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やってはいけないということ自体を知らないのでは❔

2021-10-11 14:40:31 | 日記

 

👧突然ですが、「無知」って何だろう❔

よく「無知だから」って言うけど、学歴があるとかないとかじゃなくて、勉強が出来る出来ない、とも違う無知って何だろう❔

 

👨たとえば❔

 

👧「民族浄化」政策で、ウイグル人の女性のことをなぜ漢人は、中⚫政府に言われるままに、いわゆる「レイプ」してしまうのだろうか❔

 

中⚫は一党独裁。政府の命令だからしかたない、という理由はあるだろうけれど、それにしてもなぜなの❔

 

タリバンの兵士たちだって同じかも知れない。

アフガニスタンという国は一夫多妻制だから❔

でも一夫多妻制はレイプとは違うでしょう。

そうゆうときに、「無知だからやってしまう」という言葉を使うよね。

「無知」って何よ❔

 

「この人をレイプしてよい」と言われて、日本人が「あいよっ」ってすぐにレイプするか❔

しない。

日本人なら、よほどの理由がないとしないと思う。

しなければお前を殺すぞと脅されて、自分の命と引き換えに、しかたなくしなければならないとか、

何らかののっぴきならない理由があればするかもしれない。けど、日本人は基本的にそういうことはしない。

してはいけないということを知っているから。

それは、してはいけないと教わっているから。

👩誰から❔

👧国や親や先生から。

 

すると、日本人は「無知」ではないことになるよね。

 

👩「無知」について、無知とは何かということの説明が足りないよね。

 

👧「教わっていない」、ということじゃない❔

してはいけないことを。

👨郷美、自分で考えて答えを出してんじゃん!

してはいけないことって何❔

 

 

👧人間として誰もがやっていけないこと。

人殺しとか、盗みとか、嘘をつくとか、それこそレイプ(強姦)とか。

 

 

まさか、そういう人間としていちばん大切なきまりみたいなものを、小さいときから教わっていない国民、または人たちがいるのでは❔

 

👩そうかも。

 

👧大事なことを親や国から教わっていない人のことを「無知」というなら、

それは、その国を治める人たちの責任だよね。

だって教えないから。

 

「知らない」のは、国や親や先生が教えないから。

 

だから、いくら、どんなに、日本人の私たちのような、

人間としてやってはいけないことを教わっている国の政府や国民が

「やってはダメです」と何度も注意してもダメだよね。

その国では「女より男が偉いです」とか、

「損得でものごとを判断しましょう」とか、

「政府が決めたことが絶対に正しいです」と教育されていたら、

どんなに私たちがダメだよと言っても聞かないよね。

 

👨それを無知というのだけれど、ほんとうに困ったね。

 

だからやっぱりいちばん悪くて責任があるのは、国の指導者だよね。

 

👩「国民性である」などと言って片付けられない問題だよね。

 

👧ブリンケン国務長官だって、中⚫政府にどんなに「民族浄化」はダメだと言っても、中⚫は、何と‼️「あなたの言っていることは内政干渉だ‼️」などと反論してまったく聞く耳を持たないね。馬耳東風。

👩困ったね。

 

👨国のいちばん上の人が間違っていると、たとえば中⚫、14億人の国民が全員間違ってしまって、ほんとうにどうしようもないね。

 

👩いったい、どうしたらいいと思う❔

 

👧やっぱり、14億人もの人々に1人1人教えるのは無理だから、いちばん上の人に交代してもらうしかないね。

 

👩それができたら今ごろもうやってるよ。

 

👧困ったね。

 

👨「基本的人権」など、人間の世界共通の普遍的な権利、人にやってはならないこと、人間として守らねばならないことなどを、

独裁国のいちばん上の人々は実はすでに知っているのかも知れない。

 

タリバンとかは知っているかどうかはわからないけれど、

タリバンを操作しているもう一つ上の組織がもし存在すると仮定するならば、

その上部組織は基本的人権の存在を認識しているかも知れない。

 

👧それならなぜ、自分たちは基本的人権を知っているのに、国民には教えないの❔

 

👨「世界という公共の場所には、『基本的人権』という人間にとって普遍的に必要なきまりが燦然と輝いている」ことを、

自分の国の、または自分が操作したい国の国民に教えたくないから」だと思うよ。

 

👧自分の国の国民が賢くなっては困るから❔

 

👨そう、都合が悪いから。

 

👴愚かであるのう😢。国民が賢くなることは地球にとって、全人類にとっていちばん大切ですばらしいことなのに❗人間がほんとうに賢明になることが地球の存続に直結するのに❗

 

👨「西洋音楽や西洋の映像、西洋の書籍はすべて西洋文化だから断固として阻止する」などと独裁国の党首らは言っているが、

実は自分たちが生き残るのに非常に都合が悪いからだと思う。

自分の好きな音楽を聴くことも、映像を見ることも、書籍を読むことも基本的人権で最初っから謳(うた)われている、人間が生まれながらに持つ普遍的な権利だ。

自分の国の国民がその「自由の権利」、自分で選べるのだという権利があることを知ってしまうと、

独裁国の党首たちは、「自分たちが乗っかっている地位(地盤)が、ほんとうは砂のように脆(もろ)い、偽(いつわ)りの楼閣だった」ということを、自国民に知られてしまう。

👩それはまずい❗

「自分たちが今まで国民に対してやってきたことは、

自分側だけを重きにおく(最終的に自分たちだけが生き残る)プロバガンダ(宣伝・洗脳)だった」ということが発覚しまう。

だから非常にまずい。

👨独裁国の党首たちにとっては『基本的人権』は、自分たちの存在意義を消し去る憎ききまりである。

 

👧そっか。

 

 

👩独裁国の党首たちは『基本的人権』を認識していても「自分は知っていた」と言わない。

👨なぜなら「自分は知っているのに人種差別、男尊女卑、民族浄化、リンチ、暴力、殺人などを行使した」ことになり、

世界に『世界共通憲法』がもし存在したら、

完全に第一級殺人犯で裁かれ」てアウトだから。

でもさ、「基本的人権なんかがあるのも知らないし、暴力や殺人をしてはならないことも知らずにやりました‼️」と言う人もある意味クレイジーだよね。よりによってすべてが進化したこの21世紀にやれるなんて❗

あんまり処理能力がないと精神病者として扱われて罪にならないよね。

 

👴国が閉じていると(情報が)、2世紀も21世紀も同じなのかな❔まったくいつまでも殺戮を繰り返して❗

 

👩つまりあれだ、ビートルズのジョン・レノンが言った言葉は真実だったと。

👧何て言葉❔

👩「世界は狂人(精神病者)によって支配されている」。

だから、その人たちは罪に問われない。精神病だから。

👧やだやだ‼️ずるいね‼️(YouTube検索:『ジョン・レノンのインタビュー-世界は狂人によって支配されている.mpg』)

 

👨だから、世界共通概念(道徳・倫理・通念・考え方)の確立が望まれ、今こそ必要とされているんだ。世界中の人々にきちんと、自分(人間)には、生まれながらにして基本的人権があることを教えなきゃ。

 

👩世界にはまだまだたくさんの独裁国がある。その国の偉い人たちを英国のエリザベス女王にお茶会を開いて戴いて招待し、京セラの稲盛和夫さんに来ていただいて勉強会を開催するしかない。アメリカも来るべきだと思う。G50(ヵ国)以上‼️

👧なぜ稲盛和夫さんを❔

 

👨国は1つの企業のようなものだから。国民(従業員)が幸せになれば国(企業)も繁栄するでしょう。

👩そして、当たり前なこどだけど、国が全部集まったものが世界・地球だから、皆、向かう方向を1つに決めなければならない。

👨持続可能な地球へ。

 

「自分の国が国が、会社が会社が大切だ❗自分だけが勝てばいい」と思っていてはダメですよ❗

地球は世界中の国々全部で成り立っているんです。

 

国民に「愛国心」をつのらせると、

自分の国を愛するあまりに、

自分の国が大切だから、

自分の国が攻撃されるかも知れないと聞いたら、

それならこちらも応戦するしかないと思い、

戦争になってしまう。

 

いま、もう21世紀ですよ。

二度と戦争なんか野蛮なことはやめましょう。

 

 

 

 


📖『近代文明はなぜ限界なのか』稲盛和夫/梅原 猛 PHP文庫

2021-10-09 06:30:12 | 日記

 

👨👩最近、「共著」って良いな、と感じます。お互いの意見を述べ合って、語り合うことから共感や自分にはなかった概念を知り、感動することが出来るし、学びになる。

では、日本における最高の共著をお伝えします。

👧パパ、ねぇ、この本をどうやって見つけたの❔

👨ママの本を読んでいたら出会ったの。もうこれは出会いとしか言いようがない。

👩1冊、一番大事なのが見つからないから焦ったわ!

