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世界の公的債務激増、世界経済への暗雲

2022-03-17 | Weblog
シリーズ本音トークー世界の公的債務激増、世界経済への暗雲
 世界通貨基金(IMF)の報告書によると、2020年の先進工業諸国(日米欧など27か国)の国民総生産(GDP)に対する政府の債務残高の比率が、前年よりも23.5ポイント上昇し、128.2%になるとしている。第2次世界大戦直後の1946年に記録した124.1%を上回る。
 同報告書によると、世界各国の武漢発コロナウイルス禍に対応する経済対策の総額は、少なくとも11兆ドル(約1,170兆円)に達する。財政出動(減税を含む)の対GDP比率では、米国が12.3%、次いで日本(11.3%)、ドイツ(9.4%)、豪州(8.8%)、ブラジル(6.5%)、英国(6.2%)の順となっている。
武漢型コロナウイルス禍は安全なワクチンや効果的な治療薬が実用化されるまでは継続すると見られ、米国初め多くの国が追加的経済対策を検討、実施する可能性が高いので、各国の公的債務残高は更に積み上がる可能性が高い。IMFは一方で未だ危機を脱したわけではなく財政措置は必要とし、感染拡大の収束が見通せるまでは景気下支え策が不可欠としているが、際限なく公的債務残高を増やすことは世界経済にとり危険であり、難しい舵取りが必要になっている。
 1、際限ない公的債務の積み上げは国民への負担への転嫁となり懸念大
 問題は、こうした政府支出が税収から賄われている限り問題はないが、国・
公債などによる政府の借金により捻出される場合が問題となる。
 日本の場合、公的債務総額は既に1,114兆円を超え、国民総生産の2.4年分を超える膨大な借金を抱えている。更に2020年度予算では、コロナ禍対策で2度の補正予算を組み、それだけで約25兆円規模の国債を発行し、本予算を含め何と約180兆円にも及ぶ戦後最大の国債を発行し、世界の借金大国の座を不動のものとしている。
 世論調査では、財界や自・公与党支持層を中心として、これまでの経済政策の継続を希望する向きが強いようだが、それは国民総生産の2年半分を超える政府の借金で賄われており、目先の支持は得られるだろうが、いずれ国民が税や高インフレなどにより負担を強いられるもことになる。国民はそれを十分認識する必要があろう。
 2010年1月にギリシャで従来よりの放漫財政が表面化し、債務残高も国内総生産の113%に達していることが明るみに出るなど、経済危機に陥り、EUから緊縮財政が求められた。結局、一番困るのは国民だ。武漢発のコロナの感染拡大後、既にレバノンやアルゼンチンが債務不履行に陥るなど、世界各国で財政危機に陥り始めている。財政の規律、財政の健全化に留意する必要がある。

 2、IMFが語っていない膨大な信用増発による世界インフレの危険
 更に、IMFの報告書に今回書かれていないことがある。それは中央銀行等による信用の増発だ。アベノミクスでは、中央銀行による「異次元の金融緩和」が行われ、下がり始めていた円安が更に円安となり、輸出やインバウンドの外国人観光客などで関連産業が潤い、株価も上昇し、一定の経済効果があったと言えよう。金融緩和は2008年のリーマンショック後、継続して取られてきた政策で、アベノミクスで金融が更に緩和され、7年8ヶ月に亘り一本調子で金融緩和が維持されてきた。金利もマイナス金利となったままだ。更に1月以来のコロナ禍対策の一環で金融緩和が一層強化され、もはやタガが外れ、無制限に膨大な信用供給が行われている。株価はコロナ禍以前の水準を取り戻し、一部の機関投資家や株屋、大株主などにだぶだぶと金が溜まっている。他方、実体経済は年率マイナス30%前後が予想され、財政支出と金融緩和の恩恵を受けている企業を除き、ほとんどの企業が大幅な赤字予想となっている。航空、観光、外食産業などは減収にあえいでいる。信用が増発されても金の行き場がないので株やゴールド、骨董などに流れるのも分からないではない。
そんなことが長続きする訳もないし、一部の機関投資家や株屋、大株主などにだぶだぶと金がため込まれているのも問題視されそうだ。またハイパーインフレの危険性もあり、銀行預金を含む金融資産は紙くず同然になる恐れがある。国債なども紙くず同然になろう。

