約2年前に相談に来られた20代のかたがテレビでやった『ノダメ・カンタービレ…』をビデオにとって「何度も観ています。ホッとするんです。」とおっしゃっていたのを思い出して是非観てみようと思っていたのです。
「家族の誕生日など数字を覚えられません。仕事で書いた記録の中に文字の間違いがたくさんあって迷惑をかけています。地図を読みとって方角を見定めるのが苦手なので、仕事で訪問する方の家を休みの日に下見して道順を要所要所の目印を入れながら書き取っています…。」という悩みを持たれた方でした。
確かぽぽろで検査されたアトだと思うのですが、職場でカミングアウトされたら周りは以前からそうではないかと思っていたと言われ、結局相談の上に職場で配置転換されたと聞きました。その後、どうされているのでしょう?
アト『釣りバカ』を観に行く予定です。
今日はお風呂の大聡怐Bやりだしたら隅々まで磨かないと気が済みません。疲れて昼寝しました。27日のぽぽろの大聡怩ナは更衣室兼倉庫兼印刷室を大改造しました。ビフォアアフターをお楽しみに。しかし、机の周りはそのままです。片づけが出来ないのではない!仕事の書類=仕事が仕分けできないからなのです。事業仕分けが出来ないまま来年(もう今年)も事業が増えていく…。
明日(今日)は早朝から奈良に行く予定。久しぶりに新薬師寺に行って十二神将を拝んでカツを入れてもらおう。
それでは おやすみなさい。
長すぎるけど、読んでみてください。今年の決算です。
26日、今年最後の学童、そして最後の公園遊びを楽しみました。携帯で撮っていた写真を使って報告です。
12月から回数が増えたYちゃん。前回遊んだ台車乗りを覚えていて朝から手を取りに来ました。でも、この日は少し発作(気をつけて見ていないと分からない)も多いようで「顔が真っ白」と言われるほど。時々ウトウトもしていましたが昼寝のアトに復活して公園へレッツゴー。ブランコが大好きで、公園と聞くと頭の中で思い浮かぶのでしょう、動作も早くなるんですよ。
Kちゃんも公園に行く楽しみが大きくなりました。以前は公園を走り回って子ども(特に小さい子)を後方から押し唐キことが多く、一時も目が離せませんでした。今はブランコ乗りたい!という目当てをしっかり持っているようです。止まると何度も何度も押せと要求するようになりました。追いかけっこ・押したおしっこも大人(ヤンボラ、ヤンクラ)との関わりが中心です。この日は公園に行くなりずっと帰るまで1時間近くブランコに乗っていました。Kちゃんにも公園に行く目当て・楽しみが出来たのです。
ですから、お弁当も周りの子らがごちそうさまをして遊びだしたり、靴をはきだしたりするともう落ち着かなくなってスプーンを払いのけたり口を開けようとせず食が進まないことも増えてきて、ヤンアル(ヤングアルバイト)さんたちを悩ませています。と、私は彼の中に変化が生まれたことが食が進まない原因・背景と推測しているのです。「どうしてだろうね?」と彼らにいつも問いかけています。部屋に誰もいなくなって弁当も3分の1くらいに減ってくると、猛烈な勢いで自分でスプーンを持って食べ始めます。
月に3~4回しか来ないKちゃん。学校なら「月に3~4回しか」でしょうが、今のぽぽろならもっと来て欲しいという期待も込めて「3~4回も」です。何よりもKちゃんとは3年越しのつき合いです。ですから私たちにとっては「3年も」です。この笑顔には3年の重みが隠されていると密かに思っているのです。
ごめんなさいね。思っていることを書かせてもらいますね。
Kちゃんはお母さんといつも少し早めに来所し、お母さんはいつも早めにお迎えに来られていました。来所時のKちゃんはダラ~と寝転がっています。しかし、お迎えの頃にはKちゃんはテンションが上がって絶好調で、お友だちに突っかかっていき後方から突き唐キのでお母さんもきがきではありません。お母さんも怒らざるをえませんし、周りの視線も気になります。だから私はお母さんのお迎えが早いし、早めに帰っていくんだと今でも思っているのです。ヤンクラ諸君にもそんな私の考えを伝えてきました。
最近、スタッフの長ちゃんがお迎えのお母さんに言いました。「Kちゃんはぽぽろの宝やで。Kちゃんのおかげで色んなことを勉強させてもらっているんやで。ありがとうな、Kちゃん」と。だいたいこんな言葉だったと思うのですが、言い方がとても自然で温かだったので感心したものです。(実はみんなが宝なのですよ。でも、「問題を起こす子」「手がかかる子」をどう受け止めるかによって支援のあり方は180度変わってくるのです。問題を抱えていない子などいませんが、Kちゃんは誰の目にも「問題」が見えやすくて「困った子」になりやすいからです。)
