Potter's Diary

私の生活諸々と陶芸作品の紹介(ヒューストンより)

今年の新作

2012-01-10 | 陶芸

去年作って素焼きになったまま、完成させていなかった作品たちをようやく完成させました。我が家の窯の作品第3号かな。なんとか酸化焼成の釉薬に少しなじんできたというか、見慣れてきたかな、っていうところです。上の写真の左の白っぽい皿は雑誌から見つけた釉薬のテストピースなのですが、釉薬が結晶になってなかなか面白い表情です。もう少し釉薬のつけ方を工夫したら使えそう。黒の作品たちは思ったとおりのデキで、ちょっと満足。ところが_、ところがなのです。コレ、よ~く見てください。



割れてます。私の大失敗デス。考えてみると、これは今回が2度目の失敗になるのですが、前回はその理由に気がつきませんでした。窯から作品を出す際、毎回ワクワクうれしくて、早く手に取ってみたくて、ついついまだ熱いうちに窯から出してしまうのですが、こういう蓋ものは中の温度と外の温度に大きな差ができるらしいのです。で、出してしばらくしてから、“ボン”というすごい音で爆発しました。前回も小さなティーポットが出してしばらくしてから口の部分が“パリン”と割れました。???だったのですが、今回ようやくその温度差のせいだと気がつきました。次回からは蓋ものはすぐに出した後は蓋をあけることにします。というか、もっとゆっくり窯が充分に冷えてから出せばよいのよね。まったっく初歩的なことでした。割れたのはこれだけだったので、不幸中の幸いです。毎回毎回、いろいろ学びますねぇ。さぁ~、今年はがんばって作ろうっと。
今年もNaoko's Potteryをどうぞよろしくお願いいたします。www.naokospottery.com

 


電気窯での焼成

2011-12-02 | 陶芸

電気の窯をこの夏買いました。

とんでもない暑さになるヒューストンの夏に、我が家のガレージの中に設置された窯は、室温が38度を超えると勝手に窯のスイッチが切れる安全装置がついているものだから、夏の間はまったく使えません。9月も半ばになってようやくテスト焼成ができました。ところがです。わかっていたこととは言え、とにかくこの窯は酸化焼成窯。今までグラッセル・スク-ルでやっていたガスの還元窯とは全く違うのです。土も釉薬も変え、頭も替えて取り組みました。まずは土と釉薬のテストからはじめて、自分の好きな色合の土を探し、それに合う釉薬を試します。テストの焼成ばかり何度も繰り返して、やっと少し自分の好きな納得のいく組み合わせを見つけて、ようやく作品作りにとりかかりました。そして、最近ようやくできたのがこの作品たち。これらは今、日本料理のレストラン、Kubo'sのNaoko's potteryのギャラリーに置かせていただいています。上の写真は酸化焼成の酒器です。


酸化焼成の汁注ぎ


還元焼成(左)と酸化焼成(右)のティーポット、還元焼成の花器


これは還元焼成の皿

やはり、まだまだしっくりきていませぬ。還元焼成のほうが気が楽です。しかし、せっかく我が家にある窯、せいぜい利用して、いろいろ試してみることにします。


LEDの灯

2011-06-13 | 陶芸

 久々の新作アップロードですが、今回はちょっと妙なものをつくりました。これ、LEDのライトを使った灯です。ある機会があって、LEDのライトを使った灯を作ってほしい、と頼まれました。しかも私の住んでいるヒューストンはスペースセンターのある街なので、なにか宇宙にちなんだものを、という限定付。これには悩みました。数年前に肺専門のドクターが退官される際の記念品として、肺のオブジェを作ってほしいと頼まれたことがありました(2007-9-23)が、その時以来のむずかしい注文でした。
宇宙にちなんだ灯... そこで、「宇宙からやってきた石」を作ってみました。

宇宙からやってきた光る石です。こんなものが空からやってきたら楽しいかなぁ、と思ったわけなのです。
それにしても、ここにいたるまでにかなり悩んだために、春のセメスターのうちに仕上げることができず、ガス窯の高温還元焼成に間に合いませんでした。そのため、期日に間に合わせるために電気の窯を使って最終焼成をすることにしました。ということは酸化焼成。今まで電気の窯を使って最終焼成をしたことがなかった私としては、これはかなりの大冒険。でもいろいろな意見を聞きながら思い切ってやってみました!!そうしたら、これが予想以上に簡単にうまく焼くことができて、けっこう満足なデキ。
そして、「電気の窯って悪くないゾ!」と初めて思ったわけです。今まで自分で窯を持とうなんて思ったこともなかったのですが、こんなに簡単にうまく焼けるなら、窯を持つのも悪くない、そろそろ窯を持とうじゃないかと思ったわけです。ガスの窯は住宅の環境問題など、クリアしなければならないことが多くて我が家にはとても無理なのですが、電気窯ならば、それなりの環境を整えれば設置可能。ということで、さっそく窯を注文して、ただ今我が家のガレージを改造中。楽しみです!!