 3、財政規律、金融規律の回復が不可欠
 本来であれば、安倍自・公連立政権の間に財政・金融規律を回復し、財政の健全化と金融の正常化が図られるべきであったのであろう。自・公連立政権は国会で圧倒的な多数を保ち、権力を維持してきたので、それが出来たはずだ。一般家庭でも、将来の困難に備え、貯蓄をし、節約をする。それを行っていた人はコロナ禍もなんとかしのげる。国家レベルでは全国民の生活のためであるので、財政・金融規律を回復し、財政の健全化と金融の正常化は不可欠であったのだろう。
 もっとも、国民が選んだ政権が行った政策とも言えるのだが、果たして国民に政策の意図や副作用の危険性、国民に戻ってくる負担などについて公正に伝えられていたか疑問である。
 最近のマスコミの報道や論評などはどうも政権への忖度が強く、企業利益優先で短絡的で無気力に響き、マスコミ力が低下しているように映る。知識人と言われる国・公立の教授等も所詮教職に従事する公務員であるので自然に政府寄りであり、また専門家やコメンテーターなども仕事優先で世論迎合型になるのも仕方が無いのかもしれない。情報番組にお笑い系のコメンテーターが多くなっているが、視聴率稼ぎでしかないのであろう。だが1局や2局であればまだしも、NHKを含むほとんど全局でお笑い系が登場しているので、笑えない。民間研究機関に至っては、ほとんど全てが企業利益優先で、公正な研究機関としての役割を果たしているとは思えない。従って、多くの国民は一定方向の情報や分析、政策の選択肢しか見聞きすることはない状態になっているのではないか。
 それぞれの報道機関が特定政権や政党を支持、擁護する形で報道することは企業体である以上仕方ないことであるが、論調を国民に押しつけるのではなく、対立する意見や選択肢を提示して、国民に選ばせる姿勢が欲しいものだ。それがマスコミ力というものであろう。マスコミ力の低下は、民主主義の発展を妨げる。(2020.9.10.)
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自・公連立政権の7つの失政!? (再掲)

2022-03-17 | Weblog
シリーズ平成の本音―自・公連立政権の7つの失政!? (再掲)
 安倍首相の下での自・公連立政権は、2012年12月の総選挙で大勝し、5年弱になる。自・公両党で、衆議院で3分の2を上回る多数を占め、また参議院でも多数を占めているので、どのような施策でも実現出来る状況にありながら、この5年弱で3回目の衆院総選挙が実施されるという異常な事態になっている。
 自民、公明の両党は、この間の経済回復を中心とする‘実績’を強調しているが、輸出、観光産業など円安メリットで局部的な経済回復が見られるものの、国民の将来不安は増大し、消費は低迷するなど、国民が期待する改善、改革はほとんど行われておらず、7つの失政が行われている。
 1、モラル失政―政府・行政の内部統制崩壊
 森友学園問題、加計学園問題と防衛省日報問題では、首相や閣僚が事実を語らず、その上官邸の人事権を背景として、官僚幹部は嘘をつき、記憶を失い、公文書の隠ぺい、廃棄を行わざるを得ない状況になっている。この3つの問題で起きていることは、行政組織、公務員管理職等の基本的な倫理、内部統制の低下にかかわることであり、短期的な問題ではない。このままでは、行政各部が時の政権を擁護するために嘘をつき、関係資料やデータを隠し、廃棄することが容認されてしまう。口先でもっともらしことを語っても、嘘っぽく聞こえる。行政への信頼を著しく失わせ、モラル失政とも言うべきであり、その意味で戦後最低、最悪の政権と言えよう。
 首相は、国民の背後で、なぜ森友学園の復古的教育方針に当初好意的であったのか、なぜ加計学園の獣医学部を新設すべきなのかなどを説明し、国会を通じ国民の理解を求めるべきであった。そうすれば賛否はあろうが、国民の背後で何をしているのか分からないという不信感は生まれなかっただろうし、今日のような政府中枢部におけるモラルの失墜はなかったであろう。
 これは、安倍政権による憲法軽視の姿勢にも繋がる。安保法制についても、一部規定については多くの憲法学者も疑問を呈しており、‘強行採決’は避けるべきで、もっと良く国民の納得を得る努力をすべきであったのではなかろうか。
また臨時国会についても、憲法は‘いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は召集を決定しなくてはならない’(憲法第53条)と規定しており、これは内閣の義務であり、開催自体に内閣の裁量権はない。2016年11月にも要求があったが開催されなかった。今回も、審議もせず、冒頭解散となった。権限の乱用とも言える。
 衆院解散権についても、首相の‘専権事項’とされているようだが、議員は4年の任期で国民に選ばれているので、基本は4年間の任期をまっとうするのことが国民の信託に応えると言えるところであり、首相が恣意的に頻繁に解散し、議員の任期を縮めて良いものではない。こんなことをしているから、国政は停滞し、議員が育たないのであろう。マスコミやコメンテーターなど有識者が、首相の解散権に注文を付けないことは奇異であり、昨今指摘さているマスコミ力の低下、マスコミの商業化の結果とも言えるのではないだろうか。国民が、首相の解散権行使にノーを突きつけるのも国民の意思表示の一つとなろう。
 今回の総選挙で自・公連立政権側に票を与えることは、内閣が嘘をつき、それを擁護するため、官僚が嘘をつき、公的文書を隠し、廃棄することを容認することにも繋がることに、有権者は危機意識を持って臨む必要がありそうだ。