👨ごめんね、ママ。そして僕は共著の一人一人(稲盛和夫さんと梅原猛さんの著書へも移ってゆく。)

👧おかあさんはどこからこの本を❔

👩五木寛之さんと稲盛和夫さんの共著📖❇『何のために生きるのか』からよ。こちらも名著です。

 

 

 

📖❇『近代文明はなぜ限界なのか 人類を救う哲学』

稲盛和夫/海原 猛 共著 PHP文庫

2011年12月19日第1版第1刷

文庫版まえがき    稲盛和夫

人類は果たして本能や利己心に基づく近代文明を維持できるのかという危機感を抱きつつ、ともにその「処方箋」について、議論を進め、深めていった。

「特効薬」などあろうはずがない。しかし、人類が今後、欲望やエゴという悪しき心をベースに発展した近代文明に終止符を打ち、思いやり、愛、慈しみ、そして利他の心といった、善き心に基づく新しい文明を構築していくことができるなら、21世紀をそんな人類変革の世紀にしようではないか(中略)

2011年3月11日--東北地方を中心とする東日本を大地震が襲った。マグニチュード9.0という激震が巨大な津波を引き起こし、数多(あまた)の人々の命と貴重な財産を一瞬のもとに押し流した。同時に、福島第一原子力発電所の事故を誘発し、未だ原子炉安定化に向けた懸命な処理が続く。今後、冷温停止に至っても、廃炉までには30年という長い歳月を要し、今改めて原子力利用の是非が問われている。

この未曾有(みぞう)の大地震、また原発事故を通し、人類がつくりあげてきた近代文明の行く末を、改めて強く危惧することとなった。危機は去るどころか、さらにその足音を高くしつつある。今こそ、新しい文明の到来を、さらに多くの人々とともに、声を合わせ、叫ぶときであろう。

思いを同じくする梅原(猛)先生と、人類の未来について存分語り尽くした本書が、このたび文庫版として、より手に取りやすくなるという。さらに多くの読者の皆様のお手元に届くことを願ってやまない。また、我々の共著が、人類によりよき未来を招来する一助となるならば、著者の一人として望外の幸せである。

平成23(2011)年11月

 

(👨突然ですが僕の意見です。世界を操作する人々の、何が一番卑怯で愚かで軽率かといえば、それはもし地球が存続できなくなった時には、彼らは世界じゅうの全人類を捨てて、他の星に移住し自分たちだけ生き残ろう、助かろうと計画していることだと思う。世界を牽引(けんいん)する人たちがそんな考えでは絶対にダメだ。)

 

まえがき(旧版)   稲盛和夫

(中略)

「文明は必ず崩壊に向かう」--ナイル河を下るときに、頭に去来した思いを抱いたまま、エジプトからの帰国後、(梅原猛さんとの)対談に臨んだ。欲望、つまり本能や利己心に基づいた近代文明だけに、近い将来、自滅していくしかないのではないかという、絶望感にも似た思いを持ちながら、(梅原)先生とお話をすすめていった。

人類は「足るを知る」という仏陀(ぶっだ)の教えが示すように、欲望のまま生きることをやめ、地球という生命システムのなかに存在する、生きとし生けるすべてのものとの共存、共生を可能とする、節度ある生き方に還(かえ)らなければ、(人類)自身も滅亡への坂道を転がり落ちていくことになるのではないか。

🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻

否(いな)、人類はすでに滅亡への坂道を転がり始めているかもしれない。われわれ現代を生きる者は、そのような不安を感じながらも、そのことをあえて認めようとしないのではないか。

梅原先生と二人、そんな人類に向かい、たとえ小さな声であろうが、警鐘を鳴らすべきだという思いで、対談を進めたように思う。

読者のなかには、私たちが本書において、人類の将来に対し悲観的なことを述べているように思われる向きもあろう。しかし、私たちは決して悲観論者ではない。危機感を持って現実を正しく認識し、今後進むべき方向を明るく希望を抱いて考えていくべきであると思う--いわば、悲観的に考え尽くし、楽観的に対処していくべきであると考えているのである。

これまでの文明のあり方を謙虚に反省し、「足るを知る」という生き方を、今後、私たちがめざしていくならば、人類は必ずこの地球システムのなかで、これからも生存し続けることができる。そのために、まずは厳しい現実を直視するときがきたのである。

(中略)根本にあるのは、自らの欲望を満たすためには、あらゆる手段を講じ、利益の極大化に走る、現代の資本主義の暴走であろう。そうであれば、この金融危機は、天がわれわれ人類に警鐘を鳴らしているものと理解すべきである。

人類は今後、欲望やエゴに根ざした経済成長ではなく、思いやり、愛、慈(いつく)しみ、そして利他の心をベースとして、いかに地球上で共生していくかということについて、真剣に問うていかねばならない。

欲望やエゴという悪しき心をベースに発展した文明に終止符を打ち、善(よ)思いやり、愛、慈しみ、そして利他の心をベースにした、善き心に基づく新たな文明を構築していく--21世紀を、人類がその活動の動機を、欲望から利他に変革することができた、歴史的な世紀にしようではないか。

本書を通じ、一人でも多くの読者の方に、このことに共感していただけることを祈り、まえがきとしたい。

平成20年(2008)年11月   稲盛和夫

 

第一章 文明の崩壊が始まった

(中略)いつか地球規模の文明の崩壊が始まるかもしれません。

このような問題には、必ず大きな臨界点が存在します。ある時点までは静かに変化していますが、臨界点を過ぎたら急激に問題が噴出するというものです。だからこそ、いま、ほんとうに人類のあり方を考えなければならないのではないでしょうか。(稲盛)

(中略)

とはいえ、500年後には誰も生きていないから、そのころの地球のことを考え、現在の自らの生活を変えるのは難しいのです。一般論としては、地球環境が大事といいながら、自分の生活は変えたくないから、抜本的な策を出さない国が多いのが現状です。(梅原)

(中略)

人類の生存という視点で考えれば、いま根本的な対策を打たないと、ある限界を超えたとき一挙に文明が崩壊します。それが100年先か500年先かわかりませんが、近い将来であることは間違いありません。(梅原)

私は500年(先)といった悠長な話ではないと考えています。(稲盛)

(中略)

いまこそわれわれは、「人類に明日はあるのか」という観点から、環境や資源、そして核兵器、民族紛争、宗教戦争といった問題を解決する方法を真剣に検討しなければならないと思うのです。(稲盛)

🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴

人類が危機から脱出するには、文明を根本から変えていかなければなりません。それにほ近代文明を批判するだけではダメで、「人類とは何か」「人類はどんな文明をつくってきたか」といった根本原理に遡(さかのぼ)る必要があると思います。(梅原)

近代になって、人間はあふれるような好奇心をもとに英知を活かし、科学技術を進歩させてきました。その近代文明の発展は、自然でなく人間主体で、自然とは人間がその英知のままに、思いのままに利用するものと考えられてきました。

