地域のために、利用者さまのために

REHA planning(リハビリ訪問看護ステーション東大阪)での日々の業務や、勉強会等の様子をお伝えしていきます。

長坐位いす

2015-10-15 | 自主練習、姿勢調整

朝晩、冷え込んできましたね

理学療法士の丹野です

長坐位いすを作製しました

投げ出し座りの姿勢を取りやすくするためのいすです

長い板をコーナンで購入し、体に合わせてカットし、ボンド付けした状態です

週刊少年ジャンプ達に囲まれて、型崩れすることなく固まっていっています

  

ネジを打ち込み、固定しました

クッション(パネルマット)をカットして、張り付けて完成

姿勢筋緊張の動揺がある利用者です

足をあぐら状態で安定させ、さらに体幹の右側が安定(セラピストの右腕)すれば、両手を支持として使用でき、

わずかに姿勢を保持できています

その介助をいすの力でサポートしようというわけです

足を大きく覆うベルトと胸ベルトを追加しました

姿勢を保持できています

右手を支持として使用しながら、左手でバケツ内の積み木をつかみ出すことができるようになりました

セラピストの介入をモノで代用し、いい姿勢を保持しながら、抹消部の巧緻性を促していく

そこを狙っています

本人も楽しそうでした

今回の写真掲載に関しては、顔出しも含めて了承を得ています


アテトーゼ型脳性麻痺をもつ主婦の日常生活における工夫

2015-08-25 | 自主練習、姿勢調整

こんにちは、作業療法士の加藤です

本日は私が担当させていただいている利用者様で、アテトーゼ型の脳性麻痺を持つ主婦の方の、台所仕事における工夫の紹介をさせていただきます。

その前に、アテトーゼ型の脳性麻痺というのは、どのような症状なのかを少しかいつまんで説明させてもらいます。

「定まった姿勢を持たない」「筋の緊張が激しく動揺する」

 私たちが効率よく動くには、重力に負けずに姿勢を保っておけるくらいの高い筋活動力を必要としますが、あまり硬くなりすぎては自由に動けないため、高すぎず低すぎない、ちょうど良い筋の緊張状態を常に調整する必要があります。しかし、アテトーゼ型の方は、極端に高い緊張状態から低い状態へというように、筋緊張が激しく変動し、ちょうど良い状態を保つことが非常に難しいという特徴があります。

不随意運動

 自分の意図とは関係なく、勝手に体が動いてしまうことを不随意運動と言います。特にアテトーゼ型の不随意運動では全身的に体を捻じりながら、四肢を左右非対称に曲げ伸ばししてしまうような運動が生じることが多い印象です。

これらの症状は、自分で動こうとする際に、より強まりやすい傾向があるのですが、これらの症状をなるべく小さく(緊張の動揺の幅を少なく)したまま、台所仕事を実行していくための工夫を紹介させていただきます 

 1つめ

 

 電子レンジで熱くなった器を運ぶ際に、耐熱皿に載せて運ぶこと。

 熱さの加減として、ミトンで十分に対応できるとしても、「もしかしたら熱いかも」とか「ずっと持っているうちに熱くなるかも」といった不安な要素があると、それにより精神的な緊張が高まります。そうすると、特に障害を持っていなくても、自然と肩に力が入ってしまったりしますが、アテトーゼ型の方は、より深刻で、力が入りすぎるということにとどまらず、不随意運動なども強めることになりかねません。耐熱皿に乗せることで、確実な安心とリラックスが得られ、安全に器を運ぶことができます。

2つめ

立ち仕事は、お腹を軽くもたれさせて、腰を休めながら

 この方は、普段からの非対称な姿勢や運動のしわ寄せが、首や腰の左側にきやすい傾向にあります。このような局所的な筋の疲労は、より強い姿勢の非対称を生み、さらには筋緊張の動揺、不随意運動を強めることがあります。それを予防するためにも、機能的かつ楽な姿勢で行えるように、環境の設定を行うことも大事なことのようです。ジャガイモの皮むきなど、長時間の作業はダイニングで座って行うとの事でした

