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安倍自・公政権、掛け声ばかりで成果出ず!?(一部改訂)

2021-09-28 | Weblog
シリーズ本音トーク―安倍自・公政権、掛け声ばかりで成果出ず!?(一部改訂)
 2020年8月28日午後5時過ぎ、安倍首相は持病(潰瘍性大腸炎)の再発による健康上の理由で首相を辞任することを明らかにした。健康上の理由であり、7年8ヶ月に亘り国政を担われたご苦労に対し敬意を表するとともに、ゆっくり静養され健康を取り戻されることを心よりお祈りしたい。
 しかし日本の今後の国政のあり方や真の民主主義の今後の参考とするため、在任中の政策や手法につき精査することが望ましい。本稿はその一助としたい。
 2019年7月21日の参議院議員選挙に向けて与・野党がそれぞれの国民への政治課題を訴えている。政権与党は、「政治の安定」を最大の焦点としている。
 これに関連し、自民党支持を鮮明にしている保守系紙は、「安倍政権の評価が問われる」として政治的「安定と安心」が焦点としている。
 そこで安倍自・公政権の6年間の「安定」が国民に何をもたらしたか問うてみよう。
 1、 経済成長戦略の成果は局部的、低位安定 安倍自・公政権の「3本の矢」政策は、2009年からのゼロ金利、金融緩和政策の中で「異次元の金融緩和」とマイナス金利により、市場に大量の資金が流され、円安と株高をもたらすと共に、輸出産業や観光産業などに効果をもたらし、局部的に一定の効果をもたらした。
 しかし同時に次のような注意すべき副作用をもたらしている。
(1)地銀を含む市中銀行の衰退
長期の超低金利、ゼロ金利により地銀を含む市中銀行が衰退。多数の店舗削減とリストラが加速。金利のない状態継続は異常。
(2)預金金利が得れず銀行に行く意味が無くなった
 預金金利は実質無くなり、手数料や店頭での時間を考慮すると実質マイナス金利で、預金金利による収入機会が長期にわたり喪失。物価上昇を考慮すると大幅なマイナス金利となり、支出抑制の要因。
(3)経済政策の上での手段の手詰まり
 景気が低迷しても更なる金融緩和が困難。為替面でも効果的な円安誘導は困難。金利の無い金融政策はもはや、資本主義市場経済とは言えない。コスト観念の無い社会主義的中央管理経済と言えそうだ。
(4)株高は金融バブルか
 家計所得は減少しており、「いざなぎ景気」以来の景気継続はフェイク。「いざなぎ景気」は成長率10%前後の高成長が継続したが、アベノミクスでは1~2%の低成長で、景気は低迷。これが「景気継続」とは大いに疑問。

 2、 年金不安の増幅。
 年金だけでは暮らせない。安心どころか、将来不安が増幅。
 2013年1月からの安倍自・公政権において、年金は給付額が削減された上、給付年齢が引き上げられ、年金から強制的に差し引かれる介護保険料が引き上げられるなど、国民にとって年金受給額は後退した。
他方8%への消費増税が行われ、2019年10月には10%に引き上げられる。消費増税による政府の歳入増分が政府支出面で社会福祉に十分に充てられていない。

 3、『税と社会保障制度の一体改革』に取り組まず
 自民・公明連立政権は、民主党政権時代に「社会保障と税制の一体改革」に同意し、また議員定数の実質的削減にも同意し、2011年12月の総選挙で勝利し政権の座に返り咲いた。しかし安倍自・公政権は、口先ばかりで、「社会保障と税制の一体改革」に取り組むとの国会、国民への約束を実行していない。6年以上政権を保持し、国会で圧倒的多数を占めており、実施する意思があれば出来るのにかかわらず実施していない。
『安定政治』を標榜しているが、それは政権維持、党利党略のためだけであり、国民にとっては不安と負担増の結果となっている。