 

第二章 アメリカ文明は正しいのか

アメリカによる「押しつけの善」--稲盛

第一章では、人類文明の危機的状況について言及し、その主因たる近代文明の問題点について、梅原先生と議論させていただきました。この(第二)章では、それを受けて近代文明の「寵児(ちょうじ)」ともいえるアメリカについて、掘り下げて考えていきたいと思います。

私が始めてアメリカについて意識したのは、敗戦後、進駐軍によって、アメリカの価値観や文化が大量に日本にもたらされたときです。戦前・戦中と軍国少年であった私は、いわゆる国粋主義的な教育を受け、その価値観のもとで育ちました。そこへアメリカの「自由」と「民主主義」という新しい価値観が入ってきた。それに衝撃を受けると同時に、なんとすばらしい価値観、システムか!」と手放しで喜びました。

それから60年以上が過ぎ、私のアメリカに対する見方は、かなり変わってきました。現在のアメリカは、まぎれもなく超大国で世界のリーダーですが、その地位を利用して、「自由」と「民主主義」という価値観や社会システムを世界中の国々にごり押ししようとしているようにみえます。そして、逆らう国に対しては、ときに軍事力も交えた制裁を行う。それが、彼らの政治体制は「間違い」を理解させ、改革させることであり、善であると考えている。いわば、「押しつけの善」ともいえる価値観が動いているのです。

いま、アメリカでは、そのような独善的な考え方が強くなりすぎている気がします。従来はもっと自由で、「右から左まで」多様な意見が存在する、寛容な社会でした。また、健全な理想主義が息づいている社会でした。それが「国家」という意識が先鋭的に固まってしまい、「国益」という視点ばかりが重視される社会になっているのではないでしょうか。

そして、アメリカの国益を損なう勢力に対しては、経済、軍事、外交面であらゆる力を傾注してでも排除しようとする。このことが世界をたいへんな不安と混乱に陥れているように思います。その典型が中近東の現状であり、南米の発展途上国の現状です。

なぜ、このように私が考え始めたか?それは、ヨーロッパの先進諸国で、一時期グローバリズムに反対する動きが起こったことがきっかけでした。国際会議が行われるたびに、デモが繰り広げられていた。最初は何に対して彼らが抗議しているのかわかりませんでした。ところが、やがて、「民族や文化の違う人たちに、アメリカの価値観が押しつけられようとしている」ことに反対しているとわかった。彼らはそれこそがグローバリズムの負の側面である、と訴えていたのです。 それを聞いて、目を開かれる思いがしました。

私はそれまで、アメリカとはたいへんすばらしい国で、「世界のために善をおこなっている」と信じていました。その考えに少し疑問を抱くようになったのです。私が変質したのか、アメリカが変質したのか、よくわかりません。ただ、世界が平和で、人類は仲よく助け合ってともに生きていくべきだという視点から見た場合、いまのアメリカのありようは、何かおかしいと感じています。

 

「自由」と「民主主義」はただの看板--梅原

私は稲盛さんより7つ歳上です。だから、敗戦を迎えた時期もズレていて、稲盛さんが中学1年だったのに対し、私は京都大学の1回生でした。京大の入学式を終えて愛知県知多郡の内海町にある家に帰ると、赤紙(召集令状)がきていました。戦時中、すでに青年期に入っており、そして終戦のときは熊本の田舎にいました。旧制高等学校の自由主義的思想に影響され、日本の軍国主義や戦争の動向に対して懐疑的だった。「この戦争のために、どれだけ多くの日本人が死なねばならないのか」「自分自身も、そのうち兵隊に取られ、死ぬのだ」といった思いを抱いて暮らしていました。

戦争が終わったとき、多くの日本人は日本の敗戦にショックを受けましたが、私はむしろ「これで命が助かった」という実感のほうが強かった。一方で、アメリカの押しつける民主主義に対しても、たいへん懐疑的でした。戦後しばらくは、基本的に政治には無関心を貫き、ニヒリズム(虚無主義)の姿勢を生きていたのです。

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アメリカという国は、いわば近代ヨーロッパ思想の忠実な継承者です。近代を生み出したヨーロッパ人は、昨今すでにその基盤をなす思想に懐疑的になっています。その結果、環境問題などに熱心に取り組んでいる。ところが、アメリカ人の多くはいまだ、近代思想は絶対的に正しいと信じ続けている。ここに大きな問題があります。

第一章でも触れましたが、近代思想の特徴としては、第1に、科学についての信仰があります。自然を人間の奴隷のようにコントロールし、それによって人間生活を限りなく豊かにしようとする。これがアメリカ人の価値観の根本を成しているといえるでしょう。アメリカが発祥の地であるプラグマティズム(実用主義)という思想も、結局は科学技術に対する楽観的信頼からきていると思います。

第2は、稲盛さんもおっしゃった「自由」と「民主主義」です。民主主義の思想のもと、選挙で選ばれた議員が国家を運営するのがいちばんよいと考える。

この2つの根本理念をどう捉(とら)えればよいか。私は「科学と技術によって人間生活は限りなく豊かになる」という思想について、昔から懐疑的でした。歴史とは一方向に向かって直線的に発展するものではありません。そう考えたとき、「限りなく」というような一方的な発展は、いずれ頓挫(とんざ)せざるをえないと思ったのです。

当時、「進歩」や「革新」という言葉は、すべて善であると考えられていました。私はこれについても懐疑的で、だからソ連が崩壊したとき、一つの進歩主義の終わりであると理解しました。そして同時に、やがてもう一つの進歩主義に基づく文明、すなわち資本主義は無限に発展するとする確信の上に立つアメリカ的文明も崩壊するであろうと予言しました。その予言は多くの人を驚かし、共産党の人たちから、反動思想家である梅原もよいことをいうとほめられました(笑)。

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さらに、第2の「自由」や「民主主義」についてですが、アメリカは表面上、自由・民主主義が正しく、独裁・専制国家は悪であるといっています。しかし実際は、アメリカの国益を守ることこそがもっとも大事なのであって、そのために裏面では、アメリカの敵を潰(つぶ)すために、独裁・専制国家への支援をも行ってきた。まったくの「二重人格ぶり」を感じます。そして昨今、苦しくなればなるほど、民主主義の思想がただの看板で、実際には国家主義的な色彩が強い、ということを露呈させています。

私は2003年にイラク戦争が起きたとき、「この戦争はイラクのためではなくアメリカのためによくない」とコメントしました。ローマ帝国がなぜ滅亡したか。それはとてつもなく遠方へ兵隊を送ったからです。経済的負担が多大なうえ、兵隊たちの士気も上がりません。これこそがローマ帝国滅亡のきっかけです。そう考えると、アメリカも、地球の裏側のイラクへ兵隊を送るべきではない。いくら便利な世の中でも、宗教も風土もまったく異なる社会に兵隊を出すのは、たいへんなことです。結局はローマ帝国同様、イラク戦争が滅亡のきっかけになるのではないかと考えたのです。

だから私は当時、「9.11テロはたしかにひどい話だが、いまはじっと耐えて、政策を見直すべきだ」「融和的な態度を取れば、アメリカは滅亡に向かわずにすむだろう」と発言しました。さらに「ブッシュ大統領によるイラク攻撃の背景に、石油を支配したいとか、湾岸戦争によって父ブッシュが再選を果たせなかったことへの恨みといった私的な動機があるなら、ますますこれは成功しない」ともいいました。私にしては珍しい政治的発言ですが、これは当たっていた気がします。

