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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

イラク戦争を主導したアメリカのラムズフェルド元国防長官やアーミテージ元国務副長官に旭日大綬章授与。

2015年11月03日 | #安倍晋三が諸悪の根源

 

きょくじつだいじゅしょう【旭日大綬章】

日本の勲章の一つで、旭日章の最高位。2002年(平成14)8月の閣議決定「栄典制度の改革について」で制定された。それ以前は、明治期に確立した勲章制度により勲一等旭日大綬章とされていた。

翌2003年5月の閣議決定「勲章の授与基準」によれば、旭日大綬章の対象者は、「内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長又は最高裁判所長官の職にあって顕著な功績を挙げた者」とされており、さらに「国務大臣、内閣官房副長官、副大臣、衆議院副議長、参議院副議長又は最高裁判所判事の職(これらに準ずる職を含む)にあって顕著な功績を挙げた者」を1ランク下の旭日重光章またはこの旭日大綬章の対象としている。

ただし、実際の受章者には、功績の顕著な県知事や大企業経営者、労働組合幹部なども含まれている。授与式は皇居正殿松の間で行われ、天皇が勲章を親授する(親授式)。

◇英訳名はGrand Cordon of the Order of the Rising Sun。

画像:旭日大綬章・副章・略綬

 

 
 今年の秋の叙勲の受章者が発表され、各界で功労のあった3964人が受章することになりました。
 
 このうち、外国人叙勲では最高の旭日大綬章5人がアメリカ人で、しかも聞いたような名前の人ばかりなので驚きました。
 
 
 ラムズフェルド氏って、フォード大統領のときとブッシュ大統領のときの二回も国防長官をやった産軍複合体のリーダー的な人です。
 
 特に、イラク戦争を開始したブッシュ政権の中でもチェイニー副大統領と並ぶ最強硬派で、イラク戦争を批判して参加しなかったフランスやドイツを「古いヨーロッパ」などと激しく批判した人です。

ラムズフェルド―イラク戦争の国防長官
アンドリュー コバーン (著), Andrew Cockburn (原著), 加地 永都子 (翻訳)
緑風出版

ブッシュ政権でイラク戦争を主導したラムズフェルド米国防長官とは、いかなる政治家なのか?
本書は、ペンタゴンのトップとして二度にわたり君臨し、武力外交を展開したネオコンのリーダーの実像を浮き彫りにし、米国政治、とりわけブッシュ政権の内幕を活写した力作。
本書を読むとアメリカの政治、外交政策がいかに大企業と経済界の利権に左右されて動き、世界各地で戦争や悲劇をひき起こしているかがよくわかる。




 さらに、同じブッシュ政権の国務副長官だったアーミテージ氏って、あの日本を操るネオコン、ジャパンハンドラーの筆頭格で、小泉政権にイラク戦争に参戦しろと強く促したことで知られる人です。
 
 安倍内閣はよほどイラク戦争を「良き戦争」と思っているのか。
 
 
 
 ちなみに、安倍政権が強引に成立させた安保法制は、2012年に公表されたアーミテージ・ナイレポートと言われる報告書の中身を実現したものだということが知られています。

 このアーミテージ・ナイレポートでは、

「日本が今後世界の中で『一流国』であり続けたいのか、あるいは『二流国』に甘んじることを許容するつもりなのか」

「一流国」であり続けようとするのなら、国際社会で一定の役割を果たすべきである」

「自衛隊の「時代遅れの抑制」を解消することが大事だ」

と言い切り、これを受けて安倍政権が死守したのが、集団的自衛権の行使を認める安保法制というわけです。

 露骨と言うかなんというか、よう、こんな人らにこのタイミングで勲章やりますなあ。

 

 そもそも、わたくし、叙勲制度と言うのがナンセンスだと思っているので全く興味がなかったのですが、今回初めて調べてみると、内閣府のHPの「勲章の種類及び授与対象」によれば、旭日章と瑞宝章は「国家又は公共に対し功労のある方」が対象で、その中でも旭日章は「功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた方」となっています。

 ちゅうことは、旭日大綬章受章者は、「日本の国家や公共に功労のある方で、最高に顕著な功績を挙げた方」、ということになるんですが、ラムズフェルド、アーミテージ両氏って、安倍政権から見たら日本に何をしてくれたということなのでしょうか。

