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シリーズ平成の「変」-福田先祖がえり政権の「変」―

2008-08-02 | Weblog
シリーズ平成の「変」-福田先祖がえり政権の「変」―
 昨年9月、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰まり、福田総理がそのまま内閣を引き継いだが、8月1日、福田政権発足後10ヶ月余で党人事と内閣改造を行った。
 今回の改造の性格は、麻生自民幹事長、与謝野経済財政担当大臣と野田聖子消費者政策担当大臣を新たに加えたことに明確に現れている。
 1、“森院政”の集大成
 麻生太郎自民党幹事長が返り咲いたが、年内にも予想される衆院選への備えとポスト福田を睨んだ自民党の顔造りの意味合いが強いと見られる。麻生新幹事長は、前回の党総裁選で予想以上に善戦し、「おたく族」や「アキバ族」などを中心に人気があるとの判断からと思われるが、実体的には森元総理の子飼い的存在であり、福田総理、町村官房長官(留任)が旧森派であることと合わせると「森院政」を強くにじませた形となっている。同幹事長は、森元総理と同様、外交面では新保守(日本的ネオコン)に属するが、経済財政政策面では既得権益重視と見られるので、福田総理との「ねじれ」が表面化する恐れもある。それ以上に同氏は、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰った際の党の責任者であったが、その時と同様に、党のスポークスマンとして持論を展開し、党が先行する形となるので、総理の存在感が益々薄くなり、政権への支持率は低下する恐れさえある。そうなると事実上「はしごが外される」状態が再現されることにもなろう。
 2、消費税増税を含む増税容認内閣
 経済財政担当大臣については、大田前大臣が「日本経済は一流国ではない」と発言し、当事者意識に欠くと共に、原油高、物価高の中で“経済無策”に終始したため、経済通の与謝野大臣となり、重みを増した。しかし同大臣は、「責任政党として増税は避けて通れない」として終始一貫、消費税増税を中心とする「増税による財政再建」を主張して来ている。総理は「今(選挙前は)、増税を論じる時ではない」としているが、自民党が来る衆院選挙で勝てば増税をすることを容認する人選である。恐らく、従来の同党の伝統的な手法に従って、景気対策のためには当面国債の発行をも容認し、公共事業や支持基盤である地方への各種の救済策を打ち出す可能性が強い。公明党も支持層向けの救済策を期待しているであろう。選挙を念頭において、国民の税金で支持層に資金をばら撒く“利益誘導型”の財政手法は、結果的には増税や将来世代に負担を先送る結果となるので、国民の選択次第であろう。
 麻生新幹事長も、「10%への消費税増税」論を公表しており、同様の考え方と見られる。また舛添厚労大臣(留任)も「介護保険料の引き上げ」に言及している。
 他方、成長促進により増収を図るべきとする「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は、旧森派の重鎮でありながら、党役員にもなっておらず、旧森派を分け合っている町村官房長官派が制した形となっており、同派内の今後の確執が注目される。
 選挙ともなれば「小泉チルドレン」受難の選挙となろう。
 公明党もいわばプチブル政党としてほぼ自民党に呑み込まれている状態であり、存在意義がなくなって来ている。
 3、「改革路線」の終焉
 郵政造反組みの野田聖子議員が消費者行政担当大臣に、また保岡興冶議員が法務大臣に抜擢された。事実上の改革路線の終焉である。
 福田総理が意欲を持って取り組んで来た「消費者庁」も基本的には官僚を含む既得権益擁護に傾斜することになろう。省庁間の縦割りの権限についても、「なーな、やーやー」の仲間内の融和が重視されたものになろう。国民や国家全体の利益が優先されるべきであるが、特定の利益グループや省益などが優先される結果になろう。
 福田内閣は、郵政改革を問うた05年9月の総選挙で大勝した小泉政権の流れを汲み、07年9月に安倍内閣を引き継いで発足した。今回の改造は同総理の下での自前の改造であり、同政権の好みや方向性を明確に示している。それは、05年9月の総選挙で郵政改革に象徴される改革を選択した民意とは大きく乖離しており、福田自民党政権は、05年9月の総選挙以前の自民党にいわば先祖がえりした形だ。それは一つの政治的選択であるが、次の国会の冒頭などで、福田政権としての政策を速やかに明らかにした上で衆院を解散し、総選挙により民意を問うことが民主主義というものであろう。現在、自民党では最も人気があるとされる麻生議員が幹事長に就いており、改造内閣が新鮮さを失わない内に総選挙を行う方が傷は少ないのではないだろうか。福田内閣が「何をしようとしているか分らない」と見られているのは、国民から何も付託されていないからではないだろうか。
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シリーズ平成の「変」-福田先祖がえり政権の「変」―

2008-08-02 | Weblog
シリーズ平成の「変」-福田先祖がえり政権の「変」―
 昨年9月、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰まり、福田総理がそのまま内閣を引き継いだが、8月1日、福田政権発足後10ヶ月余で党人事と内閣改造を行った。
 今回の改造の性格は、麻生自民幹事長、与謝野経済財政担当大臣と野田聖子消費者政策担当大臣を新たに加えたことに明確に現れている。
 1、“森院政”の集大成
