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マスメデイアの限界!既成政治へのノーを読めなかった世論調査!(その1)(再掲)

2024-11-12 | Weblog

(はじめに)2024年11月の米国次期大統領選挙は、近来にない激戦、ハリスートランプ候補拮抗とほとんどの米マスコミで報道され、日本のマスコミもそのラインで投票日当日まで報道していたが、トランプ前大統領が早々に勝利宣言した上、激戦7州も全て制した。更に、得票数もトランプ候補7,400万票とハリス候補の約7,000万票を上回った上、上下両院選挙でも共和党が制し、いわゆるトリプル・レッドと共和党がランド・スライド勝利を収めた。このような有権者の動向も前回同様に主要マスコミは予測できなかったばかりか、結果は予想に反するものとなり、世論調査やマスコミの信頼性が問われる結果となった。従来の世論調査においては、調査対象の選定と抽出数の問題と無回答者を除外し、回答者の比率で類推する統計手法が世論の動向を捉え切れていないことが明らかとなった。また多くのマスコミが特定の政党を支持しており、読者はこれを認識して判断することが求められる。従来の統計手法は変更を余儀なくされている。

 このような観点に立って本稿を再掲する。

マスメデイアの限界!既成政治へのノーを読めなかった世論調査!(その1)(再掲)
 2017年1月20日、第45代米国大統領としてドナルド・トランプ大統領が就任した。同日の就任演説では、まずワシントンの‘既成政治’は自らの利益を追求し、‘国民の利益’にはならなかった、トランプ政権では、‘権力を国民の手に返す’としてワシントンの既成政治を否定した。その上で、同政権は、唯一の判断基準として‘アメリカ・ファースト’を掲げ、アメリカの製品を購入し、アメリカ人を雇用するなど、米国の国益追求の姿勢と対外的にはイスラム過激派の排除を明らかにした。
 しかし同国のマスメデイアは、トランプ大統領の就任直前の世論調査の人気では、オバマ前大統領やブッシュ元大統領などに比して低く、40%であることを伝え、また就任式では、一般参加者の数がこれら前、元大統領に比して少ないことを、解説や映像を通して伝えた。これに対しトランプ大統領自身や大統領報道官は、2016年11月の大統領選挙の際、マスメデイアは予測を誤り、今回も正しくない報道に終始したとしてマスメデイアの報道姿勢を強く批判した。
 またトランプ大統領は、就任後矢継ぎ早に大統領令を出し、米国の国土安全保障のためとしてシリア、イラク、イラン、イエメン、リビア、スーダン、ソマリアの国際テロ支援国を含むテロ脅威国7か国からの米国への入国を90日間停止し、また難民受け入れを120日間停止する大統領令に署名した。これに対し多くのマスメデイアや評論家等が国籍による差別や人道上などの理由で批判している。
 なお、この7か国に対する入国停止の大統領令については、カリフォルニア州の連邦控訴裁判所において取り下げの判決が確認され、効力を失ったが、トランプ政権側は別の大統領令を出すとしている。先の大統領令は既にオバマ政権下で発給されたビザ保持者にも適用されることから、配慮に欠ける面があり、取り消しも止むを得なかったと言えよう。しかし現在の世界は、国境を有する国家を前提とし、外国人への渡航ビザ発給はそれぞれの国家の主権に属することであるので、外交関係や国家安全保障、疫病対策等で、渡航を制限することは可能であるので、何らかの新措置が取られる可能性がある。
 確かに、戦後のマスメデイアによる報道に親しんで来た多くの人にとっては、こうした米国の報道振りに余り疑問もなく接して来た。しかし米国のほとんどのマスメデイアは、大統領選挙前の世論調査においてクリントン候補50%超、トランプ候補約40%とし、予想を誤った。そして大統領就任に際して公表したトランプ大統領の人気(支持率)も40%であり、大統領選挙前の誤った数値とほぼ同じであるので、この数値は信じて良いのか疑問が持たれても仕方がない。
