箸のある暮らし
フィリピン料理は、日本人の口に合うもの、合わないものが極端である。
好みにもよるが、多くの異国人の食文化に触れてきて思うことは、日本人は「箸文化」である。
人間は火を使う事により熱いものを取扱うため、箸、ナイフ、フォーク、スプーン等の道具をつくり出したと言われる。
世界4大文明発祥地から、気候、風土、作物に、民族、宗教、文化などの要因が加わり、それぞれが独自の食文化をつくり出した。
箸食文化、ナイフ・フォーク・スプーン、手食文化に分ける事ができる。
箸食文化は中国、朝鮮、日本、台湾、ベトナムなどで使われるが、同じ箸を使用するにも、食事作法はかなりの違いがある。
箸だけで食事をするのは日本だけで、椀等の器を手に持って食べるのは日本独自の風習である。
東南アジア・中近東・アフリカなどを中心として、手食をする人は地球上の総人口の4割を占めると言われる。
「手で食事をする」というとインドのイメージが強いと思います。フィリピンでも手で食べる習慣は国内随所で見られる。
タガログ語で “Kamay(カマイ) = 手。
手で食べることを”Kamayan(カマヤン)”と言う。料理を手で直接ご飯や、おかずを手でつかんで食べる食べ方である。
テーブルマナー概念がなく、堅苦しくなくKamayanで食べる方が美味しいと言われる。
首都圏などでは、食事の際フォークとスプーンを使用するが、多くのフィリピン人はフィリピン伝統のKamayanを守っている。
フィリピンには手で食べるレストランKamayanが有名である。
「右手は清浄」「左手は不浄」はフィリピンでも同じである。
参考:ヒンズー教徒であるネパール、インド、中東のイスラム教徒などは”食べ物は神から与えられた神聖なもの”という考えで、食器などは使わず
手で食べることが最も清浄といった宗教的な戒律を強く守っている。
この手食文化は、「右手は清浄」「左手は不浄」という考えが徹底しており、食物に触れることが許されるのは右手だけである。
左利きであっても左手を使って口に運ぶことはご法度である。
ネパール・インドでは、5本の指は五大元素を表し、それぞれに意味と役割がある。
親指=火、人差し指=風、中指=空、薬指=地、小指=水
手で食事をする際、食材との要素が調和され、食べ物がエネルギーとなり身体に取り込まれると考えられている。
フィリピン料理の代表的な料理を紹介する。
1. チチャロン
世界の多くのスペイン語圏で、チチャロンとは豚の皮を揚げたスナックを指す。
フィリピンでもそれを指すが、同様に豚肉や鶏肉を使った揚げ物を指すこともある。
フィリピンで最も一般的なチチャロンの例としては、豚の腸を一口大に切って揚げたチチャロン・ビトゥカ(chicharon bituka)などがある。
チチャロン・マノック(鶏皮チチャロン)は鶏皮を揚げたもの。正確にはチチャロンの一種だが、ほとんどのフィリピン人は単に「鶏皮」と呼ぶ。
カリカリに揚げたものが嫌いな人はいないだろうが、中でも一番好まれるのはチチャロン・ブラクラクだ。
豚の腸間膜を使ったチチャロンのことだ。腸間膜とは、小腸を支える網状の薄い膜のこと。腸間膜が剥がれると、花のようなフリル状の飾りができる。
チチャロン・ブラクラクは文字通り「花のチチャロン」を意味する。
鶏皮とチチャロン・ブラクラックは、揚げた豚皮は間違いなくフィリピンで最も人気があり、簡単に手に入る種類のチチャロンだ。
チチャロン」と言えば、揚げた豚の皮を食べるのだと思われるだろう。
チチャロンには通常、脂身ありと脂身なしの2種類がある。脂身のあるチチャロンの方がおいしいが、罪深い味でもある。
どちらのタイプであっても、フィリピンのチチャロンは通常、脂身をカットし、酸味を効かせるために酢をかけて食べる。
おつまみとして、あるいはビールと一緒に酒の摘みとしてで食べる料理としてよく食べられている。
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