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自民党総裁選、出来レースに諦めの声!!

2018-09-18 | Weblog
平成の本音―自民党総裁選、出来レースに諦めの声!!
 安倍自民党総裁の2期目の任期満了に伴い、同党総裁選が9月7日に開始し、10日の所信表明の後、9月14日に安倍総裁と対立候補となる石破元同党幹事長による討論会が開催された。
 安倍総裁(首相)は、所信表明に沿い、5年8か月の実績を強調し、一言でいうと安倍政権の政策継続を主張した。主要点は次の通り。
(1)経済政策では、マイナス金利を含む‘異次元の金融緩和’など3本の矢の政策を継続するとしつつ、‘今後3年間で金融正常化の道筋をつける’。
 地方創生も4年前から取り組んできた。
(2)社会保障政策については、今後3年間で改革を行う。
(3)民主主義の在り方、行政運営については、文書改ざん問題で不信を招いたことを謝罪しつつ、公文書管理を行う。
(4)憲法改正は戦後一度も行われておらず、進めたい。自衛隊の地位を明らかにしたいが、与党の合意を得たい。
(5)外交日程をおろそかには出来ない、など。
 これに対し石破元幹事長は、(1)地方経済、地方の所得引き上げが重要、(2)自民党のためではなく、国民全体の福祉向上が重要、(3)情報は、都合が悪いことでも国民に明らかにすべし、(4)憲法改正は国民の理解が重要で、十分な議論が必要など、国民の理解と公正、誠実な対応を強調する形となった。
 両者の主張は、それぞれ国民の一定の理解は得られようが、安倍総裁(首相)の主張は、5年8か月の実績を強調し、一定の理解を得ているものの、政策の継続であり新味はほとんどないばかりか、取り組んで来なかった問題への責任回避や問題のすり替え、また外交上の具体的な成果の欠如など、熱意と気力に欠け、サッカーに例えればひたすらロスタイムを消化するという印象が強い。
 他方石破元幹事長は、誠意をもって国民と向き合い、自民党だけと言うよりも野党とも協議し、公正な対応をするという姿勢が鮮明に出ている。特に国会運営では、予算や福祉政策、労働政策など、国民全体に関することは与党だけで通せば良いというものでもなく、与野党で協議し、検討すべきとしている。国民にとっては、政党を問わず、公正な形で予算や法案を審議し、修正するという姿勢と慣行を作って行くことが望ましい。
 安倍総裁は5年8か月の実績を強調し、首相としての実績のない石破候補を批判しているが、言葉は巧みで一定の理解を得るだろうが、下記の通り、具体的な実績は乏しく、弊害もある。
 (1)アベノミクスについては、大量の信用供給とマイナス金利による円安誘導と官製バブル化した株高により一定の効果はあったが、家計所得は実質減、個人消費は停滞しており、効果は局部的でしかない。また3本の矢については、3本目の規制の緩和、撤廃では、目玉として国家戦略特区を打ち出したが、加計学園問題の様にえこひいきを誘発し、弊害の方が多い上、経済効果はほとんどない状態だ。アベノミクスは、いわば賞味期限切れで、継続する意味は乏しい。2%のインフレターゲットにしても、5年以上実施して達成できていないので政策目標としては達成出来てないということだ。達成時期を先送りしていれば何時かは達成されるであろうが、もはや政策とは言えない。黒田日銀総裁も3年も目標を先送っているが、保身であり先送りしているだけだ。
 (2)社会保障政策については、2012年11月の国会の党首討論で当時の野田首相と‛社会保障制度の一体改革’の実行を約束して国会を解散した。しかし選挙で勝利した自・公連立政権は、5年8か月の間何も取り組まず、今更今後3年で改革すると言っても、また口先だけで説得力はない。逆に自・公連立政権がこの間実施したことは、消費税増税に加え、年金給付額の削減、支給年齢の引き上げ、介護保険料の大幅引き上げ等、国民負担の増加という真逆の政策である。それが年代を問わず将来不安を募り、消費が低迷している原因となっている。今更3年間で改革すると言われても、また口先だけと思うのであろう。
 黒田日銀総裁も、2%のインフレターゲットを3年間先延ばすとしているが、いくら通貨供給を増やしても消費は戻らないことを理解できないのであろう。
 (3)公文書管理をしっかり行うとしているが、そもそも財務省の佐川理財局長(当時)を文書改ざんにまで追い込んだのは誰のためだったかは明らかであり、それを頬かむりして、問題は行政当局、官僚の公文書管理の問題に転嫁し、問題を矮小化しているに過ぎない。真実を語らなかった当事者としての道義的、政治的責任が問われる。上が責任を取らなければ、コンプライアンスは空文となろう。
 更に問題は、厚生労働省による残業時間調査における数値の操作、偽装に加え、
身障者雇用率について、内閣府を含むほとんどすべての省庁で数値を水増しし、法定基準を上回っているように報告していたことが発覚している。いずれ調査報告が出ようが、これは明確な中央省庁による法律違反であるので、すべての関係閣僚は監督責任があり、本来であれば内閣総辞職にも値することであろう。
(4)憲法改正については、自衛隊の明記の他、何をどのように改正したいのか、明確な説明がない上、総選挙の際にも明確な提案をして来ておらず、意図が不明である。民主党政権時代に自民党が3年かけて作成したとされる憲法全面改正案は、旧帝国憲法に戻るような草案で、到底国民の支持を得られるものではなさそうだ。
(5)外交については、首相が精力的に諸外国を訪問していることは評価できるが、解決を公約している北朝鮮による日本人拉致問題や北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結などの重要課題が5年8か月経っても解決の目途も立っていない。
 また弊害もある。基本的にキリスト教諸国との聖戦を標榜するISISにについて、安倍外交が敵対的と認識され、日本人2名が処刑された。また北朝鮮については、安倍政権が制裁強化を事ある毎に主張していたことから、日本を火の海にすると恫喝され、また文韓国大統領、トランプ大統領に出し抜かれた格好となった一方、北は日本だけは除外するとしている。また靖国参拝問題では、中国、韓国と政権発足以来5年以上ギクシャクしている。
 既定の外交日程を維持するよりも、転換を図ることも選択肢となろう。
 総裁選の投開票は9月20日に予定されている。しかし安倍総裁(首相)の所属派閥である細田派やとかくの失言が絶えない麻生派の他、二階派、岸田派、石原派など、同党所属衆参議員の7割以上が安倍総裁3選支持を表明しており、党員票を待たずして大勢は決まっており、出来レースと言ってよい。選挙、選挙と言っても投票前に支持を公表すれば選挙結果に影響し、公正な選挙とはもはや言えなさそうだ。既に総裁選挙後の新内閣での大臣ポストの割り振りなども水面下で行われているのであろう。
 同党は本年3月に総裁3選を承認しており、流れはその頃から決まっているようなものだが、加計学園問題や森友問題を起こし国民の不信を買っている上、中央省庁のほぼすべてが身障者雇用比率で明らかな法律違反をし、またコンプライアンスの面で深刻な問題を抱えている総裁(首相)を7割以上の自民党議員が支持していることは驚きだ。自民党議員の7割以上が、コンプライアンス違反への道義的、政治的責任に対しこの程度の認識しかしていないのは異常だ。またマスコミや言論界、財界などが声を上げないのはマスコミ力の低下、商業主義ということなのであろうか。それ以上に国民は、行政や政治の将来に不安を感じるのではないだろうか。(2018.9.16.)