 今回米国マスメデイアは、1月20日の大統領就任式典への参加者が少なかった一方、多くの抗議デモが行われたなどとして、トランプ同大統領の‘不人気振り’を報道した。しかし既存の映像メデイアには、それぞれのアングルがあり、全てを伝えているとは思えないと同時に、建物に物を投げ、自動車に火を付けるなどの暴力行為を行っていた一部のデモ隊などを見ると、一概に反対している群衆が正しいとも言えそうにない。どちらかと言うと政争の色彩が強い。
 既成のマスメデイアやそれによる‘世論調査’は、国民に何を見せ、何を見せていないのか。大統領報道官は、‘もう一つの事実(Alternative Facts)’としているが、これまでマスメデイアにより伝えられていなかった’事実‘とは何か。
 1、結果を予想出来なかった世論調査―英国のEU脱退と米国大統領選
 英国は、EU(欧州連合)からの脱退か残留かを問う国民投票において、2016年6月23日、離脱支持が投票総数の約52%、1,740万票、残留が約48%、1,610万票で、EU離脱を選択した。投票率は約72%で、高い関心の中での選択と言えるが、同国の主要マスメデイアの世論調査や予想に反する結果となった。日本のマスメデイアも、いわゆるコメンテータや専門家等を含め、‘僅差ではあるが残留支持’が大方の見方であった。株式市場もそのようなマスメデイアの予想に基ついて楽観していたが、英国のEU離脱というショックウエーブが広がり株価やポンドは大幅に下落した。英国のEU離脱が日本のメデイアでは予想外の結果となり、市場は方向感覚を失い、欧州市場に追随した形だ。
 そして11月8日の米大統領選挙において、米国は主要マスメデイアの世論調査や予想に反し、共和党ドナルド・トランプ候補を次期大統領として選んだ。州ごとに選ばれた選挙人数は、トランプ氏が306人、民主党のクリントン前国務長官が232人をそれぞれ獲得し、トランプ候補が選挙人数では過半数を制した。投票率は、不人気同士の大統領選挙と言われていたが、54%台で、各候補の得票率はそれぞれ46%台、48%台であり、劣勢とされていた。トランプ氏が優勢との報道が流れると日本の株価は大幅に下落した。しかしトランプ次期大統領が、大統領補佐官はじめ大統領府の布陣に加え、財務長官や商務長官などの主要閣僚の人事を発表し始めると、米国の株価及びドルが大幅高となっており、‘トランプ・ショック’は‘トランプ効果’となった。そして1月20日の大統領就任後は、選挙戦中に約束した事項につき矢継ぎ早に大統領令が出されるたびにマスメデイアは一様に戸惑いを示した。選挙後のトランプ効果は後退し、トランプ不安が広がり、右往左往の状態となった。
 また2016年12月4日、イタリアで実施された憲法改正のための国民投票では、否決され、憲法改正を推進していたレンツィ首相が辞任した。目まぐるしく政権が変わるイタリアにおいて、政権を安定させるために上院の権限を大幅に縮小することを目的とした憲法改正への国民投票であったが、大衆の不満に率直な賛同を表明する人民主義政党(ポピュリズム)として行動する「五つ星運動」などに押され、予想に反する結果となった。
 世界の既成マスメデイアの世論調査は、何故予想に失敗したのか。
 2、既成の世論調査の問題点
 戦後欧米で採用されている世論調査は、多くの場合、無作為で一定数の回答者を選択し、回答があった数を基に賛否などの比率を出している。無作為で回答者を選択しているので、‘公平’、‘中立’とみなされているが、これまでの方法ではカバー出来ない層がある。
 1)まず回答率の問題がある。個々の調査により差はあるが、回答率はせいぜい60%前後で、概ね40%前後は無回答であるが、意見を持っていないということではない。賛否の比率等は回答者数で行われるが、4割前後ほどの無回答者の動向如何では、結論が大きく変わる可能性がある。