 麻生太郎自民党幹事長が返り咲いたが、年内にも予想される衆院選への備えとポスト福田を睨んだ自民党の顔造りの意味合いが強いと見られる。麻生新幹事長は、前回の党総裁選で予想以上に善戦し、「おたく族」や「アキバ族」などを中心に人気があるとの判断からと思われるが、実体的には森元総理の子飼い的存在であり、福田総理、町村官房長官(留任)が旧森派であることと合わせると「森院政」を強くにじませた形となっている。同幹事長は、森元総理と同様、外交面では新保守(日本的ネオコン)に属するが、経済財政政策面では既得権益重視と見られるので、福田総理との「ねじれ」が表面化する恐れもある。それ以上に同氏は、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰った際の党の責任者であったが、その時と同様に、党のスポークスマンとして持論を展開し、党が先行する形となるので、総理の存在感が益々薄くなり、政権への支持率は低下する恐れさえある。そうなると事実上「はしごが外される」状態が再現されることにもなろう。
 2、消費税増税を含む増税容認内閣
 経済財政担当大臣については、大田前大臣が「日本経済は一流国ではない」と発言し、当事者意識に欠くと共に、原油高、物価高の中で“経済無策”に終始したため、経済通の与謝野大臣となり、重みを増した。しかし同大臣は、「責任政党として増税は避けて通れない」として終始一貫、消費税増税を中心とする「増税による財政再建」を主張して来ている。総理は「今(選挙前は)、増税を論じる時ではない」としているが、自民党が来る衆院選挙で勝てば増税をすることを容認する人選である。恐らく、従来の同党の伝統的な手法に従って、景気対策のためには当面国債の発行をも容認し、公共事業や支持基盤である地方への各種の救済策を打ち出す可能性が強い。公明党も支持層向けの救済策を期待しているであろう。選挙を念頭において、国民の税金で支持層に資金をばら撒く“利益誘導型”の財政手法は、結果的には増税や将来世代に負担を先送る結果となるので、国民の選択次第であろう。
 麻生新幹事長も、「10%への消費税増税」論を公表しており、同様の考え方と見られる。また舛添厚労大臣(留任)も「介護保険料の引き上げ」に言及している。
 他方、成長促進により増収を図るべきとする「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は、旧森派の重鎮でありながら、党役員にもなっておらず、旧森派を分け合っている町村官房長官派が制した形となっており、同派内の今後の確執が注目される。
 選挙ともなれば「小泉チルドレン」受難の選挙となろう。
 公明党もいわばプチブル政党としてほぼ自民党に呑み込まれている状態であり、存在意義がなくなって来ている。
 3、「改革路線」の終焉
 郵政造反組みの野田聖子議員が消費者行政担当大臣に、また保岡興冶議員が法務大臣に抜擢された。事実上の改革路線の終焉である。
 福田総理が意欲を持って取り組んで来た「消費者庁」も基本的には官僚を含む既得権益擁護に傾斜することになろう。省庁間の縦割りの権限についても、「なーな、やーやー」の仲間内の融和が重視されたものになろう。国民や国家全体の利益が優先されるべきであるが、特定の利益グループや省益などが優先される結果になろう。
 福田内閣は、郵政改革を問うた05年9月の総選挙で大勝した小泉政権の流れを汲み、07年9月に安倍内閣を引き継いで発足した。今回の改造は同総理の下での自前の改造であり、同政権の好みや方向性を明確に示している。それは、05年9月の総選挙で郵政改革に象徴される改革を選択した民意とは大きく乖離しており、福田自民党政権は、05年9月の総選挙以前の自民党にいわば先祖がえりした形だ。それは一つの政治的選択であるが、次の国会の冒頭などで、福田政権としての政策を速やかに明らかにした上で衆院を解散し、総選挙により民意を問うことが民主主義というものであろう。現在、自民党では最も人気があるとされる麻生議員が幹事長に就いており、改造内閣が新鮮さを失わない内に総選挙を行う方が傷は少ないのではないだろうか。福田内閣が「何をしようとしているか分らない」と見られているのは、国民から何も付託されていないからではないだろうか。
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 昨年9月、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰まり、福田総理がそのまま内閣を引き継いだが、8月1日、福田政権発足後10ヶ月余で党人事と内閣改造を行った。
 今回の改造の性格は、麻生自民幹事長、与謝野経済財政担当大臣と野田聖子消費者政策担当大臣を新たに加えたことに明確に現れている。
 1、“森院政”の集大成
 麻生太郎自民党幹事長が返り咲いたが、年内にも予想される衆院選への備えとポスト福田を睨んだ自民党の顔造りの意味合いが強いと見られる。麻生新幹事長は、前回の党総裁選で予想以上に善戦し、「おたく族」や「アキバ族」などを中心に人気があるとの判断からと思われるが、実体的には森元総理の子飼い的存在であり、福田総理、町村官房長官(留任)が旧森派であることと合わせると「森院政」を強くにじませた形となっている。同幹事長は、森元総理と同様、外交面では新保守(日本的ネオコン)に属するが、経済財政政策面では既得権益重視と見られるので、福田総理との「ねじれ」が表面化する恐れもある。それ以上に同氏は、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰った際の党の責任者であったが、その時と同様に、党のスポークスマンとして持論を展開し、党が先行する形となるので、総理の存在感が益々薄くなり、政権への支持率は低下する恐れさえある。そうなると事実上「はしごが外される」状態が再現されることにもなろう。
 2、消費税増税を含む増税容認内閣
 経済財政担当大臣については、大田前大臣が「日本経済は一流国ではない」と発言し、当事者意識に欠くと共に、原油高、物価高の中で“経済無策”に終始したため、経済通の与謝野大臣となり、重みを増した。しかし同大臣は、「責任政党として増税は避けて通れない」として終始一貫、消費税増税を中心とする「増税による財政再建」を主張して来ている。総理は「今(選挙前は)、増税を論じる時ではない」としているが、自民党が来る衆院選挙で勝てば増税をすることを容認する人選である。恐らく、従来の同党の伝統的な手法に従って、景気対策のためには当面国債の発行をも容認し、公共事業や支持基盤である地方への各種の救済策を打ち出す可能性が強い。公明党も支持層向けの救済策を期待しているであろう。選挙を念頭において、国民の税金で支持層に資金をばら撒く“利益誘導型”の財政手法は、結果的には増税や将来世代に負担を先送る結果となるので、国民の選択次第であろう。