 この前、安倍首相の後継者と目される稲田朋美自民党政調会長がアメリカに行ったときに、アーミテージ氏から

「安全保障関連法の成立に対する強いサポートに感謝する」

と主客転倒なことを言われたばかりなんですが、むしろ、これからアメリカの戦争を助太刀したり、アメリカからバカスカ高いF35戦闘機やオスプレイを買う安倍首相が、米国国防総省勲章をもらった方がいいんじゃないかな。

訪米中の稲田朋美氏にアーミテージ氏が「安保法制の成立に対する強いサポートに感謝する」の本末転倒。

 Defense Distinguished Service Medal.png

 

 

普通、外国人叙勲って日本に対して功績があった人だから、もらうのは元駐日大使とかでしょ。

それなのに、ラムズフェルド・アーミテージ氏以外も国防関係がほとんど。

しかも日本人の方も、瑞宝大綬章が元統合幕僚会議議長の石川亨氏ただ一人とか、旭日大綬章に清原武彦元産経新聞社社長とか、なんなの一体!?

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SEALDs 民主主義ってこれだ!
SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動) (編集)
大月書店

写真:メンバー自身の撮影によるデモや抗議行動、日常風景など 。アートワーク:SEALDsの特徴である洗練されたデザインのフライヤーや映像 。スピーチ:一人ひとりの言葉で語られたスピーチを厳選して収録 。メンバー証言:それぞれの来歴や参加のきっかけ、SEALDsへの思いなど 。メンバー座談会:初期メンバーが前身であるSASPLの誕生から現在までを振り返る 。

対談:高橋源一郎(作家)と中心メンバー奥田愛基が語る「民主主義とは?」 。著名人・識者からの応援メッセージ:茂木健一郎、高畑勲、後藤正文、小林節 ほか


検証・安保法案 -- どこが憲法違反か
長谷部恭男 編
有斐閣

安保関連法案のどこが憲法違反にあたるのかを読み解く。衆院憲法審査会で「憲法違反」の見解を示した長谷部恭男教授を編者に、元内閣法制局長官、元内閣官房副長官補、新進気鋭の憲法学者が、法案の問題点を指摘しつつ立憲主義のあるべき姿を追い求める。 

 

砂川判決と戦争法案 最高裁は集団的自衛権を合憲と言ったの! ?
内藤功(元砂川事件弁護団) (著), 新井章(元砂川事件弁護団) (著)
旬報社

あの砂川事件最高裁判決が、集団的自衛権の行使を憲法違反ではないという論拠になるはずがない。
安倍政権の戦争法案に関する合憲性の主張は明らかに間違っている。
こんな無茶なゴリ押しには弁護士として黙っていられない。


 
憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)  長谷部恭男  筑摩書房
 
日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。本書は、立憲主義の核心にある問い―さまざまな価値観を抱く人々が平和に共存するための枠組みをどう築くか―にたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす試みだ。情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。


政府の憲法解釈
阪田 雅裕 (著)
有斐閣

本書の主な内容である憲法第9条の解釈問題は、現実的には政府の解釈が最終的なものとなっている。憲法第9条の文言の現実の姿は、本書に紹介された政府の解釈によって描かれる。


これが憲法だ!
長谷川恭男、杉田敦 著
朝日新聞出版

国の安全に関わる重要な問題を、内閣法制局や憲法学者だけに任せていていいのか?圧政に苦しむ人々を、助けに行かなくてよいのか?憲法で縛るより、国会でその都度議論すべきではないのか?日本国憲法をめぐる最重要論点を、いま最も注目の憲法学者と政治学者が徹底討論。憲法学の現状への痛烈な批判も飛び出す、スリリングで最先端の憲法対論。



憲法は本来、国家権力の暴走を縛るためのものである。だから、改憲には厳格な「作法」、ルールが存在する。
憲法学者・水島朝穂が、立憲主義の本質から解き明かす"憲法論"の決定版!