 調査は特定のメデイアが実施するが、各メデイアが既成政党を支持する等、一定の傾向を持っていることが多く、そのような偏向に好感を持っていない対象者は、調査に応じないであろう。一般的に有権者の約4割前後は無党派層、或いは無関心層であり、選挙やこのような世論調査を敬遠、拒否する傾向が強いが、意見を持っていないということではない。米国でも同様だ。他方調査メデイアに好意的な対象者を中心に回答することになり、調査メデイアの傾向がより強く反映されるのは当然のことであろう。事実、保守系メデイアが行う世論調査では、保守党支持が顕著に高くなる傾向があることは衆知のことだ。
 このような無党派層、無回答層を排除した統計は、世論の全体を反映せず、調査主体により偏向が出やすくなる。
 少なくても賛否の比率は、調査対象者(所在が分からなかった者を除く)をベースとして出すべきであろう。
 2)情報伝達メデイアの変化
 情報伝達の手段は、戦後マスメデイア化した新聞やテレビを媒体とするものから、デジタル媒体に移っている。既成の新聞やテレビは、巨大化、商業化すると共に、既成社会の一部となり、読者や視聴者に影響を与え、類似性の高い‘既成世論’とも言うべき世論やいわゆる‘常識’といわれる意見を形成している。従って、それがあたかも広く共有された‘常識’とみなされ、それと異なる意見を表明し難くしている。マスメデイアの調査に対し、そのマスメデイアが期待している意見に近い意見が述べられることが多いのもその一例であろう。またコメンテーターや専門家、有識者なども、マスメデイアが期待する意見に反しないコメント等をすることが多い。それに反することを言えば姿が消える。
 マスメデイアの更なる巨大化で、より多くの多様性を伝達すると思われたが、政治的には、特定政党を支持するか、支持政党の立場を代弁している場合が多いので、一定の方向性を持つと共に、類似性が高まることになり、それが繰り返し、繰り返し伝えられることにより、一定の世論や‘常識’が形成されて行く。そのメデイアによる調査では、結果が一定の方向性を持つことは不思議ではない。
 米国の、ニューヨークタイムズは民主党支持であり、ワシントンポストやウオールストリートジャーナルは共和党支持であるし、日本の主要都市新聞やテレビ局も同様である。
 このような中で、4割内外の無党派層や不回答層の意見は、選挙においても、マスメデイアによる世論調査などでも、ほとんど相手にされず、対象外とされて来たと言えよう。いわば場外世論だ。
 しかしデジタル情報手段の普及により、これらマスメデイアに依存することなく、ツイッター、フエイスブック、ユーチューブ、インスタグラム、ラインなどのWebやSNSメデイアを通じ意見やコメントの発信、拡散が可能になった。その拡散力は瞬間的で広範に及ぶ場合がある。トランプ氏は、大統領候補の時からこれを巧みに活用していたと言えよう。
 従来気にも止められなかった無党派層や不回答層をどのように世論に反映させるかが今後の課題だ。そのため世論調査等の方法や手段も工夫が必要になっている。
 2016年当初は、不動産王の泡沫候補とマスメデイアを通じ報道されていたトランプ候補があれよあれよと言う間に共和党の大統領候補となり、そして3回のテレビ討論などを経て、クリントン候補優勢と諸‘世論調査’が伝えていたが、大統領選挙ではトランプ候補が選挙人の過半数を制した。そして選挙人による最終投票においては、トランプ支持の選挙人の何人かはクリントン候補に寝返るなどと報道されていたが、これら報道は見事に外れた。読者や視聴者にその理由を説明する責任がありそうだ。
 3.既成政治の否定とポピュリズム    (その2に掲載)
 4、戦後の既成政治で多くの問題が未解決 (その2に掲載)
 