 麻生新幹事長も、「10%への消費税増税」論を公表しており、同様の考え方と見られる。また舛添厚労大臣(留任)も「介護保険料の引き上げ」に言及している。
 他方、成長促進により増収を図るべきとする「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は、旧森派の重鎮でありながら、党役員にもなっておらず、旧森派を分け合っている町村官房長官派が制した形となっており、同派内の今後の確執が注目される。
 選挙ともなれば「小泉チルドレン」受難の選挙となろう。
 公明党もいわばプチブル政党としてほぼ自民党に呑み込まれている状態であり、存在意義がなくなって来ている。
 3、「改革路線」の終焉
 郵政造反組みの野田聖子議員が消費者行政担当大臣に、また保岡興冶議員が法務大臣に抜擢された。事実上の改革路線の終焉である。
 福田総理が意欲を持って取り組んで来た「消費者庁」も基本的には官僚を含む既得権益擁護に傾斜することになろう。省庁間の縦割りの権限についても、「なーな、やーやー」の仲間内の融和が重視されたものになろう。国民や国家全体の利益が優先されるべきであるが、特定の利益グループや省益などが優先される結果になろう。
 福田内閣は、郵政改革を問うた05年9月の総選挙で大勝した小泉政権の流れを汲み、07年9月に安倍内閣を引き継いで発足した。今回の改造は同総理の下での自前の改造であり、同政権の好みや方向性を明確に示している。それは、05年9月の総選挙で郵政改革に象徴される改革を選択した民意とは大きく乖離しており、福田自民党政権は、05年9月の総選挙以前の自民党にいわば先祖がえりした形だ。それは一つの政治的選択であるが、次の国会の冒頭などで、福田政権としての政策を速やかに明らかにした上で衆院を解散し、総選挙により民意を問うことが民主主義というものであろう。現在、自民党では最も人気があるとされる麻生議員が幹事長に就いており、改造内閣が新鮮さを失わない内に総選挙を行う方が傷は少ないのではないだろうか。福田内閣が「何をしようとしているか分らない」と見られているのは、国民から何も付託されていないからではないだろうか。
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 昨年9月、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰まり、福田総理がそのまま内閣を引き継いだが、8月1日、福田政権発足後10ヶ月余で党人事と内閣改造を行った。
 今回の改造の性格は、麻生自民幹事長、与謝野経済財政担当大臣と野田聖子消費者政策担当大臣を新たに加えたことに明確に現れている。
 1、“森院政”の集大成
 麻生太郎自民党幹事長が返り咲いたが、年内にも予想される衆院選への備えとポスト福田を睨んだ自民党の顔造りの意味合いが強いと見られる。麻生新幹事長は、前回の党総裁選で予想以上に善戦し、「おたく族」や「アキバ族」などを中心に人気があるとの判断からと思われるが、実体的には森元総理の子飼い的存在であり、福田総理、町村官房長官(留任)が旧森派であることと合わせると「森院政」を強くにじませた形となっている。同幹事長は、森元総理と同様、外交面では新保守(日本的ネオコン)に属するが、経済財政政策面では既得権益重視と見られるので、福田総理との「ねじれ」が表面化する恐れもある。それ以上に同氏は、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰った際の党の責任者であったが、その時と同様に、党のスポークスマンとして持論を展開し、党が先行する形となるので、総理の存在感が益々薄くなり、政権への支持率は低下する恐れさえある。そうなると事実上「はしごが外される」状態が再現されることにもなろう。
 2、消費税増税を含む増税容認内閣
 経済財政担当大臣については、大田前大臣が「日本経済は一流国ではない」と発言し、当事者意識に欠くと共に、原油高、物価高の中で“経済無策”に終始したため、経済通の与謝野大臣となり、重みを増した。しかし同大臣は、「責任政党として増税は避けて通れない」として終始一貫、消費税増税を中心とする「増税による財政再建」を主張して来ている。総理は「今(選挙前は)、増税を論じる時ではない」としているが、自民党が来る衆院選挙で勝てば増税をすることを容認する人選である。恐らく、従来の同党の伝統的な手法に従って、景気対策のためには当面国債の発行をも容認し、公共事業や支持基盤である地方への各種の救済策を打ち出す可能性が強い。公明党も支持層向けの救済策を期待しているであろう。選挙を念頭において、国民の税金で支持層に資金をばら撒く“利益誘導型”の財政手法は、結果的には増税や将来世代に負担を先送る結果となるので、国民の選択次第であろう。
 麻生新幹事長も、「10%への消費税増税」論を公表しており、同様の考え方と見られる。また舛添厚労大臣(留任)も「介護保険料の引き上げ」に言及している。
 他方、成長促進により増収を図るべきとする「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は、旧森派の重鎮でありながら、党役員にもなっておらず、旧森派を分け合っている町村官房長官派が制した形となっており、同派内の今後の確執が注目される。
 選挙ともなれば「小泉チルドレン」受難の選挙となろう。
 公明党もいわばプチブル政党としてほぼ自民党に呑み込まれている状態であり、存在意義がなくなって来ている。
 3、「改革路線」の終焉
 郵政造反組みの野田聖子議員が消費者行政担当大臣に、また保岡興冶議員が法務大臣に抜擢された。事実上の改革路線の終焉である。