 2、安全保障・外交失政―前のめりの‘積極的’軍事優先姿勢
 安倍首相は、総選挙の理由として、北朝鮮の脅威を挙げ、‘圧力を強化して、北朝鮮に政策を変更させる’とし、その姿勢につき国民に信を問い、団結して当たるとしている。多くの国民にとっては、それなら何故国会を解散するのか意味が分からないところだが、国民に具体的に対応策を説明することなく何をしようとしているかが大いに疑問だ。
 そもそも‘圧力を強化して、北朝鮮に政策を変更させる’としており、9月に国連安保理は経済制裁の強化が採択されているが、首相が圧力強化を強く言えば言うほど北朝鮮は反発するだろう。朝鮮戦争は、現在休戦状態であるが、米・韓両国と北朝鮮は現在でも敵対関係にある。日本は、朝鮮戦争の当事者ではないので、日本国民の安全のためにも、それに首を突っ込む必要はない。しかし安倍政権の度重なる強硬発言と米国との軍事同盟強化から、北朝鮮は、日本列島全体をターゲットとし、‘核兵器で沈める’と言い始めている。日本全体が北朝鮮の核のターゲットとされたのは今回が初めてであり、日本の安全にとっては、最悪のシナリオだ。
 北朝鮮は、日本が何を言おうと、核、ミサイル開発、実戦配備の政策を変えることはないだろう。経済制裁の強化をしても、少なくても数年は開発は継続できるであろう。
 では、安倍首相及びそれを擁護する自民、公明両党は、圧力で北が政策を変えなかったらどうするというのか。自衛行為の一環として、自衛隊による北朝鮮の軍事施設等の攻撃をも可能にするのか。日本自体が核武装するというのか。
 安倍首相は、トランプ大統領と頻繁に連絡しているが、国民に事前に説明することなく、国民の背後で、米国の軍事力行使と自衛隊による米軍支援を容認している恐れもある。だから選挙で具体的には説明せず、いわば白紙委任を取ろうとしているとも考えられなくもない。脅威を煽り、頻繁に選挙を行って権力を強化するという、独裁政権構築の典型的な手法とも見られ、注意を要する。
 自・公両党を選挙で勝たせ、再び政権につかせることは非常に危険であろう。安倍政権は、選挙で勝ったことを前面に出し、ますます独裁化し、これまで以上に憲法を軽視し、権力を強化し、強硬手段を打ち出す可能性がある。国民は、目先の甘い水に再び騙されてはならないようだ。
 また安倍首相は、第2次世界大戦の時の内閣の責任や戦争遂行者が祀られている靖国神社参拝など、歴史認識の問題で中国、韓国とは関係を悪化させている。‘積極的平和外交’と謳って、日米同盟を基盤として軍事協力の広域化を図っているが、その流れの中で、安倍首相は、2015年1月、エジプト等の中東諸国を訪問中、最初の訪問国エジプトにおいて演説し、人材開発、インフラ整備などの名目で、「ISと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援」することを約束した。その2日後に、「イスラム国」側から首相に宛てた2人の日本人人質に対する身代金要求と殺害予告が行われ、その後2人の日本人は殺害された。その後も、ISグループによる日本人襲撃などが生じている。
 現在、自民、公明連立政権が進めている安全保障政策は、日本の安全と平和のためと声高に言われているが、一定の効果はあるものの一面的であり、逆に危険を呼び込み、国民の危険を増大させる結果となっている。日米関係の強化、拡大は今後とも日本外交の軸となろうが、軍事同盟化の強化、拡大を図るのであれば、核兵器大国米国の世界戦略と連携することより、危険も増大することを国民に十分説明の上進めることが望まれる。核兵器禁止条約に関する国連決議において、日本が棄権するなら兎も角、米国の核抑止に依存しているため‘反対’票を投じたことも疑問とする向きもある。
 日米関係の強化は望ましいが、リスクを最小限にしつつ、国民の生命と財産を守るためにどのような軍事、安全保障体制を築き、どのような国家関係を築いていくかは、国民の選択次第と言えよう。日米関係の強化、相互信頼の深化の上では、日本の野球選手などの米国での活躍が最大の功労者とも言える。

