80話はこんな話
亀助(三宅弘城)は、ふゆ(清原果耶)に思いを伝えようとするも、どうにも素直になれない。
そうこうしていると、ふゆの父・日野彦三郎(上杉正三)と縁談の相手・洋傘屋の主人・山本平蔵(山本浩司)が加野屋にやってきた。
ライバル洋傘屋も好青年
今週は、サブタイトルどおり、ラブだらけや!
ドラマの折り返し以降は、あさがますます働く話になると思っていたら、
「こっちや、わしが興味あるのはこっちだす」(新次郎/玉木宏)とばかりに、
亀助とふゆの話が盛り上がる。「番頭さん、イケズだす」「そら、あんたのこと思ってるからや!」「いや、わてはあんたのお兄ちゃんやさかい」とベタなくらいラブストーリー。
新次郎は、徹底して商売よりも芸事や色恋事を好み、視聴者側に立った存在で居続けるが、彼及び主人公あさの恋愛話や夫婦話が落ち着いてしまっているので、周辺のひとたちの恋愛話が出てこざるを得なくなる。
近作だと「マッサン」の俊夫(八嶋智人)とハナ(小池栄子)のエピソードが、これに近い。俊夫とハナの決着がついたのは18週(2月の放送)で、ドラマ全体のもうちょっと後のほう。「あさが来た」はまだ14週。俊夫とハナはハッピーエンドだったが、はたして亀助とふゆは・・・。
亀助のライバル・洋傘屋役が、山本浩司という、生活者の喜びも悲しみもまるごとじつにリアリティーをもって演じられる名優で、イケメンや飛び道具的な俳優でなく、彼のような演技派をもって、展開の予想が容易にできなくなった。相手が山本浩司では、亀助もうかうかしていられない。
それよりも、彼も洋傘屋もどっちも不器用そうなキャラで、これだとふゆは、新次郎への思いを吹っ切れないのではないかと余計なお世話だが心配。
ドラマの折り返しのいま、前半、はつ(宮崎あおい/崎の大は立)を通して描いた、女が親の決めた相手のところに嫁ぐ状況を再び描くのはなぜなのだろう。改めて、女性が依然として不自由な時代であることを強調することで、今後のあさの活躍が、いっそう希有なものに感じさせたいのか。
などと、真面目に考えることを許さないかのように、またも五代(ディーン・フジオカ)登場。彼がまだふっきれてなさそうなもどかしい気持ちを描いて、引っ張る、引っ張る。
さらに、「男のわてかて時々惚れてしまいそうだす(新次郎のこと)」(亀助)と、BL好きにも刺さる台詞を用意する大森美香。素敵にどん欲である。
でも亀助は、ふゆにするか、新次郎にするかちゃんと選んで!
(木俣冬)
木俣冬の日刊「あさが来た」レビューまとめ読みはこちらから
あさが来たのレビューをもっとみる!
- おなごの社長になれ「あさが来た」76話
- あさが五代に会いに「あさが来た」77話
- 五代は新次郎に完敗「あさが来た」78話
- 新年の意外な主役「あさが来た」79話
- 亀助、新次郎に?「あさが来た」80話
クリックをお願いします↑↑↑↑