手乗り猫はじめました

手のひらサイズのリアルな猫人形製作記
猫人形工房Progress Unlimitedのブログ

ハンドカーダー購入しました

2015年03月25日 22時49分24秒 | 羊毛、道具

以前から欲しいと思っていたハンドカーダーを遂に購入しました。

アシュフォード社のミニスチューデントです。

いつもお世話になっている「羊の工房 パオ」さんで購入しました。

今まではペット用のスリッカーブラシで混毛していたのですが、

サイズが小さい為、一度に1g程度しか混ぜられず、

猫人形1体を植毛する為には何回も何回も同じ作業を繰り返さないといけません。

また、羊毛の混合比を一定にするのが難しく、色に簿妙な違いが出てしまいます。

それを防ぐ為に、混ぜ終わった物同士をまた混ぜれば良いのですが、それがすごく面倒なのです。

購入したミニスチューデントはアシュフォード社のハンドカーダーの中では最も小さいのですが、

それでもペット用スリッカーブラシと比べるとこんなにも大きいです。

面積比で4倍くらいあります。

これで一度に混毛できる量が増え、上記ような問題も解決です。

試しに少し使ってみたのですが、まだコツが掴めないものの、

混ぜ終わった毛はスリッカーブラシで混ぜた物よりもフワフワです。

恐らくその大きさと針の太さの違いが影響しているのではないでしょうか。

針の形状、長さはほぼ同じですが、太さはスリッカーブラシが0.25mmなのに対して、ミニスチューデントは0.5mmもあります。

針が太くてしっかりしているので、毛に負けることなくしっかりと梳くことができるようです。

絶対に必要な物とは言えませんが、あると格段に作業が楽になるように思います。

もう少しコツが掴めてきたら、追加でレポートする予定です。


獣毛を入手しました

2013年08月06日 23時26分16秒 | 羊毛、道具

時間軸が前後しますが、子猫4号が完成した頃の話です。

子猫4号の記事中にも書きましたが、メリノで植毛すると、製作中や完成後に触っている間に植毛した毛がフェルト化してきてしまい、毛のフワフワ感が無くなってきてしまいます。

そこで、目標とする諸先輩方の使われている獣毛(一部羊毛も)を試してみる事にしました。

 

こんなマニアックなアイテムは近くの手芸店に在庫されているはずもありませんので、インターネットで扱っている所を探します。

何件かヒットしたのですが、僕はその中から群馬県にある「羊の工房 パオ」さんを選びました。

注目したのは送料です。

他の所は宅配便のみでしたが、パオさんだけは定形外郵便でも発送してくれます。

お試しに少量だけ購入するつもりだったので、宅配便では商品代金よりも送料の方が高くつくというのも理由の一つですが、パオさんのウェブショップには「できるだけお安い送料でお送りするように心がけています」と書かれてあり、お客の出費を少しでも少なくしようという気持ちが感じられました。

宅配便は業者が集荷に来てくれますが、定形外郵便だとわざわざ郵便局へ持って行かなくてはなりません。その手間をかけてでもお客の利益を優先してくれるお店なら、きっと客本位の商売をされていて、商品についての相談にも快く応じてくれるのではないかと考えたのです。

 

まず、どの種類が一番直毛に近く、植毛に適しているのかを聞こうと電話で相談してみたところ、とても丁寧にそれぞれの毛について説明して頂き、羊毛見本を薦めて頂きました。

最小単位の10gづつを購入しようと考えていたのですが、見本なら同じ予算でよりたくさんの色や毛を見る事ができるので、薦められたとおり見本をお願いしました。

で、届いたのがコレです。

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ウェブショップの画像にある物とは違う物が送られてきました。

最初は仕様変更かと思いましたが、どうやら僕専用にわざわざ手作りして頂いたようなのです。

電話やその後のメールで、できるだけ直毛の毛を探している事を伝えていたので、従来の見本よりも直毛具合が確認しやすいよう、このように毛を房の形にしてくれたのだと思います。

 

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その甲斐あってとても見やすく、この見本を見ているだけでワクワクして製作意欲が湧いてきます。

 