 3、社会保障失政―国民の負担増のみを求める国民酷使政策
 自民・公明連立政権は、民主党政権時代に「社会保障と税制の一体改革」に同意し、また議員定数の実質的削減にも同意し、2012年12月の総選挙で勝利し政権の座に返り咲いた。しかしいずれについても進んでいないばかりか、消費増税を実施し国民に負担を求めた一方、社会保障については反福祉の福祉切り、国民酷使政策に向かっている。
 そもそも多くの国民は、社会保障の改善、向上のためなどに消費税が増税するのであれば、国民の負担が増加するのも仕方ないと考えていた。しかしその期待は見事に裏切られている。自・公連立政権の下では、年金などの受益者へのサービスや給付額の改善は行わず、逆に個別に利用者、受給者の「負担増・給付減」を強いており、国民を騙しているに等しいのではないだろうか。
それが年代を問わず、国民の将来不安を高めており、全般的な消費抑制につながっている。

 4、行・財政改革先送り失政
 年金が破たん状態になっており、また医療などの社会福祉支出が財政を圧迫し、今後更に財政が厳しくなることが予想されるのであれば、政府がまずやらなくてはならないことは、抜本的な経費節減、無駄の削減ではないだろうか。どの事業、どの企業でも、業績が振るわず、赤字が増加し破たん状態になれば、まず人件費、管理費などのコスト削減を行うのが常識だ。
 国民に更なる負担を強い、年金やその他社会保障サービスの抑制をする前に、両院の議員定数の大幅削減や議員歳費・諸手当の引き下げ、政党補助金や政務調査費の廃止などを実施して、国民に誠意を示すべきであろう。また少子化を前提として、独立行政法人や特殊法人、地方自治体を含む公務員・準公務員の段階的な削減など、定員の削減や給与の実質的引き下げを実施すべきであろう。定員削減が出来ないのであれば、3~5年間で人件費を含む行政管理費の3割削減を実施することを真剣に検討して欲しいものだ。定員と給与のいずれを削減するかは各省庁に選択させればよい。人件費を除く管理費全般についても、公務員宿舎他国有財産の売却などにより、2020年度までに総額で4割程度を段階的に削減することをまず実施すべきではないのか。
 そもそも自民、公明連立政権は、言葉では国民に期待を持たせ、3分の2の多数を維持し、なんでも実現できる状況でありながら、国民に対する約束をほとんど守っていない。弁解の余地のない行・財政改革先送り失政だ。
 その上首相は、今回2018年10月に10%への消費税の再々増税を実施することを明らかにした。再々増税も、その使途如何では容認されよう。安倍政権は、2020年までの財政健全化を目標として示していたが、この方針をまたまた先送った上、再々増税分の使途を変更したいとした。膨大な国の借金の返済努力を止め、幼児教育の無償化など子育て支援に充てたい旨提案した。選挙を前にして約2兆円規模の大盤振る舞いだ。
 しかし騙されてはいけない。日本の公的借金は既に1,060兆円超、国民総生産の2年分以上になっており、そのため毎年多額の利子支払いを強いられている状態だ。安倍政権は、2020年までの財政健全化を目標として示していたが、この方針をまたまた先送った上、子育て支援などとして大盤振る舞いをして、国の借金や利子支払いを更に増やそうとしている。子育て支援を受けた世代は、将来更に高額の負担を国から強いられることを認識すべきであろう。

 5、規制温存失政と経済・金融部門での失政
 アベノミクスは、輸出、観光産業など、局部的には若干改善しており、一定の評価は出来るが、実態は、通貨の大量供給による円安誘導と米国経済の回復が主要因であり、規制改革や法人税の減税などは、口先ばかりで、意味のある大胆な施策ほとんど実施されていない。戦略特区制度も、規制がベースであり、それを更に地域的に屋上屋を加えているに過ぎない。その弊害は、加計学園問題に如実に表れており、‘えこひいき’の温床となる。規制は、一律に緩和、撤廃しなければ効果はなく、公平でもない。
更に金融政策では、2009年頃より金利が実質ゼロとなっている上、物価上昇と手数料を加えると既に9年間も実質マイナス金利になっており、一般国民、特に退職をした者や年金生活者にとっては、預金から利子が得られない状況が長期に続いている。更に、日銀はマイナス金利という経済の基本原理に反する政策をとっており、個人や金融機関、企業等から利子機会を奪っている。消費者にとっては、生活防衛の観点から消費を抑える以外にない。金融政策失政と言えるだろう。