ですからアメリカはいま、たいへんなときを迎えていると思います。大統領は、パラク・オバマ氏に決まりましたが、約20年前に黒人の大統領が生まれるなど、世界中の誰が考えたでしょう。「このままではアメリカは衰退していく」というのが、アメリカ国民の世論という気がします。アメリカは、本格的な変革、路線変更が求められる時期にきているのです。これまでの「科学信仰」「自由と民主主義」「国家主義」をいかに考えるかという、非常に厳しい問いに迫られているのです。(梅原)

 

倫理観なき金融工学がもたらす災い--稲盛

(中略)

核爆弾の保有についても同様です。人類を滅亡に追い込みかねないから、核の拡散を阻止すべきであるといいつつ、「すでに(核を)保有しているわれわれは(核を)廃棄しない」と、矛盾した論理を通そうとする(アメリカ)。最大の矛盾は、「戦術核」という小さな核爆弾をつくり、局地戦ならば使えるようにしようと提言していることです。すでに存在する核爆弾をつくる、それでいて核の不拡散を説くことは、明らかに理屈が合いません。ところが、アメリカの国家主義という視点から見ると、それが矛盾ではなく、正義にすり変わってしまうのです。

私は、哲学者をはじめ世界の有識者の方々に「国家とは何か」について、一度議論してもらいたいと思っています。

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「はたして国家とは、すべての犠牲を払っても守る存在なのか❔」。

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「国家の存在こそが、紛争を引き起こしてはいないか❔」。

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このような根本的なテーマを議論していただき、それを論拠として、アメリカをはじめ、すべての国々に、国家主義的な考え方に対する警鐘を鳴らしてもらうのです。

 

また、先にもお話したように、人類は「進歩」という妄信のもと、科学技術をとどまることなく発展させてきました。それが核爆弾につながり、最近では「遺伝子組み換え」を可能にし、クローンベビーさえ技術的につくりだせるというところまできています。

こうした分野に特に強いのもアメリカです。

(中略)

気掛かりなのはアメリカ人が、モノづくりから手を引き始めたことです。汗水たらし苦労して製品をつくりあげ、経済発展をはかるのはバカバカしい」と、中⚫や東南アジア、旧欧米諸国などの勤勉な国の人たちにモノづくりをまかせ、自分たちは設計や販売だけを担当しようとしている。その一方、「カネを動かしてカネを儲けるのがいちばん」とばかりに、金融工学というジャンルを生み出し、すぐれた数学者たちを使い、高度な金融技術を発展させていった。金、石油、小豆、トウモロコシなどのコモディティ(商品先物取引(さきものとりひき))や株をもとに金融派生商品をつくり、それを運用して、汗をかかずに次々と大金を稼ぐ。それによって世界一の経済大国の地位を維持しようとしている。これもまた、たいへん危険なものを感じます。

現在(2008年夏)、ニューヨーク市場における原油価格が高騰を続けています。

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これは産油国が減産をしたり、需要が多すぎるところに主因があるわけではありません。投機のカネが商品市場に膨大に入ってきたのが大きな原因です。価格が上がれば儲かる。儲かるから、またカネをつぎ込む。それが繰り返され、原油価格を高騰させているのです。

この原油価格の高騰が世界をたいへん苦しめているのに、投資家は逆に、自分たちが儲けるために、値段をできるだけ吊り上げようとしている。これに味を占めた人たちは、今度はシカゴの穀物取引の先物市場に殺到した。その結果、もともと食糧不足にあえぐ途上国:は、いまや餓死者が多数出るほど、厳しい状況に陥っています。アメリカの資本主義は、もはや「倫理観など皆無」という状況まできているように思えてなりません。

このまま行けば、国際的にも大問題を惹起(じゃっき)するでしょう金融工学技術の進歩により、リスクを回避しながらファンド資金を運用できるようになったことを、みなすばらしい進歩だと捉(とら)えていますが、このような歪(いびつ)な経済活動が、はたしてどこまで続くのか、ほんとうに人類を幸せにするのか。それが災いをもたらす危険性はないのか。これらの点について、あらためて考えてみる必要があるのではないでしょうか。(稲盛)

(中略)

 

これまで超大国アメリカの誇りを支えてきたのは、体面上は「自由」と「民主主義」ですが、実際は「世界一の軍事力」と「世界一の経済力」でしょう。(梅原)↙️

(👨それならアメリカは中⚫と何も変わらないじゃないか‼️アメリカは中⚫と同じじゃないか‼️)

↘️⇒その象徴の一つが核爆弾ですが、これはもはやアメリカの強さを示すものではなくなりました。

かつて核爆弾は、軍事力において決定的な力を持っていました。とはいえ、実際に使用すれば、何百万、何千万の人を殺してしまう。へたをすれば、人類そのものを滅ぼす力があります。そんなものを実際に使うはのは、まず無理です。そこでアメリカは「戦術核」という小型の核爆弾をつくったということですが、これも同じことの繰り返しでしょう。アメリカが小型の核爆弾を開発すれば、アメリカに敵対する国も、あるいはテロリストも、小型の核爆弾を保有するようになります。アメリカが小型の核爆弾を落とせば、今度はやられた国やテロリストが報復措置を取る。結局、何百万の人を殺す大型の核爆弾と同じで、使うことは難しいのです。

特に現代では、核爆弾を使えば、その悲惨さが世界中に瞬時に映像で流れます。当然、世界中の人々の批判を受けますから、ますます使うことはできない。そう考えると、アメリカの軍事力の優位さは、非常に危ういものなのです。

 

 

 

 

 

(👧パパ!

👨はい。

👧世界はここまでひどくなってしまった。だから「しかたない」「こうするしかない」とあきらめてしまうけれども、ほんとうにあきらめてしまって良いのかな❔❔よくすることは無理だとあきらめて、現状維持でもうそれ以上考えることをやめる❔❔

👨現状維持なんてない。もっとひどくなっていく。考えることをやめちゃダメ。

👧なんか最近は、何をしても一瞬しか楽しめない。

👩往年の名画🎥『風と共に去りぬ』を観ても、もう以前のように楽しめない。

👧おかあさんもそうなんだ。

👩スカーレットやレット・バトラー(アメリカ人)の生涯(何をしたか)よりも南北戦争の黒人の皆さんのほうに気が行く。

西部劇を観ても、もう今は、迫害されたインディアンの皆さんのほうに気が行く。

今までスカーレット・オハラが、双子のハンサム青年に両手に華で取り囲まれている画面で着ていた白地に緑色の可憐なドレスにばかり気が行っていた自分だが、今はもう色々な歴史を学んだため視点が変わり、今の自分はもう、過去の表面的な考え方の自分ではない。

👨Tomorrow Is Another Day.

だから明日を変えていこう!

👩このタイトルは間違っていない。

👧私も、ものを見る視点が変わってきた。

👨多方面、多方向、いろんな違う側面からものを見ることの大切さを最終的に、哲学者の梅原 猛さんと、京セラの社長さんの稲盛和夫さんが教えてくれた。

稲盛和夫さんの著者に有名な📖『心』📖『生き方』📖『考え方』という3冊の本がある。

📖『心』❇物事の判断基準は、❌損得ではなく、⭕善悪。善悪の判断をする。

📖『考え方』❇まず道徳を重んじる。リーダーとは、自分を横に置いて物事を判断できる「無私」の人。

すべて「他に善かれ」と考える。

これらの著書を読むと、今の世界のやり方・世界が向かっている方角がまったく間違っていることがわかった。

でもまだ日本の大型書店には、この3冊は書店の中の目につく場所にしっかりと置かれ、燦然と光り輝いていた。

👧よかった!

👩日本はまだ捨てたもんじゃなかった。

👴ちなみに、中⚫には、稲盛和夫さんや梅原猛さんの著書は絶対にあり得ないし、国家が読ませない。国家が国民に絶対に読ませたくない。

👨国民が善悪をきちんと学べないのは、ほんとうに国家のリーダーたちの責任だなあ。悪いなあ。

👴結局、

❇「物事の判断基準を自分の損得でなく善悪で判断できる」

❇「まず道徳を重んじる」

❇「無私となり、他に善いことをする」

と学んでいて、それが実行できる若い世代が国を治め、大企業の社長となることだ。

👩その日まで世界は待てるかな❔❔

👧勉強して絶対になります!