 4、 ロシアとの北方領土問題進展せず
 解決するとして選挙区の山口県にまでプーチン大統領を豪華におもてなしし、
「個人的信頼関係構築」などとして選挙のたびに国民に期待感を持たせたが、北方領土問題は解決しないどころか、解決の方向性も見えていない。
 米国のトランプ大統領との関係の構築自体は評価できるが、同大統領の言うなりで日米同盟を強化し、イージス・アショアーやステルス戦闘機など高額の兵器を大量に購入し、軍事同盟化に向かえば向かうほど、ロシア等は懸念を強め、北方領土も遠くなる。バランスある認識と外交が望まれる。日米「安定」、日ロ「不安定」では、安定とは言えないだろう。

 5、北朝鮮日本人拉致問題も進展の兆しもなし
 北朝鮮日本人拉致問題も自分の世代で解決するなどと、選挙のたびに期待感を持たせてきたが、米国頼みで、直接の接触もままならない状況だ。中国の習近平主席にも北朝鮮の金正恩委員長に伝言を託したようだが、『留意する』とのそっけない反応で、首脳会談などは全く見通せない。米国に先を越され、6年間何をやって来たのか。それが「政治の安定」の答えか。

 6、韓国文政権とは悪化の一途
 韓国の文政権とは、靖国参拝、歴史認識で対立し、「慰安婦問題」や「戦前戦中の徴用工問題」で問題が蒸し返され、その上日本の対韓輸出管理導入で対立が激化する恐れもある。それを外交当局の責任に転嫁する向きもあるが、首脳間のパイプの無さが最大だろう。6年間何をやって来たのか、それが「政治の安定」の答えか。
 過去6年間、安倍自・公連立政権は、「政治の安定」を売りにしてきたが、それは局部的な効果はあるものの、「政権維持のため」という保身、党利の色彩が強く、国民や国家の安定、安心にはそれほど結び付いてはいない。

 7、 財政健全化を断念
財政赤字が継続し1,100兆円を超える膨大な公的債務を抱える中で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度に黒字化するとしていたが、27年度に先送りした。これは安倍政権では事実上断念したことを意味する。選挙になると予算の大盤振る舞いをし、財政の安定化は何ら達成されていないどころか、安定にあぐらをかき、誠意ある努力の跡も見られない。
 8、『東京一極集中解消』2020年目標も早々に断念
 安倍政権は、『東京一極集中解消』2020年達成の目標を掲げたが、ほとんど見るべき努力の跡もなく断念している。これもそれも『安定』重視の為なのか。
 他方、地方創生は遅々として進まなかった上、若い世代が地方から去り、各地に過疎村や限界集落を生み、効果的な政策はとらなかった。
 9、女性活躍社会の推進
 在任期間中、大臣に任命された小渕議員その他が選挙資金規正法違反など次々と辞任に追い込まれるとともに、女性閣僚や女性議員は後退した。稲田 朋美議員(自民党幹事長代行)は防衛大臣当時、南スーダンに派遣されていた自衛官の日報に関し、国会で虚偽の答弁をするなど不誠実な対応で辞任した。
 10、首相官邸、内閣の法令遵守崩壊
 一方、森友学園問題での公文書の改ざん、加計学園問題で政策実現における縁故者優遇、桜を見る会に関わる公費の無駄使いや地元支援者への利益誘導など、政策実現における法令遵守(コンプライアンス)の緩みと官僚への不適切な対応と権限乱用など、政策目標を掲げながらその国民への説明や実施段階におけるフェアーでない対応が国会で問題視され、報道されている。国民のための政治、国民のための公正な行政の回復、再構築が望まれる。

 これでは「政治の安定」とは、政権維持以外は、いわば安定にあぐらをかいて、ほとんど何もしないに等しい。それも有権者の選択であるので仕方がないが、大きく変化する時代の要求に沿って柔軟に‘変化’‘改革’して行かなければ、真の国家、国民の安定、安心は得られない。要は国民の選択に掛かっている。(2019.7.9.、2020.8.28.一部改訂)
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東京オリンピック開催、開催国に勝者はいない