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2018-09-18 | Weblog
平成の本音―自民党総裁選、出来レースに諦めの声!!
 安倍自民党総裁の2期目の任期満了に伴い、同党総裁選が9月7日に開始し、10日の所信表明の後、9月14日に安倍総裁と対立候補となる石破元同党幹事長による討論会が開催された。
 安倍総裁(首相)は、所信表明に沿い、5年8か月の実績を強調し、一言でいうと安倍政権の政策継続を主張した。主要点は次の通り。
(1)経済政策では、マイナス金利を含む‘異次元の金融緩和’など3本の矢の政策を継続するとしつつ、‘今後3年間で金融正常化の道筋をつける’。
 地方創生も4年前から取り組んできた。
(2)社会保障政策については、今後3年間で改革を行う。
(3)民主主義の在り方、行政運営については、文書改ざん問題で不信を招いたことを謝罪しつつ、公文書管理を行う。
(4)憲法改正は戦後一度も行われておらず、進めたい。自衛隊の地位を明らかにしたいが、与党の合意を得たい。
(5)外交日程をおろそかには出来ない、など。
 これに対し石破元幹事長は、(1)地方経済、地方の所得引き上げが重要、(2)自民党のためではなく、国民全体の福祉向上が重要、(3)情報は、都合が悪いことでも国民に明らかにすべし、(4)憲法改正は国民の理解が重要で、十分な議論が必要など、国民の理解と公正、誠実な対応を強調する形となった。
 両者の主張は、それぞれ国民の一定の理解は得られようが、安倍総裁(首相)の主張は、5年8か月の実績を強調し、一定の理解を得ているものの、政策の継続であり新味はほとんどないばかりか、取り組んで来なかった問題への責任回避や問題のすり替え、また外交上の具体的な成果の欠如など、熱意と気力に欠け、サッカーに例えればひたすらロスタイムを消化するという印象が強い。
 他方石破元幹事長は、誠意をもって国民と向き合い、自民党だけと言うよりも野党とも協議し、公正な対応をするという姿勢が鮮明に出ている。特に国会運営では、予算や福祉政策、労働政策など、国民全体に関することは与党だけで通せば良いというものでもなく、与野党で協議し、検討すべきとしている。国民にとっては、政党を問わず、公正な形で予算や法案を審議し、修正するという姿勢と慣行を作って行くことが望ましい。
 安倍総裁は5年8か月の実績を強調し、首相としての実績のない石破候補を批判しているが、言葉は巧みで一定の理解を得るだろうが、下記の通り、具体的な実績は乏しく、弊害もある。
 (1)アベノミクスについては、大量の信用供給とマイナス金利による円安誘導と官製バブル化した株高により一定の効果はあったが、家計所得は実質減、個人消費は停滞しており、効果は局部的でしかない。また3本の矢については、3本目の規制の緩和、撤廃では、目玉として国家戦略特区を打ち出したが、加計学園問題の様にえこひいきを誘発し、弊害の方が多い上、経済効果はほとんどない状態だ。アベノミクスは、いわば賞味期限切れで、継続する意味は乏しい。2%のインフレターゲットにしても、5年以上実施して達成できていないので政策目標としては達成出来てないということだ。達成時期を先送りしていれば何時かは達成されるであろうが、もはや政策とは言えない。黒田日銀総裁も3年も目標を先送っているが、保身であり先送りしているだけだ。
 (2)社会保障政策については、2012年11月の国会の党首討論で当時の野田首相と‛社会保障制度の一体改革’の実行を約束して国会を解散した。しかし選挙で勝利した自・公連立政権は、5年8か月の間何も取り組まず、今更今後3年で改革すると言っても、また口先だけで説得力はない。逆に自・公連立政権がこの間実施したことは、消費税増税に加え、年金給付額の削減、支給年齢の引き上げ、介護保険料の大幅引き上げ等、国民負担の増加という真逆の政策である。それが年代を問わず将来不安を募り、消費が低迷している原因となっている。今更3年間で改革すると言われても、また口先だけと思うのであろう。
 黒田日銀総裁も、2%のインフレターゲットを3年間先延ばすとしているが、いくら通貨供給を増やしても消費は戻らないことを理解できないのであろう。
 (3)公文書管理をしっかり行うとしているが、そもそも財務省の佐川理財局長(当時)を文書改ざんにまで追い込んだのは誰のためだったかは明らかであり、それを頬かむりして、問題は行政当局、官僚の公文書管理の問題に転嫁し、問題を矮小化しているに過ぎない。真実を語らなかった当事者としての道義的、政治的責任が問われる。上が責任を取らなければ、コンプライアンスは空文となろう。
 更に問題は、厚生労働省による残業時間調査における数値の操作、偽装に加え、
身障者雇用率について、内閣府を含むほとんどすべての省庁で数値を水増しし、法定基準を上回っているように報告していたことが発覚している。いずれ調査報告が出ようが、これは明確な中央省庁による法律違反であるので、すべての関係閣僚は監督責任があり、本来であれば内閣総辞職にも値することであろう。
(4)憲法改正については、自衛隊の明記の他、何をどのように改正したいのか、明確な説明がない上、総選挙の際にも明確な提案をして来ておらず、意図が不明である。民主党政権時代に自民党が3年かけて作成したとされる憲法全面改正案は、旧帝国憲法に戻るような草案で、到底国民の支持を得られるものではなさそうだ。
(5)外交については、首相が精力的に諸外国を訪問していることは評価できるが、解決を公約している北朝鮮による日本人拉致問題や北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結などの重要課題が5年8か月経っても解決の目途も立っていない。
 また弊害もある。基本的にキリスト教諸国との聖戦を標榜するISISにについて、安倍外交が敵対的と認識され、日本人2名が処刑された。また北朝鮮については、安倍政権が制裁強化を事ある毎に主張していたことから、日本を火の海にすると恫喝され、また文韓国大統領、トランプ大統領に出し抜かれた格好となった一方、北は日本だけは除外するとしている。また靖国参拝問題では、中国、韓国と政権発足以来5年以上ギクシャクしている。
 既定の外交日程を維持するよりも、転換を図ることも選択肢となろう。
 総裁選の投開票は9月20日に予定されている。しかし安倍総裁(首相)の所属派閥である細田派やとかくの失言が絶えない麻生派の他、二階派、岸田派、石原派など、同党所属衆参議員の7割以上が安倍総裁3選支持を表明しており、党員票を待たずして大勢は決まっており、出来レースと言ってよい。選挙、選挙と言っても投票前に支持を公表すれば選挙結果に影響し、公正な選挙とはもはや言えなさそうだ。既に総裁選挙後の新内閣での大臣ポストの割り振りなども水面下で行われているのであろう。
 同党は本年3月に総裁3選を承認しており、流れはその頃から決まっているようなものだが、加計学園問題や森友問題を起こし国民の不信を買っている上、中央省庁のほぼすべてが身障者雇用比率で明らかな法律違反をし、またコンプライアンスの面で深刻な問題を抱えている総裁(首相)を7割以上の自民党議員が支持していることは驚きだ。自民党議員の7割以上が、コンプライアンス違反への道義的、政治的責任に対しこの程度の認識しかしていないのは異常だ。またマスコミや言論界、財界などが声を上げないのはマスコミ力の低下、商業主義ということなのであろうか。それ以上に国民は、行政や政治の将来に不安を感じるのではないだろうか。(2018.9.16.)