穴窯 その2

2011-04-19 | 陶芸

1月末に行われた穴窯。結果をアップロードしようと思いながら今日になってしまいました。6時間シフトで昼夜薪を入れ続け、6日間燃やし続けました。最後には窯の裏側が燃えて、消防自動車がやってきたというハプニングもあったようで、見たら確かに窯の裏が真っ黒け。

で、窯を開けたらこ~んなかんじでした。

一見、スゴイ!これはいいかも、って思ったのもつかの間、出してみると場所によって温度差があったようで、生焼け状態のものもあり、私のもかなり生焼けでした。釉薬をかけないで入れているので、ただの真っ白けやグレー... 期待してただけにガックシ。やっぱりちょっとは釉薬かけたほうがよかったかも... マ、それでも2ヶ月たってながめてみると、まぁまぁのデキもあるからいいかな、ってところです。学んだこともいっぱいあったしね。

何はともあれ楽しい穴窯でした。すっごく寒かったけど...


穴窯

2011-02-03 | 陶芸

先週の土曜日、ヒューストンの北、Shepherdというところにある穴窯でクラスの窯入れがありました。陶芸のクラスの希望者およそ30人くらいがそれぞれ作品を持ち寄っての窯入れです。

 

 
薪割り


窯の中はこ~んなカンジ。

かなり大きな窯ですが、それでもあれだけの作品が全部入るのかなぁ、と若干不安...



窯入れ完了!!

朝10時近くから初めて終わったのが夜中の1時半ころだったとか...(私は途中で帰ったので、この写真は友人のものです)

そして昨日からFiringが始まりました。一人5時間のシフトで窯に薪を入れるというデューティーで、日曜日まで昼夜通しで延々と薪を入れ続けます。

それにしても、この窯入れにあわせたように、ヒューストン界隈はここ数日、記録的な寒さなのです。私も薪入れに行ってきましたが、ダルマのように何枚も重ね着して行ったのに、それでもシンシンと身にこたえる寒さ。まだ火を入れて間もなかったので、窯も熱くなってないし、あんな寒さは久しぶり。でも、みんなそれぞれバーボンやら、スコッチやらワインやらのボトルをかかえて、窯の火を見つめながらワイワイワイワイ。今まで話したこともなかった人とも友達になって、寒いながらも楽しい薪入れ。

窯を開けるのは13日。


久々の新作

2010-11-04 | 陶芸
ようやく新しい作品ができあがりました。
夏以来、というより春以来でしょうか... なにしろ夏は暑くて仕事になりません。まったくやっていなかったわけではないのですが、とにかくまともな生産活動は停止していたようで、ギャラリーの方からも「ホリデーシーズンに間に合わせて何か出してください!」という声もかかり、ちょっとこのひと月、気を取り直してがんばりました。


ティーポットを作るのが大好きな私。でもなぜかお茶のきゅうすよりも、お酒をいれる入れ物を作るほうが好き。なんだかデザインが自由に選べるような気がするのです。

それからこの白のシリーズ。これはテストピースです。ポーセリンの粘土をできるだけ薄くして、光がどの程度透るかを試すためのテストです。ポーセリンを使ってライトを作ってみようと思っているところなのですが、さてどんなものを作ろうかなぁ...

新しい釉薬と新作

2010-05-20 | 陶芸


         

数日前に窯から出てきたばかりの作品たちです。今回、新しい釉薬を試してみました。

    

上の二つの写真で使われている釉薬、実は全く同じものなのです。でもベースの土がちがうとこんなに出来上がりがちがいます。左側のほうは鉄分の多い土を使っています。それでもなぜか緑色が出たもの、フツーにベージュの濃淡だけのものと違いが出ているのは、窯の中の温度差のせいかもしれません。右は磁器にかなり近い風合いの土ですが、なぜかピンクっぽい紫色がフワリと出ています。なにやらふしぎ~な釉薬みたいですねぇ。

        

これは今までに何度も使ったことのある釉薬なんだけれど_。ちょっと期待と違う色に出ました。もう少し白っぽい色を期待してたのよねぇ... 

             

これは先日薪窯に入れたのですが、温度が上がらなかったせいで、灰がかかったままのザラザラ状態だったので、今回の還元ガス窯にもう一度入れてもらいました。そうしたら、こんなにツルツルのピッカピカ。これもねぇ~、こんなにピッカリは期待してなかったのよ... 
毎回のことですが、窯から出てくるたびに「ムッ....」な私なのです。なかなか思うとおりにはなりませぬ...

