Greyp Bikesはドイツ・ケルンで開催された「インターモト2016」で10月5日に「G12H」を公開した。通勤向けに設計された、ペダル付きの電動バイク。
Greyp Bikesは、2015年に「G12S」を発表したクロアチアに本拠をおく電動バイクメーカー。「G12S」は最高速度時速70キロで走行できるパワーと、ダートを走行可能なストローク量の多いサスペンションで話題となった。
今回公開された「G12H」は、通勤向けに設計された電動バイク。最高速度を抑え、その分航続可能距離を伸ばしている。1回の充電で走行可能な航続距離は、なんと最大240キロ。しかも充電に必要な時間をわずか80分にとどめた。
この仕様であれば、例えば片道20キロ程度の通勤をする人なら、週末に充電しておけば、1週間通勤できてしまうことになる。
通勤用電動バイクとはいえ、旅行にも便利だ。電動バイクは常に充電ポイントを気にしながら走らなければならないが、240キロ走行できるのであれば、そのような心配はほぼ不要となるだろう。
テレビ東京で放映されている「充電させてもらえませんか?」シリーズをご存じだろうか?この番組では、約3時間のフル充電で20キロ走れる電動バイクを使用している。バッテリーがなくなる度に充電させてくれるレストランや民家を探さなければならないが、そのような充電ポイントでの人々との触れ合いが番組の魅力のひとつとなっている。
例えば今年7月に放送された第5弾では、道後温泉からしまなみ海道を渡って、広島の厳島神社までの220キロを走行した。計算上では、その間、最低でも11回は電源を借りたことになる。
だがもし、この番組で「G12S」を採用したら、道後温泉から広島の宮島までの220キロを充電なしで走り切ってしまうのだ。番組としては面白くないものになるだろうが、一般的な旅行者にとってはこちらの方がうれしい。
実際のところ、最大航続距離240キロの電動バイクで220キロを走るのは不安ではある。途中、坂などが多ければ、必要以上に電力を消費してしまうかもしれないからだ。だが、「G12S」にはペダルが取り付けられている。短い距離であれば、自転車同様にペダルを漕いで走行してゴールできる。
「G12S」は、欧州では免許なしで乗ることができる。日本で公道を走るには保安部品類を取り付け、ナンバーを取得する必要がある。だが、ナンバーを取得できるとは限らない点には注意が必要。
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