2021-09-28 | Weblog
東京オリンピック開催、開催国に勝者はいない
 <前書き> 2021年7月23日から開催された東京オリンピック2020も閉会を迎え、次にお開催地パリ市にバトンタッチされる。参加し競い合った多くのアスリート、競技運営関係者の皆様、大変ご苦労様でした。特に、メダルを獲られ、或いは入賞されたアスリートの皆様には心からの祝意を送りたいと思います。多くのドラマがあり、多くの落胆がありました。バッハIOC会長は“オリンピックは成功だった”と述べている。それはバブルの中の成功を意味するのだろう。
 しかし、今回の東京オリンピックの開催実現には、緊急事態宣言等の中でも拡大するコロナ禍の下で多くの人々が日本の経済社会を支え、また職を失い宿もなく食料にも欠き悲哀の中で多くの人々が耐えていたから実施できたことを忘れてはならないのだろう。
 コロナ厳戒下の東京オリンピック2021の本当の評価は、各国選手が帰国し、また日本の警備関係者やボランテイア関係者など15万人内外の人々が地元に戻り、各国での評価等の他、2~3週間程度経った後にコロナウイルスの拡大や新規の変異株が発生しなかったかを検証してから行うべきなのであろう。
 日本については、官邸、都知事、組織委が「安全、安心なオリンピック開催」として緊急事態宣言の中で実施し、新規感染者が急増していたオリンピック開催中も”死者は激減し、重症者も減少”などと楽観的であった。だが8月11日、新規感染者は全国で1万5千人、東京都で4千人を超え、死者は相対的に減少しているものの、重症者は全国で1,332人、東京で197人と過去最多となっている。国民の安全と健康を犠牲にしてオリンピックを強行した結果となっている。更に、政府は”自宅療養”を推奨しているが、自宅療養者は既に1万5千人を超え、子供を含め家庭内感染の拡大が懸念されることに加え、入院することが望ましい「調整者」が1万1千人強にも達しており、国民の健康が守り切れない事実上の医療崩壊と見られる危機的な状況となっている。(<前書き>2021.8.8.&8.11.)