 6、選挙制度改革先送りの失政
 一票の格差是正については、最高裁の度重なる‘憲法違反状態’との判決を受けて、最低限ではあるが微調整をしており、一定の評価はできる。しかし抜本的な改革は先延ばしにされている。有権者の権利の公平は何時図られるのか。
また参議院の廃止や議員定数の抜本的な削減による質の確保が不可欠のようだ。地方議会を含め、議員定数の3割削減などの対応により、議員制度のスリム化を実現する一方、それを財政健全化や新たな政策への財源とすべきであろう。
更に政党助成金は弊害が多い。そもそも有権者の4割前後は無党派層であり、政党助成金は存在理由に欠け、税金を使用することは不適切である上、党の変更、消滅のたびに、政党助成金の行き先が問題になっている。政務調査費・政務活動費や連絡費などについても、廃止を含め検討されるべきであろう。

 7、党利党略優先の失政―国家、国民の利益、安全セカンド
 今回の解散総選挙も、モリ・カケ問題で窮地にある中で、野党が乱立し弱体化している内に解散総選挙をし、野党つぶしをする思惑が背後にあると見られている。国家、国民の利益、安全は二の次になっている。
 これでは行政も、国民を向いて仕事はしない。
(2017.10.10.)
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韓米軍事同盟に日本は参加すべきではないー再掲

2022-03-17 | Weblog
 韓米軍事同盟に日本は参加すべきではないー再掲
 韓国の康京和(カン ギョンファ)外交部長官は2017年10月30日、議会での外交関係の国政監査において、対北朝鮮防衛強化のため配備された米国の迎撃ミサイルTHAADを巡り悪化している中国との関係について、中韓首脳会談開催への期待を表明しつつ、次の3つの立場を明らかにした。
・THAADの追加配備は行わない。
・米国のミサイル防衛(MD)システムに参加しない。
・韓日米安保協力は軍事同盟に発展しない。
 これはTHAADの配備を巡り悪化している中韓関係の‘復元’、正常化を狙った発言と見られており、‘三不’政策とも言われている。
 これに対し中国外務省は、同日午後に報道官が康長官の発言に関連して、「韓国側のこうした3つの立場を重視する」とし、韓国側がこれを実際に行動に移すことを願う旨述べた。しかし中国側が、韓国外交部長官の発言を‘約束’との表現を用いたため、韓国内でも議論となっている。
 中国側は、韓国におけるTHAAD配備と共に、米韓日の軍事同盟化を強く警戒していると見られ、中国が10月の全人代で習体制を固めて以降、日本との関係を改善する姿勢になっているのはこれを阻止するためとも思われる。
 韓国が、米韓日の軍事同盟を望んでいなければそれに参加する必要はない。日本側がそのような意向を表明したこともない。もっとも軍事同盟については、一方の同盟国への北朝鮮を含む第三国からの攻撃は日本への攻撃とみなされ、参戦しなくてはならなくなるので、日本の現行憲法ではそのような軍事同盟に参加することは困難であろう。従って韓国側から言われるまでもない。
 そもそも朝鮮戦争は1953年の休戦協定により軍事対決こそ回避されているが、米韓両国と北朝鮮は現在でも敵対関係にあり、北の核、ミサイル開発は基本的に米韓への対抗措置として進められているものである。日本は、朝鮮戦争の当事国でもない。また第二次世界大戦後、北朝鮮とは平和条約を締結していないが、2002年9月に小泉首相(当時)と金正日総書記(当時)とで調印された日朝ピョンヤン宣言において、拉致家族問題の他、日朝国交正常化交渉の開始などが盛り込まれており、この宣言は自・公連立政権において破棄はされていない。
従って政策論としても、朝鮮半島有事の場合には米軍への必要な後方支援は行うことになろうが、日本及び日本国民の安全のためにも、米韓との軍事同盟に参加しないことが賢明な選択肢と言えよう。
(2017.11.23.)
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石油価格高騰、なぜ特別税率を停止しないのか?