(2017.2.17.)(All Rights Reserved)

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政党交付金を候補者個人への支援金とすべし!(一部改訂、再掲)

2024-11-12 | Weblog

政党交付金を候補者個人への支援金とすべし!(一部改訂、再掲)
 2019年7月の参院選挙で、広島選挙区(改選2議席)から当選した自民党公認の河井案里候補(現参院議員)に、選挙を前にして党本部が約1億5000万円提供したことが明るみに出た。同候補は、選挙カーの「うぐいす嬢」に規定(15,00円)の2倍を支払う選挙違反をしたのではないかとの疑いを掛けられている。
選挙違反問題は当局に委ねるとして、新人候補に自民党が1億5000万円相当提供した事実については驚きだ。
自民党には、1候補に1億5000万円も提供出来るほど潤沢な金があるのか!
新人候補が当選することは難しいとしても、当選するためにはこれほど金が掛かるのか!一般人にはとても立候補など雲の上の話だ。
選挙と金、選挙に金が掛かるという話は以前よりあり、1990年代に、選挙区を中選挙区から1人区とする他、選挙を公費(税金)で支援するために政党助成金を設け、党より候補者に資金的な援助をする制度などが導入された。
今回の事件は、このような措置が所期の目的通り適正に機能しておらず、弊害が多いことを如実に物語っている。
次の理由により、「政党助成金」を廃止して、選挙区ごとに投票総数と得票数に基づき一定の基準を設け、各候補者に選挙資金を一部補助する制度とするべきではないだろうか。現在の供託金制度は維持する。
1、政党助成金は党の恣意的な介入により、有権者の判断が反映されなくなる
同じ広島の選挙区で、参議院議員を5期努め、6選を目指していた同じく自民党公認の溝手顕正候補(元防災担当相)が落選した。同候補は自民党からの1,500万円しか提供されていなかった。選挙に際し公認候補は自民党より1,500万円前後の助成を受けるのが相場とされているようだ。党の裁量が強く働く。
これでは公費による選挙資金助成の意義は失われる。税金を負担している有権者の意思は何ら反映されないばかりか、党の裁量で歪められる可能性が強い。
更に政党助成金につては、党が各議員の選挙資金や活動費を握っているため、党議拘束が余りにも強くなり、議員の個性や個人の主張を失わせており、文字通り、党に‘金縛り’になっているに等しく、党独裁の色彩が強くなり、多様性を基本とする民主主義にも反する。
一定の基準を設け各候補者個人に選挙資金を補助する制度とするべきだ。
 2、最大の問題は政党助成金依存が強くなり、各政党の党員、党友が一向に増えないこと
 2020年8月28日、安倍首相が健康上の理由で辞任の意向を表明したのを受けて、自民党の新しい総裁が選出され、国会で新たな首班が指名される。安倍首相には健康回復をお祈りしたいが、9月中旬に自民党総裁選が行われる。しかし本来であれば、党の両院議員だけではなく、同数の党員の投票を含めた総裁選挙が行われるが、今回は、緊急を要する等として議員票を中心とした両院議員総会で決定される見通しだ。主要派閥が特定候補の支持を早々に表明し、党員に人気のある都合の悪い候補を排除するため、議員総会で決めようとしているなどと伝えられている。安倍首相は新総裁が決まるまで執務を行う見通しなので、「首相が欠けた場合」でも「緊急」でもない。となると派閥で決めるため、党員投票を外すということになる。国の政党助成金(税金)と企業献金があるので、党員会費などそれほど重要ではないということだろうか。自民党の党員でも110万人前後に止まっているが、政党助成金依存で党員を増やそうという熱意も薄れる。これでは党レベルでの民主主義は後退し、旧態依然の派閥中心、派閥人事となり、国民からますます遠くなってしまう。