 

 


先週末

2010-05-06 | 陶芸

 

すっかり遅くなってしまいましたが、薪窯の結果は_、ちょっとがっかり... 私が帰った後、彼らは朝の4時まで窯を燃やし続けたらしいのですが、結局温度が上がらずじまい。写真で見てもわかるように、コーンがぜんぜん倒れていませんねぇ。なんとか4番までが倒れてくれたようです。それでも、上の棚の奥と、真ん中あたりの棚の作品はかなりよい色が出ていました。原因をあれこれ考えて、また次回のお楽しみ... ま、初体験だから_。お天気がいまいちだったけど、ワイルド・フラワーがきれいでした。






これは薪窯ではなく、スタジオのガス窯から先週末でてきたもの。かなり高温でよく還元がきいたらしく、ピキッととてもきれいな土の色になっていました。ちょっとうれしいかも。



  
そして、18Hands Gallerlyで今開かれているGlassell Schoolの生徒たちの作品展。土曜日の夕方がオープニングで、かなりの人が見に来てくれました。久しぶりに会った友人もいて、なかなか楽しいひとときでした。それにしても_ああいうギャラリーに置くと、なんだか作品たちはみんなピカッと輝きを増すみたい... 

この週末は盛りだくさん。ダブルベースを趣味にしている夫の所属するアマチュア・オーケストラ「ヒューストン・シビック・シンフォニー」のコンサートが日曜日にありました。ワーグナーの「マイスタージンガー」とマーラーの「交響曲一番」という大胆な選曲にびっくりしましたが、少ない練習時間のわりには、かなりのできばえだったと思います。「好きこそ...」とは言いますが、アマチュアでもあんな演奏ができるものなのねぇ。感心、感心...
晴れ(Houston)


薪窯

2010-04-27 | 陶芸


          


薪窯に挑戦してきました!!!
先週末、金曜日の早朝からテキサス州のワシントンというところに別荘を持つ友人ケイティのところへでかけ、薪窯に参加させてもらいました。ヒューストンから車で約2時間ほど西のほうに行った、のどかで、あちこちに牧場のある、とても美しいところでした。ちょうどワイルドフラワーが満開で、そこいらじゅうが花畑。
 

車でケイティの別荘まで行く途中、あまりの美しさに何度車を止めて写真をとろうかと思ったことか...
窯詰めは、普通の窯の窯詰めと違い、灰のせいで作品と棚がくっついてしまわないように、全ての作品に特別な粘土を貼り付けます。そして、窯詰めが終わると、レンガで入り口をビッチリと閉じます。これらの工程に約半日かかり、窯に火が入ったのは、夕方の7時半過ぎ。それから延々と薪を入れ続けるわけですが、そのペースが思った以上に速い。5~8分間隔でけっこう大きな丸太を火口へ放り込むのは、なかなかの重労働。それを夜通し続けるわけです。何人かが交代で寝たり、起きたり...私は金曜日の夕方、窯に火が入ってすぐに他の人と交代して、いったん家に帰り、土曜日の朝再び出かけて行き、その日も夕方暗くならないうちに家路へと向かいましたが、たぶん、それからまだ6時間ほど燃やし続けると言っていました。
 

みんなであーだ、こーだと言いながらやる作業は、キャンプファイアーなみの楽しさもあるけれど、窯入れをはじめとして、全工程が予想通りというか、予想を超えるハードな作業なのでした。窯をあけるのは、ケイティの仕事の関係で今週の金曜日。そんなわけで、今ドキドキ。
晴れ(Houston) 夏だ!!

 

 

 

 


黒の器たち

2010-02-25 | 陶芸


今年の私の新しい作品たちです。
今年になって2度目の窯入れが先週末にありました。数ヶ月前から我が家のためのモーニングセットに挑戦しているのですが、今回、とくにお皿のできあがりにドキドキでした。と言うのも、去年何枚かそろいの皿を作ったら、なぜか真ん中が全部ぽっこりともりあがってしまって大失敗。 その場で泣く泣くゴミ箱にポイ。どうも裏を始末するときに、力を入れすぎて土にストレスを与えすぎたせいだとか...なので今回はとても気をつけて、やさしくやさしぃ~く削ったつもり。で、おかげさまでなんとか成功でした。まったくちょっとしたことで、出来上がりがこんなに違うものなのねぇ。今後も気をつけましょ。
それと、今年初めての窯入れで出てきたティーポット2個と茶碗。このティーポットは飾りではなく実用できるよう、ちゃんと中に茶漉しをつけてあります。ぜ~んぶ最近すっかりお気に入りの黒の釉薬にしちゃったので、なんだかまっくろけデスねぇ。でも前回と今回のを比べると、同じ黒の釉薬でも色の出方が微妙に違うのです。不思議です。同じ土を使っているし、同じ方法で釉薬をかけているのに...窯の中で何が起こっているのでしょうねぇ。そこのところが火を使って焼く面白さなんだけど。
晴天、でも寒い(Houston)