2022-03-17 | Weblog
シリーズ本音トークー石油価格高騰、なぜ特別税率を停止しないのか?
 石油高騰により、レギュラーガソリンが170円/リッターに迫る中、政府(経産省)は、レギュラーガソリンが170円を超えた場合、卸売業者にリッター当たり5円の補助金を出す方針を明らかにしている。
 それにより少しでもガソリンが安くなれば多くの国民、運送業者、物流業者等にとって喜ばしい。しかし補助金分だけガソリン代が下がるとは限らない上、
補助金の財源は所詮国民の税金であるので、税を徴収して配るという施し政治、金権政治をまた行うことになる。所得960万円以下を対象にして、18才以下の子供に10万円給付という施し政治についても、その目的の不明朗さを含めて批判が多い。
 ガソリンには、消費税の他、いわゆるガソリン税が課されている。その1つが「特別税率」(道路財源確保のための旧暫定税率)で、ガソリン税の約半分の25.1円となっている。旧暫定税率は1970年代の高度成長期に、自動車の普及と共に国中で道路建設が行われていた時代の名残りで、「暫定」と言いながら2011年ころまで継続していたが、東日本大地震を契機に批判が高まり、民主党政権時代に一時廃止されたものの、福田(康)自民党政権で「特別税率」と看板を変えて復活された。財源確保のためでしかない。
「特別税率」については、トリガー条項があり、ガソリン価格が3カ月連続でリッター160円を超えた場合、上乗せ分25.1円の課税を停止することが出来る。
現在正にトリガー条項を適用すべき時期ではないだろうか。ところが松野官房長官は11月16日の記者会見で、財源確保の観点から否定的意見を表明した。
コロナ禍で経済が停滞する中で、一部野菜や小麦、牛肉などが値上がりし、カソリン代の高騰で多方面に亘り困っているのに、法律で決められていることを拒否する政府というのは一体どういう政府なのだろう。
もっとも日本の経済全体を見るべき日銀総裁が、ガソリンや一部価格の上昇の影響は、余り大きくないなどとしているのも違和感を覚える。
 明年夏の参議院選挙を前にして、補助金や給付金等の施し政治、金権政治を継続する空気が自・公政権内に強いことを受けてのことであろうが、何時までこんなことを続けているのだろうか。(2021.11.18.)
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戦争発言はタブーか?!(再掲)

2022-03-17 | Weblog
シリーズシリーズ本音トークー戦争発言はタブーか?!(再掲)
 <はじめに> ロシアのプーチン大統領がウクライナのNATO加盟の動きに危機感を強め、2022年2月24日、武力侵攻し、また米欧諸国がウクライナ支援のため、派兵は行わないとする一方、軍事物資等の提供や厳しい経済制裁を課した。特に国際決済通信システム(SWIFT)からロシアを除外する措置は、バイデン大統領が「国際金融における核抑止力」とも述べた程の強力な制裁措置を実施した。これらの厳しい対ロ措置を背景としてプーチン大統領は、「抑止力の特別態勢」の準備を指示するなど緊張感は更に高まった。
 このような東欧での緊張を受けて、安倍元首相は同派の会合(2022年3月3日)で「核シェアリング」を検討するよう示唆した。岸田首相は「非核三原則」堅持の姿勢から米国との「核シェアリング」検討しないとしているが、自民党の右派議員や維新の会の一部議員などは議論はすべきとしている。
 今や戦争論を飛び越えて、核兵器シェアリングにまで議論が飛躍している。どうなのであろう。(2022年2月4日追補))