👴👨👩老人の知恵と若い世代の知りたい気持ちと答えを探す努力が必要だ。そして自分でなく他のために。

がんばれ✊

どんなにお金を儲けても、そのお金を使って贅沢をすることさえままならない大惨事の世界になってしまう前に。

一刻も無駄に出来ない。

👩アップしてください。

 

👨📖『生き方』

❇「能力は私物ではなく、天からの借り物である」。だから他のために使う。(👧納得。)

❇「人間には、こうありたいと思うことを現実にする力が備わっている」。

❇だから、「善いことを思い、正しく生きる」。

❇人間とは、「人格を形成するために働く」。)

 

 

 

 

 

 

 


📖絵本『あなたがもし奴隷だったら…』

2021-10-01 15:44:29 | 日記

 

 

 

📖『あなたがもし奴隷だったら…』

ジュリアス・レスター 文

片岡しのぶ 訳

ロッド・ブラウン 絵

(あすなろ書房)

1999年2月発行

 

 

感想レビュー

~想像することの大切さ~

 

私たちは、歴史上のいろいろな事実を知識として持っていますが、

その一つひとつの出来事について、

一体どれほど想像することができるでしょうか。

また、一体どれほど想像したことがあるでしょう。

 

頭の中に「ドレイボウエキ(奴隷貿易)」という用語は浮かんでも、

実際どれだけ当事者たちが苦しい思いをしたか、

考えてみもせず、想像できないままなら、

それは学んでいないに等しいのではないでしょうか。

 

この本は、奴隷制度の悲惨さを伝えるだけでなく、

私たちがどう、歴史に向き合うべきかを教えてくれます。

また、一人の人間としての自分を見つめなおし、

他人とどう向き合っていくべきか、考えるきっかけを与えてくれます。

                 

想像することができたとき、人は他人に対してもっとやさしくなれると思いました。

 

この本は、子どもだけではなく、

中高校生や大学生、大人にも読んでもらいたいすばらしい本だと思います。

2005/07/07

 

 

 

~誰でも奴隷になり、奴隷の主人になる可能性がある~

 

アフリカから奴隷として黒人がアメリカ大陸に連れてこられた。

どのように船で運ばれ、売られ、働かされたか。彼らの生活はどのようだったのか。それらを迫力のある絵と、魂に響く文章で表現した絵本。

絵本、というメディアの可能性に敬意を払い、多くの人に、特に若い世代に歴史の事実、人間の愚かさ、自分自身もこのような酷い状況になりうる可能性を訴えた作品。1998年、アメリカで発行されたが、この本は時代を越えて人に請求力を持ち続ける力がある。

 

人間がどこまでも残酷になり、愚かになり、自分勝手になれるかを、この絵本で知ることができる。これは、重い作品だから、読み進めるのも、絵だけを見続けるのも苦しい。しかし、直視しなければならない事実があったことを教えてくれる貴重な本だ。

 

NHKカルチャーラジオ(芸術)の放送で、ゴスペルシンガーの人が紹介してくださった絵本。これを子どもたちに教えた時、彼らは現実のものとして理解できなかった、という。

絵本だから作り物だと思った、自分たちと違う国や人種・外見だから関係ないと思った、歴史の理解が足らなかったから話の内容が理解できなかった…など、いろいろな理由で子どもたちは理解できなかったのかもしれない。

 しかし、現在も残る人種差別や、人権問題を直視して欲しい。

日本では黒人や奴隷貿易というとあまりピンとこないかもしれないが、いじめや大勢の人と違った個性を持つ人を排除するなどの人権侵害は多々発生している。

 

 この話は、自分も人間である以上、このように愚かで残酷なことをする側になる可能性もあり、また虐待される側に回る可能性もあるのだ、と訴え続けている。

とても真摯な態度で、控えめな表現ではあるが、直視し続けるのが難しい厳しさを感じた。

 辛い話だが、勇気をもってページをめくって欲しい。

2019/11/03

 

 

 

結構、辛い作業です。

10歳の息子と読みました。

 

一般的な絵本のように、読んで、理解する。

だけではなく、

どのページからも常に問いかけられるため、

常に、頭の中で想像して、そして、考えなければならない。

 

奴隷だったら

奴隷船の中はどんなだったか

家族が離ればなれになったら

 

を考えるのは、結構、辛い作業です。

 

そして、ムチを打たれるのではなくて、

ムチを打つ側だったら・・・。

 

昔は黒人が奴隷として連れ去られた、と文字で理解するだけではなく、実際に頭の中で想像して、

そして身震いしてみる。

とっても辛い絵本でしたが、よく考えて作られた絵本だと思います。

これは子どもだけでなく大人にも、

そして全世界の人たちに読んでほしい一冊です。

2017/06/13

 

 

 

衝撃です。本当に人として扱われてない!

これは絵本です。絵本としてまとめれられた「アフリカ系アメリカ人たちの記録書」でした。

歴史の中で、当時のヨーロッパの人々がアフリカ大陸に住んでいた人たちを売買し、新世界アメリカへ“奴隷”として連れてきたことは知っていました。でも、それはただの知識でした。

当時3か月かけて船で運ばれたそうです。

時代的にそこまでは仕方のないこどだと想像できます。

けれども、その時の運び方は知りませんでした。

絵を見ると、人に対してこんなことしていいの?良心は咎めなかったの?と、聞きたくなります。

この絵本を手にした人は、P6・P7を見てください!

この本の中で一番衝撃的な絵でした。これではまるで養鶏場です。

(って、養鶏場も、よく考えると鶏たちにとって、とてもひどい状態…ということですよね……)

3か月もこんな状態なんて、本当にあり得ない!って、思います。

 

アメリカの奴隷制度のこと、南北戦争のこと、黒人解放運動(公民権運動 含む)のことなど、

今年の高校生向け課題図書『ハーレムの闘う本屋 :ルイス・ミショーの生涯 (あすなろ書房)』を読んでから、いろいろな関連本も読みたくなりました。

もしも、2016年度の課題図書でこの『ハーレムの闘う本屋 :ルイス・ミショーの生涯 (あすなろ書房)』を選んだ子どもたちがいたら、ぜひ、本書も読んでください。

ルイス・ミショーがやっていた本屋のこと、ニューヨークにあるハーレムのこと「黒人解放運動」の根底にあるものが見えてくるのではないでしょうか?

 

私はこの本に出会えて、本当に人間として勉強になりました。

2016/06/08

 

 

 

~見ながら語り合いたい絵本~

インパクトのある絵。悲惨な現実。突きつけられる責任。読んでいて息苦しくなってくるような重い本です。

 

たぶんすんなりとは伝わらないと思いながら、小学5年生のやんちゃな男の子たちに読んで聞かせました。案の定、リアルな絵や奴隷たちの裸に大笑いしながら見ていましたが、それを咎めることもなく、ゆっくりページをめくっていきました。

 

長いので全文は読まず、わかりにくいところは補足し、絵を見せること、ゆっくり想像させることに重点を置いて、見せていくと、少しずつ子供たちの表情が変わっていきました。

 

どこまで伝わったかはわかりません。できれば、一人二人を相手にもっとじっくり絵を見ながら語り合いたい。高学年から中学生のお子さんとはぜひ一緒にページをめくって欲しい絵本です。

2009/01/19

 

 

 

~知るべきこと・・・~

重い、重い内容です。

先日、図書館で何気なく手にとってみた本です。

アフリカ人たちがいかにして奴隷にされていったか・・・

そして今なお続く人種差別。

あなたがもし奴隷だったら・・・

残念ながら平和な日本に住んでいるので想像がつきません。

でもどこの世界でも大なり小なり差別はあります。

自分の身の周りが幸せであればあるほど、知るべきではないかと思います。

こういう時代があったこと、そして現在があること・・・。

差別は社会が起こすものではなく、一人一人の気持ちの中にあるということ。

子供たちにぜひ読んで欲しい絵本です。

2008/01/12

 

 

 

~想像してみて・・・~

恥ずかしながら、奴隷制度については映画を通して観た

映像だけが私の知識。

今までは、目をそらせてきてました。

 

船の中で鎖につながれた人々の気持ち、

馬に引きずられ傷を負った、体中を鞭で打たれた人々を。

想像すると恐ろしく、動けなくなってしまいます。

 

文中にも、“想像する練習”がたくさん出てきますが

想像できてはじめて人々の痛みを感じることができ、

自分の立場に置き換えて考えることができるのではないでしょうか?