すぐにわかる 戦争法=安保法制ってなに?
戦争をさせない1000人委員会 (編集)
七つ森書館

国会論戦がつづく「戦争法」(いわゆる安保法制ともいう)の分かりやすい解説と、それに反対する著名人の声を一冊にまとめる。また、第一次安倍内閣からの改憲策動、教育基本法改悪、秘密保護法、武器輸出三原則、国家安全保障戦略(NSS)などを踏まえて、戦争法=「安全保障法制」の理解を深める。

 

「安全保障」法制と改憲を問う
山内敏弘 著
法律文化社

新たな「安全保障」法制によって、日本は「戦争をする国」へと変わるのか?!“解釈改憲”による違憲な法整備を検討するとともに、立憲平和主義の根幹を揺るがすこととなる“明文改憲”についても批判的に考察。歴史的岐路に立つ私たちへの著者渾身の警鐘。

 

砂川事件と田中最高裁長官
布川玲子 (著, 編集), 新原昭治 (著, 編集)
日本評論社

60年安保改定交渉の山場に出された砂川事件伊達判決は、米国にとって途方もない脅威だった。極秘だった新資料によって裏舞台を暴く。伊達判決をつぶし60年安保改定を強行した裏舞台の全て。

1959年安保改定交渉大詰め時の米解禁文書群から執念で発掘した極秘文書等22の新資料を網羅、整序する。日米政府にとって駐留米軍を違憲とした伊達判決がいかに脅威であったか、それを葬るためにいかなる作戦が秘密裏に謀られたか、その中で、田中耕太郎最高裁長官が大法廷で覆すことをどんなふうに米国と裏約束したのか…、基地問題、集団的自衛権など、日米同盟の深化に向かう今日の日本の国のかたちを決定づけた時期に司法の果たした役割がいま明らかにされる。

 

 

毎日新聞 2015年11月03日 東京朝刊

 政府は3日付で2015年秋の叙勲受章者を発表した。今回最高位の桐花大綬章は竹崎博允前最高裁長官(71)が選ばれた。俳優の北大路欣也(本名・浅井将勝)さん(72)、プロゴルファーの青木功さん(73)らに旭日小綬章が贈られた。受章者は桐花大綬章1人、旭日章919人、瑞宝章3044人の計3964人。女性は362人で全体の9・1%だった。民間人は1751人で全体の44・2%となり、03年の制度改正後、最高の割合だった。

 旭日大綬章は太田誠一元農相(70)、清原武彦元産経新聞社社長(78)、白川勝彦元自治相(70)、細川律夫元厚生労働相(72)、幕田圭一元東北電力社長(80)、村田吉隆元国家公安委員長(71)、横田尤孝元最高裁判事(71)に贈呈された。瑞宝大綬章は石川亨元統合幕僚会議議長(71)が受章した。

 芸術文化分野では俳優の三田和代さん(72)らが旭日小綬章を、沖縄の八重山古典民謡演奏家の宮良康正さん(75)、元将棋棋士の大内延介さん(74)らが旭日双光章を受けた。産業振興分野は俣木盾夫元電通社長(76)らが旭日重光章を、星野恭亮旭イノベックス社長(70)らが旭日双光章を受けた。

 学術研究分野はヒトゲノム計画で優れた業績を挙げた榊佳之東大名誉教授(73)らが瑞宝重光章に選ばれた。医療・福祉分野では高谷雄三福島県医師会会長(77)らが旭日小綬章に決まった。

 「人目につきにくい分野」では20年以上にわたり、人権擁護委員として貢献した船木清子さん(70)=青森市=らが瑞宝双光章を受けた。

 別枠の外国人叙勲は38カ国・地域で、受章者数は過去最多の89人(うち女性は21人)。ラムズフェルド元米国防長官(83)、リチャード・アーミテージ元米国務副長官(70)、柳明桓元駐日韓国大使(69)、ブラジルの日系2世ジュンイチ・サイトウ前空軍司令官(73)、ヘルマン・ファンロンパウ前欧州連合(EU)大統領(68)らが旭日大綬章を、米大リーグ歴代2位の通算755本塁打をマークしたハンク・アーロン氏(81)らが旭日小綬章を受章した。

 大綬章は天皇陛下、重光章は安倍晋三首相が5日に皇居で授与する。

 