 2019年5月上旬、北方4島の一つ国後島へのビザなし交流の訪問団に参加していた丸山穂高衆議院議員(当時日本維新の会)が、団長への同行記者インタビューに割って入り、酒を飲んだ状態で団長に向かって『戦争でこの島を取り返すことは賛成ですか?反対ですか?』、『戦争しないとどうしようもなくないですか?』などと発言したことが物議を巻き起こしている。ほとんどのテレビや新聞各紙などの論調も、コメンテーターと称する知識人タレントを含め、国会議員として不適切などとして批判の渦だ。このようなマスコミ、世論の批判を背景として、所属していた日本維新の会は同議員を除名処分とし、野党6党派は議員辞職勧告決議案、与党は問責決議案を出し、また根室市議会も辞任要求決議を採択した。
 これを受け与・野党が協議の上、「糾弾決議」として一本化して6月6日の衆議院本会議において全会一致で採択された。
 同議員は、議員辞職を拒否すると共に、体調不良により2か月間の療養診断書を提出し、議運への出席も拒否していたが、決議の採択を受けて改めて議員辞職を否定している。なお、小泉進次郎議員は、議員の進退については有権者が判断すべきであるとして採択には欠席した。勇気ある見識だ。
 丸山議員の発言は、ビザなし交流の趣旨に反するばかりか、議員でありながら酒を飲んで公の場に出て、発言を求められてもいないのに他人のインタビュー割って入るなど、団員、公人としてTPOをわきまえない不適切な言動で、更に宿舎内で酒の上とは言え、大声を出したり、夜中に遊びに出たいなど、品位を疑う言動が伝えられており、事実とすれば人として論外だ。糾弾決議の理由の大半はこうした同議員の言動や品位に向けられており、戦争発言には2行ほどしか触れていない。戦争発言が、憲法9条との関係を含め、何故議員辞職勧告に相当するのかなど、理由が記されておらず、戦争発言をぼやかし、いわば‘別件’での糾弾決議のようだ。
 しかし、そもそも北方領土問題を含む平和交渉で「戦争」を持ち出しているのはロシア側に他ならない。
 1、『北方領土は戦争で取得した』と主張しているのはロシア側
 プーチン大統領は、数年前より『北方領土は戦争で取得した』ロシアの領土としている。だからこそ4島問題を解決して平和条約を締結しようとしているのではないのか。ロシア側は、平和条約の意味を分かっていないのだろうか。ロシア側が北方4島は『戦争で取得した領土』に固執する限り平和条約はあり得ない。
 日本とすれば、『戦争で奪取された領土』を回復、防護する権利がある。その平和的手段が外交交渉による平和条約の締結だ。それが困難となれば、論理上は‘領土を回復、防護’するためのあらゆる選択肢‘を検討しなくてはならない。
 北方4島にはソ連に追い出された多くの日本の地権者がおり、島には墓石がある。一方ロシア人もたくさん生活している。日本側は、早く北方領土返還後のロシア人の移住支援や住宅支援の概要を提示し、在住ロシア人の不安を払拭すべきだ。
 なお、丸山議員の戦争発言について、日本維新の会が在京ロシア大使館に「謝罪」に行ったと伝えられている。それでは維新の会は何故ロシア側の『戦争で奪取』を抗議しないのか。またこのビザなし交流には、国会議員枠が5つあるようだが、5月には2人しか参加していないようだ。自・公政権は、領土問題を解決して平和条約締結を進める、日・ロ首脳会談は20回以上としているが、本気で解決したいのならば何故もっと多くの議員が参加し、返還への熱意が示されても良さそうだ。また同議員の発言を批判する側も、それではどのような方法で北方領土問題を解決できるのか、具体的な選択肢を示すべきであろう。