 7月23日、東京オリンピックが開催される。主催者である東京都、その下部組織であるものの、政府色の強いオリンピック・パラリンピック組織委は「安全安心な開催」に向けて具体的な準備を進めている。政府はこれを支持しており、ロンドンで開催される主要国首脳会議において「安全安心な開催」につき各国の支持を得た。
 1、世論は大きく割れており、東京都、組織委、及び政府に勝者は居ない
 東京オリンピック7月開催についての世論調査では、2021年1月以来5月頃までは、一貫して70%以上が「中止、又は延期」であり、「延期」については実現の見通しはない上、いずれにしても7月開催には反対ということであるので、70%以上が本年7月の開催に反対していることになる。その背景には、若い世代についても、2020年4月に大学等に進学してもキャンパス生活を送ることも出来ず、アルバイト先もなく、また就労世代についても解雇や雇い止めなどが一般化し、学校を卒業しても就職機会は限られており、将来不安や孤独感が募っている状況がある。産業面でも、飲食業から娯楽・イベント、観光などが大打撃を受けており、1日も早い感染収束を願っている。誰しもオリンピック・パラリンピックが安全安心に開催できれば良いと思っているが、今はそれどころではなく、日常の生活や日常の健康を取り戻したいという意識が強く反映されていると言えよう。
 6月になって、緊急事態宣言が延長され新規感染者が減少し、ワクチン接種が進んでおり、開催準備についても具体的に進められていることなどを反映し、7月開催に賛成が若干増えているものの、依然不安視する意識が根強い。
調査主体により若干数値に偏りがあるが、JNN世論調査では7月「開催」支持は44%になっているのに対し、「中止」が31%、「延期」24%となっている。「延期」は7月の開催には反対を意味するので、支持が若干増えているものの、7月開催反対は実質的に55%と依然過半数を超えている。読売の調査によると、「開催」が50%、「中止」が48%としているが、「開催」についてはいずれも観客数を制限してのものであり、開催支持50%中、半数以上の26%相当が無観客での支持であり、根強い不安が明らかになる結果となっている。
 日本だけでなく、世界において感染拡大が収まりきっていない状況において、世界200か国・地域からオリンピック選手約1.5万人、及び競技関係者、IOC関係者並びに報道関係者7万人前後が7月23日の開会式に向けて訪日する。未だ具体的な参加国・地域数、参加者数が公表されておらず、また入国管理措置、国内での行動制限や監視体制などの「安全、安心な開催」に向けての全容は明らかにされていないが、どのような措置をとっても漏れが出る可能性がある。また措置を厳しくすればするほど、参加選手や来日者の不満、批判もつのるだろう。
 多くが100%安全な措置は困難と思っている。入国時に必ず漏れがある。これは経験済みのことだ。2021年1月よりビジネス交流が緩和された。その結果、厳しい入国時のチェックのも拘わらず、イギリス型変異種等が入り、インド変異種が入って感染拡大を起こした。
 海外からだけではない。開催となれば、組織委関係者のほか、警備やボランティアを含め19万人内外が東京を中心に活動することになり、人流が多くなることは明らかだ。
 開催すれば、日本国内で新規感染者や日本から参加国・地域に感染が広がることはまず避けられないであろう。国内世論の7割前後は年初来不安を抱いており、開催されればその不安は更に強くなると予想される。オリンピック中はもとより、大会後、国内外で新たな感染が発生するとなると安全が確保されたことにはならない。
 従って、オリンピックが程度如何を問わずウイズ・コロナで開催される限り、国民の「不安」が解消されることはなく、「安心な開催」自体はもはやない。
 「安全」については、制限や検査・監視が強化されればされるほど、外国人選手、関係者、報道関係者などの反感や疑問が高まる。選手やIOC、競技関係者には80%程度ワクチンが接種されるとされているが、20%前後の3,000~4,000名が不接種でほぼ同じ時期に来日するので、入国管理とその後の措置、及び滞日中の行動制限と検査の確保などが重要となる。「安全」を確保するためには、これらの措置で漏れが出ないよう厳密な対応が必要となるものの、言語や倫理、慣習などの差によりトラブルが生ずることが多々あろう。
 更に各国から多くの報道その他の関係者が訪日し、可なりの数がワクチンを接種していない可能性があり、また各種のアングルで競技場以外の取材を希望する可能性があるので、行動を漏れなく制限し、監視することは不可能に近い。
これらのルールは、プレーブックに記載され、違反する者には罰金や参加認定の取り消しを行うとしている。守ってくれれば有難いことだが、言語の問題や詳細なルールを何処まで理解されるかの問題のほか、これを誰が執行するのか、どこまで強制できるのかなど、実効性に疑問が残る。個人の尊厳は尊重されるべきであり、異議があった場合、仲裁は出来るのか。問題が多い上、漏れが生じる可能性が高く、またトラブルがあちこちで起きるだろう。
 また日本の方も、5万人以上のボランテイアや10万人前後の警備や整備関係者が各地から来るので、人流は更に増え、これらの人達にもルールを守ってむらわなくてはならない。
 100%、或いはそれに近い「安全」を確保することは困難であり、日本に感染が流入し、海外に感染が広げられる可能性が高い。その度合いがピンポイントの隔離や治療で感染拡大しなければよいが、難しそうだ。
 とすると、現在「安心な開催」を望むことは困難である上、「安全な開催」についても程度の差こそあれリスクは残る。
 7月23日にオリンピックが開催されても、「安全、安心」を確保することは困難であるので、オリンピック・パラリンピック組織委はもとより、東京都も勝者にはなれそうにない。
 政府については、6月11-13日、英国で開催された主要7か国首脳会議において、「安全、安心な開催に向けて準備しているので、開催を支持して欲しい」旨求め、主要国首脳から「安心、安全な形での開催」につき支持を取り付けたことは大きな支えとなる。一見外交上の成果と見えるが、開催につき自らの手を縛る“自縄自縛”の国際約束として退路を断たれた上、「安全、安心な形」での開催が前提条件となった形であるので、それを確保する責任は日本政府が負うことになったと言えよう。その条件が満たされなければ、首相が国会で明らかにしている通り、開催中止の流れとなるものと予想される。いずれにしても勝者になる芽はない。
1年前の2020年7月20日、安倍自・公政権(当時)は、オリンピック・パラリンピック2020が1年延期されたことを受けて、唐突にゴー・トウ・トラベル、ゴー・トウ・イートの前倒し実施を行った。経済回復を目的としたもので、観光業、ホテル、飲食事業への支援とはなったが、地方を含めコロナウイルスを日本全土に拡大する結果となった。公費を使いそのような旅行、飲食奨励キャンペーンを行わなくても、旅行、飲食の制限を解除さえすれば、客は8割前後戻っただろう。当時政府は、「ゴー・トウ・トラベル、ゴー・トウ・イートがコロナウイルスを拡散した証拠はない」との詭弁を弄し、マスコミやコメンテーター、医師会までも黙らせたが、証拠は十分にあった。コロナウイルス拡散防止のため、政府や地方自治体が入国管理を強化し、国内での外出自粛、大人数での飲食やイベント等を制限しており、それは人流を拡大(原因)すると感染を拡大する結果となるという疫病対策の基本であり、因果関係が歴史的に確立しているからだ。安倍自・公政権(当時)は、2020年秋に解散総選挙を実施することを念頭に、目先の経済効果を狙ったが、安倍首相が健康上の理由で辞任し、感染拡大を残す結果となったと言えよう。
今回もオリンピック実施でまた同じような誤りを繰り返すのだろうか。