3、政党には企業・団体より多額の政治献金が入っている
 政党助成金が導入された際、議員や党と企業・団体との癒着が問題視され、企業・団体献金に頼らない選挙とすることが考慮された。しかし政党助成金が導入された後も、企業・団体献金が復活し、横行している。
2018年の政党への献金総額は、約29億円、その内企業・業界団体献金が約25億円となっており、個人による献金は何と 1.2億円でしかない。企業・業界団体献金が、政治献金の86%強を占めており、企業・業界団体が突出しており、政治への金による影響力を強めている形だ。企業別では、2017年ではトヨタ、東レ、キヤノン、日産などが上位を占めている。
この企業献金については、経団連が一時控えていたが、現在では政党別の星取り表、序列を作成して企業・団体に政治献金を誘導している。
だからと言って政治と企業の癒着などとは言えないところではあるが、経団連の役員や献金の多い企業・団体のトップが政府の各種の委員会の座長や委員になっているなど、金の影響力は明らかだ。その委員を‘民間議員’などと誤解を生む怪しげな呼称をしているメデイアもある。
企業・団体の議員個人への献金は禁止されているので政党への献金となるが、個人からの献金が伸びていない。共産党は共産党組織、公明党は創価学会という下部組織が強固であるので個人献金等も多いが、自民党はじめほとんどの党は、党員や党友なども低迷しており、本来あるべき個人献金は伸びていない。最大与党の自民党でさえ、2012年12月の総選挙で勝利し、自・公連立政権の下で7年余、103万党員から120万党員を目標に党員増を図って来たが、それでもせいぜい108万にしか届いておらず、その後は低迷している。日本の有権者総数は1億658万人(2019年7月現在)で、自民党員はその1.0%にしか達していない。最大与党でも有権者の1%程度でしかなく、有権者を代表するとも言えない政党を何故税金で助成するのか。そもそも民意で作るべき民主主義の基本に反する上、共産党を除き、政党側の努力が足りない。税金で政党を助成している限り、政党は税金助成に依存し、自ら努力はせず、成長もしないであろう。
政党助成金や企業・団体献金があるので、個人献金を募るインセンテイブもないのだろうが、本来、議員や政党は有権者への政策説明や活動報告など日常的な活動を通じ支持を増やし、少額でも個人献金を増やしていくべきであろう。政党助成金は、そのような議員や政党の努力を阻んでいる。
いずれにしても政党は企業・団体や政治団体双方から献金を受けているので、国(税金)による助成は、政党ではなく、一定の基準に基づき候補者個人に配賦されるべきであろう。

 4、有権者のほぼ4割の無党派層にとっては「政党助成金」はありえない
 2019年7月の参院選挙で、選挙区の投票率が48.8%と低迷した。そもそも参議院の存在については、衆議院のコピー、クローンのようなもので、その存在意義が問われている。その上有権者の約40%が無党派層であるので、比例区では投票すべき政党もないので投票に行かない有権者も多く、また投票に行った人が、支持政党がないので白票で出し、無効票となった人も多く、無駄だった言う人もいる。いずれにしても、投票率が5割を割った中で当選しても国民の代表などと言えるのか疑問でもある。
 無党派層にとっては、支持する「政党」を書けと言われても無理な話だ。
「政党助成金」についても、無党派層にとっては支持もしていない政党に払った税金が使われるというのは合点がいかないであろう。
 更に選挙後に、特定政党が分裂し、新たな政党となった場合、政党助成金を分割して引き継いでいるが、そんな政党を選挙で支持したわけではないので疑問が残る。
 政党助成金や政党を選ばせるということは、有権者の意思を無視した、政党のご都合主義であり、候補者個人への資金支援、議員個人への投票という民主主義の基本に戻すべきであろう。
(2020.2.1.8.31.一部改訂)

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大嘗祭は宗教行事であり政府による国家行事とすべきでない(改定版)

2024-11-12 | Weblog

大嘗祭は宗教行事であり政府による国家行事とすべきでない(改定版)
 新天皇が初めて行う新嘗祭(にいなめさい)を大嘗祭(だいじょうさい)と言うが、宮内庁は、大嘗祭を2019年11月14、15日に行う予定とし、「平成時代」を前例としてその準備を進めているが、基本的な疑問も呈されている。
1、大嘗祭は神道形式の天皇家の宗教行事
 この祀りごとは、天皇が五穀豊穣を祈るものであるが、新天皇が即位後初めて行う大嘗祭については、天皇の一世一代の‘秘儀’とされている。そのため、一般にはその内容の詳細は知られていないが、神話に則り、その年の新穀を天皇が天照大神(あまてらすおおみかみ)および天神地祇に供え、自らも食し、その天孫降臨と一体化する神道形式の宗教行事だ。つまり、天孫降臨した邇邇芸命(ニニギノミコト)、即ち天照大神の子孫に、新天皇がなる儀式と言われる。