僕がパオさんにお願いした条件は、

1、出来るだけ直毛

2、触っていてもペシャンコになりにくいフェルト化しにくい毛

3、一般的な猫の毛を再現できる毛色

4、出来るだけ純白に近い白い毛

5、黒猫用にツヤのある黒い毛

という物でした。

その条件に合いそうな獣毛、羊毛を見繕って見本を作って頂いたようです。

 

見本を眺めてみた感じでは、

直毛具合はモヘア、アルパカ、ロムニー(トップ)が良い感じです。

毛色ではコリデールとアルパカ。

白さでもアルパカ、コリデールが良くて、モヘアは半透明で少し黄色い感じです。

黒のツヤはモヘアが最高で、見本の毛束を見ていると小さい人形の黒髪にそのまま使えるのではないかと思うくらい艶々です。

 

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お願いした見本と一緒に、植毛テスト用に色々な種類の毛の少量サンプルも入っていました。

きっと良いお店だろうと予想しましたが、僕の予想を遥かに上回る良心的さです。

パオさん凄すぎます。

 

 

その少量サンプルの中から良さそうな物を使ってフェルト片に植毛テストをしてみました。

↓まずは比較用にハマナカさんのファインメリノです。

細くて、とてもウネウネしています。

携帯のカメラなので、イマイチ違いがわかりにくくてスミマセン。

↓アルパカです。柔らかくて手触りは最高です。そこそこ直毛です。

 

↓コリデール。アルパカに比べるとウネウネしています。メリノやアルパカに比べると少し硬いです。

↓モヘア。一番直毛に近いです。艶がすばらしいです。コシがあるのに硬い感じはなくて手触りが良いです。

↓ロムニー(トップ)羊ですがあまりウネウネしていません。かなり硬いです。太め。

実際に植毛してみて、総合的にはアルパカが一番良いと思いました。

ただ、アルパカだけでは茶トラなどの色が揃わないので、コリデールやメリノなどの染色羊毛と混毛しようと考えています。

黒猫にはモヘアのツヤツヤを使いたいです。

ロムニー(トップ)は耳毛に良さそうです。

 

使用する毛が決まったので、もう少し実際的な植毛実験です。

使用したのはアルパカの「茶」と「黒」です。

「茶」には白っぽい毛も混じっていてリアルな動物の毛の感じがします。

架空猫のキジトラなら混毛して色を作らなくても十分そのままいけます。

↓非植毛作品と比較。

↓植毛作品(メリノ)と比較。

メリノよりも毛の一本一本がハッキリしていて格段に良い感じです。

毛がウネウネしていない事で、毛先に空間が生まれやすい事が良い結果になっているように思います。

ただ、アルパカとモヘアは直毛な分だけニードルのバーブに引っ掛かりにくく、植毛するのに非常に時間がかかります。

羊毛はそのウネウネのおかげで、ニードルが引っ掛かる領域が広いですが、直毛に近くなればなる程、毛をピンポイントで引っ掛けなければいけないので、植毛の一房を刺す回数が多くなります。

特にモヘアが引っ掛かりにくく、アルパカは少しだけマシです。

諸先輩方が仰っているように、羊毛と混毛する事で引っ掛かりにくさは改善しますが、羊毛の配合比率が高くなると折角の獣毛の良さが半減してしまうので、植毛作業の効率を最低限維持できる程度の低比率にするのが良いと思います。

 

獣毛は確かに扱いの難しい上級者アイテムだと感じましたが、それを上手く使えれば格段にリアルな作品が作れるのは間違いないと思います。

挑戦する価値のある、とても魅力的な素材だと思います。


電動トリマー

2013年04月16日 00時16分49秒 | 羊毛、道具

子猫1号ではハサミが上手く使えずトリミングで失敗しましたので、子猫3号と4号では新兵器を投入しました。

猫人形のトリミングをするには本物のペットのトリミング技術を学ぶべきだろうと思い、いろいろ検索をしてみました。

すると、本職のペットのトリマーさんも結構、電動のバリカンを使っているのです。

そこで、家にある人間用の電動バリカンを試してみるとキレイに刈れたのです。

しかし、20cmを超えるような大きな作品ならともかく、流石に10cm以下の手のひらサイズに人間用は無理があるので、もっと小型の物を探しました。

安全カミソリに電動トリマーが付いた物(シック クアトロ4、女性用もあります)や、男性用のヒゲ専用トリマーなど3,000円以下で買えるような製品がたくさん見つかりました。

