シエラ・マードレ山脈がルソンの一部を台風24号(ペピート)から守った
シエラ・マードレ山脈は、カガヤン州からルソン島東部のケソン州まで540キロ以上にわたる、国内最長の山脈である。
山脈の北部にはノーザン・シエラ・マドレ自然公園があり、フィリピン最大の保護地域とも言われている。
週末にルソン島を襲った猛烈な台風24号は、シエラ・マドレの山々がなければ、ルソン島の一部ではもっと酷い状況になっていたかもしれない。
カタンドゥアネスとケソン州の大雨にもかかわらず、山脈は台風24号の影響を最小限に抑えることができた。
シエラ・マードレ山脈のおかげで弱まった要因のひとつは、台風24号がまだ海上を進行中のときと比べ、陸地に到達した後に発生した水蒸気が徐々に減少したことである。
台風24号は猛威をふるいシエラ・マドレの高地を横断した。
カガヤン渓谷地域は、今年フィリピンに上陸した15番目の暴風雨である台風24号を含む、最近の一連の台風によって大きな打撃を受けた地域のひとつである。
ヌエバ・ビスカヤ州アンバギオでは地滑りが発生し、8歳の子供を含む7人が死亡した。
イサベラ州などの他の州でも、豪雨とマガット・ダムゲート開放による洪水に見舞われた。
ルソン島中部も台風24号の影響を受け、オーロラ州ディパクラオのリゾートが台風による強い波で被害を受けた。
サーフィンの人気スポットであるバレールでは、強風で多くの家屋や施設の屋根が破れ、相当の倒木が見られた。
米航空宇宙局(NASA)は、11月に西太平洋で同時に発生し、フィリピンのほとんどの地域を襲った4つの嵐は「異常な」現象だと以前に発表していた。
NASAは昨年11月11日に撮影された衛星画像を公開した。そこには、嵐のYinxing(Marce)、Toraji(Nika)、Usagi(Ofel)、Man-Yi(Pepito)がフィリピンに接近しているか、その時点ですでに島々を通過していた様子が写っている。
NASAは気象庁の報告を引用し、「11月に太平洋海域でこれほど多くの嵐が同時発生したのは、1951年に記録が始まって以来初めてだ」と報道していた。
この報道を受け、PAGASAは、西太平洋に4つの熱帯低気圧が同時に襲来するのは異例であるとしながらも、2020年にも同様の事態が発生したことを指摘した。
フィリピンの担当区域で4つの熱帯低気圧が発生したのは、ラニーニャ現象の影響によるものと発表した。
しかし、フィリピンの東海上には新たな熱帯低気圧が発達し始め、11月25日頃から12月初めにかけて、新たな台風になる可能性が出てきた。
フィリピン最大のイベントクリスマスに向け、今回の台風被害は勿論のこと、多くの被災者が
苦しんでいる中、新たに台風の災害が起きないことを祈念します。
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