 2、大嘗祭を国家行事とすることも、国家予算を使うことも適当ではない
 宮家がこの儀式を信じるか否かは自由であるが、宗教行事である大嘗祭を政府が国の行事として行うべきではなかろう。国は憲法上宗教行事を行うことは出来ない。また国家予算を使うべきでもない。
 宮内庁は、この大嘗祭を江戸城址(一部を皇居として使用)内の東御苑で行うとしている。平成天皇の大嘗祭もここで行われたが(1990年11月21日)、即位儀式に関連する政府支出が全体で約123億円にも達し、高額に過ぎるとの批判があったことなどを考慮し、今回は東御苑の一部のみを使用し、節約を図るとしている。しかし大嘗祭は天皇家の神道行事そのものであり、天皇家の中にも‘公費を使用すべきでない’との意見がある。一方で大嘗祭を若干小規模として予算要求がなされているとの報道もある。
 その大半の大嘗祭関連予算が、江戸城址東御苑に社殿、社屋を建設する費用で、一回限りの行事のために27億円もの国家予算が使用される。それは神道形式の社殿建設そのものに他ならない。行事はその中で行われ、大嘗祭後取り壊されるものの、国家予算で神道の社殿、社屋を建設することは国家、政府が宗教行事を行うに等しく、容認されるものではない。
 現在九州豪雨被害で多くの人々が人命や家を失い、また昨年の西日本豪雨被害も癒えていない。更に東日本大地震や熊本地震などでも、未だに多くの人が仮設住宅生活を強いられている。このような状況で、新天皇の一回限りの宗教行事に27億円もの国費(税金)を掛けるより、これらの被災者の救済に使う方が国民の願いに沿っていると言えないだろうか。

 3、大嘗祭を江戸城址内(東御苑)で行うことは歴史に沿わない
 そもそもこのような神道形式の宗教行事を江戸城址内で行うべきではない。
 大嘗祭を行うとしている東御苑は、旧江戸城本丸跡の歴史的に由緒あり場所で、そこに神道形式の社殿、社屋を建設し、その中で神道行事を行うことは歴史を歪め、踏みにじる行為と言えそうだ。
 明治維新後、旧帝国憲法の下では、天皇を擁する官軍が幕府軍に勝ったので、戦勝者である天皇派が江戸城址を占拠、使用することは容認されても、旧憲法は廃止となり、新憲法となっている今日、それが引き続き容認されるべきではなかろう。
 宮内庁、政府は、「平成時代」を前例として即位の礼や大嘗祭を江戸城址内の皇居で行うとしているが、明治、大正、昭和の3天皇は、即位の礼や大嘗祭を京都(京都御所)で行っていることは歴史上の事実である。平成天皇がこれらを東京で行ったのは歴史上唯一の例外であり、いわば異端の例外を前例とするとは如何なることか。歴史上の例外である「平成時代」を「前例」とすべきか否かを検証する必要がある。
 更に、‘皇居’内に「三殿」が常設されており、天皇交代に伴い宗教行事が行われていることが報じられるようになり、国民の目にとまるようになった。「宮中三殿」は賢所、皇霊殿、神殿で構成され、中心として天照大神が祀られている神道の神社に相当するものであり、そこで新旧天皇がお参りや祈祷をするが、それは正に「神道」による宗教行事である。その内部は明らかにされていない。天皇も国民の一人として信仰、信条の自由があるが、国民の統合の象徴である天皇が、公の江戸城址にある‘皇居’内で特定宗教の神道行事を行うことは、「国の宗教活動を禁止する」憲法の趣旨の反するのではないか。そもそも国の財産である江戸城址内に神道神社である「三殿」が新憲法になった現在でも存在し、国費が使用されていることは、憲法の趣旨のみならず、江戸城址という歴史的な意味や価値に反するものではないだろうか。明治維新は終わり、その後の天皇君主制も帝国憲法も終わっている。
 新憲法では、天皇は軍の指揮権はもとより、統治権などは無い。その上国の征服者でも支配者でもない、‘国民統合の象徴’である天皇が、江戸城址を占有することは、‘反幕府’、幕府支配の抑止、封殺を意味し、尊皇派支配を意味するので、‘国民統合の象徴’としてはふさわしくない。現状では‘分断の象徴’、‘抑圧の象徴’と映ってしまう。
宮内庁、政府が、このような日本の重要な歴史を踏みにじり、憲法に反するような宗教行事を強行するのであれば、天皇はもはや宮内庁、政府の権威を維持するためのもので、国民の象徴などではあり得ない。