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 安倍自民党総裁の2期目の任期満了に伴い、同党総裁選が9月7日に開始し、10日の所信表明の後、9月14日に安倍総裁と対立候補となる石破元同党幹事長による討論会が開催された。
 安倍総裁(首相)は、所信表明に沿い、5年8か月の実績を強調し、一言でいうと安倍政権の政策継続を主張した。主要点は次の通り。
(1)経済政策では、マイナス金利を含む‘異次元の金融緩和’など3本の矢の政策を継続するとしつつ、‘今後3年間で金融正常化の道筋をつける’。
 地方創生も4年前から取り組んできた。
(2)社会保障政策については、今後3年間で改革を行う。
(3)民主主義の在り方、行政運営については、文書改ざん問題で不信を招いたことを謝罪しつつ、公文書管理を行う。
(4)憲法改正は戦後一度も行われておらず、進めたい。自衛隊の地位を明らかにしたいが、与党の合意を得たい。
(5)外交日程をおろそかには出来ない、など。
 これに対し石破元幹事長は、(1)地方経済、地方の所得引き上げが重要、(2)自民党のためではなく、国民全体の福祉向上が重要、(3)情報は、都合が悪いことでも国民に明らかにすべし、(4)憲法改正は国民の理解が重要で、十分な議論が必要など、国民の理解と公正、誠実な対応を強調する形となった。
 両者の主張は、それぞれ国民の一定の理解は得られようが、安倍総裁(首相)の主張は、5年8か月の実績を強調し、一定の理解を得ているものの、政策の継続であり新味はほとんどないばかりか、取り組んで来なかった問題への責任回避や問題のすり替え、また外交上の具体的な成果の欠如など、熱意と気力に欠け、サッカーに例えればひたすらロスタイムを消化するという印象が強い。
 他方石破元幹事長は、誠意をもって国民と向き合い、自民党だけと言うよりも野党とも協議し、公正な対応をするという姿勢が鮮明に出ている。特に国会運営では、予算や福祉政策、労働政策など、国民全体に関することは与党だけで通せば良いというものでもなく、与野党で協議し、検討すべきとしている。国民にとっては、政党を問わず、公正な形で予算や法案を審議し、修正するという姿勢と慣行を作って行くことが望ましい。
 安倍総裁は5年8か月の実績を強調し、首相としての実績のない石破候補を批判しているが、言葉は巧みで一定の理解を得るだろうが、下記の通り、具体的な実績は乏しく、弊害もある。
 (1)アベノミクスについては、大量の信用供給とマイナス金利による円安誘導と官製バブル化した株高により一定の効果はあったが、家計所得は実質減、個人消費は停滞しており、効果は局部的でしかない。また3本の矢については、3本目の規制の緩和、撤廃では、目玉として国家戦略特区を打ち出したが、加計学園問題の様にえこひいきを誘発し、弊害の方が多い上、経済効果はほとんどない状態だ。アベノミクスは、いわば賞味期限切れで、継続する意味は乏しい。2%のインフレターゲットにしても、5年以上実施して達成できていないので政策目標としては達成出来てないということだ。達成時期を先送りしていれば何時かは達成されるであろうが、もはや政策とは言えない。黒田日銀総裁も3年も目標を先送っているが、保身であり先送りしているだけだ。
 (2)社会保障政策については、2012年11月の国会の党首討論で当時の野田首相と‛社会保障制度の一体改革’の実行を約束して国会を解散した。しかし選挙で勝利した自・公連立政権は、5年8か月の間何も取り組まず、今更今後3年で改革すると言っても、また口先だけで説得力はない。逆に自・公連立政権がこの間実施したことは、消費税増税に加え、年金給付額の削減、支給年齢の引き上げ、介護保険料の大幅引き上げ等、国民負担の増加という真逆の政策である。それが年代を問わず将来不安を募り、消費が低迷している原因となっている。今更3年間で改革すると言われても、また口先だけと思うのであろう。
 黒田日銀総裁も、2%のインフレターゲットを3年間先延ばすとしているが、いくら通貨供給を増やしても消費は戻らないことを理解できないのであろう。
 (3)公文書管理をしっかり行うとしているが、そもそも財務省の佐川理財局長(当時)を文書改ざんにまで追い込んだのは誰のためだったかは明らかであり、それを頬かむりして、問題は行政当局、官僚の公文書管理の問題に転嫁し、問題を矮小化しているに過ぎない。真実を語らなかった当事者としての道義的、政治的責任が問われる。上が責任を取らなければ、コンプライアンスは空文となろう。
 更に問題は、厚生労働省による残業時間調査における数値の操作、偽装に加え、
身障者雇用率について、内閣府を含むほとんどすべての省庁で数値を水増しし、法定基準を上回っているように報告していたことが発覚している。いずれ調査報告が出ようが、これは明確な中央省庁による法律違反であるので、すべての関係閣僚は監督責任があり、本来であれば内閣総辞職にも値することであろう。
(4)憲法改正については、自衛隊の明記の他、何をどのように改正したいのか、明確な説明がない上、総選挙の際にも明確な提案をして来ておらず、意図が不明である。民主党政権時代に自民党が3年かけて作成したとされる憲法全面改正案は、旧帝国憲法に戻るような草案で、到底国民の支持を得られるものではなさそうだ。
(5)外交については、首相が精力的に諸外国を訪問していることは評価できるが、解決を公約している北朝鮮による日本人拉致問題や北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結などの重要課題が5年8か月経っても解決の目途も立っていない。
 また弊害もある。基本的にキリスト教諸国との聖戦を標榜するISISにについて、安倍外交が敵対的と認識され、日本人2名が処刑された。また北朝鮮については、安倍政権が制裁強化を事ある毎に主張していたことから、日本を火の海にすると恫喝され、また文韓国大統領、トランプ大統領に出し抜かれた格好となった一方、北は日本だけは除外するとしている。また靖国参拝問題では、中国、韓国と政権発足以来5年以上ギクシャクしている。
 既定の外交日程を維持するよりも、転換を図ることも選択肢となろう。
 総裁選の投開票は9月20日に予定されている。しかし安倍総裁(首相)の所属派閥である細田派やとかくの失言が絶えない麻生派の他、二階派、岸田派、石原派など、同党所属衆参議員の7割以上が安倍総裁3選支持を表明しており、党員票を待たずして大勢は決まっており、出来レースと言ってよい。選挙、選挙と言っても投票前に支持を公表すれば選挙結果に影響し、公正な選挙とはもはや言えなさそうだ。既に総裁選挙後の新内閣での大臣ポストの割り振りなども水面下で行われているのであろう。
 同党は本年3月に総裁3選を承認しており、流れはその頃から決まっているようなものだが、加計学園問題や森友問題を起こし国民の不信を買っている上、中央省庁のほぼすべてが身障者雇用比率で明らかな法律違反をし、またコンプライアンスの面で深刻な問題を抱えている総裁(首相)を7割以上の自民党議員が支持していることは驚きだ。自民党議員の7割以上が、コンプライアンス違反への道義的、政治的責任に対しこの程度の認識しかしていないのは異常だ。またマスコミや言論界、財界などが声を上げないのはマスコミ力の低下、商業主義ということなのであろうか。それ以上に国民は、行政や政治の将来に不安を感じるのではないだろうか。(2018.9.16.)