 2、消えた国民と参加国との交流の機会と「お・も・て・な・し」
 このように東京オリンピックが開催されても、各国選手はバブル方式で、宿舎と競技場に行動制限され、移動も公共交通は使用出来ず、行動は監視され、国民との自由な交流は認められていない。またその他の競技関係者や報道関係者も2週間程度は同様の行動の制約を受け、国民との交流どころか、観光やグルメ探訪などは自由には出来ない。
 東京オリンピックの売りであった「お・も・て・な・し」は、毎日の検査と宿舎での食事しかない。その上、オリンピック・パラリンピックの競技以外の意義である国際的な交流も原則としてないことになる。これでは日本の東京で開催する意味はほとんど無い。膨大な費用を掛け、オリンピックを開催する意義は何なのかが改めて問われることになろう。

 3、IOCは日本をコロナウイルス対策の大実験場にしようとしているのか
 6月15日、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長(副会長)が来日した。コーツ委員長は、「緊急事態宣言中でもオリンピックは実施できる」旨発言していた。またバッハ会長は、それに先立ち、日本の世論の70%前後が開催に不安を持っていることを知ってか知らずか、「日本は忍耐強い」と述べていた。恐らく、開催を強行しても日本は耐えるだろうとの印象を得ていたのであろう。IOCが唯一開催、中止の権限を持っている。
 インド変異種(デルタ株)感染で50代の死者が出ており、またそれよりも感染力が強いとされるベトナム変異種が入ってくれば、コロナウイルス感染は新たな拡大が起こる可能性が高い。日本国民のオリンピック開催への不安は消えていない。
 無論、誰しもが感染リスクを100%除去し、安全に開催されることを望むところだ。しかしオリンピック・パラリンピック組織委の事務総長でさえも「リスクを100%防ぐことは困難」としている。組織委はこれまでも次々と問題を起こして来たので、リスクを100%防げなくても開催する意向なのであろう。
 7月23日に開催されれば、それに向けて200内外の国、地域から選手15,000人と7万人前後のIOC・競技関係者と報道関係者が訪日する。そのため、日本でも組織委、JOC関係者他ボランティア、警備関係者など19万人前後が集結する。日本国内はもとより、世界への感染拡大のリスクは除去できそうにない。
 国際オリンピック委(IOC)は、日本をコロナウイルス対策の一大実験場にしようとしているのだろうか。感染リスクは、日本人だけでなく、各国からの選手、訪日者にもある。(2021.6.15.,)
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マイナス金利はアベノミクス失敗の証し!ー再掲

