発熱している物体から電気エネルギーを取り出すという夢のような
発電方法。物体の熱は、輻射熱(電磁波=光)という形で発せられて
います。この際の”光”は赤外線という形ですが、それを光電変換にて
電気的なエネルギーに変換しようというものです。熱を直接利用する
のでなく一旦、光(赤外線)に変換して、発電しようというもので、
今流行りの太陽光発電よりも、より多くのエネルギーが利用できそう
です。設置場所の制限もそう多くはないでしょう。もちろん(発熱源
さえあれば)どこでも発電できそうですね。
https://www.asahi.com/articles/ASQ7Y62KGQ5SULBH00M.html
http://www.energy.mech.tohoku.ac.jp/research/tpv/tpv_info.html
光電変換には、ガリウムやインジウムなどを組み合わせた化合物の
半導体を使うそうです。最近、充電器が小型化していますが、これら
にはGaN (窒化ガリウム)が使われており、今後パワー半導体の主力
と見られています。この分野は日本が得意とするところでしょう。
あらゆるエネルギーは最終的に熱に変換されます。電灯の光も物体
にあたって、熱に変換されます。運動中の車は止まろうとする際には
ブレーキを掛けますが、ブレーキで運動エネルギーが熱に変換され、
それが放出されることにより、車が止まるわけです。熱エネルギーは
最も低いレベルだと言っても良くて、人間はそのエネルギーの落差を
利用してきたわけです。今まで捨てていた熱エネルギーを纏めて蓄熱
することで、新たなエネルギー源として活用できるようにもなるかも
しれません。
電気を蓄える(蓄電)のは難しい技術なのですが、蓄熱は昔からの
技術が生かされる分野だと思いますね。断熱さえすれば良いわけです
から。ただ、蓄熱するためには、熱の流れを取り込むには工夫が必要
ですけれどもね。
そう言うわけで、この技術が進展することに期待しています。