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 安倍自民党総裁の2期目の任期満了に伴い、同党総裁選が9月7日に開始し、10日の所信表明の後、9月14日に安倍総裁と対立候補となる石破元同党幹事長による討論会が開催された。
 安倍総裁(首相)は、所信表明に沿い、5年8か月の実績を強調し、一言でいうと安倍政権の政策継続を主張した。主要点は次の通り。
(1)経済政策では、マイナス金利を含む‘異次元の金融緩和’など3本の矢の政策を継続するとしつつ、‘今後3年間で金融正常化の道筋をつける’。
 地方創生も4年前から取り組んできた。
(2)社会保障政策については、今後3年間で改革を行う。
(3)民主主義の在り方、行政運営については、文書改ざん問題で不信を招いたことを謝罪しつつ、公文書管理を行う。
(4)憲法改正は戦後一度も行われておらず、進めたい。自衛隊の地位を明らかにしたいが、与党の合意を得たい。
(5)外交日程をおろそかには出来ない、など。
 これに対し石破元幹事長は、(1)地方経済、地方の所得引き上げが重要、(2)自民党のためではなく、国民全体の福祉向上が重要、(3)情報は、都合が悪いことでも国民に明らかにすべし、(4)憲法改正は国民の理解が重要で、十分な議論が必要など、国民の理解と公正、誠実な対応を強調する形となった。
 両者の主張は、それぞれ国民の一定の理解は得られようが、安倍総裁(首相)の主張は、5年8か月の実績を強調し、一定の理解を得ているものの、政策の継続であり新味はほとんどないばかりか、取り組んで来なかった問題への責任回避や問題のすり替え、また外交上の具体的な成果の欠如など、熱意と気力に欠け、サッカーに例えればひたすらロスタイムを消化するという印象が強い。
 他方石破元幹事長は、誠意をもって国民と向き合い、自民党だけと言うよりも野党とも協議し、公正な対応をするという姿勢が鮮明に出ている。特に国会運営では、予算や福祉政策、労働政策など、国民全体に関することは与党だけで通せば良いというものでもなく、与野党で協議し、検討すべきとしている。国民にとっては、政党を問わず、公正な形で予算や法案を審議し、修正するという姿勢と慣行を作って行くことが望ましい。
 安倍総裁は5年8か月の実績を強調し、首相としての実績のない石破候補を批判しているが、言葉は巧みで一定の理解を得るだろうが、下記の通り、具体的な実績は乏しく、弊害もある。
 (1)アベノミクスについては、大量の信用供給とマイナス金利による円安誘導と官製バブル化した株高により一定の効果はあったが、家計所得は実質減、個人消費は停滞しており、効果は局部的でしかない。また3本の矢については、3本目の規制の緩和、撤廃では、目玉として国家戦略特区を打ち出したが、加計学園問題の様にえこひいきを誘発し、弊害の方が多い上、経済効果はほとんどない状態だ。アベノミクスは、いわば賞味期限切れで、継続する意味は乏しい。2%のインフレターゲットにしても、5年以上実施して達成できていないので政策目標としては達成出来てないということだ。達成時期を先送りしていれば何時かは達成されるであろうが、もはや政策とは言えない。黒田日銀総裁も3年も目標を先送っているが、保身であり先送りしているだけだ。
 (2)社会保障政策については、2012年11月の国会の党首討論で当時の野田首相と‛社会保障制度の一体改革’の実行を約束して国会を解散した。しかし選挙で勝利した自・公連立政権は、5年8か月の間何も取り組まず、今更今後3年で改革すると言っても、また口先だけで説得力はない。逆に自・公連立政権がこの間実施したことは、消費税増税に加え、年金給付額の削減、支給年齢の引き上げ、介護保険料の大幅引き上げ等、国民負担の増加という真逆の政策である。それが年代を問わず将来不安を募り、消費が低迷している原因となっている。今更3年間で改革すると言われても、また口先だけと思うのであろう。
 黒田日銀総裁も、2%のインフレターゲットを3年間先延ばすとしているが、いくら通貨供給を増やしても消費は戻らないことを理解できないのであろう。
 (3)公文書管理をしっかり行うとしているが、そもそも財務省の佐川理財局長(当時)を文書改ざんにまで追い込んだのは誰のためだったかは明らかであり、それを頬かむりして、問題は行政当局、官僚の公文書管理の問題に転嫁し、問題を矮小化しているに過ぎない。真実を語らなかった当事者としての道義的、政治的責任が問われる。上が責任を取らなければ、コンプライアンスは空文となろう。
 更に問題は、厚生労働省による残業時間調査における数値の操作、偽装に加え、
身障者雇用率について、内閣府を含むほとんどすべての省庁で数値を水増しし、法定基準を上回っているように報告していたことが発覚している。いずれ調査報告が出ようが、これは明確な中央省庁による法律違反であるので、すべての関係閣僚は監督責任があり、本来であれば内閣総辞職にも値することであろう。
(4)憲法改正については、自衛隊の明記の他、何をどのように改正したいのか、明確な説明がない上、総選挙の際にも明確な提案をして来ておらず、意図が不明である。民主党政権時代に自民党が3年かけて作成したとされる憲法全面改正案は、旧帝国憲法に戻るような草案で、到底国民の支持を得られるものではなさそうだ。
(5)外交については、首相が精力的に諸外国を訪問していることは評価できるが、解決を公約している北朝鮮による日本人拉致問題や北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結などの重要課題が5年8か月経っても解決の目途も立っていない。
 また弊害もある。基本的にキリスト教諸国との聖戦を標榜するISISにについて、安倍外交が敵対的と認識され、日本人2名が処刑された。また北朝鮮については、安倍政権が制裁強化を事ある毎に主張していたことから、日本を火の海にすると恫喝され、また文韓国大統領、トランプ大統領に出し抜かれた格好となった一方、北は日本だけは除外するとしている。また靖国参拝問題では、中国、韓国と政権発足以来5年以上ギクシャクしている。
 既定の外交日程を維持するよりも、転換を図ることも選択肢となろう。
 総裁選の投開票は9月20日に予定されている。しかし安倍総裁(首相)の所属派閥である細田派やとかくの失言が絶えない麻生派の他、二階派、岸田派、石原派など、同党所属衆参議員の7割以上が安倍総裁3選支持を表明しており、党員票を待たずして大勢は決まっており、出来レースと言ってよい。選挙、選挙と言っても投票前に支持を公表すれば選挙結果に影響し、公正な選挙とはもはや言えなさそうだ。既に総裁選挙後の新内閣での大臣ポストの割り振りなども水面下で行われているのであろう。
 同党は本年3月に総裁3選を承認しており、流れはその頃から決まっているようなものだが、加計学園問題や森友問題を起こし国民の不信を買っている上、中央省庁のほぼすべてが身障者雇用比率で明らかな法律違反をし、またコンプライアンスの面で深刻な問題を抱えている総裁(首相)を7割以上の自民党議員が支持していることは驚きだ。自民党議員の7割以上が、コンプライアンス違反への道義的、政治的責任に対しこの程度の認識しかしていないのは異常だ。またマスコミや言論界、財界などが声を上げないのはマスコミ力の低下、商業主義ということなのであろうか。それ以上に国民は、行政や政治の将来に不安を感じるのではないだろうか。(2018.9.16.)