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7 コメント

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アメポチもここまで来たかという感じ (AS)
2015-11-04 00:54:00
―ですね、本当に。
もしかして、安倍がハドソン研からハーマン・カーン賞を受けてるからその返礼かな?
この賞、「保守的立場からアメリカの安全保障に貢献した、ビジョンある指導者」に贈られることになってます。
返信する
昨日今日の話じゃないでしょ? それにしてもネオコンばかりだな。 ()
2015-11-04 03:05:04
 安倍の親戚の栄ちゃん、マシリトの親父らが本土空襲で有名なカーチス・ルメイに勲一等旭日章をやってる。本土空襲での約24万から100万人だそうだ。複数回の東京空襲と2発の原爆の合計だけで24万くらいは超えそうだから数十万は殺したろう。
 東京大空襲や原爆から叙勲は不適切ではないかという質問に佐藤は「今はアメリカと友好関係にあり、功績があるならば過去は過去として功に報いるのが当然、大国の民とはいつまでもとらわれず今後の関係、功績を考えて処置していくべきもの」と答えたそうな。
 ルメイは
>戦後、ルメイは「我々は東京を焼いたとき、たくさんの女子どもを殺していることを知っていた。やらなければならなかったのだ。我々の所業の道徳性について憂慮することは―ふざけるな」と語った
>「もし戦争に敗れていたら私は戦争犯罪人として裁かれていただろう。幸運なことにわれわれは勝者になった」
 こういう輩に最高位の勲章を与え続けるのだから、妖怪や893のとこが、まあ、どういう家系、どういう教育をしているか良くわかるわ。
  よほど日本人が嫌いで憎いんだろう。
返信する
DVさながら (杉浦ひとみ)
2015-11-04 03:14:33
1945年3月10日の東京大空襲を指揮したカーチス・ルメイに、1964年12月7日、勲一等旭日大綬章を授与したことを思い出します。
ルメイへの叙勲も信じられませんでしたが、憂うべき今の日本のシナリオを書いてくれているアーミテージにもですか。
DVさながたらの共依存でしょうか。
返信する
カナダも... (僭越ながら バードストライク)
2015-11-04 05:18:21
https://mobile.twitter.com/kenkouninaru/status/661356641586049025/photo/1
【日本は?】カナダ国民の選択は「米国の軍事的属国にはならない!」~米国主導のIS爆撃からカナダ軍が離脱 健康法.jp/archives/8303 pic.twitter.com/A939fRU4aj


アメリカと地続きのカナダは、若き新首相の下、対米追従路線を変更。
「北米 」の名詞で、アメリカと一括りにされることの多いカナダだが、安全保障の面では、部分的かもしれないが独立に成功したようだ。
欧州もアメリカ一辺倒から離れつつある。

翻って、70年間、「鬼畜 」の傀儡であり続ける、わが日本国。独立国とは思えぬ異常さ。
日本壊国を指示した勢力を叙勲、という現象が端的だ。
暗澹...。
返信する
重く伸し掛かる十字架 (リベラ・メ)
2015-11-04 08:40:26
Iraq戦争は、私にとって生涯背負い続けなければならない十字架なのです。どれだけ伸し掛かって来ても、決して振り払うことの出来ない、重い重いものです。“中東”“America”の二文字を見聞きする場合度に“より重く”伸し掛かるのです。今回の叙勲で、伸し掛かる十字架の重みは“更に”重みを増しました。
返信する
Unknown (とら猫イーチ)
2015-11-04 11:38:37
 太平洋戦争で、第四師団傘下の歩兵第八連隊の一兵士として、バターン半島で、米比軍の陣地目がけて突撃し、左脚貫通銃創を負った亡父が貰ったのは、最下級の金鵄勲章でした。

 亡父の葬儀の後で、軍歴を克明に記した軍人手帳を読み、勲章では、無くて、この手帳が親父の宝物だったんだな、と悟りました。 

 所属は、歩兵第八連隊の第一大隊、第一中隊、の第一小隊、と、死ぬまで言っていました。 

 小隊長は、突撃時に戦死し、准尉も戦死、親父の後に残られた戦友の方も数年前に亡くなり、残る方は、今や無し。 

 親父、今、生きていたら、何と言うかな。。。
返信する
Unknown (ぱよ)
2015-11-07 16:15:23
この叙勲を見て周りの国がどう分析するか
それが答え
返信する

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