 福田総理が意欲を持って取り組んで来た「消費者庁」も基本的には官僚を含む既得権益擁護に傾斜することになろう。省庁間の縦割りの権限についても、「なーな、やーやー」の仲間内の融和が重視されたものになろう。国民や国家全体の利益が優先されるべきであるが、特定の利益グループや省益などが優先される結果になろう。
 福田内閣は、郵政改革を問うた05年9月の総選挙で大勝した小泉政権の流れを汲み、07年9月に安倍内閣を引き継いで発足した。今回の改造は同総理の下での自前の改造であり、同政権の好みや方向性を明確に示している。それは、05年9月の総選挙で郵政改革に象徴される改革を選択した民意とは大きく乖離しており、福田自民党政権は、05年9月の総選挙以前の自民党にいわば先祖がえりした形だ。それは一つの政治的選択であるが、次の国会の冒頭などで、福田政権としての政策を速やかに明らかにした上で衆院を解散し、総選挙により民意を問うことが民主主義というものであろう。現在、自民党では最も人気があるとされる麻生議員が幹事長に就いており、改造内閣が新鮮さを失わない内に総選挙を行う方が傷は少ないのではないだろうか。福田内閣が「何をしようとしているか分らない」と見られているのは、国民から何も付託されていないからではないだろうか。
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 昨年9月、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰まり、福田総理がそのまま内閣を引き継いだが、8月1日、福田政権発足後10ヶ月余で党人事と内閣改造を行った。
 今回の改造の性格は、麻生自民幹事長、与謝野経済財政担当大臣と野田聖子消費者政策担当大臣を新たに加えたことに明確に現れている。
 1、“森院政”の集大成
 麻生太郎自民党幹事長が返り咲いたが、年内にも予想される衆院選への備えとポスト福田を睨んだ自民党の顔造りの意味合いが強いと見られる。麻生新幹事長は、前回の党総裁選で予想以上に善戦し、「おたく族」や「アキバ族」などを中心に人気があるとの判断からと思われるが、実体的には森元総理の子飼い的存在であり、福田総理、町村官房長官(留任)が旧森派であることと合わせると「森院政」を強くにじませた形となっている。同幹事長は、森元総理と同様、外交面では新保守(日本的ネオコン)に属するが、経済財政政策面では既得権益重視と見られるので、福田総理との「ねじれ」が表面化する恐れもある。それ以上に同氏は、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰った際の党の責任者であったが、その時と同様に、党のスポークスマンとして持論を展開し、党が先行する形となるので、総理の存在感が益々薄くなり、政権への支持率は低下する恐れさえある。そうなると事実上「はしごが外される」状態が再現されることにもなろう。
 2、消費税増税を含む増税容認内閣
 経済財政担当大臣については、大田前大臣が「日本経済は一流国ではない」と発言し、当事者意識に欠くと共に、原油高、物価高の中で“経済無策”に終始したため、経済通の与謝野大臣となり、重みを増した。しかし同大臣は、「責任政党として増税は避けて通れない」として終始一貫、消費税増税を中心とする「増税による財政再建」を主張して来ている。総理は「今(選挙前は)、増税を論じる時ではない」としているが、自民党が来る衆院選挙で勝てば増税をすることを容認する人選である。恐らく、従来の同党の伝統的な手法に従って、景気対策のためには当面国債の発行をも容認し、公共事業や支持基盤である地方への各種の救済策を打ち出す可能性が強い。公明党も支持層向けの救済策を期待しているであろう。選挙を念頭において、国民の税金で支持層に資金をばら撒く“利益誘導型”の財政手法は、結果的には増税や将来世代に負担を先送る結果となるので、国民の選択次第であろう。
 麻生新幹事長も、「10%への消費税増税」論を公表しており、同様の考え方と見られる。また舛添厚労大臣(留任)も「介護保険料の引き上げ」に言及している。
 他方、成長促進により増収を図るべきとする「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は、旧森派の重鎮でありながら、党役員にもなっておらず、旧森派を分け合っている町村官房長官派が制した形となっており、同派内の今後の確執が注目される。
 選挙ともなれば「小泉チルドレン」受難の選挙となろう。
 公明党もいわばプチブル政党としてほぼ自民党に呑み込まれている状態であり、存在意義がなくなって来ている。
 3、「改革路線」の終焉
 郵政造反組みの野田聖子議員が消費者行政担当大臣に、また保岡興冶議員が法務大臣に抜擢された。事実上の改革路線の終焉である。
 福田総理が意欲を持って取り組んで来た「消費者庁」も基本的には官僚を含む既得権益擁護に傾斜することになろう。省庁間の縦割りの権限についても、「なーな、やーやー」の仲間内の融和が重視されたものになろう。国民や国家全体の利益が優先されるべきであるが、特定の利益グループや省益などが優先される結果になろう。
 福田内閣は、郵政改革を問うた05年9月の総選挙で大勝した小泉政権の流れを汲み、07年9月に安倍内閣を引き継いで発足した。今回の改造は同総理の下での自前の改造であり、同政権の好みや方向性を明確に示している。それは、05年9月の総選挙で郵政改革に象徴される改革を選択した民意とは大きく乖離しており、福田自民党政権は、05年9月の総選挙以前の自民党にいわば先祖がえりした形だ。それは一つの政治的選択であるが、次の国会の冒頭などで、福田政権としての政策を速やかに明らかにした上で衆院を解散し、総選挙により民意を問うことが民主主義というものであろう。現在、自民党では最も人気があるとされる麻生議員が幹事長に就いており、改造内閣が新鮮さを失わない内に総選挙を行う方が傷は少ないのではないだろうか。福田内閣が「何をしようとしているか分らない」と見られているのは、国民から何も付託されていないからではないだろうか。