最近になって、子どもたちのKちゃんに対する関わり方が変わってきたと思うのです。そう感じているのは私だけではありません。丁度、Kちゃんを「かご」(台車)の中から引っぱり出して、おっかけ遊びを始めた頃、Kちゃんにやられた子どもたちは逆にKちゃんをボコボコにやっつけていました。もしくは、逃げ回って泣くか大人の陰に逃げ込むかしていたものです。近頃では、Kちゃんが突進してくるとスゥ~とかわしたり、うまく逃げたり、オットットと衝撃を和らげ押されるのを楽しんだりと上手につき合う姿も見られます。おそらく、スタッフやヤンボラたちの関わりが、「許容的」でなかったら子どもたちもこのようには関われなかったでしょう。
3年前のあの頃。まだぽぽろが「障害者支援センターつるみ」に同居しており、軽のワンボックスカーに「音楽あそび」用のグッズを詰め込んで関目学園・「うぇるほぅる」に出かけ、月一回の「ドサまわり」公演のような活動をしていた頃。Kちゃんはいつも台車の中か訓練用バルーンの上でした。そうしているとゴンゴンせず、おとなしかったり、笑顔が見られたりしたからです。集団あそびの中に誘い込もうとすると額から血がにじむほど頭を床にゴンゴンと打ちつけていたKちゃんでした。口先だけでなく、本当に「困った子」という見方から解放されて「困っている子」として受け止めようという関わりが始まったのは1年前でしょうか?
「かご」から出したKちゃんは最初は床の上で心の杖=コクヨの国語ノート(Kちゃんの「こだわり」で家ではずっと持っているそうです)を持って寝っころがってゴロゴロしていました。時々、泣く子がいると走っていって喜び、いっそう泣かしたりします。そのうち、押し唐オて泣かせて喜ぶようになりました。その反応を楽しんでいるかのように、誰彼となく押すようになりました。しかも、前からは決して押しません。後方から押すので危険です。
誰彼となく押して反応を楽しむようになったのと、私が相撲で後ろ向きになって立ち会いをしてKちゃんに押されて唐ウれ、それを見たKちゃんが喜んで、今度は私の手を引っ張り「もう一度せよ」と要求しだしたころとは重なっています。
私の中でも葛藤がありました。このままやっていると危険な遊びを覚えてしまうのではないだろうか?という思いが頭をよぎりました。
でも、Kちゃんのゴンゴンが減って笑顔がたくさん見られるようになってきたのもこの頃です。前向きに関わろうとするとすぐに座り込んでしまうので、Kちゃんの「好きな」後ろ向きの格好で関わりだしたのです。
その頃から私を見つけると手を引っ張り、後ろ向きにさせるKちゃんがいました。後ろ向きで何十回もこけながら、最初は10回に一回、5回に一回と前向きになって突進してくるKちゃんを胸で受け止め、嫌がるのを無理矢理抱っこしてグルグル回して遊んだりしました。息切れしそうになりながらも「世の中にはこんな楽しい遊びがあるよ」ということを知って欲しい一心からでした。最近やっと緊張しながらもグルグルされたり、正面からのすもうで突き唐オて楽しめるようになってきました。すもうの構えの時だけ突っかかってきます。
葛藤を吹っ切ったのは相棒のKさんの一言でした。「誰彼となく激しく押すようになったのは、友だちへの関心の高まりが背景にあるからなのでしょうね」と。「後ろ向き」のかかわりから始めたのは、Kちゃんの「関わりたい」という前向きのねがい・エネルギーに応えようとする「前向きな」関わりなのだと。
そして、後方から押しに来るKちゃんに絶えながら、今度は「Kちゃん、おんぶ!」とピーンと伸びきって嫌がるKちゃんを無理矢理おんぶしながら振り回して遊ぶようにしました。「おんぶってとても人の背中が温かく感じられ、こんなにも身を任せて楽しく遊べるんだ」ということを知って欲しかったのです。今では、おんぶされるとげらげら笑ってヤングたちの背中にも飛びついています。
公園遊びでは追いかけられっこを楽しみながら関係を強め、「世の中にはこんなにも面白いものがあるよ」ということを知ってほしくて嫌がるKちゃんを無理矢理抱いてブランコに載せだしたのもこの頃からでした。最初はすぐに逃げ出していました。