 以上、利用者様にご協力頂き紹介させていただきました何気ないですが、このような小さい工夫の積み重ね、体への気遣いが非常に大事なのだと改めて気づかされました。

 写真の掲載にあたり、ご本人様に了承を頂いております


試作 お風呂用 床坐位椅子 (^^)/

2015-07-15 | 自主練習、姿勢調整

こんにちは、作業療法士の加藤です

今回は、在宅の環境設定の実践報告です

脳性麻痺などの影響により、体を自分でしっかり起こしておくことができないと、日常場面において様々な大変なことがあります

お風呂もその場面の一つです。現在、私の担当させていただいているお子さんは、ヘルパーさんの介助による入浴サービスを使用しているのですが、洗体動作は、浴室にマットを敷き、その上に寝転んで行っています。

しかし、だんだんと体が大きくなってきていることもあり、自宅のお風呂での洗体が少しずつ行いにくくなっているということでした。加えて、日常場面で、少しでも介助に協力できるような設定を考えたいというお母さんの思いもありましたので、洗体場面で自分で座っておける環境設定を考える運びとなりました

以前、床坐位用の木製の椅子を作ったお子さんなのですが、木製ではお風呂では使えないので、お風呂でも使える素材で加工のしやすいものを探すところから始めました。ということで、見つけた素材が…

これです。ホームセンターで買いました。柔らかいプラスチック製のバケツです。写真は切り込みを入れたところです。

バスマットを底と背面に設置しました。見た目の不安定感は否めませんが、座ってみると割と安定してます

実際に座ってもらいました。あぐらが比較的得意なので、太ももの位置に合わせて切り込みを入れました。前方向にグニャッと倒れこんでしまいやすいお子さんなのですが、なんとか座位を保ててます。

裸だと、バケツの切込み部分が当たることで皮膚を痛める可能性があるのでタオルを敷きました(現在は、ヘルパーさんが上手に柔らかい素材の滑り止めマットを挟み込んでくれています)。

今回のポイントとしては、「自分で坐位を保てること」「スペースをとりすぎないこと」「清潔の保ちやすさ」という点に重点を置いています。ヘルパーさんに実際に使ってもらったところ、頭を洗うことは行いやすくなったと言ってもらっていますしかし、時間経過と共に、頭の重さで右前方に少しずつ倒れてしまうことや、お尻はむしろ洗いにくいことなどがあり、体幹機能の強化や手の支持の強化を進めるとともに、設定も考え直す必要がありそうです

と、お風呂での使用はこんな感じでした。しかし、この間、家族旅行で旅館に行った際に、持って行ってくれたようなのですが、畳の部屋で寝ころぶだけでなく座っている姿勢もとれたのがよかったという評価もいただけました木製よりも軽いので持ち運びもしやすいとのことでしたいろんなシチュエーションで姿勢のパターンが増えることは非常に良いことと思います。結果オーライ、良かったです

写真の掲載にあたり、ご家族の了解をいただいております


手作り! 四肢麻痺児用、プールでの浮きユニット(^^)/

2015-07-08 | 自主練習、姿勢調整

こんにちは、作業療法士の加藤です

おかげさまで、ブログ開設から1000日経過しました。今後ともよろしくお願いします

さて、少しずつ蒸し暑くなってきていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

今回は、またものづくり名人のお母さんの作品紹介です

これです紺色のシート以外は、例のごとく100円均一ショップにて材料をそろえたとのことです

うつ伏せは、得意な姿勢なので、みんなと一緒にリラックスしてプールを楽しめたようです

毎度のことながら、アイデアがすごいです。勉強になりました

写真の掲載にあたって、ご家族のご了承をいただいております


熱中症に注意!!②

2015-05-27 | 自主練習、姿勢調整

こんにちは、作業療法士の加藤です

暑くなってきましたねでも、朝晩はまだ涼しいので、ついつい暑さ対策を怠ってしまいがちです。

この時期でも、日中の気温は30度まで上がったりしていますので、こまめに水分を取るなどして、熱中症の予防を心がけていきましょう

ところで、この間、脱水症状の簡単な見分け方というものが、新聞記事に載っていましたので、紹介したいと思います。

方法

1:親指の爪を白くなるまで押して、パッと離す

2:爪の色が赤色に戻るまでの時間を測定する

 というものです。

 脱水症状がなければ、すぐに戻ります。

しかし、1.5秒ほどかかるなら軽度の脱水

     1.5~3秒ほどなら中等度の脱水

     3秒以上なら重度の脱水症状があるということでした。

自分の体調管理はもちろん、小さいお子さんやお年寄りの方の脱水症状の有無の判断に非常に有用ではないかと思います

ぜひ、ご参考ください