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 昨年9月、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰まり、福田総理がそのまま内閣を引き継いだが、8月1日、福田政権発足後10ヶ月余で党人事と内閣改造を行った。
 今回の改造の性格は、麻生自民幹事長、与謝野経済財政担当大臣と野田聖子消費者政策担当大臣を新たに加えたことに明確に現れている。
 1、“森院政”の集大成
 麻生太郎自民党幹事長が返り咲いたが、年内にも予想される衆院選への備えとポスト福田を睨んだ自民党の顔造りの意味合いが強いと見られる。麻生新幹事長は、前回の党総裁選で予想以上に善戦し、「おたく族」や「アキバ族」などを中心に人気があるとの判断からと思われるが、実体的には森元総理の子飼い的存在であり、福田総理、町村官房長官(留任)が旧森派であることと合わせると「森院政」を強くにじませた形となっている。同幹事長は、森元総理と同様、外交面では新保守(日本的ネオコン)に属するが、経済財政政策面では既得権益重視と見られるので、福田総理との「ねじれ」が表面化する恐れもある。それ以上に同氏は、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰った際の党の責任者であったが、その時と同様に、党のスポークスマンとして持論を展開し、党が先行する形となるので、総理の存在感が益々薄くなり、政権への支持率は低下する恐れさえある。そうなると事実上「はしごが外される」状態が再現されることにもなろう。
 2、消費税増税を含む増税容認内閣
 経済財政担当大臣については、大田前大臣が「日本経済は一流国ではない」と発言し、当事者意識に欠くと共に、原油高、物価高の中で“経済無策”に終始したため、経済通の与謝野大臣となり、重みを増した。しかし同大臣は、「責任政党として増税は避けて通れない」として終始一貫、消費税増税を中心とする「増税による財政再建」を主張して来ている。総理は「今(選挙前は)、増税を論じる時ではない」としているが、自民党が来る衆院選挙で勝てば増税をすることを容認する人選である。恐らく、従来の同党の伝統的な手法に従って、景気対策のためには当面国債の発行をも容認し、公共事業や支持基盤である地方への各種の救済策を打ち出す可能性が強い。公明党も支持層向けの救済策を期待しているであろう。選挙を念頭において、国民の税金で支持層に資金をばら撒く“利益誘導型”の財政手法は、結果的には増税や将来世代に負担を先送る結果となるので、国民の選択次第であろう。
 麻生新幹事長も、「10%への消費税増税」論を公表しており、同様の考え方と見られる。また舛添厚労大臣(留任)も「介護保険料の引き上げ」に言及している。
 他方、成長促進により増収を図るべきとする「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は、旧森派の重鎮でありながら、党役員にもなっておらず、旧森派を分け合っている町村官房長官派が制した形となっており、同派内の今後の確執が注目される。
 選挙ともなれば「小泉チルドレン」受難の選挙となろう。
 公明党もいわばプチブル政党としてほぼ自民党に呑み込まれている状態であり、存在意義がなくなって来ている。
 3、「改革路線」の終焉
 郵政造反組みの野田聖子議員が消費者行政担当大臣に、また保岡興冶議員が法務大臣に抜擢された。事実上の改革路線の終焉である。
 福田総理が意欲を持って取り組んで来た「消費者庁」も基本的には官僚を含む既得権益擁護に傾斜することになろう。省庁間の縦割りの権限についても、「なーな、やーやー」の仲間内の融和が重視されたものになろう。国民や国家全体の利益が優先されるべきであるが、特定の利益グループや省益などが優先される結果になろう。
 福田内閣は、郵政改革を問うた05年9月の総選挙で大勝した小泉政権の流れを汲み、07年9月に安倍内閣を引き継いで発足した。今回の改造は同総理の下での自前の改造であり、同政権の好みや方向性を明確に示している。それは、05年9月の総選挙で郵政改革に象徴される改革を選択した民意とは大きく乖離しており、福田自民党政権は、05年9月の総選挙以前の自民党にいわば先祖がえりした形だ。それは一つの政治的選択であるが、次の国会の冒頭などで、福田政権としての政策を速やかに明らかにした上で衆院を解散し、総選挙により民意を問うことが民主主義というものであろう。現在、自民党では最も人気があるとされる麻生議員が幹事長に就いており、改造内閣が新鮮さを失わない内に総選挙を行う方が傷は少ないのではないだろうか。福田内閣が「何をしようとしているか分らない」と見られているのは、国民から何も付託されていないからではないだろうか。
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シリーズ平成の「変」-福田先祖がえり政権の「変」―

2008-08-02 | Weblog
シリーズ平成の「変」-福田先祖がえり政権の「変」―
 昨年9月、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰まり、福田総理がそのまま内閣を引き継いだが、8月1日、福田政権発足後10ヶ月余で党人事と内閣改造を行った。
 今回の改造の性格は、麻生自民幹事長、与謝野経済財政担当大臣と野田聖子消費者政策担当大臣を新たに加えたことに明確に現れている。
 1、“森院政”の集大成
 麻生太郎自民党幹事長が返り咲いたが、年内にも予想される衆院選への備えとポスト福田を睨んだ自民党の顔造りの意味合いが強いと見られる。麻生新幹事長は、前回の党総裁選で予想以上に善戦し、「おたく族」や「アキバ族」などを中心に人気があるとの判断からと思われるが、実体的には森元総理の子飼い的存在であり、福田総理、町村官房長官(留任)が旧森派であることと合わせると「森院政」を強くにじませた形となっている。同幹事長は、森元総理と同様、外交面では新保守(日本的ネオコン)に属するが、経済財政政策面では既得権益重視と見られるので、福田総理との「ねじれ」が表面化する恐れもある。それ以上に同氏は、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰った際の党の責任者であったが、その時と同様に、党のスポークスマンとして持論を展開し、党が先行する形となるので、総理の存在感が益々薄くなり、政権への支持率は低下する恐れさえある。そうなると事実上「はしごが外される」状態が再現されることにもなろう。
