シリーズ平成の本音―水道管改修に年1兆円と水道代値上げ?!
2015年度予算の政府概算要求の取りまとめを前にして、老朽化する全国の水道管の改修について、“2020年から25年に年間1兆円規模に達し、水道施設の更新に必要な経費が不足するとの政府当局の見通し”が伝えられている。更に、“人口減と家庭や企業の節水で料金収入も低迷しており、水道料金の値上げを迫られる自治体も相次いでいる”と報じられている。既に水道代の値上げを実施、或いは検討を行っている自治体も出ている。
水道管が老朽化し補修や更新が必要となることは理解できるところであり、計画性を持って実施されることが必要だろう。水道管や施設は老朽化すれば補修、改修の必要性が出てくるのは事業をしている以上分っていることであり、水道管などの改修に備えて、減価償却費や積立金を計上していなくてはならないものであるので、自治体等はそれを前提として対応すべきものであろう。水道代を徴収して行っている事業である以上、改修費用を中央からの交付金や補助金などの政府予算に依存することは問題を一時的に解消するだけであり、問題自体を解決したことにはならない。
人口減や節水により水道料金収入が減ることが予想されるのであれば、各自治体は水道事業の人件費を含め管理運営費を削減して行かなければ赤字となることは明らかであろう。また節水は奨励すべきことであり、だからと言って値上げするというのは筋違いではないだろうか。多くの地方自治体において、今後はこれまで以上に人口減が予想されている以上、水道需要は減少し収入も減少することは予想の範囲内となるので、それに備えてコスト節減を行うべきであろう。
上記の水道管の改修費年間1兆円規模という試算は、人口減、需要減を予想する一方で、水道事業の管理運営費を現状のまま据え置き、節減をすることを何ら考慮していないものと見られる。政府事業や公共事業の最大の欠点は、コストの観念がなく、赤字となれば税金で補填するか値上げによるかという考え方であり、需要の低下に伴う経費節減という意識や努力がないことであろう。社会主義、共産主義や中央独裁における中央統制経済が多くの場合失敗しているのは、コストの観念の欠如にあることは広く知られている。
このような点を精査もせず、当局の考えをそのまま報道する姿勢にも問題があるが、人口減の中において今後の行政サービスや公共サービスを維持して行くためには、行政側に人件費を含むコスト削減の意識をより強く持ってむらうことが不可欠のようだ。行・財政政策の企画、立案、執行を行うラインには、経済、経営学出身の人材を確保し、コスト観念を含め、効率的な経済、経営に重点を置いた行政にして行くことが望まれる。中央の経済・財務官庁には伝統的に法学部出身者が多いようだが、法律的なチェックは必要としてもスタッフとしてのチェック機能を確保すればよいことであろう。
膨大な公的債務を抱える中で、人口減に対処して行くためには、都道府県や市区町村のあり方と共に、コスト管理をより重視した行政にして行くことが大切なようだ。そうでなければ、何時まで経っても、財政赤字、増税・値上げの繰り返しとなり、恐竜やマンモスが地球から消えたように、肥大した行政組織を国民が支え切れなくなり、財政破綻や行政破綻を起こす恐れがある。(2013.08.20.)
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2015年度予算の政府概算要求の取りまとめを前にして、老朽化する全国の水道管の改修について、“2020年から25年に年間1兆円規模に達し、水道施設の更新に必要な経費が不足するとの政府当局の見通し”が伝えられている。更に、“人口減と家庭や企業の節水で料金収入も低迷しており、水道料金の値上げを迫られる自治体も相次いでいる”と報じられている。既に水道代の値上げを実施、或いは検討を行っている自治体も出ている。
水道管が老朽化し補修や更新が必要となることは理解できるところであり、計画性を持って実施されることが必要だろう。水道管や施設は老朽化すれば補修、改修の必要性が出てくるのは事業をしている以上分っていることであり、水道管などの改修に備えて、減価償却費や積立金を計上していなくてはならないものであるので、自治体等はそれを前提として対応すべきものであろう。水道代を徴収して行っている事業である以上、改修費用を中央からの交付金や補助金などの政府予算に依存することは問題を一時的に解消するだけであり、問題自体を解決したことにはならない。
人口減や節水により水道料金収入が減ることが予想されるのであれば、各自治体は水道事業の人件費を含め管理運営費を削減して行かなければ赤字となることは明らかであろう。また節水は奨励すべきことであり、だからと言って値上げするというのは筋違いではないだろうか。多くの地方自治体において、今後はこれまで以上に人口減が予想されている以上、水道需要は減少し収入も減少することは予想の範囲内となるので、それに備えてコスト節減を行うべきであろう。
上記の水道管の改修費年間1兆円規模という試算は、人口減、需要減を予想する一方で、水道事業の管理運営費を現状のまま据え置き、節減をすることを何ら考慮していないものと見られる。政府事業や公共事業の最大の欠点は、コストの観念がなく、赤字となれば税金で補填するか値上げによるかという考え方であり、需要の低下に伴う経費節減という意識や努力がないことであろう。社会主義、共産主義や中央独裁における中央統制経済が多くの場合失敗しているのは、コストの観念の欠如にあることは広く知られている。
このような点を精査もせず、当局の考えをそのまま報道する姿勢にも問題があるが、人口減の中において今後の行政サービスや公共サービスを維持して行くためには、行政側に人件費を含むコスト削減の意識をより強く持ってむらうことが不可欠のようだ。行・財政政策の企画、立案、執行を行うラインには、経済、経営学出身の人材を確保し、コスト観念を含め、効率的な経済、経営に重点を置いた行政にして行くことが望まれる。中央の経済・財務官庁には伝統的に法学部出身者が多いようだが、法律的なチェックは必要としてもスタッフとしてのチェック機能を確保すればよいことであろう。
膨大な公的債務を抱える中で、人口減に対処して行くためには、都道府県や市区町村のあり方と共に、コスト管理をより重視した行政にして行くことが大切なようだ。そうでなければ、何時まで経っても、財政赤字、増税・値上げの繰り返しとなり、恐竜やマンモスが地球から消えたように、肥大した行政組織を国民が支え切れなくなり、財政破綻や行政破綻を起こす恐れがある。(2013.08.20.)
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