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自民党総裁選、出来レースに諦めの声!!

2018-09-18 | Weblog
平成の本音―自民党総裁選、出来レースに諦めの声!!
 安倍自民党総裁の2期目の任期満了に伴い、同党総裁選が9月7日に開始し、10日の所信表明の後、9月14日に安倍総裁と対立候補となる石破元同党幹事長による討論会が開催された。
 安倍総裁(首相)は、所信表明に沿い、5年8か月の実績を強調し、一言でいうと安倍政権の政策継続を主張した。主要点は次の通り。
(1)経済政策では、マイナス金利を含む‘異次元の金融緩和’など3本の矢の政策を継続するとしつつ、‘今後3年間で金融正常化の道筋をつける’。
 地方創生も4年前から取り組んできた。
(2)社会保障政策については、今後3年間で改革を行う。
(3)民主主義の在り方、行政運営については、文書改ざん問題で不信を招いたことを謝罪しつつ、公文書管理を行う。
(4)憲法改正は戦後一度も行われておらず、進めたい。自衛隊の地位を明らかにしたいが、与党の合意を得たい。
(5)外交日程をおろそかには出来ない、など。
 これに対し石破元幹事長は、(1)地方経済、地方の所得引き上げが重要、(2)自民党のためではなく、国民全体の福祉向上が重要、(3)情報は、都合が悪いことでも国民に明らかにすべし、(4)憲法改正は国民の理解が重要で、十分な議論が必要など、国民の理解と公正、誠実な対応を強調する形となった。
 両者の主張は、それぞれ国民の一定の理解は得られようが、安倍総裁(首相)の主張は、5年8か月の実績を強調し、一定の理解を得ているものの、政策の継続であり新味はほとんどないばかりか、取り組んで来なかった問題への責任回避や問題のすり替え、また外交上の具体的な成果の欠如など、熱意と気力に欠け、サッカーに例えればひたすらロスタイムを消化するという印象が強い。
 他方石破元幹事長は、誠意をもって国民と向き合い、自民党だけと言うよりも野党とも協議し、公正な対応をするという姿勢が鮮明に出ている。特に国会運営では、予算や福祉政策、労働政策など、国民全体に関することは与党だけで通せば良いというものでもなく、与野党で協議し、検討すべきとしている。国民にとっては、政党を問わず、公正な形で予算や法案を審議し、修正するという姿勢と慣行を作って行くことが望ましい。
 安倍総裁は5年8か月の実績を強調し、首相としての実績のない石破候補を批判しているが、言葉は巧みで一定の理解を得るだろうが、下記の通り、具体的な実績は乏しく、弊害もある。
 (1)アベノミクスについては、大量の信用供給とマイナス金利による円安誘導と官製バブル化した株高により一定の効果はあったが、家計所得は実質減、個人消費は停滞しており、効果は局部的でしかない。また3本の矢については、3本目の規制の緩和、撤廃では、目玉として国家戦略特区を打ち出したが、加計学園問題の様にえこひいきを誘発し、弊害の方が多い上、経済効果はほとんどない状態だ。アベノミクスは、いわば賞味期限切れで、継続する意味は乏しい。2%のインフレターゲットにしても、5年以上実施して達成できていないので政策目標としては達成出来てないということだ。達成時期を先送りしていれば何時かは達成されるであろうが、もはや政策とは言えない。黒田日銀総裁も3年も目標を先送っているが、保身であり先送りしているだけだ。
 (2)社会保障政策については、2012年11月の国会の党首討論で当時の野田首相と‛社会保障制度の一体改革’の実行を約束して国会を解散した。しかし選挙で勝利した自・公連立政権は、5年8か月の間何も取り組まず、今更今後3年で改革すると言っても、また口先だけで説得力はない。逆に自・公連立政権がこの間実施したことは、消費税増税に加え、年金給付額の削減、支給年齢の引き上げ、介護保険料の大幅引き上げ等、国民負担の増加という真逆の政策である。それが年代を問わず将来不安を募り、消費が低迷している原因となっている。今更3年間で改革すると言われても、また口先だけと思うのであろう。
 黒田日銀総裁も、2%のインフレターゲットを3年間先延ばすとしているが、いくら通貨供給を増やしても消費は戻らないことを理解できないのであろう。
 (3)公文書管理をしっかり行うとしているが、そもそも財務省の佐川理財局長(当時)を文書改ざんにまで追い込んだのは誰のためだったかは明らかであり、それを頬かむりして、問題は行政当局、官僚の公文書管理の問題に転嫁し、問題を矮小化しているに過ぎない。真実を語らなかった当事者としての道義的、政治的責任が問われる。上が責任を取らなければ、コンプライアンスは空文となろう。
 更に問題は、厚生労働省による残業時間調査における数値の操作、偽装に加え、
身障者雇用率について、内閣府を含むほとんどすべての省庁で数値を水増しし、法定基準を上回っているように報告していたことが発覚している。いずれ調査報告が出ようが、これは明確な中央省庁による法律違反であるので、すべての関係閣僚は監督責任があり、本来であれば内閣総辞職にも値することであろう。
(4)憲法改正については、自衛隊の明記の他、何をどのように改正したいのか、明確な説明がない上、総選挙の際にも明確な提案をして来ておらず、意図が不明である。民主党政権時代に自民党が3年かけて作成したとされる憲法全面改正案は、旧帝国憲法に戻るような草案で、到底国民の支持を得られるものではなさそうだ。
(5)外交については、首相が精力的に諸外国を訪問していることは評価できるが、解決を公約している北朝鮮による日本人拉致問題や北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結などの重要課題が5年8か月経っても解決の目途も立っていない。
 また弊害もある。基本的にキリスト教諸国との聖戦を標榜するISISにについて、安倍外交が敵対的と認識され、日本人2名が処刑された。また北朝鮮については、安倍政権が制裁強化を事ある毎に主張していたことから、日本を火の海にすると恫喝され、また文韓国大統領、トランプ大統領に出し抜かれた格好となった一方、北は日本だけは除外するとしている。また靖国参拝問題では、中国、韓国と政権発足以来5年以上ギクシャクしている。
 既定の外交日程を維持するよりも、転換を図ることも選択肢となろう。
 総裁選の投開票は9月20日に予定されている。しかし安倍総裁(首相)の所属派閥である細田派やとかくの失言が絶えない麻生派の他、二階派、岸田派、石原派など、同党所属衆参議員の7割以上が安倍総裁3選支持を表明しており、党員票を待たずして大勢は決まっており、出来レースと言ってよい。選挙、選挙と言っても投票前に支持を公表すれば選挙結果に影響し、公正な選挙とはもはや言えなさそうだ。既に総裁選挙後の新内閣での大臣ポストの割り振りなども水面下で行われているのであろう。
 同党は本年3月に総裁3選を承認しており、流れはその頃から決まっているようなものだが、加計学園問題や森友問題を起こし国民の不信を買っている上、中央省庁のほぼすべてが身障者雇用比率で明らかな法律違反をし、またコンプライアンスの面で深刻な問題を抱えている総裁(首相)を7割以上の自民党議員が支持していることは驚きだ。自民党議員の7割以上が、コンプライアンス違反への道義的、政治的責任に対しこの程度の認識しかしていないのは異常だ。またマスコミや言論界、財界などが声を上げないのはマスコミ力の低下、商業主義ということなのであろうか。それ以上に国民は、行政や政治の将来に不安を感じるのではないだろうか。(2018.9.16.)