 2、消費税増税を含む増税容認内閣
 経済財政担当大臣については、大田前大臣が「日本経済は一流国ではない」と発言し、当事者意識に欠くと共に、原油高、物価高の中で“経済無策”に終始したため、経済通の与謝野大臣となり、重みを増した。しかし同大臣は、「責任政党として増税は避けて通れない」として終始一貫、消費税増税を中心とする「増税による財政再建」を主張して来ている。総理は「今(選挙前は)、増税を論じる時ではない」としているが、自民党が来る衆院選挙で勝てば増税をすることを容認する人選である。恐らく、従来の同党の伝統的な手法に従って、景気対策のためには当面国債の発行をも容認し、公共事業や支持基盤である地方への各種の救済策を打ち出す可能性が強い。公明党も支持層向けの救済策を期待しているであろう。選挙を念頭において、国民の税金で支持層に資金をばら撒く“利益誘導型”の財政手法は、結果的には増税や将来世代に負担を先送る結果となるので、国民の選択次第であろう。
 麻生新幹事長も、「10%への消費税増税」論を公表しており、同様の考え方と見られる。また舛添厚労大臣(留任)も「介護保険料の引き上げ」に言及している。
 他方、成長促進により増収を図るべきとする「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は、旧森派の重鎮でありながら、党役員にもなっておらず、旧森派を分け合っている町村官房長官派が制した形となっており、同派内の今後の確執が注目される。
 選挙ともなれば「小泉チルドレン」受難の選挙となろう。
 公明党もいわばプチブル政党としてほぼ自民党に呑み込まれている状態であり、存在意義がなくなって来ている。
 3、「改革路線」の終焉
 郵政造反組みの野田聖子議員が消費者行政担当大臣に、また保岡興冶議員が法務大臣に抜擢された。事実上の改革路線の終焉である。
 福田総理が意欲を持って取り組んで来た「消費者庁」も基本的には官僚を含む既得権益擁護に傾斜することになろう。省庁間の縦割りの権限についても、「なーな、やーやー」の仲間内の融和が重視されたものになろう。国民や国家全体の利益が優先されるべきであるが、特定の利益グループや省益などが優先される結果になろう。
 福田内閣は、郵政改革を問うた05年9月の総選挙で大勝した小泉政権の流れを汲み、07年9月に安倍内閣を引き継いで発足した。今回の改造は同総理の下での自前の改造であり、同政権の好みや方向性を明確に示している。それは、05年9月の総選挙で郵政改革に象徴される改革を選択した民意とは大きく乖離しており、福田自民党政権は、05年9月の総選挙以前の自民党にいわば先祖がえりした形だ。それは一つの政治的選択であるが、次の国会の冒頭などで、福田政権としての政策を速やかに明らかにした上で衆院を解散し、総選挙により民意を問うことが民主主義というものであろう。現在、自民党では最も人気があるとされる麻生議員が幹事長に就いており、改造内閣が新鮮さを失わない内に総選挙を行う方が傷は少ないのではないだろうか。福田内閣が「何をしようとしているか分らない」と見られているのは、国民から何も付託されていないからではないだろうか。
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シリーズ平成の「変」-福田先祖がえり政権の「変」―

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シリーズ平成の「変」-福田先祖がえり政権の「変」―
 昨年9月、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰まり、福田総理がそのまま内閣を引き継いだが、8月1日、福田政権発足後10ヶ月余で党人事と内閣改造を行った。
 今回の改造の性格は、麻生自民幹事長、与謝野経済財政担当大臣と野田聖子消費者政策担当大臣を新たに加えたことに明確に現れている。
 1、“森院政”の集大成
 麻生太郎自民党幹事長が返り咲いたが、年内にも予想される衆院選への備えとポスト福田を睨んだ自民党の顔造りの意味合いが強いと見られる。麻生新幹事長は、前回の党総裁選で予想以上に善戦し、「おたく族」や「アキバ族」などを中心に人気があるとの判断からと思われるが、実体的には森元総理の子飼い的存在であり、福田総理、町村官房長官(留任)が旧森派であることと合わせると「森院政」を強くにじませた形となっている。同幹事長は、森元総理と同様、外交面では新保守(日本的ネオコン)に属するが、経済財政政策面では既得権益重視と見られるので、福田総理との「ねじれ」が表面化する恐れもある。それ以上に同氏は、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰った際の党の責任者であったが、その時と同様に、党のスポークスマンとして持論を展開し、党が先行する形となるので、総理の存在感が益々薄くなり、政権への支持率は低下する恐れさえある。そうなると事実上「はしごが外される」状態が再現されることにもなろう。
 2、消費税増税を含む増税容認内閣
 経済財政担当大臣については、大田前大臣が「日本経済は一流国ではない」と発言し、当事者意識に欠くと共に、原油高、物価高の中で“経済無策”に終始したため、経済通の与謝野大臣となり、重みを増した。しかし同大臣は、「責任政党として増税は避けて通れない」として終始一貫、消費税増税を中心とする「増税による財政再建」を主張して来ている。総理は「今(選挙前は)、増税を論じる時ではない」としているが、自民党が来る衆院選挙で勝てば増税をすることを容認する人選である。恐らく、従来の同党の伝統的な手法に従って、景気対策のためには当面国債の発行をも容認し、公共事業や支持基盤である地方への各種の救済策を打ち出す可能性が強い。公明党も支持層向けの救済策を期待しているであろう。選挙を念頭において、国民の税金で支持層に資金をばら撒く“利益誘導型”の財政手法は、結果的には増税や将来世代に負担を先送る結果となるので、国民の選択次第であろう。