2021-09-28 | Weblog
シリーズ平成の本音―マイナス金利はアベノミクス失敗の証し!ー再掲
2月16日、日銀はマイナス金利を導入した。マイナス金利については、政府も住宅ローンの金利低下などによる効果に期待を表明しており、短期的には一定の刺激策になる。しかし他方で、低迷している銀行・金融業を更に圧迫すると共に、国民は預金金利のゼロ化に加え、手数料と物価上昇を加味すると実質マイナス金利が拡大し、負担が増える上行き場を失った金は停滞する経済には還流せず、たんす預金や海外逃避として市場から消える可能性が更に強まるなど、中長期的にはマイナス効果が大きくなろう。住宅ローンの金利低下についても、借り換え需要は増えても、建設費・新規物件が高騰しているなかでの大口支出となるので効果はそれ程期待出来なさそうだ。
 しかしマイナス金利政策の最大の問題は、通貨供給の大幅緩和、2%のインフレ目標によるデフレからの脱却、賃金・物価の好循環というアベノミクスの失敗を意味することだ。賃金・物価の好循環が実現すれば、需要は上がり、景気回復と共に預金金利も上昇して行かなくてはならない。2013年1月から異次元の金融緩和、円安誘導が実施され3年強、輸出産業を中心とする景気の回復、賃金・物価の好循環が期待されると言われて来たが、マイナス金利政策は、自・公連立政権が自らアベノミクスではこのようなシナリオを実現出来なかったことを宣言しているに等しい。
アベノミクスでは、異次元の金融緩和による円安と放漫な財政支出いう2つの矢は放たれたが、第3の矢として期待された規制緩和などの成長戦略については見るべき成果は無かった。2015年9月の改造内閣で表明された‘GDP600兆円達成’などの‘新3本の矢’も‘矢’では無く、目標としての‘的’でしかないと言われている。その上、一億総活躍社会を目指すとして補正予算で低所得老齢者に3万円給付(総額3,500億円内外、補正予算の約1割)を打ち出す一方、多数の待機児童問題を放置し、働く女性の活躍の機会を奪うなど、的を得ていない選挙目当ての政策に終始している。政権側は、中国など世界経済環境の厳しさを上げているが、アベノミクスとはその程度のものだったと言いたいのだろうか。
更に、自・公連立政権によって法律で定められた2017年4月からの10%への消費税再増税について延期が検討されている。もし消費税再増税が延期されるようなことになれば、自・公連立政権の読みの甘さ以上に、アベノミクスの失敗を自らが認めることを意味する。
個人消費の低迷は、8%への消費税のためではない。3%の増税分は、3~5%内外のポイント還元や割引で相殺されており基本的な影響は少ない。国民の消費節約はもっと根深く、インフレ容認による生活用品の実質的便乗的な値上げと年金の目減り、消費増税・復興税・マイナス金利などの負担増を含む家計所得の実質減、将来不安であろう。政府のインフレ容認により飲食料他の生活用品などは、価格が軒並み2~3割内外高騰しており、消費増税率を遥かに上回る。価格が据え置かれているように見える商品も、ボトルやサイズが縮小し、実質的な値上げをしている。好例はバターで、2014年10、11月頃より高騰している上、棚から商品が消えている。酪農など農業失政の一例と言えよう。
(2016.4.9.)(All Rights Reserved.)
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2021年度予算案、踊る過去最大と膨大な借金!

