「信頼には時間かかるが、怒らせるのは一瞬」「孤独に耐える強さないと、何かで失敗する」「酔った女は面白いが可愛気ない」 来店客らに反響
「信頼には時間かかるが、怒らせるのは一瞬」「孤独に耐える強さないと、何かで失敗する」「酔った女は面白いが可愛気ない」 来店客らに反響
高級クラブや料亭が並ぶ大人の社交場・北新地(大阪市北区)で、一つの冊子が話題を呼んでいる。接客時の注意を記した「ホステス心得帖(こころえちょう)~おもてなしの条件~」と題された冊子で、北新地社交料飲協会がホステスの質向上をねらい配布した。冊子にはさまざまな処世術がちりばめられており、一般社会での“心得”にも通じるとして、来店客らにも引く手あまただという。(入沢亮輔)
■「接客のすべてが載っている」
冊子は全48ページ。「飲み方と飲ませ方」や「同僚からの評判」、「経済生活の設計」などに至る10章で構成され、それぞれに10個程度の心得が記されている。
《お客様とお客様の関係を間違えぬこと。間違えたら、詫(わ)びても済まぬ場合が多い。信頼を築くのには時間がかかるが、怒らせるのは一瞬である》
《お客様の興味を示す話題に集中し、貴女(あなた)の興味本位にならぬよう注意すること》
ホステスの“イロハ”がふんだんに盛り込まれ、教育に重宝しているという。北新地の高級クラブ「CLUBのぶ」でも控室に冊子が置かれ、ホステスが休憩時に読み返している。ママの下西せりさん(36)は「接客のすべてが載っている。何かの度に注意するよりも文字の方が伝わりやすい」と話す。
ホステス側にも好評を得ている。昨年11月に5代目「北新地クイーン」に選ばれた同店の結菜さん(25)は「なおざりになることもあり、初心を取り戻せる」と訴える。
■「週に1~2回は禁酒、体は大切にしよう」
思わぬ余波もある。
《概して、同僚との付き合いは、充分に知り合う迄(まで)は深入りしない方が良い。何もかも開けっ広げていると、困ることができてくる》
《週に1~2回は禁酒、もしくは節酒日を決めて、体を大切にしよう。(中略)20代の不摂生は40代になって、てき面に現れる》
冊子にはホステスの世界だけではなく会社員らにも通じる心得も多い。
このため、来店した会社役員が「基本的なことが、これだけ凝縮されているものは見たことがない」と社員教育用に持ち帰ることも少なくないという。
冊子は、もともとは昭和55年に当時の理事長が作成した。一昨年に協会内の会報で再び掲載したところ、好評を得て、冊子も再発行することになった。
■「求められること、30年前と変わらぬ」
再発行にあたっては、言葉を現代風に置き換えたほか、着物やバッグに入れて携帯しやすいようにポケットサイズに。表紙のデザインも藤色に梅の花をあしらうなど凝ったものにした。
昨年11月に発行され、3千部が加盟約430店に配られたが、内外で反響を呼び、すでに“完売”。さらに3千部を増刷中だ。北新地社交料飲協会の東司丘興一理事長(63)は「求められることは、30年ほど前と今も変わらない」と話している。
「自分のセールスポイントは何か、よく心得ておくこと。何もなければ月給泥棒である」
このほか、ホステス心得帖に一般社会に通じる心得がいくつも綴(つづ)られている。主な心得は次の通り。
《美人には2種類ある。黙っていると美人というタイプと、喋(しゃべ)り出すと美人というタイプである。黙っていると美人というタイプは、3回で飽きる》
《お客様は、自分の何かについて、それをいち早く認められ、ホステスに誉(ほ)められたいものである。それが何であるか、早く見つけて、口に出し誉めること。貴女(あなた)だって、お客様に同じ事をしてほしいではないか。イヤ味の無いお世辞は、人間関係を良くする》
《酔った女は面白いが、可愛気(かわいげ)はない。女は惚(ほ)れた男の前以外は酔わぬのが花》
《自分のセールスポイントは何か、よく心得ておくこと。何もなければ月給泥棒である》
《孤独に耐える強さがないと、必ず何かで失敗する。誰も頼りにしないというぐらい強いことはない》
《男の最低の姿を見て、すべてを判断するな。男は、その人が思っているほど立派ではないが、ホステスが考えているよりは高級である》
《自宅はいつ来客があっても、恥ずかしくないようにしてあること。精神のだらしなさは、部屋の片付け方に現れる》
《商売は派手でも、生活は地味であること》
《ウエイターなど、裏方の人たちに威張らないこと。人間は、自分より立場の弱い人に対する態度で、その人の値打ちが決まる》
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