 

後世へこの歴史上の過ちをしっかり伝えるには

私たちがもっと、しっかり事実に目を向けて想像し、

考えながら伝えないといけませんね。

 

子どもたちがもうすこし大きくなったら一緒に

読み進めていきたい。

2007/05/01

 

 

 

絵本だけど、身につまされます。

おもしろい絵本ないかな~と図書館を気軽に探しているときに、この絵本に出合いました。

衝撃的なタイトル。「え?見間違えた?」と一瞬思うくらいでした。

内容は非常につらく、人間としてこんな事があったと言う事実を受け入れたくないようなものでした。

こんな悲しい事はもう二度とあってはいけません。そして、日常生活の中でも,些細な事で人を見下したり,差別したり,のけものにしたり…そんな事してはいけない!と大人ながら気をひきしめて考えされられた絵本でした。

2007/04/18

 

 

 

~目をそらさずに、読んで欲しい~ 

ワタクシは、映画等でしか、奴隷制度のお話は知らない世代です。

ですが、アメリカでは、奴隷制度を始め、南北戦争や民族等の歴史の傷跡。世界的には、今も絶える事のない戦争問題を目をそむけずに大人が子どもに語り続け、歴史から学ぶ過ちを決して繰り返す事のないよう、考え続けなくてはいけないと思っております。

人が人を、動植物のように扱った愚かさに深い悲しみでいっぱいになります。

この作品の中で描かれている奴隷と呼ばれた人々とその血を引き継ぐ、子孫にとっては、決して癒える事のない深く悲しい傷であり、記憶は薄れても消える事の無い魂の怒り!であり続ける事でしょう。

この時代に生き、奴隷として扱われた人の中にも、逃げ切り生き長らえる事が出来た人もいたことでしょうが、人目を逃れ、働く場所や住む場所も、容易く見つけられたはずもなく・・・・・・胸が張り裂けそうな気持ちになりました。

ワタクシたち日本人にとっても、戦争で捕虜となった人や口減らしの為に奉公に出された人、民族のお話からも、大人は、目をそらさずに、読んで頂きたい作品だと思いました。

2006/06/26

 

 

 

~人を思いやるココロ~

 この本をソファーに座って読んでいたら、息子が寄ってきた。「どんなお話?」と聞かれて、ちょっと説明できなかった。小学校にあがったら、自分で読みな、といっておいた。

 難しいかもね。子供には。大人にだって難しい。自分の身を奴隷に置き換えて想像れば、なぜこんな理不尽なことを、と誰もが怒り感じるだろう。しかし、これは人類が現実に犯してしまった過ちだとおもうと、そのほうが怖くなる。

 🌕奴隷の制度があった時代でさえ、一人一人が冷静に判断することができれば、おかしいことに気づくはず。だけど、それを麻痺させてしまう、集団としての結論というか、誤った常識というか、そういうものが存在することが怖い。

 🌕現代のいじめなんかも、それに通じるものがある。みんながやっているから、それは本当に正しいのか?立場を変えてみると?

 🌕この本が投げかけているテーマ、人を思いやるココロをもてば、現代社会の抱える悩み、差別や孤独やいじめや、そういったものの解決にもつながるかも?

2004/10/24

 

 

 

🌕~自分のことに置き換えて真剣に考えよう~

ロッド・ブラウンの描く絵は、実に写実的で見事である。それだけに、この奴隷の歴史の現実が、リアルに伝わってきて、胸が苦しくなってしまうのである。

かつてアフリカからアメリカへ何百万ものアフリカ人が船に乗って運ばれました。過酷な船の中の状況に絶えて・・・。しかし、実は、途中で何百万人もが海に投げ捨てられて死んでいったのです。そしてアメリカに着いた者は、人間なのに物のごとく売り買いされ、働かされたのです。

かつて、アメリカのテレビドラマ「ルーツ」(黒人奴隷の何代にも渡るルーツのお話)を見た時以来の衝撃を受けました。

そう、私には、すでにわかっていた事実なのですが、この深く悲しい歴史に、改めて愕然としたのです。

(👩わたしも📺『ROOTS(ルーツ)』、全部の回を観ました。)

もし、自分が奴隷だったなら・・・真剣に考えると、本当にぞっとしてしまいます。自分なら、アメリカまで身がもたずに、きっと海に捨てられてしまったかもしれません。

こんな非人間的なことは、二度とあってはならないのです。しかし、人身売買は、現代においても世界のどこかで行われている現実があります。人事だと、考えがちですが、もしも自分の身におきたら・・・。

ちょっと難しいので、小学生中学年以上でしょうか。

2004/09/23

 

 

 

👧現在の黒人のみなさんの祖先は、このような扱いを受けてアフリカから拉致されてきた。

👩いまだに黒人問題があり、黒人を嫌う人がいる。アメリカで働かせようとして、アフリカ人を奴隷船にくくりつけて連れてきたのはあなたたちの祖先なのに。人を人と思わず、人間として扱わずに。

👨でもいまはもう黒人は解放され、人間から人間への残虐な行為は終わったと思っていた。

👴ナチスドイツのホロコーストにしても、人間はこんなに人を殺して、ああ、いけなかったな、と反省して学んだものだと思っていた。なのに、中●共産党のウイグル、チベット、南モンゴル、香港、台湾への弾圧だ。

ナチスドイツのホロコーストを真似た残虐行為が、民族浄化が現在進行形でいまだに行われている。

負けた国の男性を全部殺して、負けた国の残した女性を勝った国の男たちと交配させる卑劣なやり方は、戦争に勝つと かつてはどの国もやっていた。

欧米諸国は昔その蛮行をやってしまったが、21世紀のいまはもうやらない。レイプも国を上げて、国の命令ではもうやっていない。それは🎥📖『風と共に去りぬ』の南北戦争の時代のことだ。

 

ところが、中●共産党と習●平らは、この21世紀に、人種差別、人種差別するがうえの民族浄化、レイプなどを国をあげて、政府が命令して自国民に他民族に対して堂々と行っている。

 

いったいわたしたちは、そのことに対して何という言葉で怒りを伝えれば全世界に理解してもらえるのか⁉️

 

人種差別、人種差別するがうえの民族浄化、レイプなどを絶対にしてはならない(これはすべての人種差別に共通することである。)のだが、なぜしてしまうのか⁉️が知りたい。

 

 

A国がB国を占領した。

A国民のA君が、A国の王様に、

「となりの国は占領したので俺の物だから、となりの国の、C氏という旦那さんがいるB子さんをレイプして良いですよ。C氏は殺すから。」

 

▼そこで、A君は「はい、ありがとうございます❗B子さん、綺麗だし、自分は嬉しいです。」と言ったとする。

👨おいおい、そこで喜んじゃうのかよ~(怒)⁉️

「誰かに『やっていい』と言われたから」と、他人の家庭に無断で入り、あろうことか、他人の幸せを自分のものにする。それを「いけない‼️と思う心が中●人に欠けている」。