4、「東御苑」を‘皇居東御苑’と称するのは歴史の冒涜
 江戸城址を‘皇居’と称するのも、歴史を閉じ込めるものではないだろうか。
特に江戸城天守閣跡や本丸などの江戸城の中心部の一角は「東御苑」として一般にも公開されているが(大手門、平川門、北桔橋門から一定日に入場可能)、ここが‘皇居東御苑’と呼称され、地図にもそのように表示されている。これまで気にもとめていなかったが、戦後74年も経ち、明治維新後擁立された‘日本帝国’は廃止され、新憲法の下で民主的な日本国として歩んで来た現在も、江戸城址の中心部が‘皇居東御苑’と呼称されているのは驚きだ。世界にも誇れる江戸城、江戸文化を考えると、歴史の冒涜であり、不適切となっている。
 その上、東御苑を含め江戸城址を宮内庁が所管しているのも時代錯誤と映る。「江戸城址」として文部科学省の所管とし、貴重な文化遺産として保存し、歴史研究や観光等に門戸を開放すべきではなかろうか。いずれにしても江戸城址は、世界にも誇れる貴重な国民の文化遺産であり、そうあるべきであろう。
一行政機関である宮内庁が江戸城址内にあることも、あたかも他の行政機関とは異なる国民から遠い存在との印象を与えると共に、国民を江戸城址から遠ざける結果となっており、明治維新、日本帝国時代ならともかく、時代錯誤であり今や好ましくない。
 最近外国人の観光者が著しく増えており、‘皇居’が外国人観光者の東京における人気の場所の一つになっている。その理由を外国人観光客にインタビューすると、「侍が好きだから」、「古くからの石垣に興味がある」など、武士や城に関連するところとしており、城址として認識されている。外国人観光客は江戸城址に関心があるようだ。その場所を‘皇居’という名称で‘江戸城址’という歴史的史跡を覆い隠す結果となっており、日本人のみならず外国観光客に対しても日本の歴史や貴重な文化遺産を正しく伝えていないことになりそうだ。
 明治以来の3代に亘る尊皇攘夷派支配は終わり、天皇は国民統合の象徴となっているので、天皇は京都御所に戻り、江戸城址は‘江戸城址’として国民及び世界からの観光客に開放すべきではないだろうか。因みに、京都御所は東西700m、南北に1.3kmの広大な敷地を擁し、現在参観を除けば、活用されていない。
 なお敢えて付言すれば、飛鳥、奈良時代を含め、明治天皇以前の天皇陵については研究目的の発掘、調査を原則許可し、歴史研究に資すべきであろう。
 いずれにしても天皇家の宗教行事である大嘗祭は、古来からの歴史に従って京都御所で行うことが適当であろう。もし京都で行うことが嫌であれば、伊勢神宮や明治神宮、昭和天皇の御陵地などで行うことも出来るだろう。
 また大嘗祭は、少しづつ形を変えながら古来より行われている貴重な歴史的な行事であり、無形文化と言えるので、衣装や装飾品、建物などを含め大切に保存すると共に、公開することが望まれる。(改定2019.1.26. 再改定2019.7.6.)

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2024年社会経済流行語大賞候補

2024-11-12 | Weblog

2024年社会経済流行語大賞候補
<候補>              <関連事項>

スポーツ賭博            負け金6億8千万円也

裏金                自民党得意技

記憶にない             自民党派閥幹部

トー横               立ちんぼう少女多数

押し活               メンズ専用カツ

倫理審議委員会           倫理観ない議員はパス出来ます

ほぼトラ              トラ似

まじトラ              大トラ

パリオリンピック          誤審ピック

初老ジャパン            馬でそうろう

セーヌ川              ホテル代セール

米騒動2024            米価つり上げ農水省農協談合

小泉構文             言語明瞭意味不明 

セクシー環境問題            20歳未満お断り

THE MATCH                           派閥裏金金権特権 アウトレイジ!

言行不一致               某党定番技

アジア版NATO             腐れナットー

公認                  裏金作り

ホワイト案件              極道裏仕事人

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