 麻生新幹事長も、「10%への消費税増税」論を公表しており、同様の考え方と見られる。また舛添厚労大臣(留任)も「介護保険料の引き上げ」に言及している。
 他方、成長促進により増収を図るべきとする「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は、旧森派の重鎮でありながら、党役員にもなっておらず、旧森派を分け合っている町村官房長官派が制した形となっており、同派内の今後の確執が注目される。
 選挙ともなれば「小泉チルドレン」受難の選挙となろう。
 公明党もいわばプチブル政党としてほぼ自民党に呑み込まれている状態であり、存在意義がなくなって来ている。
 3、「改革路線」の終焉
 郵政造反組みの野田聖子議員が消費者行政担当大臣に、また保岡興冶議員が法務大臣に抜擢された。事実上の改革路線の終焉である。
 福田総理が意欲を持って取り組んで来た「消費者庁」も基本的には官僚を含む既得権益擁護に傾斜することになろう。省庁間の縦割りの権限についても、「なーな、やーやー」の仲間内の融和が重視されたものになろう。国民や国家全体の利益が優先されるべきであるが、特定の利益グループや省益などが優先される結果になろう。
 福田内閣は、郵政改革を問うた05年9月の総選挙で大勝した小泉政権の流れを汲み、07年9月に安倍内閣を引き継いで発足した。今回の改造は同総理の下での自前の改造であり、同政権の好みや方向性を明確に示している。それは、05年9月の総選挙で郵政改革に象徴される改革を選択した民意とは大きく乖離しており、福田自民党政権は、05年9月の総選挙以前の自民党にいわば先祖がえりした形だ。それは一つの政治的選択であるが、次の国会の冒頭などで、福田政権としての政策を速やかに明らかにした上で衆院を解散し、総選挙により民意を問うことが民主主義というものであろう。現在、自民党では最も人気があるとされる麻生議員が幹事長に就いており、改造内閣が新鮮さを失わない内に総選挙を行う方が傷は少ないのではないだろうか。福田内閣が「何をしようとしているか分らない」と見られているのは、国民から何も付託されていないからではないだろうか。
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 昨年9月、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰まり、福田総理がそのまま内閣を引き継いだが、8月1日、福田政権発足後10ヶ月余で党人事と内閣改造を行った。
 今回の改造の性格は、麻生自民幹事長、与謝野経済財政担当大臣と野田聖子消費者政策担当大臣を新たに加えたことに明確に現れている。
 1、“森院政”の集大成
 麻生太郎自民党幹事長が返り咲いたが、年内にも予想される衆院選への備えとポスト福田を睨んだ自民党の顔造りの意味合いが強いと見られる。麻生新幹事長は、前回の党総裁選で予想以上に善戦し、「おたく族」や「アキバ族」などを中心に人気があるとの判断からと思われるが、実体的には森元総理の子飼い的存在であり、福田総理、町村官房長官(留任)が旧森派であることと合わせると「森院政」を強くにじませた形となっている。同幹事長は、森元総理と同様、外交面では新保守(日本的ネオコン)に属するが、経済財政政策面では既得権益重視と見られるので、福田総理との「ねじれ」が表面化する恐れもある。それ以上に同氏は、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰った際の党の責任者であったが、その時と同様に、党のスポークスマンとして持論を展開し、党が先行する形となるので、総理の存在感が益々薄くなり、政権への支持率は低下する恐れさえある。そうなると事実上「はしごが外される」状態が再現されることにもなろう。
 2、消費税増税を含む増税容認内閣
 経済財政担当大臣については、大田前大臣が「日本経済は一流国ではない」と発言し、当事者意識に欠くと共に、原油高、物価高の中で“経済無策”に終始したため、経済通の与謝野大臣となり、重みを増した。しかし同大臣は、「責任政党として増税は避けて通れない」として終始一貫、消費税増税を中心とする「増税による財政再建」を主張して来ている。総理は「今(選挙前は)、増税を論じる時ではない」としているが、自民党が来る衆院選挙で勝てば増税をすることを容認する人選である。恐らく、従来の同党の伝統的な手法に従って、景気対策のためには当面国債の発行をも容認し、公共事業や支持基盤である地方への各種の救済策を打ち出す可能性が強い。公明党も支持層向けの救済策を期待しているであろう。選挙を念頭において、国民の税金で支持層に資金をばら撒く“利益誘導型”の財政手法は、結果的には増税や将来世代に負担を先送る結果となるので、国民の選択次第であろう。
 麻生新幹事長も、「10%への消費税増税」論を公表しており、同様の考え方と見られる。また舛添厚労大臣(留任)も「介護保険料の引き上げ」に言及している。
 他方、成長促進により増収を図るべきとする「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は、旧森派の重鎮でありながら、党役員にもなっておらず、旧森派を分け合っている町村官房長官派が制した形となっており、同派内の今後の確執が注目される。
 選挙ともなれば「小泉チルドレン」受難の選挙となろう。
 公明党もいわばプチブル政党としてほぼ自民党に呑み込まれている状態であり、存在意義がなくなって来ている。
 3、「改革路線」の終焉
 郵政造反組みの野田聖子議員が消費者行政担当大臣に、また保岡興冶議員が法務大臣に抜擢された。事実上の改革路線の終焉である。