そのうちに嫌がりながらも膝の上で抱かれて揺らされる時間が増えていきました。手がちぎれそうになるほどブランコはこぎました。そのうちに、緊張して笑顔も出ないKちゃんでしたが一人でブランコに乗って我慢して座っていられるようになってきました。
そして、この笑顔です。
この日の一週間前のブランコです。楽しいことは誰とでもできるのです。ヤンアルのS君に押してもらって楽しそうです。
おっとー、Hくんも押しだしました前に行かないで定位置にとどまって上手に押せるようになったHくんですが、Kちゃんはまだ安心して任せられないのかすげぇ顔です。そのうちに友だちと押し合い出来るようになるでしょう。楽しみです。
公園の帰りにはヤンボラ君を追いかけ背中を押そうとするKちゃんに荷物(砂遊びグッズ)を2個渡しました。最後まで持ち続け、階段で放すかなと思ったら、ちゃんと片手に持ち替えて2つ持ちながら、もう片方の手は手すりを持って最後まで運んでくれました。ちょっとした遊びながらの「発達検査」でした。
ついでにKちゃんの「心の杖」(コクヨの国語ノート)について報告します。ぽぽろは不安な心を支えるために手に持っている物への「こだわり」をこちらが捨てて、持ちながらでも楽しく遊べたらいいじゃないのとという方針でやっています。店じまいされた文房具屋さんからいただいたノートの中にコクヨの国語ノートを発見してKくんのお母さんに差し上げて喜ばれたときのことを思い出します。でも、Kちゃんは遊びの時に「ノートを置いておこうか?」と言うとこの頃はちゃんと置いて遊んでいます。ていうか、ほとんど忘れているようです。お母さんには不思議なようです。
Kちゃんはまだ可能性をいっぱい秘めた小学3年生。「後方から押してしまうという友だちへの関わりをただ叱って止める」「台車に乗せておいたらおとなしいからそうさせておく」ということでは、大きくなってKちゃんはゴンゴンなどの自傷が止められず目が離せないほど益々激しくなるかもしれない、駅のホームでは危険だからと電車には乗れなくなるかもしれない、大きな事故が起こって隔離されてしまうかもしれない…などと心配するのです。そんなことにはさせたくない。だからこそ、いっぱい楽しい世界と関わり方を知って欲しいし、可能性をたくさん秘めた今だからこそできることを精一杯してあげようと思うのです。学校の教育と同じくらい、将来へのぽぽろの責任は大きいと思っているのです。受ける教育や生活によって将来に与える影響は大きいと思うのです。
後方からの関わりで関係が出来てきたヤング諸君に時々「押されて喜んでばかりではダメ!やるなら今はおんぶで!!」とか「前から関わって!Kちゃんと向き合って!」と言っていることの意味をつかんで欲しいのです。
Rくんもブランコが大好きです。そうです、Rくんも1年前は乗ったら不安定でお尻がドスンと落ちていたよね。
この日は真っ先に公園に行きました。すると、すんなりとブランコで遊んで早めにプレールームに帰って遊べました。この頃のRくんはすごく難しくて聴覚の過敏がひどくなったかのように耳を押さえており、事務所が居場所になっています。朝も早く来たときにはプレールームで遊んでいますが、近頃は友だちが来ると事務所の床は冷たいのでおもちゃ箱と一緒にカーペットを引きずってこもります。そこを基地にして、時々「ねずみばあさん」がちょっかいを出したりすると飛び出して追いかけ、「なずみばあさん」をやっつけます。
「出遅れると気後れる」のは誰にでもあることですが、今のRくんにとっては気持ちを切り替えて遊びに飛び込むのは至難の業。この日に一番に公園に行けたのには理由があります。ある日突然、「おにぎり2個こだわり弁当」のRくんが「ちゃんとした」おかずとごはんが別々に入ったお弁当を持ってきました。「こだわり弁当」の時はとにかく一番アトから食べ初め、時々遊びながら指先でつまんでダラダラと食べて終わる頃には友だちはみんな公園に行ってしまっていたということなどざらでした。ところが「普通のお弁当」に変わってからちゃんとフォークやスプーンを使って黙々と食べ出し、「早食い組」の中に入るようになったのです。スタッフのSさんに誘われ、とにかくみんなより早く公園に出かけたのがよかったのでしょう。
色々訳ありでしょうが「そんなことも、そんなときもあるさ」で来ましたが、時には見守り寄り添うことも大事にしております。
結局、「お弁当事件」のいきさつは全くもってその訳を聞けていません。この時も騒がないでそっと見守ったのがよかったのかな?
