いや~ご無沙汰です。
いろいろ書いてみようと思う度にヤヤコシイ入院があったり、その他諸々とてもにぎやかで充実した毎日です。
とりあえず、みなさんに気をつけてほしいケースがあったので紹介します。
ある日、9歳のミニチュア・プードルちゃんが来院しました。
4日前に嘔吐し、食欲も低下しているとのこと。
「何かいつもと違うオヤツを与えたり、食べ物でないものを咬んでしまったりするクセはありますか?」と私が聞くと、「タコのオモチャを咬んだかも…」と飼い主さん。
お腹を触診してみると、上腹部あたりで何かに触れ、突如「キャン!」と短く悲鳴をあげました。
注意深くもう一度触って、そこに触れると、やはり「キャン!」と悲鳴をあげます。
「明らかに何かあるぞ」とエコー検査をしてみると……
何だこのトゲトゲしたものは? こういうのは見るのは初めてだけど……
やはりトゲトゲしている……なんだこれは??
レントゲン写真を撮ってみると……
やはりトゲトゲした金属系…この形どこかで見たことあるな~?
私は、あるものを思いつき、それを飲み込んでしまった可能性を飼い主さんに質問すると…
やはり予想通り…みなさん何だかわかります?
手術にて胃から取り出されたものは……
なんと!イカ釣り用の釣り針でした!!
この子は4kgほどの小型犬なのに、長さ11cmもあるこのトゲトゲ針を飲み込んでしまったのです!!
飼い主さんのおじいちゃんが釣り好きのようで、おいしそうな匂い(プラスティックの部分に餌となる魚などを突き通して使うようです)につられて飲み込んでしまったみたいですね。
ずいぶん前ですが、30cmくらいのキッチンナイフを飲み込んでしまったブルドックの話をテレビで見た記憶があります(長いので胃には到達せず、食道内に…)。確かケーキを切ってクリームがついたままだったから、その甘い誘惑に負けてしまった…という話でした。
ググってみたら、似たようなケースがいくつかあるようですね→ http://www.excite.co.jp/News/world
筋肉質で食欲旺盛なワンちゃんは、大きなものでもあっという間に飲み込んでしまうしまうので特に気をつけて下さい!
犬の嗅覚は、人より少なくとも1000倍は鋭い――ものによっては100万倍~1億倍の検出感度らしい――ので、こんなに小さな子でも、時に飲み込んでしまうのです。
こういうのは予防が第一なので、みなさんも気をつけてくださいね!