 福田総理が意欲を持って取り組んで来た「消費者庁」も基本的には官僚を含む既得権益擁護に傾斜することになろう。省庁間の縦割りの権限についても、「なーな、やーやー」の仲間内の融和が重視されたものになろう。国民や国家全体の利益が優先されるべきであるが、特定の利益グループや省益などが優先される結果になろう。
 福田内閣は、郵政改革を問うた05年9月の総選挙で大勝した小泉政権の流れを汲み、07年9月に安倍内閣を引き継いで発足した。今回の改造は同総理の下での自前の改造であり、同政権の好みや方向性を明確に示している。それは、05年9月の総選挙で郵政改革に象徴される改革を選択した民意とは大きく乖離しており、福田自民党政権は、05年9月の総選挙以前の自民党にいわば先祖がえりした形だ。それは一つの政治的選択であるが、次の国会の冒頭などで、福田政権としての政策を速やかに明らかにした上で衆院を解散し、総選挙により民意を問うことが民主主義というものであろう。現在、自民党では最も人気があるとされる麻生議員が幹事長に就いており、改造内閣が新鮮さを失わない内に総選挙を行う方が傷は少ないのではないだろうか。福田内閣が「何をしようとしているか分らない」と見られているのは、国民から何も付託されていないからではないだろうか。
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 昨年9月、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰まり、福田総理がそのまま内閣を引き継いだが、8月1日、福田政権発足後10ヶ月余で党人事と内閣改造を行った。
 今回の改造の性格は、麻生自民幹事長、与謝野経済財政担当大臣と野田聖子消費者政策担当大臣を新たに加えたことに明確に現れている。
 1、“森院政”の集大成
 麻生太郎自民党幹事長が返り咲いたが、年内にも予想される衆院選への備えとポスト福田を睨んだ自民党の顔造りの意味合いが強いと見られる。麻生新幹事長は、前回の党総裁選で予想以上に善戦し、「おたく族」や「アキバ族」などを中心に人気があるとの判断からと思われるが、実体的には森元総理の子飼い的存在であり、福田総理、町村官房長官(留任)が旧森派であることと合わせると「森院政」を強くにじませた形となっている。同幹事長は、森元総理と同様、外交面では新保守(日本的ネオコン)に属するが、経済財政政策面では既得権益重視と見られるので、福田総理との「ねじれ」が表面化する恐れもある。それ以上に同氏は、安倍総理(当時)が政権運営に行き詰った際の党の責任者であったが、その時と同様に、党のスポークスマンとして持論を展開し、党が先行する形となるので、総理の存在感が益々薄くなり、政権への支持率は低下する恐れさえある。そうなると事実上「はしごが外される」状態が再現されることにもなろう。
 2、消費税増税を含む増税容認内閣
 経済財政担当大臣については、大田前大臣が「日本経済は一流国ではない」と発言し、当事者意識に欠くと共に、原油高、物価高の中で“経済無策”に終始したため、経済通の与謝野大臣となり、重みを増した。しかし同大臣は、「責任政党として増税は避けて通れない」として終始一貫、消費税増税を中心とする「増税による財政再建」を主張して来ている。総理は「今(選挙前は)、増税を論じる時ではない」としているが、自民党が来る衆院選挙で勝てば増税をすることを容認する人選である。恐らく、従来の同党の伝統的な手法に従って、景気対策のためには当面国債の発行をも容認し、公共事業や支持基盤である地方への各種の救済策を打ち出す可能性が強い。公明党も支持層向けの救済策を期待しているであろう。選挙を念頭において、国民の税金で支持層に資金をばら撒く“利益誘導型”の財政手法は、結果的には増税や将来世代に負担を先送る結果となるので、国民の選択次第であろう。
 麻生新幹事長も、「10%への消費税増税」論を公表しており、同様の考え方と見られる。また舛添厚労大臣(留任)も「介護保険料の引き上げ」に言及している。
 他方、成長促進により増収を図るべきとする「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は、旧森派の重鎮でありながら、党役員にもなっておらず、旧森派を分け合っている町村官房長官派が制した形となっており、同派内の今後の確執が注目される。
 選挙ともなれば「小泉チルドレン」受難の選挙となろう。
 公明党もいわばプチブル政党としてほぼ自民党に呑み込まれている状態であり、存在意義がなくなって来ている。
 3、「改革路線」の終焉
 郵政造反組みの野田聖子議員が消費者行政担当大臣に、また保岡興冶議員が法務大臣に抜擢された。事実上の改革路線の終焉である。
 福田総理が意欲を持って取り組んで来た「消費者庁」も基本的には官僚を含む既得権益擁護に傾斜することになろう。省庁間の縦割りの権限についても、「なーな、やーやー」の仲間内の融和が重視されたものになろう。国民や国家全体の利益が優先されるべきであるが、特定の利益グループや省益などが優先される結果になろう。
 福田内閣は、郵政改革を問うた05年9月の総選挙で大勝した小泉政権の流れを汲み、07年9月に安倍内閣を引き継いで発足した。今回の改造は同総理の下での自前の改造であり、同政権の好みや方向性を明確に示している。それは、05年9月の総選挙で郵政改革に象徴される改革を選択した民意とは大きく乖離しており、福田自民党政権は、05年9月の総選挙以前の自民党にいわば先祖がえりした形だ。それは一つの政治的選択であるが、次の国会の冒頭などで、福田政権としての政策を速やかに明らかにした上で衆院を解散し、総選挙により民意を問うことが民主主義というものであろう。現在、自民党では最も人気があるとされる麻生議員が幹事長に就いており、改造内閣が新鮮さを失わない内に総選挙を行う方が傷は少ないのではないだろうか。福田内閣が「何をしようとしているか分らない」と見られているのは、国民から何も付託されていないからではないだろうか。
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