2021-09-28 | Weblog
シリーズ本音トークー2021年度予算案、踊る過去最大と膨大な借金!
 政府は、2020年12月21日、コロナ罹患者が「過去最多」を塗り替えている中で、2021年度政府予算案を決定した。一般会計の総額が、第3次補正予算を含めた15か月で、106.6兆円となり「過去最大」となり、どのメデイアも「過去最大」を強調している。景気浮揚を図りたい自・公連立政権としては狙い通りと言ったところだろう。
 しかし何と財源の40.9%が赤字国債を含む政府の借金だ。財源となる税収はもともと国民の税金だが、政府の借金もいずれ国民が負担しなくてはならないので、「過去最大」などと国民をぬか喜びさせるのではなく、40%を超える借金をせざるを得ないことを国民にまず詫びるべきであろう。コロナ対策は誰の責任でもなく、国民1人1人が自らの健康を守る努力をしなくてはならないし、政府のコロナ対策は不可欠だが、アベノミクスの不始末と財政健全化の先延ばしが影を落としている。
 2022政府政府予算案でも30兆円超の国債発行により税収を補填するようだが、国債は政府の借金、いずれ国民が税金として支払われなくてはならない。目先にニンジンだが、国民への借金でニンジンを勝っているに過ぎない。
 自・公連立政権は、1,100兆円を超える膨大な公的債務を抱える中で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を2025年度に先送っていたが、更に27年度に先送りした。これは安倍政権では目標を掲げながら事実上断念したことを意味する。選挙になると予算の大盤振る舞いをし、財政の健全化は何ら達成されないどころか、安定にあぐらをかき、誠意ある努力の跡も見られない。アベノミクスでは、大規模な財政出動と金融緩和を継続し、「いざなぎ景気」だの何のと成果を強調していたが、それならばその内に少しでも財政健全化、公的債務の削減、金利の引き上げなどに努力すべきであった。それさえも行わず、財政再建目標を先延ばしした。もっとも「いざなぎ景気」とは奇弁で、実際は1%台程度の低成長をやっと維持できていたに過ぎない。それでも財政健全化の目標を掲げた以上、少しでも努力すべきだ。
 それを継いだ現政権も、2021年10月の衆議院議員の任期切れ前に総選挙を行わざるを得ないので、補正予算を含む大盤振る舞いを、借金を重ねてでも実施しようとしているに過ぎない。この点では、2013年より務めている財務相の責任は非常に重いと言えよう。
 コロナ対策においては、既に2回の補正予算で11.5兆円もの予備費を確保し、国会の審議も、承認も無く任意に使っている。借金して勝手に使っており、そのツケは国民への税金となる。7月20日に唐突にGo toトラベルを強行したのも、10月前後での解散、総選挙を念頭に置いた観光・旅行業者支援であり、それが首相交代で頓挫すると、11月25日に拡大しつつあったコロナ拡大を抑制するため「3週間の勝負の期間」として国民の自粛を要請した。しかしGo toトラベルについては65歳以上の抑制に限定し、その他を制限せず容認したのも、2021年年初の解散、総選挙を念頭に置いた観光・旅行業者支援が最大の関心であったと見られている。しかし「3週間の勝負の期間」は、65歳以下は大丈夫との誤ったメッセージを若い世代に与える結果となり、コロナ禍は毎週のように「過去最多」を重ね、大失敗に終わった。借金をして使った金は一部の業者には恵みの支援となったことは事実だが、その結果は「過去最多」の感染拡大で、1月11日まで東京を含むGo toキャンペーンの中止となり、逆に年末年始のかき入れ時を前に関係業者に追加的な負担と不安を与えている。
 そこで今度は「過去最大」の2021年度予算案を打ち出さざる得なくなったが、これまで財政健全化努力を怠っていたため、手元に資金はないので、40%以上を借金として見せかけの景気対策やコロナ対策を組んでいる。しかしそれも、借金で水ぶくれした景気対策である上、3月に予算案が衆議院を通過した後の解散、総選挙を念頭に置いたものであろう。それもこれも選挙のための見せかけの大盤振る舞いと映る。はっきり言って、景気対策やコロナ対策も本当に困っている国民には届いていないようだ。
 国民は何時までこんなことを容認しているのだろうか。(2020.12.23. 2021.8.29.一部補足)
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コロナウイルス大不況、自・公政権備え無し!(再掲)