親からも国からも誰からも、人として絶対にやってはいけないことは何かを教わらなかったんだね、きっと。

命令された時に罪悪感とか拒否反応はないの❔

👴罪悪感と拒否反応が出る中●人は居るだろう。

しかし中●は表向きは共産主義。経済は民主主義の方式を少し入れている。政府に対して思考・言論で反発した者は徹底的に排除される。

さて、本来 夫の居るチベット・ウイグル人女性に漢人A君は「俺を愛せ‼️何で俺を愛せないんだ‼️」なんていう命令と質問をする。

もともと君(A君)のほうがB子さん家族にとって侵入者だろうがっ‼️

👴中●共産党政府と習●平は、そういう「あり得ない・非常識な」『家族計画』を推進・実施している。

👩そうしろと言われて「間違っている。自分の妻がレイプされたら自分は烈火の如く怒るし許さんぞ‼️まったく相手の人間の尊厳を軽視した愚かで卑怯な政策だ(怒)‼️」と思わんのかね❔❔❔

👴さっき言ったじゃろう、真実は何にも言えん国なのじゃ。

👧日本の秋葉原に電化製品を大量に買い付けに来る中●人の男性もみんな平気なのかな❔自分が不思議に思う感覚ってのは無いのかな❔❔❔

👴中●の都会人は、中●共産党政府と習●平が漢人にさせている「ウイグル人への民族浄化政策」を全く聞かされていなくて知らないのだ。(情報統制)

👨一党独裁政権下の国民って、言われるままなの❔自分の頭で それが良いか悪いか考えることを忘れたの❔考える力は(が)無いの⁉️中●人は勉強はものすごくよく出来るのに……。もしそうなら中●国民は民度が低いことになる。みんな一党独裁政権のせいかな。政府に都合の悪いことは一切国民に伝えない。

「民度が低い」とは、「人間にはもともと、上・下、偉い・偉くないなど差はない」「その人の意思に反して、その人の体に傷を付けたり、その人の心に傷を付けたり、その人のアイデンティティー・自分らしさ・尊厳を奪うことは絶対に許されない」ことを知らないことを、「民度が低い」というのだと思う。

「自分の物は自分の物。勝てば官軍。他人の物も自分の物」「人間も戦利品と考えるから人間を物のように扱う」なども21世紀に生きる僕たちから見れば最低に民度が低い国と国民ということになります。

そして、長い独裁政権下で暮らしたせいで、「誰かが右と言えば右。左と言えば左に傾き、傾いた理由も知らない。」つまり「自分(の考え)」というものが無い」。

👩それは、何十年も前からずっと魯迅が嘆き、母国中●の国民の行く末を心配していたね。

「独裁政権下に長期間生存しているということは、

狭い、四角い、頑丈な鋼鉄でできた(外に出られない)、

真っ暗な、光の一筋も差さない暗闇のなかに居て、

四六時中、眠らされている。眠って居るんじゃないよ、眠らされている。

遠くで勇ましく「行くぞーっ‼️」という ときの声(「とっかん」)がしても、100人のなかで2、3名が 眠い目をこすりながら むくっとゆっくりと起きるくらいで、またすぐに眠りに就いてしまう……。中●は それの繰り返しだ」と。

それが100人なんてものじゃなく、14億人も居る。

中●国内から劉 暁波のように どんなに民主化を呼び掛けても、中●国民自体が民主化の意味を知らず。

👩ある意味、砂の上の楼閣じゃないか。国民と世界中に虚勢を張って、あまりにも中身が無さすぎる。

👨だから外側に居る中●人の方々が伝え教えるしかないと感じます。外側に行った人々は自分の国の様々なことがイヤで出ていったのだから。

👴いま、外側に居る中●人の方々が様々な努力をされていると存じます。

👧わたしだって中華街に中●人の友だちがいる。

中華街には中●本土が故郷の中●人と、台湾が故郷の中●人が協力しあって生きている。

それはきっと萬珍楼などの社長さんたちが、「日本のお客さんから見たら俺たちは、中国本土も台湾もない。中国の美味しい料理をお客さんに食べてもらい喜んでもらうために、みんなで力をあわせて中華街を盛り上げよう‼️」と言ったかどうかはわからないが、中華街の社長さんたちの教育のしかたが素晴らしい(上手い)と思う。中華街では中国本土も台湾も仲良く生きているじゃないか‼️

👨中●共産党は、中華街の華僑を見習うべき✨

👧中●共産党政府と習●平さん‼️あんたらが居なかったら、中●人は香港や台湾の人々を攻めたりしないんだ‼️ウイグル人やチベット人や南モンゴル人に民族浄化なんかしないんだ‼️「仲良くしよう‼️隣接する国や世界のためになりたい‼️なろう‼️」というリーダーに今すぐ代われ‼️

👨郷美‼️

 

👩わたしにだって、大好きな、中●人の胡弓奏者が居る。

CDをPRしたい💿💿💿

大好きだからおんなじCDを3枚買っちゃった✨

普段用と、壊れたとき用と、聴かないで取っとく用。

👨ママ、そんなに好きなの❗あの人のCD💿❗

👩そうなの🎵楊興新(ヤンシンシン)さんの💿『黄砂』というCD。

黄砂、だから黄色CD。

天井からたくさんの黄色い反物(布地)を垂らした真っ白い舞台で、ヤンシンシンさんが白い立方体の箱に坐って、胡弓を弾くポーズをとりながら こちらを見ているアルバム・ジャケット。

 

いま、わたしはたまたまハンドバッグの中にこの『黄砂』のCDを持っているので、ライナー・ノーツをご紹介します。

 

 

楊興新さんからのメッセージ

 

このアルバムから音が流れ出し、皆さんのお耳に達する瞬間が、

私の一生のなかで いちばん幸せな時と言っていいかもしれません。

収録した曲は、どなたにも聴いてわかりやすく、イメージしやすいものを選びました。

私の胡弓に色を添えてくれたのは、日本の一流のミュージシャンと、日本で活躍ちゅうの中国の仲間でした。彼等と共に新しい胡弓のイメージが創り上げられたことを嬉しく思います。

これからも胡弓1500年来の伝統や歴史にとらわれず、未来に向かって 今、この瞬間が、私の新たな出発点です。

 

胡弓演奏家・作曲家    楊興新(ヤンシンシン)のプロフィール

中●で

🔷父の冤罪

1955年9月28日、中●北東部遼寧省の丹東に生れた。2歳の時、父が、反革命分子のレッテルを貼られて、無実の罪で投獄された。彼は父の顔の記憶もないまま、24年間父不在の生活を送った。

🔷胡弓との出合い

6歳の時、長兄・楊興林の弾く胡弓の〈競馬〉に感動した彼は、兄の留守中、無断で胡弓に触れて弓を滑らせてみた。自分が出した音に、体の震えが止まらない程の愛着を覚え、以後30数年、片時も胡弓を身辺から手放したことがない。

🔷天才少年

長兄から胡弓の手ほどきを受け、自己流ながら、相当の腕前になったが、もっと技を磨きたいと、当時の胡弓演奏家の第一人者、陳景勝先生に師事、めきめき腕を上げ、11歳でソリストとしてデビューし、各地の演奏会で絶讚された。その後、偉大な中国の芸術家、○修文先生の紹介で、当時、神様のように崇(あが)められていた○明源、王国○、陳耀星の各氏に師事し、より一層磨きをかけ、一躍脚光を浴びた。

🔷文化大革命

しかし、文革中は、父の罪のあおりを受け、艱難辛苦(かんなんしんく)を余儀なくされ、胡弓演奏活動からはシャットアウト、ついには農村へ追放されてしまう。10年後、文革が終了し、まもなく父も無実を証明され、名誉回復がなり帰宅した。心も晴れ晴れとした彼は、演奏活動を再開でき、更に、政治審査で不許可続きだった大学入学も、すんなりと許可され、念願の大学生となる。