 2、戦争という言葉をタブーとしてはならない
 今回の戦争発言がこれほど広く批判されたことは注目に値する。日本は、憲法9条で防衛を除き、戦争が放棄されているところであり、右翼グループ、保守派知識人やタカ派議員などは別として、これがマスコミや日本国民に広く浸透していることを示していると言えるであろう。もっとも批判は、場をわきまえず、酒を飲んだ状態での公人への発言に向けられているのかも知れないが、「戦争」という言葉をタブーとしたり、死語としてはならない。
 世界各地には、内戦を含め戦争が各地で行われているのが現実であり、その世界の現実に目をつぶり、或いは建前論の平和意識に浸っていれば、独りよがりの平和論になってしまう。無論、与党や日本維新の会などのタカ派議員や右翼グループ、保守派知識人は、戦争を意識し、軍備増強や憲法改正、或いは日・米軍事同盟の強化を日常的に意識しているであろう。
 しかし戦争をタブーとしてしまうと、これらの勢力だけでなく、テレビ、新聞等のマスコミでの戦争への言及は極度に抑止され、建前論に終始し、戦争議論を伏せる恐れがある。現在でも差別用語は禁止され、どこでも見聞きする、或いは批判の少ない‘常識的’な、いわば金太郎飴的な議論や解説に終始する傾向も見られ、マスコミの質の低下とも見られるが、「戦争」テーマについても表面的には常識的な建前論に終始し、本音が隠される不健全な社会となる恐れがある。
 丸山議員は戦後世代で戦争に関する体験や知識もないが、同世代、特に高度成長期以降の世代では体験はもとより、戦争の悲惨さについての知識もないので、ともすると戦争に対する忌避意識は相対的には小さいと見られる。歴史教育の場でも、明治維新や明治時代の近代化などは教科書にも掲載されているが、戦前、戦中を含め近代史の記述は少ない上、3学期は入学試験などで近代史を教える時間にも制約があり、また多くの場合試験にはほとんど出ないので関心も低くなりがちのようだ。従って丸山議員の戦争発言については、現実論としてはまずあり得ないことであるが、若い世代の人達の間で本音ベースでは、同議員の発言に何らかの共感を覚えてえている面もあろう。
 第2次世界大戦は、旧帝国憲法の下で昭和天皇が軍事大権を持ち、軍人出身の東条内閣の下で進められたが、将兵約200万、民間人100万人以上の日本人が死亡している。唯一の本土決戦となった沖縄、集中爆撃を受けた東京、そして原爆被害を受けた広島、長崎の4地点では、10万人から20万人ほどの一般民間人が死亡している。言論統制が無くなった戦後直後から1960年代半ばくらいまでは、悲惨な戦争・戦闘や軍隊内での新参兵士へのいじめをテーマとする映画、演劇、TVドラマなどが多く見られたようだが、今日では海外での地域紛争の報道以外余りないので、若い世代は戦争に対する忌避感は少ない。逆に、攻撃されれば反撃するという意識が強くなっているように見える。
 それはそれとして頼もしくもあるが、第2次世界大戦がもたらした惨禍やその責任の所在を含め、バランスある認識が持たれることが望ましい。
現在「空母いぶき」が上映されている。漫画をベースとした未来フィクションで、第3国が太平洋上の日本の島を占拠し、これに対応する「空母いぶき」の艦隊も攻撃され、被害が出たことから「防衛発動」が出され、「戦争」に発展する恐れがあったが、外交努力により戦争を回避するというストーリだ。洋上の戦闘場面が多くドラマとしての厚みに欠ける面があるものの、「戦争」をテーマとしたタイムリーな映画と言えよう。中学生や女性などの入場者も多く、防衛活動の現実的な必要性と「戦争」を回避したいという気持ちの葛藤と厳しさを見る一つの機会を提供している。

 3、ダメ議員を選ぶのも落とすのも原則有権者の責任
 衆議院議員については、有権者が4年の任期で国政を付託しているもので、犯罪行為や重大な法令違反でもない限り、任期満了か退場させるのは有権者の責任であろう。それにより、有権者は責任を自覚し、より注意深く議員を選ぶようになると期待される。
 丸山議員としては、決議をどう判断するかは別として、酒の上で場にふさわしくない言動を行ったことを深く反省する一方、信念があるのであれば、国会議員として戦争発言の真意を正々堂々と国会と国民に説明すべきであろう。その将来については、有権者が判断すべきことだ。
 衆議院議員の任期については、国民から4年間付託されており、本来であれば任期に近い期間責任を果たすべきであろう。衆議院には解散があり、『解散は首相の専権事項』と言われているが、議員の任期を短縮する結果となるので、国家の将来を左右するような余程重要な政策課題がない限り、みだりに解散権を行使すべきではない。それは議員の任期を縮め有権者の選択を毀損することになるので、職権乱用となる恐れがある。
 現自・公政権は、7月の参院選挙に合わせ衆院の解散風を吹かせているが、国会での議論は低調で、国論を分けるような具体的な重大案件もない。現政権は2012年12月の総選挙から7年間で既に3回の解散、総選挙を重ねている上、いずれについても国民にとって何のための選挙であったか分からない‘争点無き解散’に近い。それにより有権者が選んだ議員の任期を半分くらいに縮め、選挙期間中政治的空白を作った上、1回の総選挙で650億から800億円もの費用を掛けており、職権乱用と言われても仕方ない状況だ。更に本年7月に解散総選挙となると、2017年10月22日に選挙をしたばかりであるのに、重大な争点もなく解散総選挙となるので、職権乱用と言えそうだ。
 マスコミやコメンテーターなど知識人タレントは、ほぼ無条件で『解散は首相の専権事項』などとしているが、それ相応の重大な理由がなければ任期を大幅に残しての解散・総選挙は職権乱用として批判が出ても不思議はない。いわゆる知識人タレント等を含めたマスコミ力の低下、各種の民間研究所などの発想力、発信力の低下が著しい。各分野での商業化が進んだからであろうが、民主主義の健全な発展だけでなく、日本の健全で想像力に富む社会発展にとって憂慮される。(2019.6.7.)
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