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自民党総裁選、出来レースに諦めの声!!

2018-09-18 | Weblog
平成の本音―自民党総裁選、出来レースに諦めの声!!
 安倍自民党総裁の2期目の任期満了に伴い、同党総裁選が9月7日に開始し、10日の所信表明の後、9月14日に安倍総裁と対立候補となる石破元同党幹事長による討論会が開催された。
 安倍総裁(首相)は、所信表明に沿い、5年8か月の実績を強調し、一言でいうと安倍政権の政策継続を主張した。主要点は次の通り。
(1)経済政策では、マイナス金利を含む‘異次元の金融緩和’など3本の矢の政策を継続するとしつつ、‘今後3年間で金融正常化の道筋をつける’。
 地方創生も4年前から取り組んできた。
(2)社会保障政策については、今後3年間で改革を行う。
(3)民主主義の在り方、行政運営については、文書改ざん問題で不信を招いたことを謝罪しつつ、公文書管理を行う。
(4)憲法改正は戦後一度も行われておらず、進めたい。自衛隊の地位を明らかにしたいが、与党の合意を得たい。
(5)外交日程をおろそかには出来ない、など。
 これに対し石破元幹事長は、(1)地方経済、地方の所得引き上げが重要、(2)自民党のためではなく、国民全体の福祉向上が重要、(3)情報は、都合が悪いことでも国民に明らかにすべし、(4)憲法改正は国民の理解が重要で、十分な議論が必要など、国民の理解と公正、誠実な対応を強調する形となった。
 両者の主張は、それぞれ国民の一定の理解は得られようが、安倍総裁(首相)の主張は、5年8か月の実績を強調し、一定の理解を得ているものの、政策の継続であり新味はほとんどないばかりか、取り組んで来なかった問題への責任回避や問題のすり替え、また外交上の具体的な成果の欠如など、熱意と気力に欠け、サッカーに例えればひたすらロスタイムを消化するという印象が強い。
 他方石破元幹事長は、誠意をもって国民と向き合い、自民党だけと言うよりも野党とも協議し、公正な対応をするという姿勢が鮮明に出ている。特に国会運営では、予算や福祉政策、労働政策など、国民全体に関することは与党だけで通せば良いというものでもなく、与野党で協議し、検討すべきとしている。国民にとっては、政党を問わず、公正な形で予算や法案を審議し、修正するという姿勢と慣行を作って行くことが望ましい。
 安倍総裁は5年8か月の実績を強調し、首相としての実績のない石破候補を批判しているが、言葉は巧みで一定の理解を得るだろうが、下記の通り、具体的な実績は乏しく、弊害もある。
 (1)アベノミクスについては、大量の信用供給とマイナス金利による円安誘導と官製バブル化した株高により一定の効果はあったが、家計所得は実質減、個人消費は停滞しており、効果は局部的でしかない。また3本の矢については、3本目の規制の緩和、撤廃では、目玉として国家戦略特区を打ち出したが、加計学園問題の様にえこひいきを誘発し、弊害の方が多い上、経済効果はほとんどない状態だ。アベノミクスは、いわば賞味期限切れで、継続する意味は乏しい。2%のインフレターゲットにしても、5年以上実施して達成できていないので政策目標としては達成出来てないということだ。達成時期を先送りしていれば何時かは達成されるであろうが、もはや政策とは言えない。黒田日銀総裁も3年も目標を先送っているが、保身であり先送りしているだけだ。
 (2)社会保障政策については、2012年11月の国会の党首討論で当時の野田首相と‛社会保障制度の一体改革’の実行を約束して国会を解散した。しかし選挙で勝利した自・公連立政権は、5年8か月の間何も取り組まず、今更今後3年で改革すると言っても、また口先だけで説得力はない。逆に自・公連立政権がこの間実施したことは、消費税増税に加え、年金給付額の削減、支給年齢の引き上げ、介護保険料の大幅引き上げ等、国民負担の増加という真逆の政策である。それが年代を問わず将来不安を募り、消費が低迷している原因となっている。今更3年間で改革すると言われても、また口先だけと思うのであろう。
 黒田日銀総裁も、2%のインフレターゲットを3年間先延ばすとしているが、いくら通貨供給を増やしても消費は戻らないことを理解できないのであろう。
 (3)公文書管理をしっかり行うとしているが、そもそも財務省の佐川理財局長(当時)を文書改ざんにまで追い込んだのは誰のためだったかは明らかであり、それを頬かむりして、問題は行政当局、官僚の公文書管理の問題に転嫁し、問題を矮小化しているに過ぎない。真実を語らなかった当事者としての道義的、政治的責任が問われる。上が責任を取らなければ、コンプライアンスは空文となろう。
 更に問題は、厚生労働省による残業時間調査における数値の操作、偽装に加え、
身障者雇用率について、内閣府を含むほとんどすべての省庁で数値を水増しし、法定基準を上回っているように報告していたことが発覚している。いずれ調査報告が出ようが、これは明確な中央省庁による法律違反であるので、すべての関係閣僚は監督責任があり、本来であれば内閣総辞職にも値することであろう。
(4)憲法改正については、自衛隊の明記の他、何をどのように改正したいのか、明確な説明がない上、総選挙の際にも明確な提案をして来ておらず、意図が不明である。民主党政権時代に自民党が3年かけて作成したとされる憲法全面改正案は、旧帝国憲法に戻るような草案で、到底国民の支持を得られるものではなさそうだ。
(5)外交については、首相が精力的に諸外国を訪問していることは評価できるが、解決を公約している北朝鮮による日本人拉致問題や北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結などの重要課題が5年8か月経っても解決の目途も立っていない。
 また弊害もある。基本的にキリスト教諸国との聖戦を標榜するISISにについて、安倍外交が敵対的と認識され、日本人2名が処刑された。また北朝鮮については、安倍政権が制裁強化を事ある毎に主張していたことから、日本を火の海にすると恫喝され、また文韓国大統領、トランプ大統領に出し抜かれた格好となった一方、北は日本だけは除外するとしている。また靖国参拝問題では、中国、韓国と政権発足以来5年以上ギクシャクしている。
 既定の外交日程を維持するよりも、転換を図ることも選択肢となろう。