現物を一度も見ずに通販で買うのは抵抗があったので、近所の家電量販店を片っ端から回ってみたのですが収穫はなく、ダメ元で行ったドン.キホーテで下の画像の物を見つけました。

 

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日立フェイスシェーバー BM-547 mayucrie(マユクリエ)

在庫処分品なのか、元の2,980円の値札にバツがされて新たに1,000円の値札が付けられ、レジに持っていったら500円になりました。

女性用のマユ毛や顔の産毛をお手入れする物です。

もしかしたら生産終了しているかもしれませんが、同等品がドン.キホーテのオリジナルブランドで1,200円くらいでありました。

単四電池1本で駆動し、長さ125mmとコンパクト、重さも27.4gと軽量です。

 

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そこのドン.キホーテにはシック・クワトロ4もあったのですが、何故こちらを購入したかというと、このマユクリエには25ミリ刃、8ミリ刃、2ミリ刃の3種類が付属していたからです。

 

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クワトロ4や男性用のヒゲトリマーは大抵、刃幅が156mmあり耳の間の頭部の狭い部分には入っていきにくいですが、マユクリエの8ミリ刃や2ミリ刃ならなんなく入っていけます。

2ミリ刃は小さすぎて逆に使いにくいので、胴体や尻尾、手足などの広い範囲をトリミングする時は25ミリ刃で、顔や頭部などの細かな部分は8ミリ刃でと使い分けています。

 

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ハサミと違って毛を切るのは電動でやってくれますので、切りたい長さの場所に刃先を持っていく事だけに集中すれば良いので、格段にトリミングが楽になりました。

ハサミの時は、段々に切れた部分を修正しようと更にハサミを入れ、ついには坊主頭のように短くなってしまいましたが、電動トリマーならキレイに面が出ます。

 

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植毛作品のトリミングだけではなく、植毛をしていない作品の遊び毛のカットにも使えますので、羊毛フェルトをされている方全てに電動トリマーをお勧めします。

色々な製品が出ていますので、探してみて下さい。


ニードル

2013年04月11日 23時34分35秒 | 羊毛、道具

今現在、僕が所有しているニードルは、ハマナカさんのレギュラー針と極細針、ダイソーのニードル、河口株式会社さんのフエルトーンニードル、クロバー株式会社さんのパンチャー替針スピード針、群馬の羊毛専門店 羊の工房パオさんのお試し4本セットです。

一口にニードルと言っても、それぞれに違いがあって使い心地は違います。

特にバーブ(トゲ)の形状や個数、配置によって変わってくるようです。

一番良く使っているのがフエルトーンニードルです。

刺しやすさと毛のからまりやすさのバランスが僕の使っている羊毛に合っているのだと思います。

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これを短く加工して使っています。

 