Yくんも公園が大好きです。朝のうちから手を取って靴を履こうとします。「公園に行きたいの?」と聞くと「うんうん」と言います。来はじめの頃は折り合いが付かず「自傷行為」もありましたが、ちゃんと伝えられるようになり、またお弁当の後に行けると見通しも持てているのでしょう。切りかえたり我慢したりして集団遊びにも時々入ってきています。
Tちゃんは手袋をもって公園へ!プールの時も地べたの水をすくって遊び続けるので掌が傷だらけになるのでお母さんが用意してくださいました。今は枯れ葉と砂です。この世界にはいるとなかなかやめられませんし、帰れません。しかし、1時間以上も公園にいると思う存分「至福の時間」を過ごせたし、ブランコに乗れたようで「おやつだよー。帰ろう」の呼びかけに対する切り替えも早かったようです。
この日は新しい物好きの私は、Rくんのお家からいただいたばかりの自転車を倉庫から引っぱり出してさっそく使うことにしました。「コマなしの自転車なんか誰が使うんや!??」なんて考えないことにしています。
乗るか乗らないか、それは子どもが決めることです。
オー!すごーい。さっそく颯爽と乗り出したのがHくん。スイスイと乗り回すHくんに唖然。まいった!このブログ、カッコイイHくんの姿を福井のじいばあちゃんの家で見ているかい?
こうなるとライバルのYくんも見てはおれません。簡単に乗れるとでも思っているのでしょうか?それとも、お家で乗って(稽古して)いるのでしょうか?ライバル心のみでしょうか?無謀に見えた私は後部座席に飛び乗ってバランスをとろうとしますが、なかなか息が合いませんでした。もうちょっとで一人乗りできそうでした。
乗りたいと思ったら言うことを聞きません、眉毛が八の字になるYくん。一度で終わるわけがありません。スタッフのOさん、ご苦労様です!Yくん、嬉しくて嬉しくて何周も回っていましたね。
とうとう私を乗せてこぎ出しました。彼がこいで私が足をあげてバランスをとっています。見事に2人乗りです。彼もまもなく一人で乗れるようになるでしょう。
Mちゃんは「家では手押ししかしないのでいりませんので」とお家からいただいたスケーターに「正しく」乗って遊んでいます。珍しく自転車には近づこうとはしませんでしたが、何か訳でもあるのでしょうか?乗れないと分かって(決めつけて)いるのでしょうか?一人で乗ってこけたとか…。
マカトンに身振り手振りに「おしゃべり」で考えていることがよく伝わるようになってきたMちゃんです。
いやぁー、紅白をラジオで聴き、姿形をテレビで時々確かめながら書いていたら年を越してしまいました。見ておかないとヤングたちについていけないのです。紅白もなかなかの見ごたえ、聞き応えですなぁ…。
とりあえず、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
私の休日。
30日に映画を観に行きました。
実は約2年前に相談に来られた20代のかたがテレビでやった『ノダメ・カンタービレ…』をビデオにとって「何度も観ています。ホッとするんです。」とおっしゃっていたのを思い出して是非観てみようと思っていたのです。
「家族の誕生日など数字を覚えられません。仕事で書いた記録の中に文字の間違いがたくさんあって迷惑をかけています。地図を読みとって方角を見定めるのが苦手なので、仕事で訪問する方の家を休みの日に下見して道順を要所要所の目印を入れながら書き取っています…。」という悩みを持たれた方でした。
確かぽぽろで検査されたアトだと思うのですが、職場でカミングアウトされたら周りは以前からそうではないかと思っていたと言われ、結局相談の上に職場で配置転換されたと聞きました。その後、どうされているのでしょう?
アト『釣りバカ』を観に行く予定です。
今日はお風呂の大聡怐Bやりだしたら隅々まで磨かないと気が済みません。疲れて昼寝しました。27日のぽぽろの大聡怩ナは更衣室兼倉庫兼印刷室を大改造しました。ビフォアアフターをお楽しみに。しかし、机の周りはそのままです。片づけが出来ないのではない!仕事の書類=仕事が仕分けできないからなのです。事業仕分けが出来ないまま来年(もう今年)も事業が増えていく…。
明日(今日)は早朝から奈良に行く予定。久しぶりに新薬師寺に行って十二神将を拝んでカツを入れてもらおう。
それでは おやすみなさい。