 総裁選の投開票は9月20日に予定されている。しかし安倍総裁(首相)の所属派閥である細田派やとかくの失言が絶えない麻生派の他、二階派、岸田派、石原派など、同党所属衆参議員の7割以上が安倍総裁3選支持を表明しており、党員票を待たずして大勢は決まっており、出来レースと言ってよい。選挙、選挙と言っても投票前に支持を公表すれば選挙結果に影響し、公正な選挙とはもはや言えなさそうだ。既に総裁選挙後の新内閣での大臣ポストの割り振りなども水面下で行われているのであろう。
 同党は本年3月に総裁3選を承認しており、流れはその頃から決まっているようなものだが、加計学園問題や森友問題を起こし国民の不信を買っている上、中央省庁のほぼすべてが身障者雇用比率で明らかな法律違反をし、またコンプライアンスの面で深刻な問題を抱えている総裁(首相)を7割以上の自民党議員が支持していることは驚きだ。自民党議員の7割以上が、コンプライアンス違反への道義的、政治的責任に対しこの程度の認識しかしていないのは異常だ。またマスコミや言論界、財界などが声を上げないのはマスコミ力の低下、商業主義ということなのであろうか。それ以上に国民は、行政や政治の将来に不安を感じるのではないだろうか。(2018.9.16.)
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自民党総裁選、出来レースに諦めの声!!

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 安倍自民党総裁の2期目の任期満了に伴い、同党総裁選が9月7日に開始し、10日の所信表明の後、9月14日に安倍総裁と対立候補となる石破元同党幹事長による討論会が開催された。
 安倍総裁(首相)は、所信表明に沿い、5年8か月の実績を強調し、一言でいうと安倍政権の政策継続を主張した。主要点は次の通り。
(1)経済政策では、マイナス金利を含む‘異次元の金融緩和’など3本の矢の政策を継続するとしつつ、‘今後3年間で金融正常化の道筋をつける’。
 地方創生も4年前から取り組んできた。
(2)社会保障政策については、今後3年間で改革を行う。
(3)民主主義の在り方、行政運営については、文書改ざん問題で不信を招いたことを謝罪しつつ、公文書管理を行う。
(4)憲法改正は戦後一度も行われておらず、進めたい。自衛隊の地位を明らかにしたいが、与党の合意を得たい。
(5)外交日程をおろそかには出来ない、など。
 これに対し石破元幹事長は、(1)地方経済、地方の所得引き上げが重要、(2)自民党のためではなく、国民全体の福祉向上が重要、(3)情報は、都合が悪いことでも国民に明らかにすべし、(4)憲法改正は国民の理解が重要で、十分な議論が必要など、国民の理解と公正、誠実な対応を強調する形となった。
 両者の主張は、それぞれ国民の一定の理解は得られようが、安倍総裁(首相)の主張は、5年8か月の実績を強調し、一定の理解を得ているものの、政策の継続であり新味はほとんどないばかりか、取り組んで来なかった問題への責任回避や問題のすり替え、また外交上の具体的な成果の欠如など、熱意と気力に欠け、サッカーに例えればひたすらロスタイムを消化するという印象が強い。
 他方石破元幹事長は、誠意をもって国民と向き合い、自民党だけと言うよりも野党とも協議し、公正な対応をするという姿勢が鮮明に出ている。特に国会運営では、予算や福祉政策、労働政策など、国民全体に関することは与党だけで通せば良いというものでもなく、与野党で協議し、検討すべきとしている。国民にとっては、政党を問わず、公正な形で予算や法案を審議し、修正するという姿勢と慣行を作って行くことが望ましい。
 安倍総裁は5年8か月の実績を強調し、首相としての実績のない石破候補を批判しているが、言葉は巧みで一定の理解を得るだろうが、下記の通り、具体的な実績は乏しく、弊害もある。
 (1)アベノミクスについては、大量の信用供給とマイナス金利による円安誘導と官製バブル化した株高により一定の効果はあったが、家計所得は実質減、個人消費は停滞しており、効果は局部的でしかない。また3本の矢については、3本目の規制の緩和、撤廃では、目玉として国家戦略特区を打ち出したが、加計学園問題の様にえこひいきを誘発し、弊害の方が多い上、経済効果はほとんどない状態だ。アベノミクスは、いわば賞味期限切れで、継続する意味は乏しい。2%のインフレターゲットにしても、5年以上実施して達成できていないので政策目標としては達成出来てないということだ。達成時期を先送りしていれば何時かは達成されるであろうが、もはや政策とは言えない。黒田日銀総裁も3年も目標を先送っているが、保身であり先送りしているだけだ。
 (2)社会保障政策については、2012年11月の国会の党首討論で当時の野田首相と‛社会保障制度の一体改革’の実行を約束して国会を解散した。しかし選挙で勝利した自・公連立政権は、5年8か月の間何も取り組まず、今更今後3年で改革すると言っても、また口先だけで説得力はない。逆に自・公連立政権がこの間実施したことは、消費税増税に加え、年金給付額の削減、支給年齢の引き上げ、介護保険料の大幅引き上げ等、国民負担の増加という真逆の政策である。それが年代を問わず将来不安を募り、消費が低迷している原因となっている。今更3年間で改革すると言われても、また口先だけと思うのであろう。
 黒田日銀総裁も、2%のインフレターゲットを3年間先延ばすとしているが、いくら通貨供給を増やしても消費は戻らないことを理解できないのであろう。
 (3)公文書管理をしっかり行うとしているが、そもそも財務省の佐川理財局長(当時)を文書改ざんにまで追い込んだのは誰のためだったかは明らかであり、それを頬かむりして、問題は行政当局、官僚の公文書管理の問題に転嫁し、問題を矮小化しているに過ぎない。真実を語らなかった当事者としての道義的、政治的責任が問われる。上が責任を取らなければ、コンプライアンスは空文となろう。
 更に問題は、厚生労働省による残業時間調査における数値の操作、偽装に加え、
身障者雇用率について、内閣府を含むほとんどすべての省庁で数値を水増しし、法定基準を上回っているように報告していたことが発覚している。いずれ調査報告が出ようが、これは明確な中央省庁による法律違反であるので、すべての関係閣僚は監督責任があり、本来であれば内閣総辞職にも値することであろう。