ニードルは真っ直ぐに刺すのが基本なのですが、手早く羊毛をまとめたり、まぶたなどを成型しながら刺す場合に、ニードルの腹で羊毛を押さえながら刺したくなります。

しかし、こういう使い方をするとニードルはよく折れます。

お気に入りのニードルだったりするとガックリきます。

そこで、折れにくいようにニードルを加工します。

僕は小型の作品しか作っていませんので、そんなに深く刺すことはありません。

長さは必要無いので、最初にペンチではさんで任意の長さに折って短くします。

折った先端をサンドペーパーで削って元のように尖らせます。

ニードルには硬度上げる為に焼き入れがされていますので、ヤスリでは歯が立たないと思います。サンドペーパーか砥石で研ぐのが良いです。

僕はサンドペーパー180番→240番→400番と使いました。

フエルトーンニードルはバーブが9個あります。

適当な所で折って、バーブ5個と3個を作りました。

ニードルが折れる時、大抵、最も根元のバーブの所で折れます。

ニードルを折るせん断力は、ニードルにかかった力×距離で決まります。

ニードルが短くなれば、距離が小さくなるのでせん断力も小さくなり折れにくくなります。

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次によく使うのがパンチャー替針スピード針です。

羊毛刺繍のアップリケパンチャー用の針なのですが、バーブが針先に集中していて羊毛をよくからめるのでザクザク固まります。

ただし刺した時の抵抗も大きいので、固まるにしたがって刺しにくくなっていきます。

最初に羊毛をまとめる時や、植毛の時に使っています。

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こちらもバーブ9個を5個に折って使っています。


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最近、パオさんのニードルを入手しました。

太針、レギュラー、細針、極細のお試し4本セットです。

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太針はハマナカさんのレギュラー針よりも太いですが、針先から最初のバーブまでの距離があり、テーパーが緩やかなのでハマナカレギュラーよりも刺さりやすいです。

レギュラーはバーブが針先に集中しています。5.1mmの間に6個のバーブがあり、深く刺さなくても固める事ができます。植毛にも良さそうです。

極細はハマナカさんの極細よりも少し細く、更にバーブがニードルの三角形の断面の2角にしかないので、ニードルを刺した後の穴が小さくて、より仕上げ向きです。

ハマナカさんの極細との比較。 左 ハマナカ、右 パオ

 

 

メーカー名

名前

太さ

(断面の高さ)

バーブ数

両端のバーブの距離

ハマナカ

レギュラー

0.6mm

10.5mm

同上

極細

0.47mm

10.5mm

河口株式会社

フエルトーンニードル

0.51mm

17mm

クロバー株式会社

パンチャー替針スピード針

0.51mm

8.9mm

羊の工房パオ

太針

0.78mm

11.2mm

同上

レギュラー

0.56mm

5.1mm

同上

細針

0.51mm

10.1mm

同上

極細

0.45mm

7.35mm

※数値は僕がノギスで計測したものですので、必ずしも正確ではないかもしれません。ご了承下さい。


使用羊毛

2013年04月10日 23時18分00秒 | 羊毛、道具

トラ猫4兄弟を作った時に、ブレンドして自分のイメージする色を作ったのですが、その色を作るのにどの色の羊毛を買えば良いのか分からず困りました。

検索してもメーカーや品番まで書いてくれているサイトやブログが見つけられなかった経験があるので、誰かの参考になればと僕の使った羊毛を記しておきます。

ベースの製作は、愛猫シロの人形1体目だけがダイソーの羊毛フェルトキットの白で、それ以外は全てハマナカのアクレーヌH440-001-101です。

これを使っている理由は、最寄りの手芸店のドリームで取り扱っている白い羊毛の中で一番、純白に近かったからです。

愛猫シロ  白 ハマナカ アクレーヌ H440-001-101

                 薄茶 ダイソーの羊毛 シトラスアソートのオレンジ

      こげ茶 ハマナカ ネコちゃんフェイスマグネットH441-343に入っていた茶色H440-000-41

茶トラ   薄い方の色 ハマナカ ナチュラルブレンド H440-008-807

                                                              

            ダイソーの羊毛 シトラスアソートのオレンジ

 

      濃い方の色 ハマナカ ミックス H440-002-220

                                                       

            ハマナカ ナチュラルブレンド H440-008-807

 

      白     ダイソーの羊毛 シトラスアソートの白

 

キジトラ  茶色    ハマナカ ソリッド H440-000-41

                                                  

            ハマナカ ソリッド H440-000-9

 

      黒     ハマナカ ソリッド H440-000-9

 

      白     ハマナカ アクレーヌ H440-001-101

 

配合比率は目分量で混ぜたのでわかりません。

薄い方の色に濃い方の色を少しずつ混ぜていき調整して下さい。

初心者が近所で手に入る羊毛でブレンドした物ですので、これが正解という事ではありません。

他にもっと良い配合の方法があるでしょうし、

他のメーカーさんや専門店さんにブレンドする事無く使用できる物があるかもしれません。

あくまでも参考とお考え下さい。