こんにちは 理学療法士の丹野です
おそらく、年内最後の投稿となります
今年も一年、多くの方に拝見していただきました
ここに、感謝の意をお伝えいたします
第5回日本小児理学療法学会学術大会に参加してきました
分科会連合での学会ではなく、分科学会としては初めての学術大会で、
テーマは、『小児理学療法 アートとサイエンス』でした
まさに、臨床での経験と、科学的根拠の双方的な働きかけ、照らし合わせの機会となりました
特別講演が2題、臨床セミナーが2題、シンポジウムが1題、その他、一般演題48題、ポスター演題40題と多種多様な内容でしたが、
初日のみの参加となったため、ここに伝達します
専門的な内容になってしまいますが、最後まで読んでいただけたらと思います
理学療法士協会の重役が多数出席しており、大会に対する力の入りようがひしひしと伝わってきました
ボバース関連の学会ではよく言われていることですが、科学的根拠との照らし合わせを意識した発表が多かった印象があります
3つの会場に分かれていたので、聴講した5つの講演について伝達することにします
①まずは、大会長の日浦先生による「小児理学療法 アートとサイエンスの世界」ですが、普段聞き慣れた講義内容ではあるものの、
科学的根拠を意識し、またあえてボバースという単語を使わずに、わかりやすくお話しされていたのが印象的でした。
②次に、工学を専攻されている浅田先生による「もし、ロボットが痛みを感じたら」ですが、ロボットを医療に活用する最先端の世界を話していただきました。
AIの発展で、人間に近い、また人間以上の働きができてきている反面、患者と共感することや、患者の気持ちをイメージすることの難しさを問われていました。
③「痙縮に対する評価と治療」をテーマにした花井先生は、ボトックス治療を効率よくするためにどうすればよいかの内容をお話されました。
花井先生は、GMFCSのレベルを考え、注射とハンドリングを同時に行いながら、最適な部位、最適な量を探しながら施注していくとのことでした。
そうすることで、一部の筋レベルではなく、QOLの改善につながりやすくなると感じました。
④続いて、一般演題5題を聴講しました。支援学校等で働かれている先生方の発表でありましたが、総じて、他職種との連携のメリットデメリットを、実体感をもとにお話されました。
病院や医療機関だけではない場所でのセラピストの活躍に、新たな可能性を感じました。
⑤最後に聴講したのが、脳性麻痺を患いながら現役の医師として活動されている熊谷先生による「動きの誕生 身体外協応構造」でした。
「リハビリの夜」の著者でもある先生は、当事者(患者とは言わない)としての立場を非常に重要視され、良かれと思ってやる「先回り行為」に注意し、当事者が望む行動、タイミング、声かけを共有することが大事であるとおっしゃっていました。
また、あらゆる事象に対するレビュワーに、当事者を入れる運動も増えてきていることを教わりました。
「科学的根拠」、「共感」、「共有」、「当事者」などを強く感じさせられた学会であり、小児に携わる立場としては、アップデートできて非常に満足しています。
また、懐かしい先生方や、お世話になった上司、学生時代の恩師にも会うことができました
みなさんに一歩でも近付けるよう、また頑張らないと