明治神宮は明治天皇の崩御後に、全国から木々
が寄贈されて大正10年に完成しました。
その後、外苑は遅れること 5年後に整備された
そうです。内苑も外苑も人工林なのです。設計時
に、50年後、 100年後の森の変遷を考慮していた
ので、今の姿になったのです。
ゆえに神宮の森は人工森なのです。それ以前、
このあたりは、なだらかな丘に畑や雑木林が点在
していた場所だったようです。
https://san-tatsu.jp/articles/66169/
内苑には立入禁止区域があって、そこには職員
さえ入るのが厳しく制限されて、自然に任せた森
の成長が見られるそうです。人が入るのは、参道
の落ち葉を集め、森の内部に撒かれている程度だ
そうです。
どのような動植物が生息するようになるのか、
大いなる実験場になっているそうでから、ここは
弄らずそのまま保護するべき場所なのでしょう。
外苑は、人々が集まって憩える場所として設計
されたものと思います。従って、内苑とは異なる
環境であり、今後とも人が管理運営していく必要
があるので、趣旨に沿った手入れなどが必要には
なってきます。そのまま放置すべきではないので
何らかの手入れが必要です。定期的に職人さんが
手入れをする日本庭園のあり方に似ていると思い
ます。保護と称して放っておいてはいけません。
日本庭園は、場合によっては、植栽を大幅に入れ
替えることがあります。それと同じことです。
内苑と外苑は、自ずとのあり方が異なるものだ
と思います。建築家の中でもこの辺のことが理解
できない人々もいるみたいですね。
さて、今後 100年後には外苑が、周囲の環境に
調和した形で整備されて、新たな木々が成長し、
そこに人々が集い、憩う姿を見たいものです。
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