🔷賞・賞・賞

中●国立○○音楽大学に入学し、10年の遅れを取り戻すべく、ソリストとしての技術向上に励み、作曲法を学び、貪欲(どんよく)に吸収した。そして、民族音楽の道一筋に〈創新・感動〉を求めて、全精根(せいこん)を傾け演奏・作曲活動を続けた。その結果、中●で高い評価を得、中●国家大賞、○○省音楽年賞、音楽家協会金賞等々、次々に賞を獲得した。

🔷胡弓改良

胡弓は元来ニ弦で、弓を弦の間に通すものだった。何とかして和音を出してみたいと考えた彼(楊興新)は、三弦にして、弓を解放した。自らの改良創作した"三弦板胡"での独奏は、中●全土を驚かせ、胡弓の発展に歴史的貢献をした。

🔷落胆

時代が変り、中●の改革解放政策で経済活動が活発になると、所属の楽団も"聴かせる音楽より売れる音楽"に終始するようになり、彼の理想とは大きなズレが生じた。将来を暗中模索(あんちゅうもさく)する彼を、見るに見かねた恩師が、「ここで鬱々(うつうつ)しているより、一度蘇とへ出て、気分転換した上で考えてみたらどうだ。日本へ行ってみないか。君ならどこでも通用するよ」と助言してくれた。

日本で

🔷結婚・妻倒れる

1088年5月28日、ふらりと日本へ来た彼は、思いのほか早く日本に好感を持った。一年後、日本女性房子と出会い1989年7月7日結婚、胡弓を忘れる程幸せな日々を過した。しかし、思いがけず、その三年後、彼女がクモ膜下出血で倒れた。一命はとりとめたが以後不自由な身になり、治療、リハビリ、介護の必要な日々が続く。

🔷演奏活動にダッシュ

妻のリハビリの日々を励ます意味で、日本での胡弓演奏を決意、本格的に活動を開始した。演奏家として長年切磋琢磨(せっさたくま)してきた高度なテクニック、作曲家としての即興的アレンジ力、不遇な時代を味わった者特有の陰影や憂(うれ)い、そして日常の苦悩…、それらが背景となって、人間的深みを増した彼が、独特のユーモアを混(まじ)えた語りで弾く胡弓は、日本人の心の琴線(きんせん)に触れ、魂を揺さぶり、魅了し、あっという間にファン層を広げて行った。定着したファンを軸に縦横にチケットが売れ、演奏会は長時間の立見を覚悟で地方から駆けつける人々が増えた。

🔷CD制作

1994年一年間の活動には目覚ましいものがあった。自主・以来を問わずコンサートを精力的にこなし、その間に来日初のCD〈草原情歌〉を自主制作販売し、ファンを大いに喜ばせた。ファンのマイカーは、誰のに乗っても彼のCDが流れていると噂される程の人気になった。

🔷自伝出版

又、ファンの一人から自伝を書くようにすすめられた時、1994年の七夕コンサートで発売したいと思ったが、ソニー・マガジンズの協力で翻訳出版できた。(7月7日)当日の会場、日比谷公会堂のロビーは、本を買求める人々が群がり大混雑した。自伝❇️📖『胡弓よ、わが思いを語れ』は、淡々と綴(つづ)られているだけに、彼(楊興新)の端正な顔立ち、いたずらっぽい大きな眼、たどたどしい日本語ながらユーモアたっぷりの舞台でのトーク…、その姿からは想像もできないい苦難の生い立ちに、ファンは感動の涙を滂沱(ぼうだ)と流しながら読んだと感想を寄せて来た。演奏を聴いた人が本を買い、本を読んだ人が演奏を聴きに来るといった相乗効果で、今も売れ続けている。

 

(👧私とおかあさんは中華街が大好き。いまどの店でも大人気の「ザーチーパイ」第1号店でザーチーパイをパクついたのも私たちは早かったね☺️

おかあさんがヤンシンシンさんの📖『胡弓よ、わが思いを語れ』を見つけたのはどこでだったっけ❔

👩それが、中華街にはクレイジーケンバンドの横山剣さんのお土産ショップがあるんだけど、そのお店でたまたま古本で見つけたの。価格は半額だったな。

👨…ということは、中華街の誰かが読んだってことで、中華街の皆さんもヤンシンシンさんの胡弓を聴いているんだな。)

 

🔷テレビ放映

1994年春から夏にかけての数ヶ月間、テレビ撮影隊の密着取材が続けられていたが、9月3日、N●K相互テレビ〈プライム11〉で、「胡弓、わが人生の調べ」として放映された。番組中の二胡の音色に感動した全国各地の人々から、励ましの電話や手紙が寄せられ、コンサートやCDの問い合わせがあり、コンサートをやっていない地方にも新たにファンが増えた。大小様々な団体やファンクラブから演奏会依頼の打診や申込みが続いている。

🔷悠久の歴史を超える

来日後の彼は、胡弓1500年来の歴史や伝統にとらわれることなく、常に改革にチャレンジして来た。1994年7月7日の七夕コンサートでは、立って弾く胡弓のスタイルを発案確立した。この器具によって、演奏しながら舞台を自由に歩き回り、いわば、これまでの「静」の世界から「動」の世界の胡弓演奏を可能にし、胡弓の歴史上、輝かしい業績を残した。この日、作曲家としての彼は、独奏曲としてはな難易度の高い〈黄砂〉を作曲し披露した。胡弓曲の芸術的価値を高め、十年一日の如く沈滞した胡弓界に新風を吹き込んだら。

🔷胡弓の真髄に迫る

希代の胡弓奏者が自ら日本に来て、日本に惚(ほ)れ、日本を愛し、日本に熱き想いいを抱いて日本に根をおろした。彼の胡弓の音色の虜(とりこ)になった人々は、国籍・有名・無名を問わない。多くの人々と胡弓を通じて交流しながら、かれは一歩一歩、常に胡弓の真髄に迫ろうとしている。その過程のコンサートで、彼は胡弓の音色を、日本の隅から隅まで、そしてアジアへ、世界へと根気よく広げ響かせていきたいと考えている。鬼才 楊興新の今後が楽しみだ。

 

 

曲目ノート

🎵草原情歌(青海民謡・楊興新 編曲)

誰の耳にも親しまれている曲。広大無限の大草原に繰り広げられる、大らかで素朴なラブソング。

楊興新のコンサートでは、幕開けの曲として人気が高く、この曲が始まると、会場はシーンとして、早くも涙を浮かべる人が多い。時には俗歌と正調を弾き分けている。(楽器:二胡)

 

🎵正調・五木の子守唄(熊本県民謡 )

日本へ来て、沢山の民謡を聴いた彼は、特に五木の子守唄の哀調に惹(ひ)かれていた。1994年の夏休みに九州へ旅行をした時、五木村へ足を伸ばした。

その時、五木の子守唄正調保存会の人々が、彼に正調節を歌って聴かせてくれた。彼はそのメロディに感動し、涙が止まらなかったと言う。以後、コンサートでは、この正調節を弾くようになり。ファンのリクエストも多い。(楽器:二胡)

 

🎵競馬(楊興新編曲)

「スーホの白い馬」というモンゴルの民話に出て来る、モンゴル民族の夏祭の曲。男の子たちの勇壮果敢な馬の競争を表現したもの。この競争に勝つと、好きな女性にプロポーズできるという。ゴールを目指して沢山の馬が砂煙をあげ、全速力で疾駆する様子が、彼独特のアレンジによる馬のいななきや、ひずめの音でよくわかる。彼のコンサートでは大人気の曲。等々。

 

(👨👩いつも読んでくださってありがとうございます。私たちは、他力の風を受けるためにブログにいつも帆を張って待っています 。

まだ1万4000文字数だから、 意地悪して打たせなくしては、ダメです。)