作業療法士の加藤です。だいぶ、間があいてしまいましたが、「腰痛について」の続きです腰痛改善のために、どのようなことに、気をつけるべきなのか、どのような体操をするべきなのかを、考えたいのですが、その前に、腰痛の原因について、もう少しまとめたいと思います
以前のブログには、腰痛の内、約8割が原因がよくわかっていないとされていることを紹介させていただきました。
そして、原因を特定できない腰痛には、背景として「姿勢の悪化」が潜んでいるのではないかということを書きました。なんとなく、イメージがつくような気もしますが、もう少し詳しくまとめてみたいと思います
姿勢が悪化する際には、「脊柱の並び方の変形」ということが、同時に起こっているのですが、この脊柱の並びが崩れてしまうことで、脊柱周辺の筋肉や靭帯にひずみが生じ、痛みが出ているのではないかということです。
正常な脊柱のS字カーブ 脊柱のS字カーブの破たん例
脊柱は、上の図のように、適度なS字カーブ状に、脊椎が配列して構成されています。このS字カーブは、人間が直立歩行を獲得していく過程で、形成されたもので、
①重力によって受ける脊柱への負荷を分散させるためのサスペンションの役割
②頭部の重さを支えるための筋肉の負担を軽減する役割
があります。
よって、このもともとのS字カーブが崩れてしまうと、脊柱にかかる分散がうまくいかずに、1点に負荷が集中しやすくなったり、その周辺の筋肉も疲労しやすくなります。筋肉の疲労は、筋肉自体の痛みにつながります。また、筋力によるサポートが弱ることで、関節周囲の靭帯なども、負荷が強くなり、傷んでしまうことも考えられます
特に、腰の部分は、身体の重心位置に近いということもあり、正常の脊柱であっても、静止立位時には、体重の60パーセントの負荷がかかるとも言われています。なので、S字カーブが崩れた脊柱の腰部には、もっと強い負荷がかかりやすくなります。以上が、姿勢の悪化と腰痛発生の因果関係だと思います。
よって、腰痛を予防するためには、当たり前の話ですが、腰への負担をとにかく減らすことが大事です。ちょっと長くなってしまいました…。次回の腰の回では、どのような状況が、腰への負担を増悪させるのか…ということをまとめて、そこから、どのようにして予防していくかということも考えてみたいと思います
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