(4)憲法改正については、自衛隊の明記の他、何をどのように改正したいのか、明確な説明がない上、総選挙の際にも明確な提案をして来ておらず、意図が不明である。民主党政権時代に自民党が3年かけて作成したとされる憲法全面改正案は、旧帝国憲法に戻るような草案で、到底国民の支持を得られるものではなさそうだ。
(5)外交については、首相が精力的に諸外国を訪問していることは評価できるが、解決を公約している北朝鮮による日本人拉致問題や北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結などの重要課題が5年8か月経っても解決の目途も立っていない。
 また弊害もある。基本的にキリスト教諸国との聖戦を標榜するISISにについて、安倍外交が敵対的と認識され、日本人2名が処刑された。また北朝鮮については、安倍政権が制裁強化を事ある毎に主張していたことから、日本を火の海にすると恫喝され、また文韓国大統領、トランプ大統領に出し抜かれた格好となった一方、北は日本だけは除外するとしている。また靖国参拝問題では、中国、韓国と政権発足以来5年以上ギクシャクしている。
 既定の外交日程を維持するよりも、転換を図ることも選択肢となろう。
 総裁選の投開票は9月20日に予定されている。しかし安倍総裁(首相)の所属派閥である細田派やとかくの失言が絶えない麻生派の他、二階派、岸田派、石原派など、同党所属衆参議員の7割以上が安倍総裁3選支持を表明しており、党員票を待たずして大勢は決まっており、出来レースと言ってよい。選挙、選挙と言っても投票前に支持を公表すれば選挙結果に影響し、公正な選挙とはもはや言えなさそうだ。既に総裁選挙後の新内閣での大臣ポストの割り振りなども水面下で行われているのであろう。
 同党は本年3月に総裁3選を承認しており、流れはその頃から決まっているようなものだが、加計学園問題や森友問題を起こし国民の不信を買っている上、中央省庁のほぼすべてが身障者雇用比率で明らかな法律違反をし、またコンプライアンスの面で深刻な問題を抱えている総裁(首相)を7割以上の自民党議員が支持していることは驚きだ。自民党議員の7割以上が、コンプライアンス違反への道義的、政治的責任に対しこの程度の認識しかしていないのは異常だ。またマスコミや言論界、財界などが声を上げないのはマスコミ力の低下、商業主義ということなのであろうか。それ以上に国民は、行政や政治の将来に不安を感じるのではないだろうか。(2018.9.16.)
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加計学園理事長は何故贈賄で起訴されないのか?

2018-09-18 | Weblog
 平成の本音―加計学園理事長は何故贈賄で起訴されないのか?
 文部科学省官僚の2つの汚職事件で、東京地検特捜部は医療コンサルタント会社役員(当時)の谷口浩司氏を逮捕した。この事件では文部科学省前局長佐野太被告と国際統括官の川端和明容疑者を相次いで逮捕した。
 2つの事件では、東京医科大学の臼井正彦理事長(当時)から文科省の「私立大学研究ブランディング事業」に選定して欲しいとの希望を受け、見返りに、関係局長の息子を合格させた疑いであり、医療コンサルテイング会社の役員であった谷口氏が、会食のセッテイングなどの口利きした贈賄ほう助の疑いだ。
 もう一方の事件は、川端容疑者(文科省国際統括官)がJAXA(宇宙航空研究開発機構)の理事に出向中、‘宇宙飛行士の講師派遣’など、‘便宜を図ってもらう見返りに都内の飲食店などで ’140万円相当の接待‘ をした贈賄の疑いだ。
 確かに、えこひいきを受けるために何らかの対価を官側に与えるのであるから‘贈賄’と言えるのだろうが、好ましくはないが、現実の社会では ‘コネ’ があるか無いかは大きな差で、残念ながらこの種のえこひいき、情実はある程度ありそうなことだ。
‘宇宙飛行士の講師派遣’を実現するために140万円相当の飲食の接待を行うことが ‘贈賄’というのであれば、加計学園の加計理事長が安倍首相と頻繁にゴルフや会食を行っていたことが明らかになっているが、どうなのであろう。一私人、一議員との関係であれば問題ではなかろうが、その関係は首相に就任してからも続いていたことが明らかになっている。安倍首相は、国会答弁で加計理事長は ‘腹心の友’ で ‘会食やゴルフ等をしていた’ ことを認めると共に、その費用については ‘持ったり持たれたり’ であると答弁している。会食やゴルフの費用は、少なくても一部は加計理事長が持っていたと見られると共に、そのような機会には、首相側近の元秘書官の官僚や官邸高官なども呼ばれており、これも費用は先方持ちであろう。公務員倫理規定では具体的な便宜を図っていなかったとしても、利害関係者との会食、ゴルフ等に当たりアウトであろう。
 その上、その頃首相として国家戦略特区を経済対策の目玉として推進し、獣医学部の新設につき検討を進めていた時期であるので、加計理事長は直接的な利害関係者であったわけであり、友人との会食、ゴルフでは済まなそうだ。
 加計学園は、建設を予定していた愛媛県に対し、理事長が首相と会った際首相が好意的な発言をしたなどとの報告をし、首相との緊密な関係を利用して、獣医学部の新設を有利に進めたと見られるが、会合したということはまっかな嘘だったと理事長自体が認めている。しかしゴルフ、会食は行われており、結果として獣医学部の新設を有利に進め、非常に大きな実利を得ている。加えて、愛媛県より土地や補助金を受け取っている。どのような理由があろうとも、公的機関に報告書の形で嘘をついた加計学園は、教育者としての資格が問われると共に、国の重要な政策に係る重大な贈賄の可能性があるので、真剣に捜査されてもよいのだろう。
 冒頭の文科省関係の2つの贈収賄事件が検察によるより大きな‘ヤマ’への序章なのかもしれない。しかし検察(大阪特捜)は、森友学園の国有地取得問題に関連し、大阪特捜が財務省佐川理財局長(当時)の公文書偽造を不起訴とし、検察への大きな不信を買ったが、今回は東京地検特捜の対応が注目される。
もっとも、辞任させられた文科省前川前事務次官が加計学園による獣医学部新設につき首相側からの圧力があったことを記載した文書を肯定したが、これに対する検察による文科省への締め付けの可能性もある。しかしそうであるとすると、公的正義や公的機関の公平性にとって事態はもっと深刻と言えそうだ。
正義は維持されなくてはならない。(2018.8.28.)
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