2021-09-28 | Weblog
 シリーズ本音トークーコロナウイルス大不況、自・公政権備え無し!(再掲)
 中国武漢で広がった新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)は、世界に広がり、世界保健機関(WHO)は、3月11日、世界的伝染病(パンデミック)と宣言した。米国やイタリアはじめ多くの国が、渡航制限や大規模なイベントの自粛を求めると共に、「非常事態宣言」を発するなど、広範囲に亘る移動や活動の制限を行い防疫に努める一方で、米国は経済停滞への対応として3月3日の0.5%の緊急利下げに貸出金利を更に1%引き下げ、更に2.2兆ドル規模の経済対策を打ち出すなど、経済停滞への措置を執り、コロナウイルス大不況回避に向けての対応をとり始めている。
 この中で、3月16日、先進主要7カ国首脳によるテレビ会議が開催され、新型コロナウイルスに一致、協力して立ち向かうと共に、経済的影響を回避するため、各国が「あらゆる政策手段をとって対応する」ことが合意された。
 しかし日本政府、日銀に政策手段として何が残されているのか。
 1、 経済・社会困難への備えを怠った自・公政権
「あらゆる政策手段をとる」と言っても、日本政府はGDPの2年分相当の
1,100兆円以上の膨大な公的債務を抱えている上、2009年以来10年以上実質0金利が続いており、現在ではマイナス金利となっているので、政策手段が限られている。
安倍自・公政権は2013年の政権発足後、財政赤字が積み増され1,100兆円を超える膨大な公的債務を抱える中で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度に黒字化するとしていたが、これを27年度に先送りした。これは安倍政権では事実上断念したことを意味する。財政健全化どころか、選挙になると地域振興券や商品券をばらまくなど、予算の大盤振る舞いをし、公的債務が更に膨れ上がっている。
 EUも赤字公債の発行による経済対策を検討中であるが、日本とはおよそ規模が違う。EUにおいては、原則として一般政府財政赤字をGDPの3%以内、一般政府債務残高をGDPの60%以内に維持するとの財政規律を維持してきており、コロナウイルス大不況回避のため、それを緩和する方向で見直している。日本の公的債務は、既にGDPの200%内外となっている。借金漬けの状態だ。
 また金融政策においては、2013年より「異次元の金融緩和策」を継続しており、既に金自体は多量に出回っている上、10年以上続いていた実質ゼロ金利はマイナス金利となっているので、信用供給面でも金利面でも手が縛られている状況だ。マイナス金利を更に下げれば、市中銀行の経営を更に圧迫すると共に、預金者は他のウエッブ金融手段などに向かうだろう。残された手段は、「異次元の金融緩和策」で市場に信用がだぶだぶついているのに、更に信用を供給し続けることしかない。消費、生産活動双方が停滞し、民間投資も手控えられる状況で、市場にだぶだぶと信用を供給しても、株式市場は空元気を保てるかも知れないが、実体経済は動かない。
 自・公政権が発足して7年、財政・金融政策全般が豊満な拡張路線でマンネリ化し、財政、金融の健全化を段階的に行わず、経済困難に陥った時の準備を怠っていたと言えよう。

 2、赤字国債増発で大盤振る舞いは後生世代への負担のつけ回し!
 政権与党は、国民に現金給付をするとか、商品券を給付するとか言っているが、当面赤字国債による借金で国民に金をばらまき、一時的、限定的な消費効果を期待しているようだ。現金や商品券を頂けるなら多くの人は積極的には反対しないだろうが、所詮それは政府の借金であり、そのつけは徴税という形で後生世代に回される。「政府の金」などはない。全て国民の税金なので、現金や金券を配られても政府に感謝する必要は無い。
 いずれ国民への徴税となり、国民の負担になる政府に託された貴重な資金であるので、その使途は、的を絞って行われるべきであり、可能な限り厳正、公正に、予想される被害に焦点を当てて決められるべきであろう。ばらまきは、選挙目当ての官製利益誘導に近く、適正でない。
 コロナウイルス禍への最大の重点は、検査体制の迅速な拡充と新薬やワクチン開発を含む医療体制の整備であろう。検査をした上で、治療方法や病院を振り分けるべきであろう。検査をしないで、症状のない保菌者を放置すれば感染は止まらない。
 経済的な支援を必要とするのは、職業が安定していない人や解雇される人であり、企業・団体では中小零細企業・団体や観光・飲食・娯楽などの分野で、コロナウイルス禍で著しく影響、被害を受けるものを中心として、対象、焦点を絞ることが望まれる。(2020.3.29.)
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